RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation   作:ss好き

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バイオハザード・レクイエムが面白すぎました。歴代バイオハザードのオマージュにリスペクト、まるで同窓会に来た気分になりました。戦闘スタイルと武器も面白く、レオンの人外化がますますか進んだ感じがありました。何よりも彼のパリィが凄すぎました。・・・そして改めてラクーンシティが魔境すぎて笑えない状態ですね。・・・豆腐・・・Mr.X・・・。

今回初のアンケートを実施します。実施期間は不定期ですが、ある程度集まったら終了します。


Chapter.16 発車、セントミカエル時計塔

 ネメシスを倒したジョンたちは無事に駅に戻ってきた。道中はクリムゾンヘッドや白いゾンビ(ペイルヘッド)が襲ってきたが、問題なく排除し危なげなく突破した。ニコライ含めて回収班は全員部品を回収し、無事に地下鉄の制御系統の修理が完了した。

 

 「諸君、よくぞ無事に帰還してくれた。君たちが回収してくれた部品のおかげで地下鉄も無事に動かせるようになった」

 

 ミハイルは笑みを浮かべながら全員に感謝の言葉と地下鉄の修理が完了したことを報告した。その報告に全員が明るい雰囲気になり、まもなく脱出できると実感が湧いてきた。そんな中、明るい雰囲気を出しつつ全員を見渡しつつ口を開いた。

 

 「みんな逸る気持ちはわかるが、まだ脱出出来たわけではない。街を出るまでは油断するな。ネメシスの件もある、まだなにか出てくる可能性もある。気を緩めないでいこう」

 

 ジョンの言葉に皆がそうだったと顔を引き締めた。まだ終わっていない。まだこれからだと全員が思い出した。まだ地下鉄を修理して時計塔に向かえるようになっただけだった。ミハイルは困った笑みを浮かべながら再度口を開いた。

 

 「ジョン、引き締めは大事だが・・・俺の言葉をとらないでくれ」

 

 「すまない隊長」

 

 「まぁ君が今までチームを引っ張って来たわけだからな。しかし、君は部隊指揮の素質がありそうだな、君なら中隊を率いてもやっていけそうだな」

 

 「俺は俺にできることをやっているだけだよ、隊長」

 

 苦笑いしながらジョンはそう答えた。改めてミハイルは全員を見渡し最後の確認を行った。

 

 「みんな、最後になにかやり残したことはないか?出発したらもう引き返せない。なにか残っているなら少しは時間が取れるぞ」

 

 皆は特にない様子で沈黙していた。

 

 「分かった、では出発しよう。タイレル、運転を頼む」

 

 「了解」

 

 そう言ってタイレルは運転室に向かい、他の面々は各々席に座って発車に備えた。そんな中エマとシェリーがジョンのところに何かを持って歩いてきた。

 

 「エマ、シェリー。どうしたんだ?」

 

 「シェリーと話してジョンにお礼がしたかったの」

 

 「それとプレゼントも渡したくて」

 

 そう言うと二人は頑丈そうなケースと何かのホルスターとカバーを渡してきた。中を確認すると黒色の(トマホーク)が入っていた。

 

 「パパとミハイル隊長に相談したらこれをくれて。銃は既に持っているし、ナイフはちょっと違うかなと思って」

 

 「それならナイフより強いこれをプレゼントにって隊長がくれたの。私達を助けてくれたお礼をどうしてもしたかったから。受け取ってくれる?」

 

 その言葉に目頭熱くなり、胸に温かいものが湧いてくるのを感じた。

 

 「ありがとう。とっても嬉しいよ、大事に使わせてもらう」

 

 その言葉に二人は嬉しそうな顔をした。ちょうどその時、電車のドアが閉まりゆっくりと発車した。脱出地点、セントミカエル時計塔に向けて進み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「例のタイラントと生存者達は地下鉄に乗ってセントミカエル時計塔に向かったわ」

 

 駅構内の少し離れた場所に隠れながら一人の女が無線に話しかけていた。女はアジア系の顔立ちをし、赤い服を着ていた。ぱっと見た感じは生存者の一人に見えなくないが、その立ち振舞と雰囲気は一般人のそれではなく、何かしらの訓練を受けた戦う人間の佇まいだった。女はイレギュラータイラントと生存者達を地下鉄を復旧させるまで監視するよう司令を受けていた。

