RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation   作:ss好き

39 / 47
今回が一番文章作りが難しかったかもしれません。面白いと感じていただけたら嬉しいです。では新作をお楽しみください。


Chapter.19 セントミカエル時計塔の戦い

 マービンが意識を取り戻し装備を整えた後、一同は鐘を鳴らすべく時計塔の機械室に向かった。道中はTウイルスに感染し変異した巨大な巣の主である大ぐもが何匹も出てきたが、すでに何度も戦闘を経験してきた彼ら/彼女らからすればただ大きいだけのくもなどさして問題にはならなかった。階段を登り二階にあるバルコニーからはしごを登り、時計塔機械室についた一同は早速鐘を鳴らそうとし問題が発生した。歯車が足らずこのままでは鐘を鳴らすことができなかったのだ。幸いなことに歯車がある場所は機械室に残されたメモから一つはここ(機械室)の棚にあり、もう一つは一階の納戸に保管されているらしく、民間人組とU.B.C.S組、ジルを除いた警官組はここで待機しジョンと納戸に向かうことになった。歯車を取りに行くだけなら大人数は必要なく、鍵がかかっていてもジョンならこじ開けられるからだった。機械室ははしごを登る以外は道はなくゾンビはしごを使うほどの知能がないため、安全性は非常に高かった。ジョンは念のために機関銃を仲間たちに預けジルと共に一階へ降りた。道中は大ぐもにゾンビと敵が少なくない数いたが問題にはならず、納戸に無事にたどり着いき()()()()()()()()()()()()に取り掛かった。納戸の中には三つの絵と三人の巫女の石像があり、それぞれに「琥珀の玉」「黒曜石の玉」「水晶の玉」が置かれていた。それぞれの玉を合った絵の受け皿に置くことで歯車を取り出せるとメモには書いてあったが、肝心の組み合わせは書いておらずクイズのヒントのような文が書かれていた。

 

 「時計塔に務めている人はいつもこんななぞなぞクイズをしながら仕事をしているのか?」

 

 「納戸に歯車が保管されているのは分かるわ・・・その保管がなんでこんな御大層な絵と石像と装置を組み合わせたものなのかは理解できないわね」

 

 (ジル・・・君たちの警察署も常用の扉に四種類ものマークのついた面倒くさい鍵を採用してる時点で同じな気がするぞ・・・)

 

 ジョンは素朴な疑問を呟きジルは理解できないといった顔で同意したが、ラクーン市警察署も似たりよったりな気がするとジョンは心のなかでツッコんだ。

 

 組み合わせが分からずに少し時間がかかったが、何とか適切な組み合わせを発見し無事に歯車を取り出すことができた。そして取り出した歯車を見てジョンはまたしてもツッコミを入れた。

 

 「機械室の歯車を見てなんとなく予想していたが・・・まさか金の歯車とはな・・・」

 

 「銀もそうだけど金なんて盗まれやすそうなものでなんで機械部品を作るのかしら?市役所の門の横にある時計も文字盤の装飾に本物の宝石を使っていたけど・・・」

 

 「おい、なんだって?」

 

 ラクーンシティは治安が悪くなってきたから特殊部隊S.T.A.R.S.を創設したはずだが、そんな治安の中でそんな無防備に宝石をはめた時計を置いておくなんて何を考えているんだ。

 

 「ジル・・・この街に観光で来るのはいいが、住むとなると色々と覚悟がいりそうだな」

 

 「ジョン、待って。誤解よ、街全体がこういったギミックがついてるわけじゃないから。本当に一部の施設に・・・その・・・ちょっと遊び心があるだけだから」

 

 「・・・そうか」

 

 ジョンはなんとも言えない顔でジルの言葉に肯定した。ジルはジョンがラクーンシティに対して誤解を抱きそうになるのを食い止めようと必死に説得した。二人の顔は少し楽しげな笑みが浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴオーーーーン!!!!

