RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation 作:ss好き
隻眼の異形には自我というものを持っていない。あるのは見たもの聞いたものに対して記憶して学習していく知能と、プログラミングにより植え付けられた任務を必ず遂行することだけという、最早ロボットと言っても過言ではない存在だった。しかし、そんな自我のない異形でも人間と同じあるものを持っていた。それは感情だ。人間に比べれば希薄だがそれは確かに感情だった。任務であるS.T.A.R.S.隊員の抹殺、対象の一人であるブラッド・ヴィッカースを殺害した時は、異形は確かに喜びを感じていた。二人目の対象のジル・バレンタインと戦い敗北し逃げられた時は、悲しみを感じたが同時にもう一度追跡する楽しみと、今度こそ対象の殺害を行うことへの期待と興奮を抱いていた。そして武器ケースから専用の武装を受け取り、ジル・バレンタインに追いつきその生命刈り取ろうした時、同族に近い存在に邪魔をされた。異形は楽しみを横取りしたそれに怒り、その存在を消そうとしたが叶わず、逆に敗北し意識を失ってしまった。再び目を覚ました時、対象も邪魔をした存在も消えてしまっていた。異形の胸の中にあるものは悲しみ・怒り・喜びの三つだった。対象を殺せず逃がしてしまったことへの悲しみ、対象を殺す邪魔をした存在への怒り、そして再び対象を追跡しその生命を刈ることへの喜び。それらが異形の中で同時に蠢いていた。その後、一度警察署の外に出て対象が出てくるのを待っていた時、一台のパトカーが警察署から出ていった。乗っているのは別の対象のS.T.A.R.S.隊員レベッカ・チェンバースと自分の邪魔をした対象の協力者だった。ジル・バレンタインの姿がないことに、警察署の中にいると予想するが異形は追跡するのではなく、一度考えを巡らせた。無策で挑めばまた失敗する可能性が高く合流された場合は対象の人数差に再び敗北してしまう可能性があった。対象の協力者の存在も気がかりだった。数秒の逡巡のすえに異形はレベッカ・チェンバースとその協力者が油断しかつ極めて近くにいる時にまとめて仕留める算段を考えた。そして自らの身体の一部である触手を器用に建物くくり付け、ワイヤーアクションのように
ジョンとネメシスの戦いは、一見すればロケットランチャーを持つネメシスが圧倒的に有利に写っただろう。しかし、実際は互いに決定打がなく攻めかねている状態が続いている状態だった。ロケットランチャーは確かに強力だが、当たらなければどうということはなかった。ジョンは発射されたロケット弾をマグナムで迎撃し、触手が伸ばされてきた時はナイフで
(ネメシスは知能が高い事は知っていたが、まさか此処までとはな。学習能力もかなりのものだ)
俺はネメシスと戦いながらその知能と学習能力の高さに舌を巻いていた。ゲームでは先回りや奇襲、高い身体能力に力任せの戦闘が目立っていたが、こうして戦ってみると戦いながら学習していき此方のパターンを把握して戦い方を変えてきている。今まで戦った中でも最も厄介な相手だった。マグナムはダメージが最小になるように
(不味いな・・・膠着状態だ。このまま決定打がないまま戦っていれば、レベッカ達が戻ってくる可能性がある。そうなれば本来の目標であるそちらを優先して襲うだろう。そうなったら機動力があり、ロケットランチャーという即死級の武器があるネメシスが有利だ)
ジョンは戦いが長引くにつれて焦りが湧いてきていた。[銀の弾丸]が有ればと思わずにはいられなかった。その時だ、ロケット弾の着弾とは違う僅かな微震動を足元から感じた。ネメシスにも感じたらしく、戦闘を一時中止しあたりを警戒していた。微震動は段々と大きくなっていき小さな地震くらいの揺れになっており、車両の残骸どころか街灯や信号機、看板までもが揺れ始めていた。
(一体何の揺れなんだ?いやまて、確か地中を進むB.O.Wがいた気がするがまだ開発されていないはず。だが確かに何かいたはず)
バイオハザードの記憶もだいぶ薄れてしまい、名前が出てこない。だが、確かに地中を進むクリーチャーかB.O.Wがいたのはまだ覚えていた。警戒しつつ思い出そうとした時、ひときわ大きな揺れが襲ってきた。コンクリートで舗装された道路が一瞬持ち上がると同時に一気に陥没した。自分が立っていた場所は勿論、ネメシスがいた場所まで陥没していた。俺はうまく着地することが出来たが、ネメシスはロケットランチャーが地中の配管か何かに当たったせいか、変な体勢で着地したため転倒していた。ネメシスが起き上がろと片膝をついて立ち上がろうとした時、
(まさか此処で
様子見を兼ねてマグナムをグレイブディガーの前から後ろまで全弾撃ち込んだが、効いている様子はなし。次は頭部に集中して撃ち込むが少し嫌がる様子を見せるだけで、此方も其処まで効いている様子は見られない。撃たれることに苛立ったのか、グレイブディガーは地上を滑るように突撃しながら、大口を開けて俺を丸呑みしようとしていた。その口の中にマグナムを撃ち込むと先程までと違って、もがき苦しむようにのたうち回り地中に潜行した。再び揺れが起き始めるが、足元に集中しどのタイミングで現れるかは気配である程度分かる。揺れが大きくなり気配も大きくなっていく、今だ!大きく後ろに飛び、その一秒後にグレイブディガーの頭が飛び出してきた。それと同時に右手でマグナムを左手にグレネードランチャーを構える。グレネードランチャーは[硫酸弾]を装填してある。全弾を口腔内に撃ち込むと目に見え苦しんでいる様子を見せていた。
ギシャアァァァーーーーーーーー!!!!!
