RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation 作:ss好き
「横道特急に幹部養成所、洋館と寄宿舎。それに隣接するアークレイ研究所で集められた研究資料、商標一覧とプレゼンテーション資料とフィルムとMOディスク。研究員や職員の日記まであるな・・・こっちはS.T.A.R.S.の報告書にアンブレラ研究員との隠蔽と賄賂のメール記録か・・・処分せずに全て保管しているのは何かあったときのための保険というわけか。しかし隠し通路内とはいえそのままぽん置きは管理が杜撰すぎるだろ」
ジョンはアイアンズを尋問したあとに署長室に向かった。デスク横の壁が仕掛け扉になっており、デスクの後ろに飾ってある絵の下のボタンを押すとその裏に窪みがあり、そこにサーペントストーン・イーグルストーン・ジャガーストーンという三つの四角い石をはめ込むと隠し扉が開き秘密の通路と剥製室、その先に研究所まで行ける道につながっているとアイアンズは話していた。更にはS.T.A.R.S.が回収した数々の証拠品や報告書、アンブレラとのやり取りのメール記録もそこに保管しているとのことだった。ジョンは鍵となる石は探さず、タックルで扉を破壊して隠し通路に入った。通路にはアイアンズの言葉通り、証拠と報告書が確かに保管されていたが
(もしも誤作動で扉が開いてこの通路の存在が知られたらどうするつもりだったんだ?此処じゃなくても金庫か何かに入れといたほうがよほど安全かつ確実だと思うが・・・まぁ、目当てのものは手に入れたし、そんなに気にすることでもないか)
ついでに鍵と思われるメダルと研究所までの地図も手に入ったしなとジョンは心のなかで呟いた。賄賂とメールの送り主は
少し時間をかけすぎた。レベッカ達のもとへ戻らなくてはならない。あまり遅いと心配をかけさせてしまい不安にさせてしまう。
ジョンは最後もう一度隠し通路と署長室内を見渡し、何か取りこぼしていないか確認するため、デスクと棚の引出し、ファイルケースや飾りのついた箱などを確認しはじめた。あらかた探し終え、最後にデスクの下にあったそこそこ大きい黒塗りの箱の蓋を開けた瞬間、何か甘くスパイシーないい匂いが鼻腔を刺激した。匂いの正体はコイーバというブランドの葉巻だった。他にもロメオ Y ジュリエッタ・パルタガスと二つのブランドの葉巻が入っていたおり、三つの百本入りのヒュミドール(葉巻を適切な湿度(約70%)と温度で保管するための箱)と言うケースにそれぞれ保管されており、それより小さいヒュミドールが一つ蓋が開けっ放しの状態で置かれていたため、それが匂いの原因だった。他にも葉巻用のカッターに灰皿、ターボライターが数個入っていた。
「アイツこんな高価なものをため込んでいたのか・・・こっちの三つはともかく蓋が開いていたにしては湿気てないな・・・」
ジョンは暫く葉巻を見つめると先端をカッターで切り落とし、後ろ部分を小さく切り取り吸い口を作り、ターボライターで火を付けて吸いはじめた。吸いはじめた途端、口腔と鼻腔内が甘くスパイシーで芳醇な香りと豊かな風味の煙に包みこまれた。
(あまり詳しい吸い方は知らないが確かこんな感じだった筈だ。喫煙マナーを守っていれば別に問題はないだろ。しかし・・・いいもんだなぁ葉巻、クズではあったがこういうものの趣味はよかったんだろうな。いや、多額の賄賂があるからとりあえず高いのを買おうとしただけか?)