 

 鐘を鳴らす音がセントミカエル時計塔とその周辺に響き渡った。歯車を回収し無事に脱出用ヘリへの合図である鐘を鳴らすことができ、生存者全員の顔に明るい色が浮かんでいた。

 

 「これで街を出る事ができるが、皆はこれからどうする?」

 

 「俺とエマはひとまず隣町のレンウッドに向かう。落ち着いたらサンフランシスコの兄貴のところで一旦やっかいになりながら新居を探すさ」

 

 「私はクリスと合流するためヨーロッパへ飛ぶわ」

 

 「俺は生き残った市民と仲間のところに向かう。落ち着いたら妻と娘にも無事を伝えないとな」

 

 各々が今後の予定を話している中クレアは何か考え事をしているようだった。その顔は何かを決心したように見え、ジョンはクレアにどうしたか聞こうとした瞬間、

 

 バラバラバラ!!!!

 

 遠くからヘリのローター音が聞こえてきた。ジョンは話はヘリに乗り込んから聞こうと思い、皆とともに中庭まで移動した。

 

 「おいっ!こっちだっ!」

 

 カルロスが発煙筒を焚きながらヘリの誘導を行っており、ヘリもゆっくりとセントミカエル時計塔の方へ向かってきた。全員の顔にこれで帰れるという思いが現れていた、ジョンももうすぐ脱出できると気が緩むのを自覚していた。だからだろう、普段なら直感や胸騒ぎで感じとれる予感を感じ取れず、バシュッ!という何かを射出する音とその一秒後に点火されたロケットエンジンの推進音、ロケットランチャーの発射音が聞こえロケット弾がヘリに向かって飛んでいくのを呆然と見つめるしかできなかったのは。

 

 「そんなっ!!」

 

 「嘘だろっ!?」

 

 「ヘリがっ!!」

 

 全員が驚愕と絶望の声を上げる中、ロケット弾はヘリの後部に命中し爆発炎上しながら時計塔に突っ込んだ。外壁の一部とバルコニーが機体の残骸により崩壊し火災が発生していた。全員が愕然と墜落したヘリを見つめていると、

 

 S.T.A.R.S.・・・!John・・・!

 

声がした方向へ全員が顔を向けると時計塔の屋根の上に立つ隻眼の異形、ネメシスがこちらを見下ろしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 隻眼の異形、ネメシスは憤怒と歓喜に震えていた。主目標と抹殺したいと焦がれた男を同時にこの手で仕留めるチャンスが巡ってきたのだ。これまで何度も追跡しあと一歩というところで取り逃すか行動不能にされて逃げられてきた。そのたびに憤怒と再び追跡できる喜びが胸のうつに湧いて来るのを感じた。そしてあの声(セルゲイのテレパシー)に導かれ、新たな武器を手にセントミカエル時計塔に急ぎ向かった。到着したとき救助のためのヘリが向かってくるのを確認した。このままでは主目標と男に逃げられてしまう。ネメシスはヘリの移動速度と自身の位置を計算し、時計塔の屋根に上がりロケットランチャーを構え発砲した。ロケット弾はヘリの後部に命中し墜落した。主目標と男、そして周りの生存者たちは墜落したヘリを見て右往左往していた。今度こそ逃さない、ここで必ず仕留める。ネメシスは咆哮とともに憤怒と歓喜の思いを吐き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ネメシスの姿はだいぶボロボロの状態と言えた。上半身は拘束衣のようなコートが完全に吹き飛び、紫の触手が巻き付いていた。そしてその手と肩、背中側からも何本もの触手がうねうねと動いていた。ズボンもだいぶ破けており、まるでターザンのようだった。そしてその身長も大きく伸びており、ジョンと同じくらいだった身長は二メートル半程まで伸び、筋肉量もかなり増えているようだった。武装はマガジンのついた銀色のロケットランチャーと手持ち式ガトリングガン*1の二丁持ちだった。

 

