RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation   作:ss好き

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ちょっとやり過ぎちゃったかなと思いますが、後半に登場するクレア曰くゲス野郎には原作より酷い目にあってもらおうと思っています。それでは新作投稿です。


Chapter.7 再会、愚か者の末路

 警察署エントランスは変わらず非常用の物資の箱に病院に置いてあるようなベッド、ランタンや医薬品などが置かれており、NEST2に向かう前と変わっていなかった。警察署内も静かで人の気配を感じなかった。

 

 「静かね・・・」

 

 「誰もいないのか?」

 

 「大通りに何台ものパトカーや輸送車が向かうのを見たが、帰ってきた奴はいなかったから恐らくはもう・・・」

 

 レオンとクレアは署内の静けさに不安を感じ、ロバートがここ数日の警察の出動後の様子を話し、三人に暗い影が落ちるが、

 

 「落ち着け、S.T.A.R.S.オフィスにはレベッカとジル、マービンという警官が居るはずだ。まず彼女たちの安否を確認してからだ」

 

 「そうか・・・あの二人は無事だったか」

 

ジョンは仲間のことを伝え、少なくても三人は警官は生き残っていると励まし、ロバートは友人が生き残っていることに安堵した。

 

 「オフィスには奥の階段から行こう。二階に上がって図書室を通るルートの方が近い上にリスクも少なくてすむ。いいか、警察署といえど安全ではない。むしろ狭い屋内だと扉や角などの死角から唐突に襲われる可能性が高くなる。長時間狭い場所を彷徨うのは包囲される危険性もある。何よりも・・・警官のゾンビが多く現れることになるだろうから覚悟を決めておけ。特にレオン、きついかもしれんが大丈夫か?」

 

 ジョンはレオンの顔を見ながら問いかけた。彼からしたらゾンビであろうと仲間であり、先輩でもあるラクーン市警の警察官に銃を向け発砲・射殺するのは精神的にもかなりの苦痛のはずだったからだ。

 

 「大丈夫だ、もう眠らせる以外助けられないのは分かっている。覚悟はできている」

 

 レオンは決意のこもった瞳で見返してきた。これなら大丈夫そうだな。レベッカとジル、カルロスとタイレルと同じ目だった。心配は杞憂だったらしい。

 ジョンはショットガンに持ち替えながら、全員に指示を出した。

 

 「前衛は俺が、その後ろにロバートとエマ、クレアは二人のそばにいて守ってくれ。殿はレオンが頼む」

 

 「「了解」」

 

 「済まない、ありがとう」

 

 「よし、移動だ。扉と曲り角などの死角に注意しろ。見つけたら頭を撃て」

 

 

 

 

 

 ジョンが簡単なブリーフィングを行い、ゆっくりと進みはじめた。扉や受付付近、二階の廊下などあらゆる場所に視線を移していき、何も見逃さないと言わんばかりの警戒心だった。扉やメインホール受付の前では緊張と警戒に心臓の鼓動が早くなるのを感じていた。

 

 (落ち着けレオン、落ち着いて対処すれば大丈夫だ。しっかりしろ、俺は民間人四人の命を預かっているんだぞ!たとえ戦う術を知っていようと、俺より強かろうと警官なら何があっても助けるのが使命だ!)

 

 レオンは不安に陥りそうになる己を叱咤し、気合を入れ直した。ゾンビとクリムゾンヘッド相手に危なげなく対象してきた自負もあり、瞬時に心を落ち着かせ平静に戻った。階段を登りきり、二階廊下までたどり着き、ジョンが図書室の扉を開けようと手を伸ばした。

 

 怖いよー!