ジョンはそう考えながら数回葉巻を吸った後、名残惜しそうにしながらもタバコの火を持っていたペットボトルの水で消しゴミ箱に入れ、小さいヒュミドールと大きいヒュミドール三つ、ターボライターと葉巻用カッター、灰皿をウエストポーチにしまい今度こそS.T.A.R.S.オフィスに向かった。
「ジョン!あんまり遅いから心配したわよ。大丈夫?」
S.T.A.R.S.オフィスに到着するとレベッカが少しお怒り気味だが心配そうな様子で出迎えてくれた。レオン・クレア・ロバートそしてあの女の子もおり、四人とも安堵した顔をこちらに向けてきていた。四人にも声をかけようとしたとき、ロバートの後ろから一人の女の子が出てきた。ロバートの娘のエマだった。顔色は良くなりすっかり完治した様子でこちらに駆け寄ってきた。
「貴方がジョン?はじめまして、私はエマ・ケンド!パパから聞いたの、ジョンがワクチンを打ってくれたおかげで私は助かったって。助けてくれてありがとう!」
ジョンはエマの感謝の言葉と笑顔に優しい笑みを浮かべながらしゃがみ込み、なるべくエマの目線に合うようにしながら口を開いた。
「はじめましてエマ、ジョンだ。元気になってよかった。どういたしまして」
「改めて、本当にありがとう!あんたのおかげで娘は助かった!返しきれない恩ができたな!」
ロバートも改めて感謝の言葉をかけてきた。
「俺が助けたいから助けたんだ。気にしないでくれ」
「それでも、だ・・・ありがとう」
「ありがとう!」
ジョンは笑みを浮かべながら大きく頷いた。そして先程救助した女の子に向き直った。女の子は少しビクリと震えたが、怯えている様子はなく単に人見知りなだけなようだ。
「自己紹介が遅れて済まない、俺はジョンだ。此処にいる全員の仲間の一人だ。よければ君の名前を教えてくれるかい?」
安心させるよう柔らかい口調での俺の問いかけに女の子は口を開き応えてくれた。
「シェリー・・・シェリー・バーキン。あの・・・レベッカとレオンから貴方のことは聞いたの・・・助けてくれてありがとう」
「シェリー、いい名前だ。どういたしまして、無事でよかった」
微笑みながら礼の言葉を受け取り、レベッカに顔を向けた。
「レベッカ、すまないが状況を教えてくれ。ジルとマービンは今どこに?カルロスとタイレルは無事に戻れたのか?ワクチンは届けられたと思うが、なにか進展はあったか?」
「ジルとマービンは今はU.B.C.Sが拠点と避難所にしている地下鉄駅に避難しているわ。病院を出て最初に警察署に戻ってマービンにワクチンを打って、その後U.B.C.Sの隊長にカルロスが連絡してそっちに向かうことになったの。マービンは目は覚めてないけど回復傾向にあるわ」
「そうか、無事なら何よりだ」
ジョンは全員の無事を知り安堵の笑みを浮かべていた。レベッカは思い出したようにジョンにあることを質問した。
「そういえばアイアンズには何を聞いてきたの?それに姿が見えないけど・・・どうしたの?」
「以前話していた地下研究所への道と君たちが集めた証拠と報告書、隠蔽と賄賂の証拠の在り処を聞きたくてね。それと、アイツは放してやった」
ジョンはそう言って回収した証拠と報告書、研究所への地図と研究員とのメール記録を見せていた。話を聞いていたレオンも断りを入れてから覗いてきた。証拠を見た二人は怒りに顔を歪めた。警官としてこれ程ひどい汚職は見たことも聞いたこともなかった。クレアも不快感をあらわにし、ロバートは静かにブチギレていた。
「やっぱり、アイツの仕業だったのね・・・!」
「これが市民のヒーローの正体だと?ふざけるな・・・!」
「アンブレラの勝手で妻は死んだってのか・・・!?こんなふざけた話があるか・・・!」
「なんてゲス野郎なの・・・!」
エマとシェリーはいまいちよくわかってなさそうだが、警察署長が悪いことをしていたとは理解している様子だった。ふとシェリーに確認しなければならないことがあったのを思い出した。
「シェリー、君の苗字のバーキンだが・・・アンブレラの科学者ウィリアム・バーキン博士の娘か?」
「・・・うん、私のパパよ・・・でも連絡が取れないの・・・ママも警察署に行けって電話で言われたきりで・・・二人とも警察署にはこなかった・・・」
暗い表情でシェリーが話してくれた。警察署にいたのは母親の指示らしいが、父親の方は連絡が取れず、母親も指示を出してそれっきり音沙汰がない状態だという。シェリーの話を聞き怒りと呆れが湧いてきた。
(父親は恐らく地下研究所にいてウイルス漏洩に巻き込まれたと推測できる。生存は絶望的だろう・・・母親は向かう途中で駄目だったかそもそも迎えに来ず同じく研究所で巻き込まれたかのどちらかだろう・・・このことは言わないほうがいい・・・この子には酷だろう・・・)
ジョンは気づかれないようにレベッカとレオンにアイコンタクトを送った。二人も察したらしくアイコンタクトで(了解)と応えた。ジョンは気遣いながらシェリーに話しかけた。
「シェリー、ひとまずは俺達と一緒にいこう。警察署も安全とは言い難いし、子供だけでは危険だ。もう街で安全な場所は殆どないだろう。もちろん道中両親を見つけたら無事を伝えて連れて来る、俺達を信じて来てくれないか?」
シェリーは一瞬迷ったがすぐに頷いた。
「分かった」
「信じてくれてありがとう、シェリー」
ジョンは軽くシェリーの頭を撫でた後、ウエストポーチからチョコレートとポテトチップス、高カロリービスケットとジュース、ミネラルウォーターをエマ共々渡した。二人は目を輝かせながら受け取り、早速食べ始めた。四人にも同じものを渡し、栄養補給と小休止を兼ねてちょっとしたおやつタイムになった。ジョンも食べながら全員を見渡し口を開いた。
「よし、食って少し休んだら地下鉄駅に向かおう。レベッカの話では生き残りはそこに集合しているようだから、俺達も向おう。それと・・・ついたらみんなに話さなければならないことがある、少し時間をくれ」
俺はレオンたちに自分の正体を明かさなければならないと考えていた。彼らだけでなく他の生存者にも伝えなければ、いざ正体がばれた時に必ず疑念と不信感が生まれ、最悪仲間割れを起こしてしまう。そうなれば生還は更に困難になってしまう。レベッカは心配そうな顔を向けてきたが、任せろとウインクし、安心させた。
一同はつかの間の平穏な時間をしっかりと堪能してから、地下鉄駅に向かった。
Chapter.?
