RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation   作:ss好き

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今回でスーパータイラントととは決着が着きますが、まだまだ警察署には戻れません。


Chapter.10 銀の弾丸

 NEST2地下研究所。アンブレラが保有するこの違法な秘密研究所の一つで、普段の業務では見られない光景が繰り広げられていた。三人の人間と一体のB.O.Wの戦いだった。二人はベランダの様な張り出した場所から、アサルトライフルとサブマシンガンをB.O.Wに向けて撃っていた。もう一人はB.O.Wのいるフロアにおり、マグナムとグレネードランチャー、ショットガンの三つの銃器を使い分けて戦っていた。彼らが戦い始めてまだ数分の時間しか経っていなかった。しかし、当人たちには既に何時間も過ぎたような感覚だった。対峙するB.O.W[スーパータイラント]は、既に数百発以上の弾丸を撃ち込まれているにもかかわらず、未だに健在の様子だった。その様子に三人[ジョン・レベッカ・カルロス]は、苦々しい顔をしていた。

 

 

 

 

 

 (いくらスーパータイラントでもタフすぎるだろっ!もう千発位は弾を撃ち込んだんじゃないか!?)

 

 ジョンは心のなかで、そう悪態をつきながらスーパータイラントの様子を観察して、再び悪態をついた。レベッカとカルロスが援護出来るように、うまく位置取りをしつつ頭部への集中攻撃と怯んだ隙に体術を打ち込み、行動不能にしてその間に三人の火力を一気に叩き込んで倒そうとした。しかし、スーパータイラントはそんな攻撃をまともに食らっても尚、まだまだ倒れる気配はなかった。被弾による出血は確認できるが、傷自体は生まれる端から瞬時に再生していき、有効打になっている風には見えなかった。

 

 (やはりリミッターが外れて能力の全てを解放した影響か、攻撃があまり効いていない!レベッカの話だとタイレルが切り札を取りに行ってくれているらしいが、それまで持つか?)

 思わずそんな弱気な考えがちらつくが、直ぐにそんな考えを頭から追い出して、どう勝つかに思考を無理やり変えた。

 

 (馬鹿野郎っ!約束しただろうが!必ず生きて戻ると!レベッカ、カルロス、タイレルが俺の為に残ってくれたのに、その俺がこんなのでどうする!)

 

俺は心の中で自分に叱咤し改めて必ず勝って、生きて警察署に戻る事を誓った。スーパータイラントは丁度、片膝をついてダウンしていた為、グレネードランチャーの硫酸弾を装填して、頭部へと撃ち込んだ。

 

 

 

 

 ジョンは片膝をついたスーパータイラントに向けてグレネードランチャーを構えていた。既に千発以上の弾丸を食らっている筈のスーパータイラントは、怯んだりダウンしたりする事は有るが、まだまだ余裕があり倒れる気配がなかった。

 

 (アークレイ研究所のスーパータイラントよりも体力と回復能力が高い!やっぱり新型だからかT-002型よりも生命力と耐久性が向上している!)

 

私はアークレイ研究所と目の前のスーパータイラントを比較して、舌打ちしそうになった。私とカルロス、ジョンの攻撃を絶え間なく浴びせているにもかかわらず、効いている様子はなさそうだった。それでも片膝をつかせてダウンさせられることが出来るのが、唯一の救いだった。ジョンがグレネードランチャーを発砲、弾種は硫酸弾。アークレイ研究所のスーパータイラントにも大きな効果があり、下にいるスーパータイラントにも何度も大きなダメージを与えていた。ジョンは体術よりも硫酸弾をメインに弾数が一番多いショットガンをサブにして戦う戦法に切り替えていた。効果はてきめんで、既に十回はダウンさせており相手の隙が多くなっていた。今も再び片膝をついたスーパータイラントに、ジョンは硫酸弾を撃ち込もうとしていた。しかし、ここで予想外のことが起きた。片膝をついていたスーパータイラントが、飛んできた硫酸弾の弾頭後部を二本の爪で挟み込むように掴み、そのまま此方側に投げ飛ばしてきたのだ。

 

 「伏せろっ!」

 

 「うわっ!」

 

カルロスに庇われるように押し倒され、その直後に湿った爆発音と共に液体が撒き散らされる音が響いた。だが、狙いが甘かったのか私達がいたベランダではなく、その上の天井に命中した為、被弾することはなかった。直ぐにベランダに戻り、援護可能位置に戻る。

 

 「レベッカ!カルロス!無事か!?」

 

 「大丈夫!」

 

