RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation   作:ss好き

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Chapter.11 行動開始

 「いい顔になったわねレオン。でも無理は禁物よ、まだまだ道のりは険しいんだから。何かあれば遠慮せず言ってちょうだい」

 

 レオンはジョンと共に電車の止められているホームまで戻り、先輩警官であるジルから声をかけられていた。ジルはジョンと同様にレオンが市民を見捨てることにかなり思い悩んでいる様子だったのを見抜いていた。配属初日で大規模なバイオハザードに巻き込まれつつも民間人(クリスの妹で、S.T.A.R.S.と同レベルの手ほどきを受けているが)を守りながら生き延び、ジョンと共に此処までたどり着いたとはいえ、この正義感あふれる青年には”守るために見捨てる”ことはかなり酷なことだと思っていた。案の定ブリーフィングが終わった後、レオンは皆から離れてベンチで苦悩した顔を浮かべていた。フォローを入れようと思ったがジョンが彼を連れて上に向かったため、彼に任せて自分はパイプ爆弾の製作に専念することにした。少しして二人が戻ってきたときは、レオンは吹っ切れた様子だった。

 

 (やっぱりジョンに任せて正解だった。彼なら何とかしてくれると信じていたし、何だか相性が良さそうだったしね)

 

 ジルは心のなかで呟いた。ジョンもレオンも優しく正義感もあるが、レオンはまだ非情な判断を下すには青すぎると考えていた。ジョンも助けられれば全力で助けようとする似たような感性であるが、いざとなれば自分を含めて生存率の低い方を犠牲にする判断をためらわず下すことができる冷徹さを持っていた。

 生死がかかった状況では平時の価値観や考えが必ず正しいとは限らない。レオンは頭でわかっていても、心が納得できていなかった。本来は先輩警官の私がしなければならなかったが、ジョンが悩みを聞き助言を渡したのだろう。感謝と申し訳なさになんと声をかければいいか悩んでいたが、ジョンは小さな笑みとともにウインクしてきた。

 

 (ジル、あんまり気にするな。俺達は仲間だ、助け合いの精神で行こう)

 

 (ジョン・・・ありがとう)

 

 ジルとジョンはアイコンタクトで会話し、彼女は戻ってきたレオンに声をかけた。

 

 「ああ、先輩にはこれからも色々教わりたい。だが今はもう大丈夫です、ジャックにアドバイスを貰いました」

 

 ジルは少し驚いた。愛称で呼ぶほど中が良くなるとは。

 

 (やっぱり二人は気が合うのかもしれないわね。私とクリスみたいに)

 

 何となく可笑しくなり小さく笑ってしまった。

 

 「パイプ爆弾はもう少ししたら完成するわ、悪いんだけどみんなに声をかけてきてくれない?」

 

 「分かった」

 

 「任せな」

 

 ジョンとレオンは電車にいる仲間たちのところへ向かった。

 

 

 

 

 「完成したパイプ爆弾は二種類、一つはグレネード弾の炸薬とショットガンの散弾を組み合わせた破片手榴弾と同じ効果の物。起爆装置はグレネード弾の信管を調整したものを使っているわ。起爆するときは上の出っ張りを叩けば起動するから、起爆時間は破片手榴弾と同じにしてるから使いやすいとは思う」

 

 「それは・・・大丈夫なの?」

 

 クレアは少し不安そうにジルに聞いてきた。叩いて起動するのなら落としたり何かの衝撃で作動しないか心配だったからだ。

 

 「大丈夫、カバーも作ったし銃で撃つか火に投げ込まなければ爆発はしない。グレネード弾もアメリカ軍で使っているものと同じだから信頼性は高いわ」

 

 その言葉にクレアと他の面々は安堵した表情を浮かべた。

 

 「もう一つは火炎弾の燃料を入れた焼夷手榴弾。グレネード弾よりも大きいパイプに入れたから、グレネードランチャーのものより燃料が多く入れてさらに威力と範囲が高く広いはずだから注意して」

 

 ジルが二つのパイプ爆弾の説明をし、部品回収組にそれぞれ配っていった。全員高い火力の武器を携帯しているが、巨大ミミズ(グレイブディガー)のような相手が出現したときはどこまで効果があるかわからない。手持ちの銃器が効かなかったときのための切り札はあるに越したことはない。配り終えたタイミングを見計らい、ジョンは部品回収の出発前の最後の確認を行った。

 

 「よし、じゃあ最後に確認だ。俺とレベッカ、レオンの三人はマシンオイルとオイル添加剤。ニコライはケーブルの回収、ジルとカルロスは変電所で電力確保。各担当は他に使えそうなものがあった場合は可能な限り回収すること。何かあれば無線で連絡しあい、可能なら救援に向かう。いいな?」

 

 ジョンの確認に全員が頷いた。ミハイルが回収班の顔を見回しながら声をかけた。

 

 「くれぐれも無茶はしないようにな。部品は必要だが、大事なのは生き残ることだ。何かあれば我々も救援に向かう、諸君の幸運を祈る。頼んだぞ」

 

 ジョンは人差し指と中指合わせたラフな敬礼、レオンは「了解」と応えた。ジルとレベッカは頷きカルロスとニコライは敬礼で応えた。

 

 電車を修理しセントミカエル時計塔へ向かい、ヘリを呼んで脱出するために生存者たちの行動がはじまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (面白いことになってきたな・・・しかし、まだこれだけ生存者がいたとは驚きだ)

 

