クロスオーバーネタです。恋愛、腐要素なし。捏造多々あり。鬼徹目線で話が進みます。ありふれキャラは最後にエヒト神が少し出てくるだけで、タイトルは未回収です。
「閻魔大王!!鬼灯様!!!」
一人の若い獄卒が慌てた様子で閻魔大王と鬼灯の元に向かう。その光景は日常茶飯事のものであるが、今回の要件は、何時ものとは比べ物にもならない物であった。
「どうしたんですか?」
「今、複数の倶生神たちから担当している人間が消えたと言う伝達がありました!!」
「え?どういうこと?」
「詳しく説明をお願いします」
若い獄卒が言うには、◯◯県にある〜〜高校のひとクラスに在籍する生徒たち全員と、一人の教師が突如現れた魔法陣により、倶生神――人間一人につき2人で担当し、善い行いや悪い行いを記録する神様――を残し、その場から消えてしまった。そして倶生神たちは慌てて担当する人間の場所を探ってみても、該当する反応が得られないのだと言うこと。
「えー!何それ!?」
閻魔大王は驚いた様子を見せる。反対に鬼灯は口元に手を置き、その報告を冷静に判断していた。
「魔法陣……それは恐らく召喚系のものでしょう。取り敢えず、その担当が消えた倶生神たちを連れてきて下さい」
「分かりました!」
若い獄卒は急いで立ち去る。
「召喚かー。そう言えば鬼灯君もあったよね」
「ええ。召喚事態は然程珍しいものではありませんからね。しかしそれは人間が妖怪や悪魔などを召喚する場合であり、今回の様な人間が召喚される立場は異例中の異例です。それも倶生神が感知できない場所へと召喚された。それは本当に不味い状況ですね。烏天狗警察にも協力を仰ぎましょう」
鬼灯は烏天狗警察に連絡を取り、現場の調査を依頼した。
そして若い獄卒が戻って来て、直接倶生神たちの話を聞くが、魔法陣は天之河光輝という一人の男子生徒の足元から発生されたこと以外、新しい収穫は無かった。
次に浄玻璃鏡からの調査に移り、当時の現場を見る。そしてそこから魔法陣がどのような形であるのか分かり、紙に書き写していく。
「どう?その魔法陣が何処のものか分かりそう?」
「いえ、分かりません。私の知識にはない魔法陣ですね。……仕方ありません。アイツに頼るとしましょう」
「アイツって、白澤君のこと?」
「はい。それでは大王、私は極楽満月に行くのでくれぐれも仕事をサボらないでくださいね」
「わ、分かってるよ〜」
そして鬼灯の形相に怯える閻魔大王を後にし、鬼灯は極楽満月がある桃源郷へ向かった。すると途中で、仙桃の収穫をしていた桃太郎に出会した。
「あ、こんにちは鬼灯さん。どうしたんですか?周期はまだだったと思うんですが?」
「こんにちは。いえ、今回は別件です。白豚はいますか?」
「はい。白澤様なら店の中にいま「最低!!」
桃太郎の話を遮るかのように女の子の大声が聞こえたのと同時に、店から桃太郎の足元まで吹き飛ばされ、まるでシャチホコみたいな姿になっている白澤。そして女の子は怒った様子を見せながら、店を去っていった。
「はぁー、またですか白澤様。何か今月吹き飛ばされるの多くありません?」
「……いや、まだ5回。最高記録には到底及ばないね」
「マジかよあんた」
どうやらシャチホコの姿のせいか、白澤はまだ鬼灯の存在に気づいていないようだ。そして体勢を元に戻し、顔を上げようとした瞬間、
「ごへぇっ?!」
「本当女性の皆さんは優しいですよね。こんな奴に平手打ちのみだなんて」
白澤の頭上から鬼灯が金棒を振り下ろし、頭が地面にめり込むほど叩きつけられた。そしてようやく鬼灯の存在に気づいた白澤は、鬼灯に向け文句を言うべく、地面から頭を引き抜き、今度こそ体勢を整えた。
「何すんだお前!!」
「私はただ女性方の鬱憤を晴らしてあげただけです。大量受苦脳処地獄に堕ちてしまえ」
「うるせー!!鬱憤晴らしの暴力ならお前じゃなくて、女の子たちから直接受けたいわ!!」
「え、いよいよMにも目覚めたんですか?うわー」
「違うわ!!」
このままでは埒が明かないと思った桃太郎は、取り敢えず店の中に入ることを提案した。その言葉に二人は喧嘩を一時中断し、大人しく店の中へ入る。
