RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation 作:ss好き
数時間以上前・・・
(ぐっ!・・・此処は・・・?何が起きた?俺は何して・・・?)
男は鈍い頭痛と身体の痛みに呻きながらゆっくりと目を覚ました。起きたばかりのせいか、まだ意識が朦朧として記憶も曖昧になっていた。少しの間ぼーっと虚空を眺めていたが、意識がはっきりするにつれて段々と記憶が明瞭になってきた。
そう確か・・・俺は・・・っ!?
(そうだ!!ネメシス相手に殿を引き受け、グレイブディガーの乱入とネメシスのロケランでガス管を爆発されて・・・爆発に飲み込まれる瞬間に、地面が崩れて落ちたんだ)
男、ジョンは何故こうなったか振り返っていた。
倒したはずのグレイブディガーの体内から、死んだと思ったネメシスが飛び出し、俺の傍で露出し破損していたガス管にロケット弾を撃ち込まれ、爆破された。しかし、直前でグレイブディガーの掘削の影響か、地盤が脆くなり自身の体重と爆発の衝撃で地面が崩れて、難を逃れた。
(自分の強運に感謝だな・・・いや、悪運か?)
どちらにせよ、こうして五体満足で生きていたのラッキーとしか言えなかった。身体は鈍い痛みは引き、気絶とはいえ眠っていたためか、身体は絶好調だった。
ジョンは無線機に手を伸ばした。レベッカ達に自身の無事とこれから戻ること、ネメシスのことを伝えなければならなかった。しかし、それはできなさそうだった。無線機は大きく割れて、中の基盤や配線が丸見えの状態であり、一目で壊れていることが理解できた。
(勘弁してくれ・・・無線がだめになるなんて・・・)
彼は仕方なくバッテリーを抜き、ウエストポーチに壊れた無線をしまい込み装備の確認を行い始めた。アンブレラ・マグナムとウエストポーチに入っていた武器は問題なかった。ふとグレネードランチャーが手元にないことに気がついた。上で落としたのかと思ったが、自分が倒れていたあたりに落ちていて安堵した。・・・銃身の先がひしゃげ、薬室あたりがグシャリと潰れているのを見るまでは・・・。
(完全に大破してるな・・・まさか自分の体重で潰しちまうとは・・・こりゃぁ文字通りヘビーだ・・・)
壊してしまったのはしょうがないとジョンは気持ちを切り替え、マグナムを装備し自身がいる場所を調べ始めた。凄まじい臭気と水の音、落ちた深さを考えると下水道だと予想できた。自身が落ちた穴から脱出できないかと確認するが、途中から穴が狭くなり何かの瓦礫が途中で穴を半分塞ぎ、抜けられそうにはなかった。
少し先にハンドル式の
(どの道、進む以外の選択肢はないんだ。こうなったら出たとこ勝負で行くしかない)
ジョンは薄暗い下水道をゆっくり進み始めた。
「よかった・・・専用の足場がある下水道で助かった。この水の中を進むのは勘弁願いたいしな」
ジョンは下水道を流れる薄茶色の水を眺めながらそう呟いた。匂いも凄まじいが、この見るからにヤバイ色をした水に浸かるのは、できれば勘弁願いたいものだった。幸いメンテナンス用と思われる通路や足場があったため、
(カルロスとタイレル、マービンは我慢してくれるだろうが・・・レベッカとジルは間違いなく距離をとられるな・・・)
そうなったら流石にショックだった。
仕方のないことだとしても、俺は絶対にNEST2で見せたものとは違う理由で目から液体を流す自信があった。・・・服に匂いが付く前に出たいな。ドラッグストアに服の匂い消しなんかは残っているか?