 セルゲイは司令室の画面と同志の監視員からの報告に反応の薄い驚きの表情を浮かべていた。既に市内に投入したU.B.C.Sは壊滅し、町の住民の殆どは感染しゾンビになり彷徨っているか食い殺されたかのどちらかだった。そんな中で三名の隊員が生き残り、更には数人以上の生存者を保護していたことは奇跡といえる状況だった。内二人はラクーンシティがバイオハザードで壊滅してることを知らず街へ入り、三名はタイラントと生き残りのS.T.A.R.S.隊員だが・・・。

 今は脱出地点の時計塔へ向かうべく故障した地下鉄電車を修理するため、部品探索に半分以上の生存者が再び市内へと向い更に数組に別れて行動し始めていた。

 

 (いいぞ、やはり生きていたなジョン。だがまだ危機は脱していない、生存者を守りながらどこまで戦えるか見ものだな。これしきの痛みで音を上げてくれるなよ?しかし、生存者の存在は厄介だな・・・)

 

 セルゲイはジョンの生存に当然だとでも言わんばかりの反応を示し、深々と自らの口の端を深く切りながら笑みを浮かべていた。だが、生存者たちについては別だった。今回のウイルス漏洩事故はまもなく連邦議会で可決される滅菌作戦で物的証拠は消滅するが、ラクーンシティの惨劇そのものはどうしようもできなかった。アメリカは勿論、世界中でニュースになっているため隠蔽は不可能。アンブレラがいかに強大であろうと現実そのものは変えようがなく、アメリカも今回の件でアンブレラの切り捨てに走ることは想像に難くない。そしてジョンたちとは別に、ラクーン市民がそれなりの数脱出に成功していた。彼らは確実に裁判を起こしアンブレラに破滅をもたらそうとするだろう。これ以上の不利益を出さないため市内の生存者だけは始末したいと考えていた。しかし問題があった。ジョンの存在だ。

 

 (彼の強みは力任せの戦い方ではなく武器と戦術、仲間との連携にある。ネメシスも退けたのならT-103では返り討ちに合う可能性が高い。イワンでも厳しいと言わざるを得ない)

 

 しかも幹部養成所と洋館、アークレイ研究所を生き延びたS.T.A.R.S.隊員がいるとなれば更に抹殺は困難を極めた。彼にしては珍しく手詰まりな状況に悩んでいた。

 

 (今はイワンを失いたくない。しかし、タイラントはもう実験体(PT-0400TP)しか残されていない。あれは実験室内でしか正常に機能しない・・・どうしたものか・・・)

 

 いっそありったけのB.O.WとU.S.Sを投入しようかと考えていたとき、実験体という言葉で引っかかりをセルゲイは感じた。彼は端末を操作し、あるタイラントを検索していた。そして探していた個体が見つかった。

 

 (こいつならジョンを含めた生存者全員とも戦えるだろう。すこし暴走気味な個体だが制御は一応可能だ)

 

セルゲイは再び端末を操作しラクーンシティに近いある研究所に連絡を入れた。

 

 「セルゲイ・ウラジミール大佐だ。・・・ああ、そうだ。突然ですまないが、そちらの研究所にある実験体のタイラントは起動にはどれくらい時間がかかる?・・・そうか、できるだけ早く起動させてくれ、任務は今からデータを送る。・・・心配ない、責任と許可は私が出す。君もデータが取れて利がある。・・・そうだ・・・ではよろしく頼む」

 

 セルゲイは通信を切り、また別の研究所に連絡を入れた。

 

 「セルゲイ・ウラジミール大佐だ・・・そう、私だ。ネメシス用の武器が残っていたな・・・そうだ、あの二つだがすぐに準備できるか?・・・そうか、では準備でき次第ネメシスに投下してくれ」

 

 通信を切り、端末を操作し画面を切り替えた。映し出された画面には傷だらけにネメシスが映しだされた。倒れてピクリとも動かないその姿は一見すれば死んでいるように見えた。しかし、破損したコートの隙間や体から飛び出る触手はわずかに蠢いていおり、ネメシスは死んでおらず回復のために休眠しているだけだった。

 

 (保険は必要だからな、貴様には最期まで働いてもらうぞ。私もそろそろ()()の回収をしなければならないな)

 

 そしてセルゲイは立ち上がり司令室を後にし、ヘリの駐機場へ向かった。しかし、おもむろに立ち止まり、駐機場とは別の部屋に向かって歩き出した。

 

 「息子・・・あるいは兄弟か・・・まあいい、私からこれまでの苦労に報いてささやかな贈り物を少し用意しよう。フフフ・・・私にもし子がいれば、こうして気分が良い日や誕生日にはプレゼントを送っていたのだろうか?なぁ、イワン?」

 

 セルゲイはふと自分に息子がいたらと想像し笑みを浮かべながら、側近兼護衛のタイラント(イワン)に問いかけた。

 イワンは何も応えなかった。

 

 

 

 

 アンブレラのある研究所にて研究員と技術者達が一つのカプセルに群がり、その中に保管されたタイラントの調整とプログラミングを行っていた。急なアンブレラの幹部からの要請に泡を食ったように動き回っていた。カプセルの中のタイラントは目を閉じて眠っているようだった。その見た目は実験体PT-0400TP タイラントにそっくりだった。しかし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そして()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()




 「うゎっ・・・」

 たまたまセルゲイのいる基地に盗聴をした結果、やばいことを聞いてしまったアルバート・ウェスカー。

 というわけで新作投稿です。セルゲイがキャラ崩壊気味ですが、本人が確か兄弟であり分身と言っていたので人と同じ思考と感性で会話できるジョンがいたら、これくらいは興奮するかなと思って考えていたらこうなりました。最後のタイラントはバイオファンなら分かるアイツです。プレゼントがなにかはまだ先ですが多分予想できると思います。次回も楽しみにお待ち下さい。
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