RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation 作:ss好き
プロローグ
アメリカ中西部の小さな田舎町ラクーンシティ、田舎町と呼ぶにはその町はかなり発展している様子だった。世界的製薬企業アンブレラが町に支援をしてからというもの、規模に似合わない発展を遂げていた。もはや街と呼べる程には発展したこの街は、地獄のような有様に変わっていた。街のあちこちで悲鳴や怒号、銃声や爆発音が聞こえ火災の煙が立ち昇っている。アンブレラの地下研究所で大規模なウイルス漏洩が発生し、最初にネズミに感染し、人間を含むあらゆる生物に感染しゾンビやクリーチャーへと変貌していった。ラクーン市警とアンブレラの保有する
鈍い頭痛と軽い怠さを感じながら彼は目を覚ました。ぼやけた視界が少しずつ鮮明になって見えてきて、頭痛と怠さも引いてくるにつれ思考もはっきりしてきた。彼は周りを見渡し自分が手術室のような部屋の台に寝ていたことを理解した。次いで己の身体も確認した。色素の薄い白人系の肌、ボディビルダー以上の筋肉に2メートル以上はある身長、近くにあった手術用と思われる鏡を手に取り己の顔を見る。厳つい顔したスキンヘッドの男の顔が写った。彼は
(最近は異世界転生が流行りだけどこれはないだろ・・・)
彼、タイラントはそう嘆かずにはいられなかった。正確にはタイラントに憑依した者は、令和の日本に居る普通の男だった。裕福でもなければ貧乏でもない、普通に仕事をして休日に趣味を楽しむ男。彼はバイオハザード2をプレイしレオン裏編をクリアした。クリアの余韻に浸っていた時に急に眩暈を起こし、そのまま失神した。
(そして気が付けば人間を辞めてタイラント、異世界でもバイオハザードの世界はないだろうが・・・)
彼は崩れ落ちそうになりながら心の中で愚痴った。彼はタイラントがB.O.Wで最終的にボスキャラとして主人公組に倒される事を知っている。いずれ主人公の誰かにロケットランチャーかミサイル、爆弾か空爆で始末されてしまう事が確定していた。
(タイラントである俺が覚醒したにもかかわらず、警報も鳴らなければ警備のU.B.C.Sも
彼はそう考えながら今後の自分の行動を思案していた。なにしろ今の時代がいつで此処がどのアンブレラの研究所か分からないからだ。幸いにも身体は自由に動かせる。嘆いていても仕方がない、ひとまずは此処から出て情報収集だと部屋の出入口に向かう。
(神様か誰か知らないが、もし会えたら一発殴る。兎に角此処を出て情報と状況を知らなければ何も判断出来ない。俺はタイラントだがこの手の大きさならギリギリ銃が使えそうだ。ゲームと違って現実なら銃と言わず鉄パイプや角材、バールやデカイレンチとかも使えそうだ)
そう考えながら出入口の前まで歩き扉の前に立った。電子ロックの鋼鉄製の扉、かなり頑丈そうで爆薬でもないとこじ開けられそうにない。唯の人間なら。
(タイラントの腕力や脚力ならいけるかもしれないな、アンブレラって自爆装置と一部の乗り物とエレベーター、リフト以外杜撰なイメージがあるし)
そう考えると同時に目の前の扉に前蹴りを行った。鋼鉄の扉は大きく歪み大きな音を立てて吹き飛んだ。
(そこそこ力を入れてたが、まさかこんなに大きく破壊出来るとはやっぱりタイラントは凄まじいな・・・)
予想では扉は歪んで開く事を予想していたが、蝶番ごと外れて吹き飛ぶのは予想外だった。それと同時にこれならゾンビや並のクリーチャーやB.O.Wなら問題ないことも確認できた。同じタイラントやグレイブティガーじゃなければ、そうそうやられないだろうと考えた。
出入口をくぐると妙な部屋だった。用途不明の装置にデカイ鎖、拘束器具っぽいベッドと散乱した書類。そして血痕。
(タイラントの実験用の部屋かな?今更ながら今裸だったからトレンチコートとかないかな?)