「それで?何の用で来たんだよ」
「貴方、この魔法陣が何なのか分かりますか?」
「魔法陣って…。魔法関連は僕専門じゃないんだけど」
「おや?万物の知識に精通すると言われる貴方が分からないですか?はぁ〜、これだから白豚は」
煽ってくる鬼灯に対し、白澤の顔に血管が浮かび上がる。その様子に呆れながらお茶を用意する桃太郎。
「専門じゃないってだけで、出来ないとは言ってねぇし!!神獣なめんな!!」
白澤は鬼灯の手元から魔法陣が描かれた紙を奪い去り、まじまじと見る。すると何かに気づいたのか、驚いた様に目を見開く。
「……なぁお前。こんなの何処で知ったの?」
「実は――――――…と言うことがありまして」
ことの有り様を全て話し、桃太郎が話の途中で持ってきたお茶を鬼灯は飲む。
「え?!何ですかそれ…?!まるで最近流行りの異世界召喚みたいですね…」
「うん。多分桃タロー君の言う通りだろうね」
「え?!!」
まさか賛同されるとは思ってもいなく、桃太郎は驚いた声を出す。そして白澤が紙に描かれた魔法陣を手に持ちながら説明を始める。
「この魔法陣に書かれてる言語だけど、この地球上には存在しないものだ。だけど魔法陣としての役割はきちん果たしてる。つまりこの言語は正しい。そして倶生神たちが担当の人間の反応が得られない点から察するに」
「別の世界へ召喚された。と言うことですね」
「そういう事」
まさかの事実に口を開け、桃太郎はポカーンとしてしまう。
「異世界って本当にあるんですね…」
「えぇ。本来神話における異世界とは、常世の国のことを指すので、まさか文字通り異世界が存在するなんて私も驚きです」
桃太郎は表情一つ変えない鬼灯を見て、本当に驚いてるのかこの人?と怪しみながら注文されている薬を作る。
「その世界への行き来は可能ですか?」
「うーん…この魔法陣だけじゃ難しいけど、現場に残ってる力の痕跡を辿って召喚主が何処にいるのか分かれば、術の準備に時間は掛かるかもしれないけど行けなくはないと思う。それで一回でも行けちゃえば、楽に行き来は可能だと思うよ」
「それを聞けて安心しました。それでは桃太郎さん。すみませんがコイツを借りていきますね」
「はぁ?!まさか僕がやるの?!!」
「当たり前でしょう」
「まぁ別にやってあげてもいいけど、お前の態度が気に食わん!もっと誠心誠意込めてお願いしろよな!!」
「はいはい。どうか力を貸してください白豚さん」
「ホントムカつく!!」
まぁ何だかんだ言いながらも、結局白澤は鬼灯に協力し、現場である現世へと降り立ったのであった。
勿論報連相がきちんと出来る大人である鬼灯は、そのことを閻魔大王に報告してある。
「あ、鬼灯様!」
「お疲れ様です烏天狗警察の皆さん」
先に現場へと来ていた烏天狗警察と合流し、現在分かっている状況を共有した。
「という訳で、私と白澤さんで今からその召喚主の居場所を探るので、申し訳ないですが皆さんはこのまま引き上げてもらって構いません」
「そうですか。お力沿い出来ず、申し訳ございません」
「いいえ、そんな事はありません。有難うございました」
そうして烏天狗警察たちとは別れ、鬼灯と白澤のみが残った。しかしひとクラス全員がいなくなったことによって、学校に留まらず大騒ぎ状態となった学校。窓の外を覗けば警察とマスコミが大勢いる。
「うひゃー、これは凄い」
「さぁ、せっかく今此処に警察がいないのだから、来る前にさっさとやって下さい」
「はいはい、分かったよ」
白澤は前髪を上げ、第三の目で魔力の痕跡を探す。そして魔法陣が展開された場所を突き止め、その場に手を添える。
目を閉じ、カチカチと時計の針だけが聞こえる静寂な空間が流れる。
そして数分も経たず内に目を開き、後ろに立つ鬼灯にニヤリと口角を上げた顔を向ける。
「相手の場所、分かったよ」
「誰だ貴様」
「アポなしの訪問、誠に申し訳ございません。私は、日本地獄において閻魔大王の第一補佐官を務める鬼灯と申します。先日起こった召喚について、詳しくお話を伺いたいと存じます。エヒト神」