RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation   作:ss好き

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後一話か二話とエピローグを少し挟んで市街探索編を終わらせます。次の章はバイオでも絶大な人気を誇るあの男女も登場します。今回も楽しんでいただけたら幸いです、ではお楽しみください。


Chapter.13 追跡者と暴君

 「やったな!」

 

 「ああ・・・!」

 

 「どうなるかと思ったわ」

 

 巨大G変異体はレールガンの砲撃によりその肉体の大部分が消滅していた。その背後にあった分厚い隔壁のような扉も巨大な穴が空いており、穴の周りは赤熱し溶解していた。この二つの光景だけで、レールガンの威力が容易に想像できた。そしてアンブレラの対B.O.W制圧用兵器の考えが正しかったのだと思い知り、同時にこんな化物を生み出すかもしれないリスクを知りながら生物兵器の研究・開発を行っていることに憤りを改めて感じていたが、憑依したこの体に(タイラント)も又、アンブレラが生み出したものだった。この体のおかげで助けられた命や危機を突破できたのも事実であり、俺自身は僅かながらに恩や借りのような感情があることも感じていた。なんとも深雑な感情に沈黙していると、

 

 「ジョン・・・、少し良いか?」

 

タイレルが言いづらそうな複雑な表情でこちらに話しかけてきた。その顔は言うべきか否か葛藤している顔だった。・・・複数のタイラント・スーパータイラント・巨大G変異体との戦闘で、普通の人間は勿論、特殊部隊クラスの人間でも死んでいるような状況、凄まじい怪力などはとても人間業ではないことは一目瞭然だった。ちらりとレベッカの方を向くと、彼女も小さく頷いた。話すべき時が来た。俺はタイレルに小さく頷いた。

 

 「ジョン、君は共に行動してから様々な戦闘をくぐり抜けてきた。中には死んでしまうと思ったことも、人間離れした力も何度も見た」

 

 タイレルは一度深呼吸し間をおいてから口を開いた。

 

 「君は生物兵器、それもタイラントの新型モデルじゃないか?」

 

 やはりタイレルは気づいたようだった。カルロスの方も薄々分かっていたのか、複雑そうな顔をしていた。

 

 「そうだ、T-103型の特殊変異個体だ」

 

タイレルとカルロスは目を見開き、驚いた表情を浮かべていた。タイラントであることは予想していたが、特殊変異個体だとは思わなかったようだ。そして俺は二人にこれまでのことをレベッカも交えて話した。研究所で目覚めた時点で自我と人間の思考・感情を持っていたこと、良心に従い街に自分の意志で救助に来たこと、レベッカとジル・マービンとの合流、そして病院に着いてから二人に合流するまでのことを話した。話し終えた後の二人は何処かすっきりした、手が届かない場所に手が届いたような顔をしていた。正直に言えば気味悪がられたり、騙していたのかと問い詰められたり、最悪銃を向けられると思ったからだ。しかし二人の反応は想像の対極だった。

 

 「すまない、気を使わせてしまったな。俺としては懸念はあったが、お前さんがB.O.Wではなく人間だと知れて良かった。生物兵器として生み出された事実は変えられなくても、その生き方と心は間違いなく人間だ。話してくれて、そして助けてくれてありがとう、改めてよろしく頼む」

 

 「ジョン!タイレルだけじゃなく、病院の資料室でも俺はあんたに助けられた!弾薬補給やフォローもしてくれたあんたには大きな借りがある!誰がなんと言おうがあんたはガッツと勇気、優しさを持った人間だぜ!」

 

 

 

 

 (やっぱり二人は良い人達だわ。見た目じゃなく心とあり方を見てくれるんだもの)

 

 私はカルロスとタイレルにジョンのことを話して良かったと改めて思った。二人なら理解してくれると考えていたが、やはり不安に思っていたのも事実だ。別れることになるだけなら悲しいが仕方ない、B.O.Wと聞けば気味悪がるか恐れが出てしまうのは当然。だがそれもまだマシな方だ、もし銃を向けてきたら?。共に戦った仲間とは戦いたくなかった。しかし、説明を聞いた二人は彼を人間として受け入れて改めて仲間として信頼してくれていた。そしてジョンはというと、右手で顔を押さえて天井を仰いでいた。その頬には薄っすら涙が見えた。

 

 「ふふっ、ジョン泣いてるの?」

 

 「雨だよ」

 

 「此処は地下だぜ?」

 

 「じゃあスプリンクラーだ」

 

 「作動してないが?」

 

 「送水管から漏れた水が顔に当たったんだ。というか小さいとはいえ火災が起きてるのに、作動しないのは不味いだろ」

 