 「クソッ!アイツあれで死んでなかったのかよ!しかもなんか更にムキムキになってないか!?」

 

 「アイツ、俺達に負けてリベンジに筋トレでもしたのか?」

 

 「馬鹿なこと言ってる場合っ!?クレーターができるほどの爆発よ!なんでまだ生きてるの!?」

 

 「こりゃぁ本当にレールガンが必要になってくるぞ・・・!」

 

 「しかも今度は二丁持ちで片方はガトリングガンだと!?」

 

 全員が驚愕の声を上げつつ戦闘態勢を整えていく。子どもたちは時計塔の礼拝堂の中に入れ、戦闘に巻き込まれないように避難させた。今までこちらを見下ろしていたネメシスがおもむろにロケットランチャーを発砲した。狙いは中庭中央付近にいたジョンだった。ジョンは咄嗟に機関銃で飛来するロケット弾を迎撃した。爆炎が一時的視界を奪い、衝撃波に一瞬だけ全員が踏ん張るため硬直した。その直後何か小さいものが複数個飛んできた。それは青色の円筒状に小さなレバーついたスプレーのようなもので、動体視力がいいジョン正体に気づき咄嗟に警告の声を上げた。

 

 「フラッシュバン!!」

 

 しかし、ジョンの警告は遅かった。ネメシスが投げた閃光手榴弾がジョンの警告と同時に起動し、辺りに強烈な閃光と爆音が響き全員の視覚と聴覚を一時的に麻痺させた。その瞬間、紫色の触手が二本がジルとレベッカの肩を貫いた。

 

 「ぐぅっ!?」

 

 「ああっ!!」

 

 苦悶の声が二人から上がり肩を手で抑えた。ふたりとも顔色が悪くなっきており、額には大量の脂汗が浮かんでいた。再びネメシスはロケットランチャーを構え痛みに動けないでいるレベッカに発砲した。いち早く復帰したジョンがレベッカを抱えて回避したが、今度はガトリングガンをジルに向けていた。ジョンはレベッカを抱えたまま走り、そのまま自身の身体で盾になった。その直後にガトリングガンの射撃が始まった。凄まじい衝撃が背中に走り、激しい火花が防弾コートからあがり跳弾が発生した。

 

 「「ジョン・・・!」」

 

 「大丈夫だ・・・!任せろ!」

 

 ジョンはそう言って二人に笑みを向けるがかなり厳しい状態だった。ガトリングガンの弾はおそらく7.62ミリNATO弾で数発くらいなら問題ないが、こうも連続で撃たれると絶え間ない被弾と衝撃に身動きがとれなかった。被弾の感覚から毎分五千〜六千発はありそうだった。他の生存者たちはネメシスに向けて反撃し三人を援護しようと銃を向けたとき、頭になにかをつけた白いゾンビとハンター、脳みそが剥き出しの化物(リッカー)が門と壁を飛び越えて中庭に多数入ってきた。

 

 「何なんだコイツら!?」

 

 「なにかに寄生されてる!?」

 

 「クソッ!邪魔するな!!」

 

 「総員各個に応戦!!」

 

 突然の乱入に狼狽えつつもミハイルが冷静に指示を出し、全員が新たな敵に対応を始めた。援護は期待できそうにない状況だった。

 

 (クソッ!!こっちが動けないことをいいことに馬鹿みたいに撃ちやがって!防弾コートといえどもこのままじゃ破れるぞ!)

