RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation 作:ss好き
「案外なんとかなるもんなんだな」
背後の落下し、大破したゴンドラと業火に包まれるビルを見ながらそう呟いた。
ジョンはネメシスを倒し、とどめを刺そうとした時にビル内と戦っていた屋上が、火災の影響で可燃物か何かに引火し爆発が起き始め、やむなくとどめを刺さずにビルから脱出することにした。しかし、周りを探せど階段も梯子もなく万事休すと思ったと時、作業用のゴンドラを見つけ一か八かそれに向かって飛び降りたのだ。着地には成功したが、ジョンの体重にゴンドラの昇降機が耐えきれず落下してしまったのだ。途中でゴンドラから飛び降り、結局生身で着地する羽目になり、ゴンドラは地面に叩きつけられ大破してしまった。
「これなら屋上から飛び降りても大丈夫だったかもしれないな。いや、いくらタイラントの身体でも限界はある。不要なリスクは極力取らない方がいい」
タイラントであるこの身体は凄まじい回復力と耐久力、スタミナを持っているが不死身というわけではない。限界以上の攻撃を受ければ死ぬし、首を切り落とされれば言わずもがな。たとえ死ななくとも生命の危機に身体のリミッターが外れ、スーパータイラントになる可能性もあった。自分自身の意識はあるが、スーパー化したらどうなるかは全く予想ができない。我を忘れて仲間を襲うことだけは絶対に避けなければならない。
(タイラントの身体だからと過信せず、慎重に行動するよう気をつけるか。今回みたいな死ぬかもしれない状況じゃなければ、無茶はあまりしないように注意しなくちゃな)
ジョンは改めて必要な時以外は極力無茶な行動は取らず、慎重かつ堅実に行動するよう戒め、警察署へ向かうため歩き出した。
この時、ジョンは下水道で回収した消臭スプレーは缶一本全て使用し、身体の消臭を必死に行っていた。
ジョンはアップタウンを彷徨っていた。道中はゾンビやゾンビ犬と遭遇し戦闘になったが、問題なく排除していた。事故車やバリケードで道がだいぶ塞がっていたが、彼にとってそれらもあまり問題はなかった。数台くらいなら自身の怪力で撤去することはでき、バリケードも退かすか破壊して進むことができた。大火災を起こしているものはさすがにどうしようもなく、ジャンプして飛び越えるのも、向こう側がどうなっているか不明のため断念した。そんなこともあり彼は少し迷子になっていた。
「いかん・・・迷った・・・」
歩きつつもジョンはそう呟やき、天を仰いでいた。一応はそこそこ高いビルが見えたため、それを目印にダウンタウンと思われる方向へ進んでいたが、迂回するため別の道を進んだり、路地裏に入ったが思ったより複雑な道に方向感覚が狂い別の道に出てしまったりと、彼はまだアップタウンを彷徨っていた。
(クソッ、もうすぐ日が暮れる・・・改めて思ったが、この街変に複雑すぎじゃないか?急速に発展した弊害か?)
ようやく下水道から出られたと思ったら今度は地上を彷徨うことになるとはな・・・何処かで地図を入手できれば通りの名前から現在位置を把握して警察署に戻れるんだが・・・欲を言えば車もほしいな。
暫く通りと裏路地を進んでいたが、ようやく大きな道路に出ることができた。通りは事故車と放置車両、多数のゾンビが彷徨っていた。通りの端のほうにパトカーと軍用と思われるトラックが止められていた。残念ながら二台とも事故を起こして大破してしまっていた。トラックは荷台が無事だったため、何か役に立ちそうなものがないか調べることにした。どうやらこのトラックはアンブレラの所有するものらしく、荷代には弾薬箱が大量にあり全てにアンブレラのロゴがついていた。
(U.B.C.Sのトラックか。弾薬は豊富だが武器は持ち出されているな・・・ん?)
武器ケースがほとんど空だったことに落胆したが、荷台の奥に一つだけ空いていないケースが置かれており、留め金はつけられていたが鍵はかかってなさそうだった。回収し中を確認すると銃が一つ入っていた。
「これは・・・機関銃か!」
ケースの中身は[M249]と呼ばれる軽機関銃の一種だった。弾帯と呼ばれる銃弾をリングでいくつも繋げることで、マガジン式に比べ圧倒的な弾数を誇り、機関銃のような銃弾をばら撒くタイプの銃にはよく見られる給弾方式だ。
(よし!機関銃なら弾数も多いから多数の敵にも対応できる。俺が持っている銃は威力はともかく、装弾数が少なく持続した銃撃ができなかった。機関銃なら継続した銃撃が可能であり、大物から小物まで相手取れる)
ジョンはそれから弾帯を入れるためのボックスマガジンとダッフルバッグ、救急スプレーと調合済みハーブを見つけた。車は残念ながら動くものがなかったため、諦めるしかなかったが地図をパトカーから見つけられた。
「運が良い、この道路を進めば警察署へまっすぐに進む道に出られる」
ようやく警察署に戻れると考えたときだった、
バンッ!バンッ!