 

 「君!待って、あぶないわっ!」

 

 一階から少女と思わしき幼い叫び声と女性の声が聞こえてきた。

 

 「この声はっ!?」

 

 「生存者!?」

 

 「一階だ!」

 

 慌てて確認すると西側オフィスの受付のから十歳ちょっとの女の子と十代後半くらいの女性が勢いよく出てきた。女の子はパニックになり、泣きながら逃げており女性は焦った様子で追いかけていた。ジョンが軽く身を乗り出し大声を上げた。

 

 「お嬢ちゃんっ!!そこで止まって!!レベッカっ!俺だ!ジョンだ!」

 

 「っ!?」

 

 「ジョンっ!?よかったっ!無事だったのね!」

 

 どうやら彼女がジョンの言っていた仲間らしい。女の子はジョンの声に驚いて立ち止まってくれたようだ。こんな状況じゃ仕方ないが、あのままパニックを起こしながら逃げていてはゾンビやゾンビ犬、ゾンビカラスに襲われてしまう可能性が高かった。女の子はまだ怯えている様子だったが、自分を追いかけてきたのが化物ではなく、優しそうな女性で自分を呼んだ男も生存者だと分かり、更に三人の男女の生存者がいることに少し落ち着いたようだった。女性は優しい笑みを浮かべながら女の子と同じ目線になるようにしゃがんだ。その時だった。

 

 ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!! バキャッ!!

 

 正面扉を激しく叩く音が聞こえたと思った瞬間、扉が破壊されクリムゾンヘッドが侵入してきた。せっかく落ち着き始めていた女の子は再びパニックになり泣きながら東側の廊下に入っていってしまった。女性は驚きつつ咄嗟にハンドガンを構え、一番手前にいたクリムゾンヘッドの頭に発砲した。

 

 「クソッ!」

 

 レオンは慌ててハンドガンを構え、クレアもアサルトライフルを構えた。ジョンは銃砲店の時と同様に黒いS.A.Aを撃った。六体がほぼ同時に倒れ、ジョンは黒いS.A.Aをしまいエングレーブの入ったS.A.Aを発砲し、再び六体のクリムゾンヘッドが倒れた。レオンとクレアも遅れながら発砲し、クリムゾンヘッドの掃討に加わった。ロバートはエマを背負っている関係で攻撃には参加できず、少し離れた位置に退避していた。一分もしないうちに侵入したクリムゾンヘッド数十体は全て排除し、女性(レベッカ)のもとに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (レベッカと無事に合流できたのはいいが、再び問題発生か。あの女の子は無事だといいが・・・)

 

 ジョンは東側廊下を慎重に懐中電灯で照らしながら、()()()()()()()()と共に逃げた女の子の捜索を行っていた。クリムゾンヘッド排除後に無事にレベッカに合流したジョンたちは、新たな生存者の三人の自己紹介と状況報告を行った。レベッカはS.T.A.R.S.としてロバートとは装備の購入でよく顔を合わせているためよく知っており、彼とその家族のことに悲しみの表情を見せつつ、娘のエマが助かったことにとても喜んだ。クレアに関しては、S.T.A.R.S.の先輩のクリスからよく話を聞いておりその容姿が聞いていた特徴と似ていたため、何となくそうじゃないかと予想してたらしい。レオンは猟奇殺人事件に興味を持ってうち(ラクーン市警)に来る物好きだが、正義感が強く優秀な新人だと署内でよく話を聞いており、署内回覧でレオンの顔を写真で見ていたらしく、すぐに分かったそうだ。レオンとクレアは少し恥ずかしそうにしていたが、レオンは少し満更でもない顔をしていた。

 ジョンは病院での殿から下水道、解体作業中のビルまでのことを説明した。レベッカは驚いた表情したり、無茶をしたことにたいする小言をもらうも最後は笑顔を浮かべ「無事で良かった」と心から安堵した声でねぎらってくれた。

 

 「ところでさっきの子は?」

 

 「そうだ!あの子は私がS.T.A.R.S.オフィスに向か途中で見つけた子なの。ただゾンビと思われたのかいきなり逃げられちゃって・・・」

 

 「追いかけて今に至るってことか・・・俺達も捜そう、レオンは一緒に来てくれ。クレアはロバートとエマと一緒にS.T.A.R.S.オフィスで待機してくれ、念の為にマシンガン(M249)と予備弾薬を渡しておく」