 

 タイラントの着用するものだけに高い防御力があるとはいえ、これほどまでに被弾が続いたら遠くないうちに破れるぞ。動きたいが人二人を抱えて動くのは二人の被弾のリスクが高い。それ以前にこの射撃をなんとかしないことには動くこともままならないな・・・。

 ジョンはかつてない危機にどうするべきか必死に考えた。しかし、浮かんでは却下と中々いいアイデアが浮かばなかった。一か八か抱えて無理やり走るかと考えた時、突然銃撃が止んだ。それと同時にジョンの感が今までにないほどの警鐘を鳴らしていた。振り返るとネメシスがロケットランチャーを構えており、回避は間に合いそうになかった。ジョンは腹を括りジルとレベッカを自身からなるべく遠くに投げ飛ばした。

 

 

 

 

 「ジョン!?」

 

レベッカは突然自身とジルを投げ飛ばしたジョンに驚きの声を上げ、地面に落ちた瞬間に振り向き抗議の声を上げようとした瞬間、ジョンが飛来したロケット弾に吹き飛ばされる瞬間を目撃してしまった。吹き飛ばされたジョンは地面を何度かバウンドしながら転がり、うつ伏せに倒れて動かなくなってしまった。

 

 「そんなっ!?ジョン!ジョン!」

 

 必死に声をかけながら近づき体を揺さぶるも、ジョンは目を閉じたままピクリとも動かなかった。絶望が胸の内に広がりそうになるのを抑え、応急手当をしようとしたときだった。

 

 S.T.A.R.S.・・・!

 

 低く怨嗟に満ちたような声が背後から聞こえてきた。いつの間にか屋根から降りて近づいてきたネメシスが、ガトリングガンを構えて背後に立っていたのだ。ネメシスの顔は加虐的な笑みに見える歪んだ顔をしており、見せつけるようにガトリングガンを構え直し銃身が回転し始めた。

 レベッカは咄嗟にジョンに覆い被さり撃たれる衝撃に備えたが、ミニガン*2の愛称が無痛ガン*3であることを思い出し、多分痛みはなくいつの間にか死んでいそうだなと現実逃避気味に考えた。ネメシスがガトリングガンを撃とうとした瞬間、バンッ!バンッ!と大きな発砲音とともにネメシスが顔を抑えて怯んだ。

 

 「レベッカ!援護して!心配なのは分かるけど、今はこいつをなんとかしないと全滅するわ!」

 

 ジルがバリーのマグナム[シルバーサーペント]を発砲した音だった。レベッカはジルの言葉に己を叱咤し奮い立たせた。そうだ、反撃しなければ。まだ死んでない、生きているのだから戦い抗わなくてわならない。レベッカはマグナム[ライトニングホーク]を構えて啖呵を切った。

 

 「掛かってきなさい!!S.T.A.R.S.が目当てなら、相手してあげるわ!」

 

 

 

 

 ジルとレベッカはマグナムをネメシスに向けて発砲していた。お互いが別々の角度から攻撃し、ネメシスに隙を与えないようにしていた。だが、ネメシスは被弾をものともせずにジルにロケットランチャー、レベッカにガトリングガンで対応していた。

 

 (チッ!やっぱり二人だけじゃ足りない!皆はゾンビとB.O.Wの対応に手一杯、マグナム弾は身体の触手であまりダメージが入ってない、ちょっとやばいかも・・・!)

 

 ジルは内心舌打ちしつつも状況が悪くなっていることを感じていた。こちらは最悪一発で死んでしまう可能性があるが、ネメシスは何発被弾してもさほど効いた様子はなく射撃を継続していた。触手による刺突の傷と疲労、プレッシャーによる体力の低下による被弾の可能性が高くなってきており、それが更に心身の負担を増やしていった。ネメシスが六発目のロケット弾を撃ち、リロードしようとするのを見たジルは一か八か装填した瞬間、砲口内にマグナム弾を撃とう考えた。武器の片方を潰せば対応力が下がりなおかつロケット弾の誘爆で大きなダメージが狙えるからだ。ジルが射撃しながらタイミングを伺っているとネメシスは予想外の行動をしてきた。何とリロードのために落とした空のマガジンをジルに蹴り飛ばしてきたのだ。予想外の行動にジルは一瞬固まってしまいからのマガジンが腹部に直撃してしまった。空とはいえロケット弾六発を収納できる大型マガジンはかなりの重量があり、それをプロサッカー選手の本気のシュート以上の速度で飛ばしてきたため、ジルは大きく吹っ飛び背中から地面に落ちてうずくまり、呻いて動けないでいた。