レベッカ・チェンバースはジョンから甘くスパイシーな香りが僅かに漂っているのを感じた。
(この匂い・・・まるでクリスのタバコの煙みたいな?・・・まさか)
レベッカはジョンに近寄り少し険しい目で問いかけた。
「ジョン・・・貴方・・・タバコ吸ってる?」
ジョンは少し動揺したように小さく肩が揺れた。どうやらあたりだったらしい。
レベッカは目を剥いて詰め寄った。
「ジョン!?いくら貴方が頑強な身体をしてるからってタバコなんか吸ったら癌になるわよ!」
「大丈夫だ、吸っているのはタバコじゃなく葉巻だ」
「葉巻!!?なおのこと身体に悪いじゃない!というかどこで手に入れたのそんなもの!?」
「アイアンズのデスクでちょっと失敬を・・・」
レベッカは頭を抱えそうになった。アイアンズの私物とはいえ勝手に持っていくのはさすがに警官として見過ごせないと思った。食料庫は前例のない非常時で
(あぁ・・・でも・・・私も横道特急、幹部養成所、洋館とアークレイ研究所で証拠以外のものを持っていったり壊したりしてたわよね・・・ジョンに何も言えない・・・)
と自分も同じことをしていたのを思い出していた。
(でもタバコのことは医療関係者として言うことはできるわ!そう!けっしてブーメランが怖いわけじゃないわ!)
誰に言うわけでもないにもかかわらず、レベッカは心のなかで必死に言い訳をしていた。ジョンは悪あがきで言い訳を口にしていた。
「レベッカ・・・タバコを吸っていても122歳まで生きた人もいるし、タバコと違って葉巻はh」
「肺まで吸い込まなくても口と鼻には煙がたっぷりいくじゃない!!それ以前に葉巻はタバコより発癌性物質が多いのよ!ジョン!私のポジション忘れたの!それともバカにしてるの!?後それはその人の体質的な問題だと思うわ!その人の家族も結構長生きだったはずだから!」
ジョンは助けを求めて周りを見る、エマとシェリー、ロバートは申し訳なさそうにしつつそっぽを向き、レオンとクレアはご愁傷さまと言わんばかりの顔で傍観を決め込んでいた。
どうやら俺に味方はいないようだった。
「クリスだけじゃなくジルも吸うのに・・・みんな何で自分で有毒部質を吸いたがるのよ・・・そもそもタバコなんて・・・」
レベッカの説教は結局警察署を出るまで続き、最終的に吸いすぎなければOKとお許しがでたジョンであった。
というわけでちょっとした短編を作って見ました。今回はギャグチックで書きましたが、元ネタは最近多いような気がしますが、ステルスアクションゲームの裸蛇とヤブ医者の会話が元ネタです。葉巻の消し方は自然鎮火が一般的らしいですが、ジョンは急いでいたが火がついたまま離れるのはどうかと思い、水で消してゴミ箱に入れることにしました。
葉巻のコイーバは作られたのは比較的新しい銘柄ですが、”数多くある葉巻の中でも代表的なブランドであり、最も知名度の高い葉巻”と言われ、ロメオ y ジュリエッタは政治家ウィンストン・チャーチル愛用の葉巻としても知られ、この銘柄を咥えてピースサインを出している写真が多く、様々な書籍や広告で使用されています。パルタガスは1845年にハイメ・パルタガス(Jaime Partagás)のパルタガスファクトリーで発表され18世紀から続く老舗ブランドで、後に1940年にシフエンテス公社が設立され世界的な知名度を獲得。キューバを代表する葉巻ですが欠品が多く希少価値が高い事から、贋作も多く存在する銘柄でもあります。
長生きの人はジャンヌ=ルイーズ・カルマンというフランス人女性で20代から喫煙をしており、禁煙したのは117歳の時で、タバコに火をつけてくれる介護者のことを気遣ってやめたらしく優しい方だと思います。更には1週間に1キログラムのチョコレートを食べていたという不健康そうな生活の割に元気に長生きした人です。ご家族も比較的長生きしていたため体質的なものかなと思っています。
ジルの喫煙設定は実写版バイオハザードの設定から入れました。
次回お楽しみにお待ち下さい。