 

 「了解した。警官としても、迷子の女の子をほっておくことはできない」

 

 「任せて、ロバートとエマは必ず守るわ」

 

 「済まない、三人とも必ず戻るんだぞ」

 

 

 

 

 「レベッカ、さっきの話から俺はそんな変り者扱いされているのか?」

 

 俺は年下だが先輩警官ありS.T.A.R.S.隊員のレベッカに捜索しながら疑問をぶつけた。優秀という言葉に嬉しさはあったが、変り者扱いは心外だと思ったからだ。

 

 「う〜ん、まぁそこまでネガティブな感じじゃなかな。でも人が人を食べる事件なんて大抵の人は気味悪がるのに、興味を持ってラクーンにくるのは貴方ぐらいじゃないかな?よく皆が話てたし」

 

 「署員全員の話題に上がるほどのことなのか・・・」

 

 確かに元カノにラクーン市警配属の知らせをしたときは仰天し、顔を少し青くしながら何度も確認するほどだった。最初は渋々といった感じだったが、配属日が近づいてくると思い直すように何度も訴えてきた。しかし、俺が意思を変えるつもりがないと分かると「レオン、貴方はとても優しく強い人だけど、私は違う・・・ラクーンシティに行くのだけは絶対に受け入れられない。本当に申し訳なく思っているけど、お別れしましょう・・・きっと貴方には私より強くてもっと相応しい(ひと)が居るわ。本当にごめんなさい・・・けど最後に・・・貴方の彼女として注告するわ、とても嫌な予感がするの・・・行ったら最後、取り返しのつかないことになるんじゃないかって、貴方の人生を無理やり決定させられてしまう何かに遭遇するんじゃないかって・・・」そう彼女から言葉をもらった。そしてその日に彼女とは分かれた。

 

 (君の言う通りだったよ・・・でも・・・君には悪いが来たことに対しては後悔はない。困っている人がいるなら助ける、それが俺の矜持だからだ)

 

 レオンは元カノの言葉を思い出しながら、改めてこのラクーンシティの事件に巻き込まれた人達のために戦おうと警察官の誇りをかけて心の中で誓った。

 それはそれとして悪い方ではないが、ラクーン市警のほぼ全員から変り者に思われたことについては、レオンは少し落ち込んだ。ジョンは何となく察したのか「いいじゃないか?見方を変えれば周りに流されない意思と強い正義感があるから来たんだろ?ならそれを誇れ」と言ってくれ、少し心が軽くなった。

 

 

 

 

 警察署東側の捜索をしているが女の子はまだ見つかっていない。資料室、プレスルーム、東側オフィス、トイレと探しているのだが隠れるのがうまいのか気配すら感じられなかった。隠れられそうな天井やダクトも調べてみたが見つからなかった。

 

 (あの子は一体どこに行ったんだ?このままじゃゾンビや他の化物に襲われてしまうぞ)

 

 「ジョン、プレスルームとトイレを探して見たんだけどいなかったわ。レオンは?」

 

 「資料室、オフィスの中はくまなく探したが駄目だった」

 

 「俺も廊下と天井、ダクトの中も調べたがいなかった」

 

 一度レベッカとレオンと合流しそれぞれ探した場所の報告を行ったが、残念ながら見つけられなかったらしい。レベッカの顔は不安そうに暗くなり、レオンにも焦りの表情が浮かんでいた。

 

 「後はこの先の宿直室と地下への階段がある廊下だけど、シャッターが閉まってるから通れないはず」

 

 「いや、あの子の体格ならダクトや小さな隙間くらいなら通れるはずだ。念のために見に行ってみよう」

 

 レオンの案にジョンとレベッカは頷き警備員室まで向かった。レベッカの言うとおり分厚く頑丈そうなシャッターが閉まっており、子供の力ではとても開きそうになかった。どう開けるかとレオンは考えていたが、レベッカが「ジョン、お願い」と言いジョンがシャッターの下にある取っ手に手を掛け、いっきに持ち上げた。シャッターはあっさりと開いた。