 

 「ジル!」

 

 レベッカがジルを助けるべく動こうとした瞬間、ネメシスの触手が首に巻き付いた。ジルが吹っ飛ばされ一瞬そちらに意識がそれた瞬間、ネメシスが触手でレベッカの首を絞め上げたのだ。更にネメシスはレベッカをジルにぶつかるよう投げ飛ばし、レベッカがジルの上に乗るように落下した。痛みと疲労で動けない二人にロケットランチャーにマガジンをゆっくりと装填する様を見せつけながら歩いてきた。二人まで後数メートルの距離に迫ったとき、ネメシスはロケットランチャーを構えた。

 

 (クソッ!チクショウ!動け!動いて!)

 

 (お願い動いて!)

 

 ジルとレベッカが必死に逃げようとするが、意思に反して身体は鉛のように重く動かなかった。ネメシスがゆっくりと引き金に指をかけて引いていく二人が諦めかけたときだった。

 

 「やめろぉーーーーーーーー!!!

 

 レオンが叫びながらネメシスの腕とロケットランチャーにしがみつきトドメが刺されるのを防いだ。ネメシスは怒りの咆哮を上げて腕を振り、レオンを振り払おうとした。レオンは振り回されながらもマガジンリリースのボタンを押し、マガジンを外すことに成功した。ネメシスは唸りながらロケットランチャーごとレオンを放り投げ、今度はガトリングガンで仕留めようとした瞬間、ニコライが素早く接近しガトリングガンの弾帯を外した。ネメシスは怒りの咆哮を響かせながら触手を使ってジルとレベッカ、レオンとニコライを串刺しにしようと触手を伸ばした。その背後からグレネードランチャーの冷凍弾が着弾した。

 

 ガアァァァァーーーーーーーーーーーー!!!!!!

 

 今まで以上に苦しそうに声を上げた。ネメシスは背後を振り返るとマービンが[MM1]を構えており、冷凍弾は彼の援護射撃だったようだ。冷凍弾の液体窒素がネメシスの触手と身体を凍らせ脆くし、攻撃が通りやすくなった。マービンはさらにネメシスの腹部と胸部に冷凍弾を浴びせ、凍りつき肉体と触手が砕けるごとにネメシスは絶叫を上げ、そこに大砲のような銃声が二発響いた。クレアが倒れているジョンから像撃ち銃を借りて援護に加わわり発砲したのだ。更にはミハイル、カルロス、タイレル、ロバートもゾンビと化物を掃討しネメシスに射撃を開始した。レオンとニコライはその隙にジルとレベッカの救助を開始した。

 

 「レベッカ!しっかりしろ!立てるか!?」

 

 「レオン、ええ大丈夫」

 

 「肩を貸す、掴まれ」

 

 レオンがうまく動けないレベッカに肩を貸した。

 

 「ジル、すまんが担ぐぞ」

 

 「ええ・・ありがとう」

 

 ニコライは動けないジルを肩の上に担ぎ、ネメシスから離れた。ネメシスは集中砲火を受けているが依然として健在であり、弾帯が切れたガトリングガンを放棄して両手で頭部を守っていた。このまま押し切ると全員が考えたときだった。ネメシスが凄まじい咆哮を発した。凄まじい声量に小さな衝撃波が起きたようだった*4。全員が一時的に動けなくなりネメシスが触手を体中から生やし突き刺そうとした時、

 

 ザシュッ!!