 

 『想定どおりだ、お前は警察署に戻り情報収集を再開しろ』

 

 無線から低い男の声が返ってきた。男、アルバート・ウェスカーは自身の組織に所属する女に命令した。女は意外そうな顔で男に返した。

 

 「意外ね。あなたのことだから引き続き監視するか、何かしら介入するかと思っていたわ」

 

 『監視は俺がする。お前はNESTへの入口を調べろ。それに、どの道奴らはこちらに戻らざるをえない状況になる。その時がくれば再度指令を出す、それまでは本来の任務にもどれ』

 

 ウェスカーはそう言って無線を切った。女は暫し無線機を見つめてからしまい思案した。

 

 (彼には何か確信がある様子だったけど・・・まさかあの爆発に巻き込まれてまだネメシスが生きているなんてことがありえるの?T-001や002なら機能停止どころか跡形もなくなっていても不思議じゃない。それともまた別のなにかが?)

 

 女はアークレイ研究所に潜入したときに得たタイラントの情報と照らし合わせ、あの隕石落下のような爆発と衝撃波にネメシスが耐えて生きてるというのかと疑問に感じた。だとしたら相当な耐久力と再生能力だ。そこまで考えたが女はそれを思考から追い出した。自分が関わることでは今はない。いずれウェスカーから連絡が来て、その時こそが自分が本格的に関わるときだ。それに・・・今は()()を何とかしなければならない。

 

 オオオォォォォーーーーーーー!!!!!

 

 ぱっと見た感じは人間だが、右肩から手の先が大きく肥大化し鋭い爪が生えており、人間ではなく化物だとひと目で分かった。右肩と首の中間付近からもよくわからない突起が生えており、異形の腕を持ったそれは青いジーパンと破れた白衣を着ており、顔と残された人間の身体を見るに男性のようだった。異形の腕がブルリッと震えたかと思うと肩部分が裂けて巨大な眼球が現れた。

 

 「()()()を追ってきたんでしょうけど、一足遅かったわね。もう出発しちゃったわよ?」

 

 女の言葉には答えず異形は肥大化した腕で拳を握りしめ、女にゆっくりと近づいてきた。巨大な眼球は時折瞬きをし、本体である男は苦悶の表情を浮かべていた。

 

 「遊んであげたいのは山々だけど、私も忙しいからまた今度の機会にね」

 

 女は不敵な顔でそう告げ、閃光手榴弾を足元に放った。凄まじい音と閃光に異形の腕は普通のと巨大な眼球双方を抑えて怯んだ。その隙に女、エイダ・ウォンは逃走した。怪物はまだ怯んでいたが怒りとも苦悶ともつかない咆哮を上げた。

 

 ウオオオオォォォォーーーーーーーーー!!!!!!!!!

 

 

 

 

 アンブレラ所属のヘリコプターが複数機で編隊を組んで飛んでいた。その中の一機のヘリの中でセルゲイは楽しそうな笑みを浮かべていた。監視員の報告によるとジョンがガソリンスタンドにキルゾーンを設置し、複数の罠と陽動でガソリンスタンドを巨大な爆弾に変えてネメシスを倒したようだった。

 

 「生存者が欠けていないのが不満だが、君の活躍はやはり楽しく喜ばしい。すべてのタイラントがこのレベルの能力であれば、歩兵どころか状況次第では機甲戦力すら圧倒できる」

 

 「だがあの青臭い正義感と善性は不要だ、兵器が自我を持っていてはそれは兵器ではなく兵士だ。能力が素晴らしいのは認めるが、あれでは相手や状況次第では容易に寝返るぞ」

 

 セルゲイの対面に座る男が口を開いた。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。今にも倒れそうなほど弱々しく見えるが、その眼光だけは鋭くギラついた光が宿っていた。セルゲイは小さく笑った。

 