 

 「すげぇ・・・」

 

 レオンは半ば呆然とした感じで呟いた。ジョンは軽くウィンクし、

 

 「重量挙げには自信がるのさ」

 

と応えた。

 

 さあ進もうと一歩を踏み出した時だった。

 

 「きゃあーーーー!!!!!」

 

 あの女の子の悲鳴が廊下の奥から聞こえてきた。

 

 「今の声!?」

 

 「急ごう!走れ!」

 

 三人は慌てて声が聞こえた廊下の奥に走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おやおや、チェンバース巡査に新入りのケネディ巡査じゃないか、こんな処で何をしているのかね?」

 

 悲鳴が聞こえた後、何かから逃げようと抵抗する女の子の声が地下から聞こえ、声を頼りに探していると地下駐車場から聞こえることが分かり向かった。駐車場にはあの女の子の腕を掴みながら、一人の男がニタニタと気色悪い笑みを浮かべていた。白髪交じりの頭髪と口ひげ、少しくたびれたスーツとベストを着たふくよかな身体、そして一番の特徴としては目だろう。なにか大事なものが壊れてしまったような、精神に異常をきたした者の目だった。

 

 「アイアンズ署長?」

 

 「これは・・・一体何のマネですか!?アイアンズ署長!」

 

 レベッカは何故と疑問気に、レオンは雑誌や警察学校での話と乖離したラクーン市警の署長の姿に驚愕と困惑、怒りの三つがまぜこぜになった表情をしていた。

 

 「何の?迷子の女の子の保護をしているのだよ、警官なら当たり前のことではないかね?」

 

 「どう見ても怯えて嫌がっているじゃない!」

 

 レベッカの言うとおり女の子は目に涙を浮かべて怯えていた。どう見ても肯定的に捉えられる状況じゃないことは明白だった。しかし、アイアンズ署長は気にした風もなく自分に酔っているように話し始めた。

 

 「長年アンブレラのためにこの身を削り尽くしてきた・・・理不尽な要求に怒りながらもこなしてきた・・・その見返りが・・・この地獄のような有様だとっ!!?ふざけるなっ!!」

 

 静かに語っていた署長はいきなり語気を荒げはじめた。

 

 「私の苦労も知らずにいつもいつも顎でこき使いやがってっ!小さなミスでもネチっこく何度も何度もしつこく指摘しやがってっ!!どれだけアンブレラのためにこの身を注いできたことか!!」

 

 激昂しながら語られる内容はアンブレラとの長年の癒着と汚職の数々だった。しかもそのことをさも偉大なことのように語るその姿には、同じ警官であるレベッカとレオンは怒りの表情を浮かべていた。ジョンも不快感をあらわにした顔でアイアンズ署長を睨みつけた。

 

 「アークレイでの件もそうだ!S.T.A.R.S.の生き残りを監視し署内で孤立するように仕向けたというのに!!猟奇殺人事件もでっち上げの」

 

 「やっぱり貴方が・・・!」

 

 「そのとおりだよチェンバース巡査、私が事件をもみ消したのだよ。だが今となってはもうどうでもいい、どうせ皆死ぬんだからな・・・!だが・・・ただでは死なんよ。お前らも、他の生き残りも全員道連れだ!だがその前に・・・持っている銃を捨てて貰おうか?」

 

 「「「・・・!」」」

 

 「抵抗しても構わんよ?このお嬢さんの安全は保証しないがね」

 

 「まがなりにも警官のくせに・・・!」

 

 「警察官の誓はどうした!?」

 

 「知らんなぁそんなもの」

 

 「レベッカ、レオン、今は言うとおりにしよう」

 

 アイアンズの言葉に憤っている二人にジョンは静かに声を掛けた。

 

 「ジョン!?」

 

 「貴方何を言って!?」

 

 抗議するように振り向くが、ジョンは穏やかに顔をしていた。そしてその目は”信じろ”と語っていた。二人はジョンを信じ、武器の弾を薬室のものを含め排出し床に置いた。そしてアイアンズ側に滑らせた。

