RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation 作:ss好き
「うおあぁぁぁーーーーーー!!!!」
出口まで後数メートルほどの所で俺の首に何かが巻き付き、凄まじい力で上へと引っ張り上げられ、そのまま空中高くまでとばされた。その瞬間、首に巻き付いていた何かが離れた。
ジョンは空中で頭が地上、足が空の方へ向くという逆立ちのような体勢で数メートルの地下から空へと放り投げられていた。ジョンは首に巻き付いた何かが離れた瞬間に上(厳密には下だが)を向き、自分を放り投げた相手を確認した。
(嘘だろっ!?こっちにきていたのか!だが良かった!レベッカたちの方ではなく俺の方にきたのなら、ここで決着をつけてやる!)
相手はネメシスだった。ジョンとの戦闘の影響で拘束衣のようなコートはボロボロになっており、身体のあちこちから紫色の触手が蠢いていた。首に巻き付き自分を放り投げたのは、ネメシスの触手だったのだ。だが、それらよりも目を引くものを左手と背中に背負っていた。大型の火炎放射器だった。ネメシス用に開発されたと思われるその火炎放射器は背中に背負っている、これまた大型の燃料タンクにホースで繋がっており、かなりの時間使用できると思われた。ジョンは落下する前に、空中で身体を捻り態勢を立て直し無事に着地した。すかさずマグナムを全弾ネメシスの顔面に発砲した。ネメシスは痛みと怒りに顔を押さえながら、咆哮を上げながら火炎放射器を発砲した。
「食らうか!そんなもの!」
ジョンはバックステップとジャンプを駆使して火炎を回避した。ネメシスの触手が再びジョンに向かって伸びてくる。リロードを終えたマグナムで触手を迎撃する。触手を撃たれたネメシスは一瞬怯み、硬直していた。ジョンはウエストポーチから猟銃を取り出した。
アンブレラリボルバー以上の破壊力のある70口径マグナム弾なら
ジョンは頭部に向けて二発一気に発砲した。が、
(クソっ!まさか躱されるなんて!)
ネメシスはなんと放たれた70口径弾を首を傾けることで回避したのだ。しかし、完全には躱せず手術痕の残る右側の頭部を少し削っただけに終わった。ネメシスは削れた箇所を押さえながら、左目でジョンを睨みながら高く跳躍し、どこかに消えてしまった。
(ここまで俺を追ってきたんだ、一度撤退して体制を整えてからまた来るだろう)
周りは火炎放射器の火炎のせいで、火の手が上がっていた。幸い解体中のビルへの入口はシャッターがあったため、急いでビル内に駆け込みシャッターを閉めた。が、隙間や壁、天井部分から延焼し始めた。
「まずいな、火の回りが予想以上に早いな何処かに出口は・・・いや、壁をぶち抜いて出るか」
ジョンは脱出できそうな壁を探しながら奥へと進もうとした時だった。
ドガシャーーン!!!!!
John・・・!
ネメシスがシャッターを破壊しながら侵入し、さらにジョンの名前を呟きながら火炎放射器を発砲しながらゆっくりと歩いて追跡してきたのだ。ジョンは名前を呼ばれたことに驚いたが、すぐに不敵な笑みを浮かべた
「嬉しいねぇ、名前を覚えてくれるなんて光栄だ」
どうやらS.T.A.R.S.に並んでアイツの抹殺リストの上位にランクインしたらしい。自分の中で戦意が膨らみ、ネメシスとの闘いを楽しみにしている自分を自覚した。闘い、勝ちたいという思いが溢れてくる。
(っ!危ない・・・闘争本能に飲まれるところだった・・・俺は人間だ。ただ暴れる怪物じゃない!レベッカ達が人間だと言ってくれたんだ、その俺が自分から人間性を捨てるような行動をしてどうする!)