 「問題ない!っ!ジョン危ないっ!」

 

 スーパータイラントはジョンが此方に気を取られている間に、突進をしようとしていた。咄嗟に援護射撃を行ったが、既にジョンに向けて突っ込んでいた。しかし出鼻を挫き勢いを幾らか衰えさせることに成功した。スーパータイラントは爪を突きではなく、薙ぎ払うように攻撃しようとしていた。だがジョンは対応が一歩遅れたため、回避が間に合わないと判断しショットガンを盾のように構えた。爪がショットガンにぶつかり、ジョンの足が地面から離れ壁に勢いよく叩きつけられた。ショットガンはグシャグシャに歪んでしまっていた。スーパータイラントは足でジョンを押さえつけると、とどめを刺そうと爪を構えた。ジョンは銃を撃ちながら、何とか足を退かして抜け出そうともがいていた。スーパータイラントは右手の爪を構えつつ、顔に被弾しないように爪を盾のようにして銃弾を防いでいた。

 

 「ジョン!!」

 

 「不味いっ!!おい!こっちだ化物!!」

 

 このままではジョンが殺される。何とか怯ませるか気を逸らそうとするが、スーパータイラントは一瞬此方を見て、サディスティックな歪んだ笑みを向けてきた。そしてサブマシンガンの弾も切れた。ホルスターからマグナム[ライトニングホーク]を装備して攻撃するが、今度は左手の爪を盾のように構え、頭部への攻撃を完全に防いでいた。

 (コイツッ!明らかに此方を認識した上で完全に見せしめ目的であんな事をっ!それにアイツ、学習してるっ!さっきジョンがショットガンを盾に使ったのを見て、防ぎ方を覚えたんだ!)

これではマグナム弾[50A.E]でもダメージはあまり入らない。

 

 「フラッシュバンッ!」

 

 カルロスがそう叫び、閃光手榴弾を投げた。しかし、スーパータイラントは顔を背けるような仕草をしただけで、怯んではなかった。

 

 「クソッ!全く効いてねぇ!」

 

 (タイレル!早く来て!ジョンが死んじゃう!!)

 

 ジョンは何とか足を退かそうとしていたが、押さえつけた足は退く様子はなかった。もうだめだ。そう諦めかけた時、

 

 「待たせたなっ!」

 

タイレルが戻ってきた。その顔は探し物が見つかった顔をしていた。

 

 「タイレルっ!ジョンが!」

 

 そう言うな否やタイレルはベランダまで近づき、状況を瞬時に把握した。

 

 「ジョン!こいつを使えっ!」

 

 タイレルはそう言うなり、手のひらサイズの黒いケースをジョンに向けて投げた。一瞬ケースには文字が見えた。44口径マグナムと書かれていた。ジョンは飛んできたケースを受け取り、確認すると中を開きマグナムにその中身を装填した。スーパータイラントはそれを見てニヤつき、まるで無駄なことをと言いたげな顔だった。ジョンは構えるなりスーパータイラントの胸に発砲した。命中した瞬間、スーパータイラントは一瞬身体を震わせながら胸を掻き毟るような仕草をしながら、後退りした。

 

 グオオオオォォォーーーーォォォオオ!!!!!

 

 特大の咆哮を響かせて後ろに大の字になって倒れた。そしてスーパータイラントはピクリとも動かなくなり、完全に停止した。

 

 

 

 

 (もう駄目かと思ったが、タイレルのおかげで命拾いした。しかし、この銃弾は・・・)

 

ジョンはスーパータイラントに銃弾を撃ち込み、完全に機能停止した事を確認し、改めてタイレルから渡された銃弾を調べた。薬莢は44口径マグナム、ケースにはこの一発だけしか入っていなかった。

 

(対B.O.W用の特殊弾か?)

 

 ジョンはそう考えながらも、今はレベッカ達に合流することが先だと思い直し、精製機の部屋へと向かった。

 

 

 

 「ジョン!良かった・・・、大丈夫?」

 

 「無事でよかった」

 

 「遅れてすまなかった、ジョン。間に合って良かった」

 

 部屋につくなり三人から心配の声があがった。俺は危なかったが大きな傷は特になく、問題ないことを伝えた。その事に三人は安堵した表情になった。

 

 「にしてもジョン!すげぇなお前!あんな化物相手に互角に戦うなんて!」

 

 「ああ全くだ、大したやつだよお前さんは」

 

 (二人には俺が生物兵器であることは話しておかないとな。警察署に戻る途中の車内で話すか)