 

 「おいデカいの、貴様も早く置け」

 

 ジョンも背負っていた猟銃・マグナム・S().()A().()A()を床に置き同じようにアイアンズ側に滑らせた。アイアンズは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、女の子に向けていた銃をこちらに向けてきた。

 

 「次は手を見える位置にして床に伏せろ」

 

 レベッカとレオンはゆっくりと床に伏せ、ジョンもゆっくりと床に伏せようと屈みはじめる。しかしその目はアイアンズ署長を常に捉えていた。ジョンが片膝をつき、両手が地面についたところでアイアンズの気が緩むのを感じた。その瞬間、ジョンの右手が目にも止まらぬ早さで()()()()()()()()()()()()()()()()()()S().()A().()A()に伸び、アイアンズの()・左右の肩と膝を撃ち抜いた。アイアンズが崩れるように倒れるとともに女の子の手を離した。女の子は落ちていた銃を拾いながらこちらに駆け寄ってきた。

 

 「ぐあぁぁぁーーーーー!!!!!!???貴様ぁぁー!!よくもぉぉー!!」

 

 撃たれたアイアンズ署長はイモムシのように地面でのたうち回っていた。レベッカとレオンは女の子から銃を受け取り弾を再装填した。ジョンも自分の銃を回収しアイアンズの傍まできた。

 

 「貴様・・・!わざと殺さなかったな・・・!?」

 

 「子供の前で人間が死ぬを見せるのはよろしくないからな」

 

 「ジョン・・・凄いけど出来るならもうしないで」

 

 「俺も同感だ・・・寿命が縮んだよ・・・」

 

 レベッカとレオンはげんなりした様子で文句を言いつつ女の子を助けられたことに安堵していた。女の子は「ありがとう」と小さな声で礼を言ってくれた。

 

 「レベッカ、レオン、この子を連れて先にS.T.A.R.S. オフィスに向かってくれ。俺はコイツと少し話がある」

 

 二人は察したようで女の子を伴って宿直室に続く廊下の方へ歩いていった。俺は改めてアイアンズに向き直った。

 

 「死にたくないなら正直に答えてもらおうか、ラクーン地下のアンブレラ極秘研究所への道を言え。そうすれば命だけは助けてやる」

 

 「くたばれクソ野郎」

 

 「威勢だけはいいな・・・ところで、コイツ(S.A.A)にはあと一発弾が入っているだが?」

 

 その言葉とともに俺はハンマーを起こしシリンダーを回し、止まった瞬間にアイアンズの頭部に向け引き金を引いた。

 

 「運がいいな。だが、これならどうだ?」

 

 「き、き、貴様・・・!こんなことをしてただで済むと思って・・・!」

 

 ジョンはその言葉を無視し、両方のS.A.Aから弾を排莢し背中に隠しながら一発だけ装填し、ガンスピン・ジャグリングを行った。アイアンズは顔を青くしながそれを見つめていた。

 

 「何をする気だ・・・!?」

 

 「どっちかの銃に一発だけ弾が入っている。お前がどちらか選び、俺は引き金を引く。お前が弾に当たらなければお前の勝ち。だが、弾を一発増やしてもう一度選んでもらう、これの繰り返しだ。さあ、何回目に当るかな?」

 

 ニヤニヤと笑みを浮かべながらジャグリングを続け時折中断してアイアンズに銃口を向け、再びジャグリングを再開する。最初は青くなりながら睨んでいたが徐々に震え始め、ついには痛む手足を無視して後退りし始めたが、ゆっくりと歩いて追いかける。ついに壁際に追い込まれたところでジャグリングを止め、ハンマーを少し起こしてシリンダーを回した。そして壁際に追い詰められたアイアンズに見せつけるように二丁のハンマーを完全に起こした。ゆっくりと銃を構えようとしたところで、アイアンズの限界が来た。

 

 「分かったっ!!言う、言うから助けてくれーーー!!」

 