ジョンは自分の頬を両手で力一杯叩き、気持ちを切り替える。猟銃を構え、ネメシスの頭部に向けて撃とうとしたが、ネメシスの姿が少し変化していることに気が付き、引き金にかけた指が離れた。
ネメシスは頭部と体の一部、コートの破損が大きい箇所を覆い隠すように触手を巻き付けていた。今や体中で蠢いていた触手はさながらコートの代わりのようになっていた。試しに胴体に発泡したが、触手が数本弾けるだけで本体のネメシスにはあまりダメージはなさそうだった。頭部は多少は怯んだが、同じ様な結果に終わった。
「気色悪い防弾チョッキ着やがって!!」
悪態をつくも考え自体は悪くないものだと思った。頭部という殆どの生物の急所を自身の触手を使って守る。触手はおそらく体内で再生・増殖しており、無限に再生する鎧の役割に徹しているのだろう。先程と違っていっこうに触手を伸ばしてこないのは、
ネメシスは周りに向けて火炎をばらまきながらゆっくりと歩いてきた。ジョンは猟銃を撃ちながら後退し、追い立てられるようにビルの上へ上へと進む以外に他に道がなかった。
「かなり高くまで来たな。下は火の海で戻れず、進めば絶対にアイツが待ち構えているだろうな・・・」
俺はネメシスの火炎放射によって火の海になったビルの下層を見下ろしながら、愚痴をこぼしていた。登っている途中で何度か追跡中のネメシスと鉢合わせしてしまい、お互いが驚いて怯むということもあったが、屋上のすぐ下の階に着いてからはネメシスは現れなくなった。この会には工事用の証明や作業員のヘルメット、タイプライターとインクリボンが置いてあった。
「ゲームならボスに挑む前のセーブ部屋といったところか・・・残念だがゲームではなく現実だが」
タイプライターを調べても特になにかが起きることはなかった。しかし、何となくそのタイプライターを回収した。初めてバイオハザードをプレイした記憶が蘇ってきたからだ。原点であるあの洋館での恐怖、生き残るために様々なプレイで遊んだ初めてのバイオハザードを。タイプライターを見て思い出した前世の記憶に懐かしさと寂しさを覚えた。前世の自分のことは変わらず思い出せず、一部のことしか思い出せないでいた。それがとても寂しく悲しかった。
何を考えているんだ・・・今はネメシスと脱出のことだけ考えろ!このままじゃグリルか炭にされちまうんだぞ!
ジョンはほんの僅かな哀愁に身を任せ、直ぐに振り払い眼の前のことに集中した。今は生き残ることにだけ考えろと自身を叱咤し、ジョンは屋上へと続く梯子を登った。
ジョンは梯子を登り、屋上に到着した。周りはビルの火災の影響で少し明るく、暑かった。ネメシスの姿は見えなかった。が、少し離れた位置の床が吹き飛び、中からネメシスが現れた。
John・・・!
「いいぜ・・・今度こそ叩きのめしてやる!」
ひとまず距離を取りながら猟銃で射撃し、隙をうめるためにマグナムも発砲する。だがどちらの弾丸も触手の鎧に止められていた。猟銃もマグナムも強力だが、装弾数が少なく持続した射撃ができずに、火力で押し切ることができずにいた。背負っている燃料タンクを狙って猟銃とマグナムを発砲したが、射線に入らないようにネメシスが立ち回っているため、そちらもうまくいかなかった。
まずいな・・・こっちは威力はあるが継続した射撃ができずに隙を晒しやすい武器しかない。向こうは冷却が必要だが、長時間攻撃できる火炎放射器で隙があまりない。何か連射できる武器を探しておけばよかったな・・・。
(レベッカからMP5を借りてくればよかったな。このままじゃ消耗戦でこっちが圧倒的に不利だな)
何とか隙を作りたいがグレネード弾は投げた瞬間に火炎放射器か足で遠くに飛ばされるか、距離を取られて不発に終わった。なにか使えないかと周りを見てみたが、使えそうなものはなにもなかった。ネメシスが火炎放射器を向けたため、咄嗟に近くの積み上げられた資材の裏に屈みながら身を隠した。その際に腰のあたりに何かがあたった。