ジョンは匂いのことについていあれこれ考えながら歩いていると、何かの気配が近づいてい来るのを感じ取った。瞬時に顔つきが鋭くなり、マグナムをいつでも撃てるように構えていた。タイラントである彼の聴力が、下水管の中を滑るように動いている
そいつの姿を例えるならば、カエルに似ているかもしれない。しかし、目は存在せずサイズも人間を有に超える大きさをしていた。体色は薄い白~ピンク色、二本足で歩いているがかなり遅かった。体の横から前肢と思われるものが存在したが完全に退化し、フライドチキンのような形をしていた*1。そしてそいつは、ゆっくりとこちらに迫ってきた。
(こいつは何だ?B.O.W?それともイレギュラーミュータントか?クソっ!もうほとんどバイオの記憶が思い出せない!バイオ3で登場したような気がするが・・・)
ジョンは既に前世の、特にバイオハザードについての記憶が思い出せなくなっていた。少し前なら相手の姿を見れば、どの作品に登場しどんなスペックをしていたかを思い出せていた。しかし、今は相手を見ても辛うじて登場作品をおぼろげに思い出せるが、かなり曖昧なものでしかなかった。
ジョンは思い出すことは諦めマグナムを構えた。思い出せずとも戦って観察し、様子を見て対応していけばいいだけだ。戦うための武器が一つ減っただけだ。ジョンはまず一発を頭部と思われる箇所に撃ち込んだ。多少反応を見せるがあまり効いているようには見えなかった。今度は全身に残りを撃ち込み様子を見た。やはり効いてる様子は見られない。
(クソっ、グレネードランチャーがあれば各弾頭を試せたんだが・・・一か八か試してみるか)
俺はバックステップで少し距離を取り、無限弾薬から火炎弾のケース(1ケース三発)を取り出した。片手でマグナムを構え、カエルもどきにケースを投げ込み、当る直前でケースをマグナムで撃った。中の火炎弾が衝撃で爆発し、炎がカエルもどきを包みこんだ。カエルもどきは目に見えて苦しそうな反応をしていた。
(ビンゴ!ランチャーなしでも弾頭を撃てば起爆する!これならグレネード弾一発づつでも、ばらまいて範囲攻撃もできる。カエルもどきの弱点もしれたしな)
ジョンはニヤリと笑みを浮かべていた。一方のカエルもどきは唐突に口を開けた瞬間、口の中から巨大な四本の触手が飛び出してきた。触手には細かい牙がびっしりと生え揃っており、タイラントの身体をもつジョンでも無傷とはいかないだろう。更に口の中心にももう一つの口が見えていた。
ジョンは迷わずその口にマグナムを撃ち込んだ。カエルもどきはもんどり打って倒れ、暫くバタバタと暴れた後、動かなくなった。
「口腔内が弱点か。それにしてもすごいな・・・クリオネの捕食形態みたいだ」
あれなら人間は勿論、並のB.O.Wなら相手にならないな。見た目とは裏腹にかなり頑丈な体をしている。マグナムがあまり効かないのは流石に驚いたが、弱点を最初にしれてラッキーだな。
ジョンは対処法とグレネードランチャーの代替案ができたため、先程よりも明るい雰囲気で下水道を進み始めた。
ジョンは下水道を時折襲撃してくるカエルもどき達を排除しながら進んでいた。しかし、地図がなく現在位置も不明で、はっきり言って迷っていた。途中何処かで出口がないか探したが見つからず、体格的にマンホールは使えず天井をぶち抜きたくても踏ん張りを効かすものが空中にはない。幸いなことに一本道でただひたすら進むだけだったため、どっちに進むかと悩む必要はなかったので、特に悩まずに進むことができた。
数時間はたっただろうか、いっそ炸裂弾を山程取り出し爆破して脱出しようかと考えていた時だ、遠くの方に階段が見えてきた。俺は少し安堵した。ようやく下水道から脱出する目処が現れたからだ。
ジョンは警戒しながらも、歩調を少し早めた。
(下水道の管理室か・・・なにか役に立ちそうなものはないか?)