 ジョンがハンマーを戻しながらしゃがみ込む。アイアンズは警察署地下の秘密の道の情報を話しはじめた。所長室の秘密エレベーターから地下の剥製制作室、そこから洞窟、下水道、地下ロープウェイ乗り場、ラクーン郊外の工場にあるターンテーブルに偽装したエレベーターから向かえることと。更には自分とアンブレラの研究員ウィリアム・バーキン博士のメールと賄賂の記録のことや違法な狩猟や剥製、人間を使った剥製の製作など数々の悪事を自供しはじめた。ジョンは不快感に顔を歪ませながら話を聞いていた。

 

 「私が知っていることはこれが全てだ・・・!もう全部話した・・・!だから・・・どうか・・・!」

 

 「ああ・・・()()()()()

 

 そう言ってジョンはS.A.Aをしまった。アイアンズは安堵した表情になり、早く運んでくれと言わんばかりに手を伸ばしてきた。ジョンは笑みを浮かべながら立ち上がり踵を返してレベッカ達の後を追いはじめた。

 

 「お、おいっ!!約束が違うぞ!!助けると貴様は言って・・・!!」

 

 「ああ、だから命は助けただろ?後はお前が自分で運命を切り開け。俺は・・・俺達もそうさせてもらう。まあ俺もそこまで冷酷じゃない」

 

 俺はウエストポーチからハンドガン(M92F)を取り出しアイアンズの傍まで滑らせた。

 

 「これで自分にけりを付けな」

 

 ジョンはそう言って今度こそ喚いているアイアンズに背を向け、仲間と合流するため、アイアンズの証拠を回収するため歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「クソッ!クソッ!クソッ!クソッ!許さんぞアイツらっ!!!絶対に殺してやる!!!命乞いをさせて、惨たらしく殺してやるっ!!」

 

 アイアンズはジョンが去ったあとも喚き散らしていた。散々汚職に殺人、賄賂に隠蔽、その他の違法行為の数々を行ってきたにもかかわらず、この男にはそんな自覚はなかった。この男にあるのはいかに自分の思いどおりになるかしかなく、思いどおりにならなければ暴力を振るうしかなかった。そして今これまでの行いのツケを精算する時がきた。

 

 ”バダンッ!

 

 ”ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ーーーーーー・・・!

 

 ”ブア゙ァ゙ァ゙ーーーーーーー・・・!

 

 ”シャアァァァーーーーー・・・!

 

 留置場に通じる扉が開き中から多数のゾンビが駐車場内入ってきたのだ。更には階段のある廊下側の扉からもゾンビが入ってきたのだ。そして目指すものは一つだった。

 

 「ひぃーーーー!!!来るなっ!!あっちいけっ!!!」

 

アイアンズはパニックになりながらジョンが置いていったハンドガンを拾い近くにいたゾンビの頭に次々発砲した。頭を撃たれたゾンビは活動を停止して倒れていったが、数は全く減っていなかった。自分の最期を悟ったアイアンズは銃を咥えて自決しようとした。目をつぶり衝撃に備えて引き金を引いた。

 

 ”カチンッ!”

 

 乾いた音が響くだけだった。ゾンビに対して散々銃撃したため、マガジン内の弾を使い切ってしまったのだ。アイアンズは呆然と咥えていた銃を見つめ、その間についにゾンビ達がたどり着いた。大半のゾンビが警官の制服を着た者達で皆アイアンズの狂った策略で命を落とした者達だった。そしてその目は憎悪を宿してアイアンズを見ているようだった。

 

 「うあぁーーーー!!!やめてくれーーーーー!!!!助けてーーーーーーー!!!!!!

 

 アイアンズの叫びは咀嚼音と液体が飛び散る音、恨みを抱いた死者たちの唸り声に消えていった。




過去一番の長文になってしまいました。前後に分けようかとも考えましたが、区切りをつけられず前後分の話をまとめて書いちゃいました。次回は久しぶりにジョンはレベッカと話せそうです。
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