少し離れた場所から銃声が響いた。
(銃声っ!?生存者がいるのか!?)
俺は銃声が聞こえた方へ全速力で駆け出した。位置的に此処のすぐ隣の道路だと思われた。早く向かわなければゾンビに囲まれてやられてしまう。手に入れたばかりの機関銃を装備し、生存者の救助へと急ぐ。
後にレベッカ以上にコンビを組み、様々なバイオテロに共に立ち向うことになる相棒兼親友になる男、そしてレベッカ、ジル経由で兄共々何かと関わっていく事になる女、レオンとクレアに出会うことになる、数分前の出来事であった。
ジル・バレンタインはコンビを組むことになった男になんて声をかければいいか分からなかった。カルロス・オリヴェイラは自身の隊長に連絡を取ってから、明らかに気落ちした様子であった。言動も無理やり明るく振る舞っていて正直見ていて痛ましかった。今はU.B.C.Sが避難所にしている地下鉄駅への道の安全確保と調査のために動いていた。暫く無言の時間が続いていたが、カルロスが唐突に口を開けた。
「ミハイル隊長から俺の親友が死んだことを伝えられた・・・」
その言葉にジルは目を伏せた。自分もあの洋館でS.T.A.R.S.の仲間を大勢失った。しかも、仲間であり隊長であるウェスカーとアンブレラの手によって。
「アイツと初めて会ったのは、訓練所なんだ。海兵隊員だったアイツは兄貴をギャングに殺されて、復讐のためにメンバーと仲間二十人を殺っちまって無期懲役。そんな中でアンブレラはアイツをスカウトしてU.B.C.Sに入隊した」
カルロスの話は続いた。海兵隊時代から神業的な狙撃技術を持ち、それに目をつけたアンブレラがスカウトにきたこと。U.B.C.Sに入隊した後もその狙撃で多くの窮地を救われた。訓練所では直ぐに意気投合し、バカをやったり、遊んだりしたこと。今回のラクーンシティの任務でも市民を救うと意気込んでいたこと、カルロスは懐かしむように語り続けた。
「この仕事は真っ当な死に方はできないって覚悟していたつもりだったが・・・やっぱ辛れぇな・・・親友が死んじまうってのは・・・」
「カルロス・・・」
「心配すんなジル。辛れぇが隊長のお陰で人間として終われ、丁重に葬ってくれた。この街では死んでも安らぎがない・・・その中でマーフィーは可能な限り最高の形で葬られた。悲しいが、泣くのも喚くのも生き残ってからだ。心配かけて悪かったな、もう大丈夫だ」
カルロスはまだ無理をしているように見えたが、先程よりも雰囲気が元に戻っていた。
強い男だ・・・悲しだろうに、それでもそれを受け止め、取り乱さずに自分のできることをする。誰にでもできることではない、悲しみで無気力になってもおかしくない。カルロス・オリヴェイラはただのムードメーカーなだけでなく、信念と誇りを持った兵士だった。目的地の地下鉄駅が見えてきた。道中はゾンビやクリーチャーがいたが、問題なく排除できた。マービンは意識はまだ戻らないが顔色は良く、呼吸も安定していた。地下鉄駅周辺の道路は火災と事故車で塞がれているため、徒歩で向かうしかなく、意識のないマービンを背負っていくための調査でもあった。
(ジョン・・・早く戻ってきなさい。このままじゃ置いてけぼりになるわ。信じて待っているから)
ジルはジョンの安否を気にかけつつ、U.B.C.Sの隊長に会うべく駅構内へと入った。
RE3のカルロスはオリジナルよりメンタルが強く、心が広いかなと個人的に思います。ユーモアや軽口を忘れず、どんな事態でも余裕を持っている心。本作のカルロスはRE3版にしようと思いました。
レオンとは何だかんだ死なない、悩みを共有でき、同じ話題で愚痴を話、酔いつぶれるまで酒に付き合ってくれる中にしたいと考えています。
タイレルは某CODのお助けロシア人の工作員枠にしたいなと考えています。
いつも本作を楽しんでくれている読者の皆様には感謝が絶えません。文章構成は苦手ですが、これからも本作を書いていくので、どうか楽しみにお待ち下さい。
これからもRESIDENT EVIL Tyrant reincarnationをよろしくお願いします。