 必死に言い訳をしているのを見て三人で笑っていたが、ジョンがこうして人間だと肯定してくれることはとても嬉しかった。

 

 「ジョン・・・よかった・・・

 

 私は小さくそう呟いた。

 

 

 

 俺は何とか頬の水滴を拭い、警察署に戻るよう全員に促した。その時まだレールガンを持ったままだったのを思い出した。そのまま床に置こうとした時、ふと気になることがありタイレルに尋ねた。

 

 「タイレル、このレールガンだが・・・持っていくことは出来るか?」

 

 「ん?送電用のケーブルを外せば持っていけるが・・・」

 

 「こいつは施設の電力以外ではもう動かせないのか?」

 

 タイレルはノートPCとレールガンが置かれていた台座に目をやり、何度かキーを操作すると顔を上げた。

 

 「一応台座の横にある緊急用の予備のバッテリーにケーブルを繋げば撃てる。バッテリーは三つあるから三回分の射撃は可能だ。ただし、施設の電力と違って一発撃つのに三分は掛かる。バッテリーは外して持っていくことは出来るが」

 

 「十分だ。済まないがこいつを外せるか?俺はバッテリーを持ってくる」

 

 「いいぞ、だが・・・、こんな物が必要になるのか?」

 

 「用心するに越したことはない、切り札は多いほうが良いからな」

 

 「分かった、数分まってくれ」

 

 その後、レールガンのケーブルを台座から外し、バッテリーを回収した。カルロスは少し興奮した様子だったが、レベッカには貴方も男の子ねといった感じの目を向けられた。レールガンとバッテリーをウエストポーチに仕舞い試験場をあとにして、NEST2に来る時に使用したエレベーターに乗り込み、無事に病院に戻ることが出来た。エレベーターの中で無限弾薬から[銀の弾丸]が入っていないか探したが、入ってはいなかった。

 

(試作や研究段階の物は無限化の対象外ということか?あればネメシスに打ち込んだのにな・・・)

 

残念に思うもないものは仕方がない、戦い方を考えれば良い。残弾は気にしなくていいというのは、精神的にかなり落ち着く。最悪素手で戦えるが、飛び道具がある方が安全に戦えるのでそちらのほうが良い。 

 

 「ジル、聞こえる?遅くなってごめんさい。ワクチンを入手したから、警察署にもどるわ」

 

 『ほんとにっ!?よかった・・・。マービンが気を失って焦ってたけど朗報ね。慌てず急いで無事に帰ってきて』

 

レベッカがジルに無線で連絡していた。マービンが気絶したという声が聞こえ、あまり時間を掛けられない事が分かった。マービンは抗体を持っていないが、耐性自体は高い方だと思う。しかし、うかうかしているとワクチンでも治せなくなる可能性がある。安全には考慮するが、なるべく飛ばしていったほうがいいだろう。

 

 「それと新しい仲間と脱出手段を見つけたの、男性が二人なんだけどアンブレラのU.B.C.S(アンブレラ・バイオハザード・対策部隊)の所属なんだけど・・・その」

 

 『レベッカ・・・、貴女とジョンが信じたのなら私も信じる。けど戻ったらちゃんと説明と紹介をしなさい。いいわね?』

 

 「ジル・・・!ありがとう!」

 

 『忘れないで、二人で・・・そして新しい仲間も、全員で必ず戻るのよ』

 

 「「了解!」」

 

 俺とレベッカはジルに力強く返事をして無線を切った。後は戻るだけだが、念の為に最後にざっと薬を始めとした医療品をできるだけ回収した。五分ちょっとの時間だったが、包帯・手術道具・消毒液含めた薬品、保冷バックと血液パック・各種点滴用の薬品パックを入手できた。準備が終わり、乗ってきたパトカーに近づきいざ乗り込もうとした時、これまでにない程の胸騒ぎが起きて、思わず動きを止めてしまった。

 

 「ジョン?」

 

 「どうかしたのか?」

 

 レベッカとタイレルの言葉を無視して全神経を集中させた。

 

 「ジョンの反応を見るに、まだ何か起きそうだな・・・」

 

 カルロスは言葉とともにアサルトライフルを構え、周囲を警戒した。レベッカとタイレルもそれに倣い、構えとともにあたりの警戒と索敵を開始した。

全神経を集中し、周囲を五感で索敵しながら胸騒ぎの正体を探った。これまで通った道筋を順に思い出していく。

 

 (何だ?この胸騒ぎは一体?待て、なにか忘れている・・・何だ?研究所・通り・倉庫・警察署・by・・・まさかっ!!)