(これは・・・試してみるか)
ジョンはあたった物を確認すると、それを使ってネメシスの隙を作るために試してみようと考え、実行に移すことにした。
隻眼の異形はS.T.A.R.S.の協力者の男を追い詰めていることに歓喜を感じていた。主目標の抹殺という任務の邪魔をされ、二回目に至っては感染した生物に丸呑みにされて、死にかけたほどだった。そして、何とかその生物体内から脱出し隙をついてガス管を爆破し、ついに仕留めたと思っていた。しかし、男は生きていた。異形は己の中のウイルスが男のウイルスを通して生存を伝えていた。異形は本来ならS.T.A.R.S.隊員の抹殺に向かうべきだと分かっていた。しかし、異形はどうしても男を先に抹殺することに執心していた。戦術的に見れば最大の障害を先に排除すると捉えられる。だがそれ以上にあの男をこの手で殺したい、抹殺したい、そしてそれによって得られる喜びを味わいたと思っていた。
火炎放射器を装備し男をビルへと追い立て追い詰めた。己の一部を身体に巻き付け、男の攻撃は脅威ではなくなった。火炎放射器の火炎を資材に隠れてやり過ごしている男へ、異形は大きく跳躍し、上から押し潰そうとした。男は
「ジャックポット!うまくいった!」
ネメシスは痙攣しながら硬直し、動けずにいた。俺が隠れた時に腰にあたったもの、それは発電機だった。数機の発電機が置かれており、スイッチを入れるとまだ稼働するようだった。注意書きに”強い衝撃を与えると放電する場合があります”と書かれており、ネメシスの足止めに使えないか?そう考え、全ての発電機の電源を入れ、ネメシスが此方にやってくるのを待った。まさか、ジャンプして上からくるとは思わなかったがなんとか発電機の傍まで誘導できた。マグナムを発電機に命中させると注意書き通り放電した。更に他の発電機も連鎖して放電したため、かなり大きいスパークが発生し、一瞬昼のように明るくなった。隙ができた、畳み掛けるのは今しかない!
ジョンはマグナムを構え、ひたすら燃料タンクに発砲した。十一発撃ち込んだところで、燃料タンクが大爆発を起こした。凄まじい爆風と炎にネメシスの体をほぼ覆っていた触手も消し飛んだ。ネメシスは片膝をついて苦しそうに呻いていた。胴体の触手は剥がれたが顔だけは未だに触手に覆われ、鎧の役目をはたしていた。更にネメシスは頭部だけは死守しようと、右手を盾のように顔の前に構えていた。胴体を狙うしかないかと考え、マグナムから猟銃に持ち替え、発砲した。70口径マグナム弾の凄まじい発砲音が響き、命中した箇所のネメシスの肉体が弾けた。ジョンはひたすら撃ち続けた。数十発は撃ち込んだ処で、
John・・・!
と怨嗟がこもったような低い声でジョンの名前を呟きうつ伏せに倒れた。
とどめを刺そうと猟銃をネメシスの頭に狙いを定め、撃とうとした時、突然ビルが大きく揺れた。更には下の方から連続した爆発音が聞こえてきた。火災の炎が可燃物に引火して爆発したのだろう、自分のいる屋上でも発電機や可燃物に引火し爆発し始めていた。
「チッ!どこか脱出できる場所はっ!?」
周りを見渡し脱出路を探す。階段も梯子も見当たらず、端のほうに行き下を覗く。ゴンドラが一台あった。背後で爆発が激しくなり、迷っている暇はないと感じた。俺は一か八か、ゴンドラに向けて飛び降りた。
くどいような文章になってしまったかもしれません。ゲームだったら触手を剥がすまでロケランでもあまりダメージをあたえられず、燃料タンクを破壊するまでまともな攻撃は意味がない仕様になってそうですね。次回くらいにレオン達と合流させたいと考えています。
ネメシスがちょっとキャラ崩壊したかもしれませんね・・・こんな作品ですが、次回もお楽しみ下さい。