再び地中に潜行した。しかし、今度は様子がおかしかった。潜った瞬間に揺れが急速に収まり、気配もどんどん遠のいていくのだ。
(逃げたか?いや、まだ胸騒ぎがする・・・ネメシスの時も含め、この胸騒ぎはかなりの確率で何か起こることの前兆だ)
グレネードに[硫酸弾]を再装填し、すぐに装填出来るようにベルトになん発挟み込み、足元にもケースを六個置いておく。更に[炸裂弾][火炎弾]を二つずつ置き、もし足元から出てきた時はわざと飲み込ませ一気に起爆してしまう。突撃してきた場合も口腔近くで爆発させれば大ダメージになるはずだ。そう考えた瞬間、急速に気配が近づいてきた。それは足元ではなくちょっと離れた位置だった。ある可能性が頭をよぎる。
(まさか!)
グレイブディガーは勢いよく地上に出現し、そのまま空中高く飛び上がってしまった。
(サメの大ジャンプかよ!?だが好都合だ!)
空中で頭を器用に下に向け俺を頭から丸呑みしようとしていたが、かなりの高度があり落ちてくるまでそこそこの時間がある。俺はグレネードランチャーを発砲、口腔内に撃ち込み再装填。ベルトに挟んでいた弾を撃ち切り、次にマグナムを撃ち込む。最後にグレネードランチャーに[炸裂弾]を装填し大きく後ろに飛び、足元に置いたグレネード弾に狙いを付ける。グレイブディガーの落下地点は俺が立っていた場所だ。タイミングをはかりグレネードを発射、置いておいた弾に口腔が一番近くになった瞬間命中した。凄まじい爆発に土煙と土砂が飛んできて、腕で顔を庇いながらグレイブディガーの様子をうかがった。土煙が晴れてくるとグレイブディガーは頭を上げていた。まだ倒れてないと思いマグナムを構えるが、その必要はなくなった。土煙が完全に晴れて姿を見せたグレイブディガーの頭部は消滅しており、その体も痙攣していた。やがて糸の切れた人形のようにグレイブディガーは勢いよく倒れて二度と動かなくなった。
(終わったな。ネメシスの最期はあっけなかったが倒せて良かった。俺も早く警察署に戻ろう)
グレイブディガーの亡骸に背を向けて、陥没した道路から抜け出せる場所を探した。その時、急に金属質な破裂音が背後から響いた。まさかまだ生きている!?そんな予想をするが、破裂したのは地中に埋まっていたガス管だった。
(ガス管か、驚かせやがって。しかし、可燃性ガスなら早く離れたほうが良いな。なにかに引火したら巻き込まれるな)
そう思い急いで離れようとした瞬間、
グチャッ!!!
グレイブディガーの胴体中央部分から何かが飛び出してきた。幼体かと思ったが、そんなものではなかった。出てきたのは飲み込まれて死んだと思っていたネメシスだったのだ。ネメシスはコートがかなり損傷しボロボロになっており、ネメシス自身も消化液の影響か露出してる部分の身体は溶けてかなり肉体が損傷し血だらけだった。ネメシスは息切れしたように荒い呼吸を数回繰り返し、俺と目が合った。咄嗟にマグナムを構えたが、ネメシスは俺とガス管を一瞥するなり、触手を手近な建物に食い込ませ大きくジャンプし、空中にいる状態でロケットランチャーを発砲した。突然のことに硬直してしまったが目線だけはしっかり動き、発射されたロケット弾が何処に向かっているか確認出来てしまった。破裂しガスを大量に吹き出しているガス管に吸い込まれるように飛んでいくのを半ば呆然と見ていた。
戦闘描写は難しく、なんだかくどい文章になってしまったかもしれません。分かりづらい分で申し訳ありません。後何話かエピローグを書いて、市街探索を終了します。よろしければ今後も本作をよろしくお願いします。