ジョンは階段を登った先にある部屋で役立ちそうなもの調べていた。下水道の管理室らしく、地図とサイドバックをいくつか、他には日報と報告書くらいなもので、目ぼしいものはなかった。しかし、収穫はあった。地図によればここから少し進んだ場所に外へ出るための梯子があり、外へ出られることが分かった。地図には手書きの注意書きがあり、どうやらその出口のすぐ隣でビルの解体作業中らしく出入りの際は車両に注意することと書いてあった。また自分が今アップタウンの方にいることも分かった。
(だいぶ歩いていたんだな・・・まさか警察署があるダウンタウンを通り過ぎるとはな・・・とにかく早く地上に出て警察署に戻らなければ。いい加減に下水道からでたい)
ようやく下水道から出れることもあり、安心したジョンはふと自分の顔はどうなったか気になった。身体の方はコートのお陰でなんともなく、コート自体も汚れはあるが破損は特に見られなかった。
奥の方に洗面台があり、鏡を見て顔を確認して驚いた。肌色が変わっていたのだ。色素の薄かった肌は、白さがまだ若干残るが白人系の肌に変化していた。両手もグローブを外して確認するが同じだった。
(自分の身体ながら、一体どうなっているんだ?落下のダメージが思ったより大きく、回復の過程で何らかの変異でも起きたのか?T-103型は代謝機能がとても高いとファイルにはあったが・・・)
気になることではあるが、考察はレベッカ達と合流してからでいい。それより人間に近い姿になったのは純粋に嬉しかった。オリジナルのT-103型より人間らしいとはいえ、肌の色はやはり違和感があった。生存者に出会えたら今の姿の方が人間っぽく見えるだろう。レベッカ達は驚くだろうが。
ジョンは役立ちそうなものをウエストポーチにしまい管理室をあとにした。
余談だが管理人室に下水道関係者の私物と思われる消臭スプレー(アンブレラ製)が多数あり、ジョンはその全てを回収していった。
「あれは・・・」
地図に記された梯子まであと少しという所で人がうつ伏せで倒れていた。服装と体格から男性と思われる。ゆっくりと近づき、軽く足で小突くが反応はなかった。俺は思い切って仰向けにした。腐敗が激しい男性の死体だった。その近くに日記と猟銃が落ちており、まず日記を拾い読むことにした。
日記には男が水道局員の人間であり、あのカエルもどきに仲間を次々と襲われ、
(この状況を見るに途中で感染して死亡したか、別の要因で死亡して腐敗したかのどちらかだな)
ジョンはウエストポーチから白いシーツを取り出した。病院で薬や医療器具と共に回収したものだ。目が開いていたため、瞼を閉じさせシーツを三枚その上に被せた。そして同じく回収した油性ペンで日記の空いているページに、”勇敢な水道局員ここに眠る”と書いて開いた状態でシーツの上に乗せた。そして携帯食と水を近くにおいた。
「悪いな、こんくらいのことしかできずに・・・供え物も酒がいいかもしれないが持ち合わせがない。そんなので我慢してくれ。カエルもどきはそこそこの数は仕留めたよ・・・悪いが銃だけは貰っていく・・・安らかに眠ってくれ・・・」
ジョンはそう言って傍にあった猟銃を拾い、梯子へと向かった。猟銃はかなりの年代物に見えた。調べてみると水平二連式の大口径ライフルで、70口径という怪物のような弾丸を使用する
(丁度いい、弔いついでに試し撃ちさせてもらおう)
ジョンは猟銃に70口径マグナム弾を装填し構えた。まだ口は開けていないが、どれだけ通用するか試そうと考えていた。頭部に一発発砲した。大きな湿った弾けるような音と共に頭部が大きく弾けた。カエルもどきはもんどり打って倒れ、口を開けて苦しそうにもがいていた。二発目を口の中に撃ち込みとどめを刺した。
(像を仕留めるための弾丸なだけにエグい威力だな・・・だが、使える。グレイブディガークラスの相手でもこれなら何とかなるな。にしても相変わらず反動をあまり感じないな)
発砲音もかなりのもので音だけで反動がどれだけ強いか想像できるが、いざ撃ってみたが反動はあまり感じなかった。何度目かわからないタイラントの身体に驚きながらも、リロードを行いウエストポーチにしまった。
ようやくジョンは地上に出るための梯子に到着した。広さは問題なく、出口も自分の体格でも通れそうだった。そのまま登り続け、出口まで後数メートルと行った処で、何かがジョンの首に巻き付き上へと凄まじい勢いで引っ張っていった。
猟銃はトレマーズ1作目で、核戦争に備えた夫婦の夫が使用していたものをイメージして下さい。読者の皆様から情報を頂いたため、8/31に猟銃の文を修正しています。皆様ありがとうございました。
ネタバレになるかもしれませんが、猟銃を入手しても一部の中ボスとラスボス相手には切り札ではなく、あくまで強力な武器のうちの一つにしかなりません。次回もお楽しみ下さい。