RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation 作:ss好き
(生成途中とは言え、さすがはタイラントだな。生命力と怪力は脅威だが、力任せに殴るしか出来ないなら、やり方はいくらでもある)
俺はそう心のなかで呟きながら、一体のタイラントの殴りかかりをいなしながら、右ストレートを顔面に叩き込み、すかさず顎にハイキックを叩き込んだ。おぼつかない足取りでふらふらになりながらも、此方に襲いかかろうとしていた。そのタイラントにマグナムを撃とうと構えた瞬間、別のタイラント二体が殴りかかってきた為、後ろに軽く飛んで躱した。
(ちっ!一体だけならまだしも、四体同時に相手にするとなると厄介だな。まあ、武器がある分は此方の方が有利では有るが)
まだ一体のタイラントも倒せていないが、動きが最初に比べて悪くなってきていた。度重なるダメージが蓄積されて、徐々にその高い生命力でも賄い切れない程の消耗を身体に溜め込んできたのだろう。しかし、それでもまだまだ倒れる気配はない。
(タフだな・・・、だが攻撃力は此方が上だ!)
そのままマグナム・グレネードランチャー、そしてあまり使用してなかったショットガンと体術を駆使して、タイラント達に攻撃を続ける。そんな時だった。
「ジョン!此処から援護するっ!」
「カルロス!?助かる!気をつけろ危ないっ!」
精製機の部屋の奥にあった、ベランダの様な場所からアサルトライフルを構えつつ、俺に向かって声を張り上げるカルロスが現れた。俺は援護の礼をカルロスに伝えたが、直後に一体のタイラントが通路の柵を引き千切り、カルロスの居るベランダに投げつけた。カルロスは慌てて後ろに思いっきり飛び、背中から倒れ込んだ。一瞬最悪な事が頭をよぎるが、問題はなさそうだった。
「っ!あっぶねー!やりやがったな!」
再びベランダから現れたカルロスは、そう叫ぶとアサルトライフルを撃ち始めた。撃ち出された弾丸は正確に頭部に命中し、タイラント達にダメージを与える。俺とカルロスの攻撃は挟み打ちのような効果を発揮し、タイラント達は俺かカルロスの何方を攻撃すれば良いか分からず、右往左往していた。
(コイツらは生成途中の影響か知能がとても低いんだ。今までは俺という敵が一人だったが、カルロスが加勢して尚且つ直接攻撃できない高い場所に居る為か、どうすれば良いか分からないんだ。さっきの柵を投げるのも偶然なだけか)
そう考察しているうちに、遂にタイラントの一体が倒れた。それを皮切りに次々とタイラント達を倒していく。最期の一体は度重なる頭部へのマグナム弾とカルロスのライフル弾によりボロボロになり、最期は一気に近寄りマグナムを接射の様な近さで発砲した瞬間、頭が粉々に弾けて活動を停止した。
「やったな、ジョン!」
「助かったよ、カルロス!ありがとう!」
一時はどうなるかと思ったが、タイラントが思ったよりも強くなく、ゲームの様にイベントでなければ倒せないなんて事もなく、ダメージ限界により活動を停止していた。俺は精製機の部屋に通じる隔壁の前まで来た。
(後は隔壁が開くのを待てば出られる。レベッカ達がワクチンを作っているはずだ。そしたら警察署に戻り、マービンにワクチンを打てば助けられる。しかし遅いな、ゲームだと隔壁はすぐに開いたんだが・・・)
そう考えた時だった、
「ジョン!!後ろを見ろっ!!」
カルロスの声に慌てて後ろを振り向く。カプセルの一つ、中が泡立っているのだ。時折もがいているのか中身のタイラントの手が見えるが、何か変だった。手が徐々に大きくなっているのだ。
(おいおい、嘘だろ・・・。まさかあのタイラント!?)
激しいガラスと金属の破壊音と共に、そのカプセルから件のタイラントがゆっくりと出てきた。その姿は、先程戦ったタイラントとは大きく異なっていた。
(何で今
スーパータイラントに対してどう立ち回るか考えを巡らせていると、スーパータイラントは雄叫びを上げながら、残像が見える程の速度で突っ込んできた。
「化物がっ!!これじゃ撃てねぇ!」
カルロスの怒声が聞こえてきたのは、ワクチンの精製が完了したときだった。
回収した素材は問題なく使用でき、タイレルが機械の調整をしてくれたお蔭で、素材を入れてスイッチを押した瞬間、精製を開始し始めた。精製されるワクチンは保管容器一本で町の住民を救う事が出来る量があり、それが全部で五本も作れたのだ。
(やった!!これならマービンは勿論、まだ生きてる人も十分救える!!)
ワクチンを更に保護用の頑丈な入物に詰め込み、精製機の部屋にあった注射器や消毒液、その他注射に必要な物を片っ端からバックに詰め込み、カルロスに報告しに行こうとした。射撃音と雄叫びが止み、カルロスがジョンにねぎらいの言葉を掛けているのが聞こえてきた。
(良かった、ジョンの方も声を聞く限り大丈夫そう。もう少しで警察署に戻れる)
そう考え、援護してくれたカルロスに声をかけようとした時だ。
ウォォォーーーーン!!!!