 

 俺は心のなかで呟きながら、ちらりとレベッカの方を向いた。彼女も小さく頷いた。どうやら考えていることは一緒だったようだ。それはそうとあの弾丸のことだ。

 

 「タイレル、お前が渡してくれたこの弾丸はなんだ?一発でスーパータイラントを殺せる弾丸なんて・・・」

 

 「確かに、一体何なんだあれは?」

 

 俺とカルロスの言葉にタイレルは説明してくれた。

 

 「あのデカブツが現れた時に、NEST2の武器にアイツを仕留められる武器がないか、クラッキングして調べていた時に見つけたんだ。アンブレラリボルバーと共に開発された、対B.O.W鎮圧弾でコードネームは[銀の弾丸]」

 

 (銀の弾丸・・・、化物退治や普通の武器では仕留められない相手に対して使用する弾丸の意味もあった筈)

 

 「下の階の試験場に一発だけあることが分かったんだが、もしかしたら使われている可能性もあったが、賭けには勝った。こいつはTウイルス生物の全細胞を一瞬で活動停止させられる特殊な薬品が入った銃弾で、これを撃ち込まれたB.O.Wは一撃で機能停止する仕組みだ」

 

 俺はタイレルの説明を聞きながら、朧気になった前世の記憶を引っ張り出した。

 

 (そういえばアンブレラリボルバーの設定資料にそんな事が載っていたな・・・。ただ開発中としか書いてなかった気がするが、この世界ではコードネームまで付けられる程に開発が進んでいたのか?)

 

 そう考察していたが、今はそれどころではない。ワクチンを手に入れたが、警察署に戻りマービンに打たなけれならない。

 

 「すまない、まずは警察署に戻ろう。仲間がワクチンを待っている。時間もかなり掛けた、少し不安だ」

 

 「本当だ!半日も過ぎちゃった!」

 

 レベッカは腕時計を確認して、驚きの声を上げた。カルロスとタイレルも事情を知っているためか、異論はなく「よし!なら早く戻ろうぜ!」と同意してくれた。するとレベッカがワクチンの入った保管ケースと注射器のセットを渡してきた。

 

 「五本あるからジョンは二本、残りは私達で分散して持っていきましょう。考えたくはないけど、万が一のリスクを考えて分散して運んだほうが良いと思う」

 

レベッカの言うことは一理ある。万が一破損したり、やられてしまったりしたらそれこそ事だ。俺達は特に異論はなく、それぞれワクチンと注射器のセットを受け取った。俺が二本の理由は、チームの中で一番強いかららしい。

 

 「よし!さあ戻ろう!」

 

 俺はそう声掛けし、地上に戻るエレベーターの廊下に出ようとしたときだ、突然大きな揺れが部屋全体を襲った。

 

 「お次は何だ!?」

 

 「何にせよ、友だちになれそうなやつじゃないなっ!!」

 

 「もう!!せっかくワクチンも手に入れられたのにっ!!」

 

 「来るぞっ!」

 

 ドガアーーーン!!!!

 

 今まさに向かおうとしていた部屋の出入り口が吹き飛び、この揺れと破壊を行った主が現れた。二本の足と手、前傾姿勢でヨタヨタした歩き方している。それだけなら姿勢の悪い、或いは老人と思うだろう。しかしそいつは人間的な特徴は二足歩行以外は皆無だった。身長は2m以上は優にあり、イレギュラーミュータントであるリッカー(舐めるもの)のような頭部、口には牙が生え揃っており、背中は肉塊のような物で覆われており、肉塊の左側には巨大な眼球がギョロギョロとあたりを見回していた。ジョンの脳裏には一体のクリーチャーが浮かんできた。

 

 (クソッ!バードの遺体を見た時に想定はしていたが、なんでこいつが出てくるんだよ!?)

 

 その主はとあるラクーン市民たちと死闘を演じ、倒されたはずの存在だった。既にこの世に存在しないはずの生物だった。

 

 (G変異体がどうしているんだ!?こいつはアウトブレイクに出てくるクリーチャーで、普通は出てこないだろう!?)

 

 ジョンはそう悪態を心のなかでついた。G変異体はゆっくりと此方に近づいてきた。

 

 

 

 




特殊弾の話は、アンブレラリボルバーの箱に取説と一緒に入っている、設定の紙に記述されています。コードネームの[銀の弾丸]は本作のオリジナルのため、ご注意ください。相変わらずのクオリティで読み辛いかもしれませんが、これからも本作をよろしくお願いします。
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