 

其処まで思い出したのと同時に遠方から何かを装填するような音と、引き金を引き何かを発射し飛翔する音がした。その音はロケット弾の発射と飛翔音だった。同時に俺はホルスターからマグナムを抜き、音がする方へ発砲した。此方に向かって飛んできたロケット弾の弾頭先端に命中し、大爆発を起こした。爆発の近くにタックローリーがあったらしく、数台の乗用車と共に引火したらしく、此方にまで爆発の衝撃波が届いた。

 

 「ロケットランチャー!?」

 

 「クソッ!!何処のどいつだっ!?俺達は化物でもゾンビでもないんだぞっ!!」

 

 「嘘・・・!?ネメシス!?此処まで追ってきたのっ!?」

 

レベッカの悲鳴のような声に呼応するようにあの声が通り全体に響いた。

 

 スターアァァァーーーーーズ!!!!

 

少し離れた場所にある放置されたバスの上にネメシスは立っていた。着ているコートは少し傷んでいたが、それ以外は特に傷を負っている様には見えなかった。だがネメシスの武装は少し変わっていた。警察署で装備していたボロボロのロケットランチャーではなく、見るからに最新式の高性能だと分かるロケットランチャーを装備していた。そしてそれには見覚えがあった。

 

 (RE3のロケットランチャーか・・・、不味いな。オリジナルと違って弾数制限はない分ロケット弾で制圧射撃をしてくる可能がある)

 

 此処は狭い上に普通に逃げただけでは追いつかれてしまう。パトカーはまだエンジンを掛けていないため、このまま乗り込んでもエンジンを掛ける前にふっ飛ばされるのが目に見えている。ならば今の最善策は一つだ。

 

 「レベッカ先に行け、俺はアイツを足止めする。その隙にパトカーに乗って警察署に向かえ」

 

 「そんな!置いてはいけない!全員で帰るって!」

 

 「もちろん帰るさ、だが全員で帰ると約束したが一緒にとは言っていない。心配するな、後で必ず戻る」

 

俺はレベッカを安心させるように笑みを浮かべながらウィンクし先に行くように促した。レベッカはまだ何かを言いたそうだったがやがて一度目を閉じて、深呼吸をし此方を見つめてきた。

 

 「信じてるから・・・幸運を・・・!」

 

 「ああ・・・」

 

そしてカルロスとタイレルに顔だけ向け、

 

 「カルロス、タイレル・・・レベッカを守ってくれ。必ず戻る、任せたぞ」

 

 「ああ・・・任せろ!」

 

 「分かった、気をつけろよ!」

 

レベッカのことを頼み、二人は力強く頷いた。

 三人はパトカーに乗り込みエンジンを始動した、ネメシスは逃がすまいとロケットランチャーを五連射してきた。再びマグナムでロケット弾を迎撃、その隙に無事パトカーは警察署への道に進み、あっという間に通りの向こうへと消えていった。ネメシスは奇襲が失敗したことと、俺の妨害に目に見えて苛立った様子を見せ、俺に視線を向けてきた。どうやらまずは俺を先に排除することにしたらしいが、好都合だ、無視して追跡されたら巻かれる可能性もあった。

 

 スターアァァァーーーーーズ!!!!

 

 再び雄叫びを上げて此方に向かって走ってきた。その目は白濁したような白目だが、怒りに血走った猟奇的な目をしていた。第二ラウンドの始まりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジョン達が試験場を出て直ぐにある男がやってきた。男は巨大な化け物の残骸(巨大G変異体)の肉片をいくつかと、四本の注射器で血液を回収。更にはレールガンにより消し飛ばなかった、取り込まれたB.O.Wとゾンビの血液と肉片を回収した。それを冷却機能付きの大きな電子ロック付きのケースにしまうと、足早に試験場を後にした。そしてNEST2のコンピュータールームに向かい、試験場での監視カメラの映像を大容量メモリーにコピーして回収し、保護材付きの頑丈なケースにしまった。そしてバックパックからC4(プラスチック爆弾)と信管、タイマーを組み合わせ数カ所にセットし、部屋を後にした。数十秒後、コンピュータールームは爆炎に包まれ消滅した。男はそれを確認し、次の目標へと移動を開始した。男の顔は期待と興奮に歪んだ笑みを浮かべていた。

 

 

 

 




レールガンは1/6スケールを眺めていたら思いつきました。レールガンはRE3版のため持ち運べるのでまだ出番を考えています。バッテリーはオリジナルの押し込んでいたものを想像していただければ、わかりやすいと思います。レールガンの設定は本作オリジナルのため、ご注文下さい。
次回もよろしくお願いします。
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