忘れられない、アークレイ研究所を脱出する間際で聞いた、スーパータイラントの雄叫びだった。慌ててベランダに行くと、アークレイ研究所のタイラントと違い、両手に巨大な爪を生やし、肌の色も焦げたような黒っぽい色だった。スーパータイラントは残像が見えるほどの速度でジョンに向かって爪を使った突進をする。ジョンは最小限の動きで突進を回避すると、正拳突きをスーパータイラントの心臓に打ち込んだ。スーパータイラントは苦しそうに心臓を押さえながら、後ろによろめいた。ジョンはすかさずショットガン、マグナムを順に使用して、出来るだけ攻撃を繋げるようにしていた。これにはスーパータイラントも無事では済まなかったらしく、片膝をついてしまった。ジョンはすかさずマグナムをリロードしながら近づき、強烈な膝蹴りをスーパータイラントの顔に食らわせた。生き物同士がぶつかったとは思えない音が響いた。しかし、スーパータイラントはダメージこそあれど、決定打にはなっていなかった。
「クソッ!あのデカブツあんな強烈なものを食らってピンピンしてやがるっ!」
「なんとかしないとジョンが!手榴弾を使うのは!?」
「ダメだ、通路はそんなに広くない、遮蔽物もないから、ジョンが巻き込まれる可能性がある。それに、デカブツがあんな動き回ってたら当たらない可能性が高い」
カルロスの言う通り、あんな速度で動いていたら当たらないか手榴弾が弾き飛ばされる可能性がある。当るとこまでジョンに誘導してもらおうにも、彼も遮蔽物が無い為、巻き添えを食う可能性がある。
(どうすれば!?なにか方法は!?)
焦りから冷静な思考が出来ず、何も浮かばない。どうすれば良いのか・・・。
「レベッカ、カルロス、少し宛がある。暫く此処でジョンを援護してくれないか?あのデカブツを始末する事が出来る可能性のある物を持ってくる」
タイレルがジョンを救う方法を提案してきた。
「宛ってなんだよ?強力な武器でもあるってのか?」
「ある意味ではな。勿論ない可能性もある・・・。念の為に隔壁はクラッキングしていつでも開けられるようにはしてある。だが、開けた瞬間にジョンだけでなくアイツも入ってくる可能性がある・・・」
その言葉に選択を迫られた。今隔壁を開けて、スーパータイラントが一緒に来るリスクを負って開けるか?タイレルにスーパータイラントを倒す可能性がある物を持ってきてもらうか?その時だ。
「レベッカ!!警察署に戻れ!!カルロス、タイレル!!レベッカを頼む!!」
ジョンがそう叫んだ、それは自分を犠牲にしろと言っている事だ。
「そんなっ!置いては行けないっ!!」
「此処は戦場だ!!運命は自ら切り拓く!!早く行くんだ!!」
それを聞いた瞬間、急に迷いが消えてなくなった。そしてS.T.A.R.S.の死んでいった仲間達の顔が浮かんだ。エドワード・リチャード・ケネス・フォレスト・エンリコ・ジョセフ・ブラッド・・・。
(もう仲間を失いたくないっ!彼の言う通りマービンの為にも早く戻らなければならないけど、仲間を犠牲にしたくない!全員で戻るんだ!!)
「タイレル・・・、お願い!」
「了解!!それとこれをっ、このノートPCのEnterを押せば隔壁が開く。いざって時は押すんだ。すぐ戻る!!」
「タイレル!!任せたぞ。幸運を祈る」
「幸運だって?今は奇跡が必要だ・・・行ってくる!」
タイレルは小さく笑い力強く答えると、廊下の奥へ走っていった。
(お願いタイレル、貴方もどうか無事で!)
心のなかで祈りながら、サブマシンガンをスーパータイラントへと構える。カルロスもアサルトライフルを構えた。スーパータイラントはジョンが顎にハイキックを打ち込み、片膝をついてダウンしていた。
「ジョン!援護する!そのデカブツの気を逸らす!その間に攻撃を!」
「カルロス!?レベッカ!?何をしている!?早く逃げろ警察署に戻るんだ!」
「ジルと約束したでしょ!?必ず二人で戻るって!全員で生きて戻る!」
「そういうこった!付き合うぜ!」
ジョンは一瞬呆気にとられたが、直ぐに笑みを浮かべ、スーパータイラントに向き直る。
「連携していくぞ!俺と君達で交互に攻撃して動きを阻害する!膝をついたら体術をぶち込む!援護は任したぞ!」
「「了解!!」」
その声と同時にスーパータイラントが立ち上がった、持久戦の始まりだ。
オリジナル版バイオ2のスーパータイラントの声を聞いて書きました。起死回生の物とは何なのかは、次回登場します。不定期ですが、これからも本作をよろしくお願いします。
文章少し変更しました。