部屋物色していると大きなロッカーを見つけた。中にはモスグリーンのトレンチコートと黒いインナーと黒のズボン、黒の手袋と金属製のブーツ。そして何故か黒のブーメランパンツ。
(なんでブーメランパンツがあんだよ⁉︎RE2のMODでしか見た事ねーよ!え、ひょっとして今ラクーンシティ事件の日?)
着替えながら落ちていた書類を確認する、年と月日が書いてあるはずと確認すると予想通りだった。
(1998年9月24日。バイオハザード2、3の時代だ。そして此処はラクーンシティ郊外近くの研究所。情報が知れたが死期も知った気分だ)
着替えを終えて書類をロッカーから見つけたウエストポーチに畳んで入れると、驚くべき事が分かった。書類を入れた瞬間脳裏に2、3に出てきたアイテム画面のようなものが浮かんだ。ゲームのように時間が止まるような事はないが、アイテム欄に集めた情報のファイルにキーアイテムと固有アイテム。この世界ではこういう道具が当たり前にあると何故か本能的に理解した。
(現実だがゲーム的な道具も存在しているのは不可思議だが幸運だな、担いだり背負わなくて良いのは楽だ。だがこの固有アイテムはバイオハザード7の無限弾薬じゃないか)
苦労して習得したからこそ見間違えるはずはなく、間違いなくバイオ7の特典アイテムだった。後は銃を見つければ残弾を気にせず使用できる。幸いマップを見つけられた為、警備員室と武器庫の場所も把握した。武器を調達したら研究所を脱出する。
(その後はどうするか・・・、人間に近い見た目だが俺はタイラント。何も知らない人間なら勘違いしてくれる可能性が有るが、ジルは間違いなく撃ってくるだろうなぁ)
なんでどうしてと考えが浮かび、怒りも湧いてくるが目的地に近づいてくると自然と落ち着いてきた。そしてある一つの考えと覚悟を決めた。
(人間の身体じゃなくても俺の意識と心は人間だ、ならまだ生きている人間を、市民や警官を救えば良い。この身体ならちょっとやそっとじゃ死なない。それに不謹慎だがせっかくバイオハザードの世界なら楽しめる事は楽しもう、せめて死ぬ最期の瞬間まで俺がしたい事をやろ。それぐらいしても罰は当たらないだろ)
そうこう考えている内に目当ての部屋に着いた。が、中は既に持ち出されたか、荒らされたようで目ぼしいものは無かった。大型拳銃用のホルスターと大型コンバットナイフが一つあったが、肝心の銃がない事に落胆した。
(まあ仕方ない、街で警官かU.B.C.Sの死体から何かないか探すしかないか)
そう考え部屋を出ようとした時、床に半開きのケースに何か入っているのが見えた。確認するとそれは一丁のリボルバー拳銃だった。しかもただのリボルバー拳銃ではなかった。
(これアンブレラマグナム じゃないか!俺が好きな銃が見つかるとはラッキーだ!ホルスターもケースの中にあるし、とりあえず武器は調達出来た)
当然弾は入ってなかったが無限弾薬がある為、なんの問題もなく装填した。
(改めて見るとあらゆる弾薬が無限にあるのは奇妙な感じだなぁ。誘爆した時の事は考えたくないが)
そう考えつつ準備が出来た為、彼は無意識に口を開き、「よし!」と声を出した。その瞬間自分のことながら大変驚いてしまった。
「この身体喋れたのか。まぁこれでコミュニケーションに問題はなくなったな」
兎に角これで準備は完了した。後は外に出て街へ向かうだけだ。最後にもう一度覚悟を決め直す、後戻りは出来ない。最後まで自分らしく動こう、そう改めて決心して研究所出口に向かった。
というわけで一話目投稿です。wikiやpixiv百科事典、動画を確認しながら書いていますが、間違いや勘違いしている事も有るかもしれませんが、見つけ次第可能なかぎり直していきます。更新は不定期ですがよろしくお願いします。
P.S 書類の日付の変更とホルスターを拾う文を付けました。