 「それを含めて魅力を感じているのですよ、確かに兵器に自我は不要ですが彼はタイラントというより人間だ。もし彼をベースにした新しいタイラントが作られれば、知能をそのまま自我は消した状態で生成するのがいいでしょう。あるいは自我があっても逆らわないように何かしらの細工をするか。もし完成すれば世界のパワーバランスが大きく変わる。小国や発展途上国は金を払うだけで一定の数の特殊部隊以上の能力を持つ兵士が手に入り、産油国や資金にゆとりのある組織ならタイラントの歩兵部隊を組織することができる。もしテロ組織がそれを手に入れたならば?小火器では死なない兵士の集団など悪夢でしかない。小型化すれば更に任務の幅が広がる。先進国、特にアメリカは魅力を感じることは間違いない。世界中で戦っているヤンキーの軍は常に人手不足に悩まされている。戦死者の数も馬鹿にならないなか、歩兵の装備では簡単に死なず命令を忠実にこなし、戦死すれば金で簡単に補充ができる超人兵士など夢のようだと思いませんか?」

 

 老人は理解を示しつつもセルゲイに釘を差した。

 

 「君の考えはわかるがセルゲイ、肝心の目的を忘れてもらっては困る。最終目的は新世界を作ること」

 

 「そしてあなたがその世界を指導し神になること。分かっておりますとも、そのためにも()()の回収をしなければなりません」

 

 セルゲイはそう言って窓の方に顔を向けた。三機のヘリコプターがそれぞれ荷物を吊り下げて飛行していた。一機は巨大なオレンジ色のタンクを三つ運び、もう二機は電話ボックスほどの大きさの銀色のサプライケースを運んでいた。ケースの一つはネメシス用の武器であり、新しく開発されたばかりのものだった。もう一つはセルゲイからジョンヘの贈り物が入っていた。それを暫く見つめた後セルゲイは顔を正面に戻し目をつぶった。その瞬間深い闇の中に無数の光が生まれた。それはラクーンシティに存在する無数のTウイルス感染した人間を始めとした生き物たちの精神の光だった。その中の一つにセルゲイは集中した。その光はネメシスだった。ガソリンスタンドの爆発に巻き込まれ遠くまで吹き飛ばされてなお五体満足で生存していたのだ。しかし、受けたダメージは甚大で回復に時間がかかっているようだった。コートも殆ど消し飛び、上半身は裸だった。

 

 (ネメシス、聞こえるか?)

 

 セルゲイは精神の中でネメシスに語りかけた。ネメシスの精神の光はキョロキョロとあたりを探し、セルゲイの精神を見つけた。

 

 (ネメシス、まだ君に任務を・・・獲物を追いかけ仕留める意志があるならば、標的はセントミカエル時計塔に向かった)

 

 ネメシスは任務時にインプットされたラクーンシティの地図で位置を確認した。街の端にある地点だった。

 

 (新たな武器を投下する。それを使い今度こそS.T.A.R.S.とその協力者全員を抹殺しろ)

 

 ネメシスの光は一瞬震えた、了解、と。

 

 セルゲイは目を開けて現実世界に戻ってきた。その顔はプレゼントを期待する子供のようにワクワクした笑みが浮かんでいた。

 

 (さてジョン、ネメシスは拘束を解かれ予測不能な変化を起こすようになった。これからどうなるかはもう誰にも分からない。神にも手懐けられぬ化物が生まれる、君はどう戦う?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 地下鉄での移動は全員にとって小休止の代わりになった。運転室に行ったタイレルも自動運転のためにあまりやることはなく、のんびりと席に座っていた。やがて目的地の駅に到着し、全員降車した。駅構内は静かで、ゾンビもクリーチャーもいなかった。先へと進み駅から出ると少し先に古びた時計塔が見えた。生存者の避難所であり脱出ヘリの回収地点でもある目的地。

 

 「セントミカエル時計塔・・・」




大変長らくお待たせいたしました。色々と忙しく間が空いてしまいました。今更ですがラクーンシティと施設の作りはオリジナル版やRE版、ORCだけでなく実写版もイメージで小説を作っています。セルゲイが見せた能力はノベル版アンブレラ・クロニクルズが元ネタでウェスカーも使えます。ノベル版だとウェスカーはネメシスに語りかけ、ジル追跡のアシストをしています。異形の腕と老人はもう分かりますよね?。
 レクイエムではある人物の意外な一面に驚きました。アイツに良心があったのが驚きです。これからも本作をよろしくお願いします。何か情報やアドバイスがありましたら、感想とともにドンドンください。
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