 

ネメシスの頭に何かが刺さり片膝をついた。

 

 「良くもやってくれたな?」

 

 いつの間にか起きたジョンがネメシスの背後にまわり、斧をネメシスの頭に叩きつけたようだった。ジョンはそのままに強引に斧を引き抜くと顔の一部と触手が剥ぎ取られた。ネメシスは振り向きざまに殴ろうとしたが躱され、逆にストレートパンチをカウンターで食らわせた。パンチの勢いで再び背を向けたネメシスに背後からフックを打ち込み、身体を貫通しそのまま心臓を掴み握りつぶそうとした瞬間、ネメシスが激しく暴れて掴んだ心臓を離してしまった。フラフラになったネメシスは振りほどいた勢いのまま距離がななれ、膝をついて動かなくなった。しかし、その目だけはギラギラ輝き獲物を狙う肉食獣のようにこちらを睨んでいた。レオンが何かを担いでジョンのもとまでやってきた。

 

 「ジャック、こいつで礼をしてやれ」

 

 「これは・・・ああ、ありがとな!」

 

 担いでいたのはネメシスが使っていたロケットランチャーだった。すでにマガジンが入れられいつでも打てる状態だった。ジョンは狙いをつけ引き金に指をかけた。

 

 John・・・!!!!

 

 「ぶっ飛べ!」

 

 ロケット弾が発射されネメシスの胸に吸い込まれるように命中した。爆発とともに吹き飛ばされた、壁を破壊して飛んでいき数秒後に壁の穴の向こう側から予備のロケット弾に引火したのか爆発が起きた。ネメシスがやってくる気配はなかった。

 

 「もう起き上がるな」

 

 戦いが終わり、あたりをつかの間の静寂が包んだ。

*1
実写映画バイオハザード2アポカリプスに登場したネメシスの装備。

*2
6本の銃身を電動モーターで回転させ、毎分3000〜6000発(秒間50〜100発)という驚異的な速さで7.62mmライフル弾を連射するガトリング銃。20mm弾を使用する「バルカン砲」の縮小版であるため「ミニ」と名付けられました。

*3
痛み感じる前に死ぬことからついた愛称。実銃では使用されない愛称で映画「プレデター」でM134がこの愛称で呼ばれていた。

*4
RE3で一時的にスタン状態にするネメシスの攻撃。




 一人の女の子がラクーンシティ警察署を目指して走っていた。黒人の幼い女の子は父に会いたいあまりラクーン市警に向かうことを母親に置き手紙を書いて、一人でラクーンシティの検問所を抜けてやってきたのだ。しかし、街は既にゾンビや二次感染により発生したクリーチャー、投下されたか暴走したB.O.Wが跳梁跋扈しており、女の子は小柄な身体を活かして何とか逃げ延びていた。しかし、うっかり行き止まりの路地裏に逃げ込んでしまいゾンビの群れに追い詰められてしまった。女の子はR.P.Dと書かれた黒い玉のチャームを握りしめ目を閉じた。

 「ぱぱ・・・!」

 ゾンビの群れがすぐ傍まで迫ってきたときだった。

 〈なにしてんねん!〉

 英語ではない言葉とともに複数の銃声が響いた。女の子が恐る恐る目を開けると、ゾンビの群れがすべて倒れており、それを引き起こした()()()()()()()しながら立っていた。皆頭と思われる位置に青色にS.T.A.R.S.のワッペンが付けられたベレー帽を被っていた。

 〈お嬢ちゃん、大丈夫なん?ちゃんとできるか?〉

 女の子は言葉は分からないが、自分を助けてくれ心配していることはなんとなく分かった。

 「うん!ありがとう、プルプルオバケさん達」



というわけでセントミカエル時計塔の戦いが終わり、次回からNEST編が始まります。その前にエピローグを少し入れるので少し時間がかかるかもしれません。最後に出てきた女の子とプルプルは皆さんはすぐ察しがつくと思います。今回はRE3の寄生ゾンビのハンター版とリッカー版、ペイルヘッド版が出てきました。ハンターとリッカーはゾンビにできるなら他のにも出来るんじゃね、と思いついてちょい役で出しました。それでは次回も楽しみにお待ち下さい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。