RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation 作:ss好き
レベッカをゾンビ犬の襲撃から救助した後、彼女から情報交換と一息つく事を目的に近くの倉庫に一次避難するように提案された。彼としては何故レベッカがラクーンシティに居るのか?どうして此処に居るのか、今は何月何日なのか?疑問が多々あった。その為、彼はレベッカの案に素直に応じる。
(彼女も色々聞きたい事もあるだろう。俺を一応信用してくれているが、タイラントである俺が何故S.T.A.R.S.隊員である自分を守り助けたのか、何故本来は言葉どころか会話不可能なはずのB.O.Wが人間とコミュニケーションを取れるのか、疑問は尽きないだろう)
彼は内心の思いを予想しつつ、彼女の案内についていった。
レベッカ・チェンバースは警察署に通じる道路の近くにある倉庫に向かいつつ、自分の窮地を救ってくれたタイラントについて考えを巡らせていた。まだ少ししか会話してないが、それだけでも驚きが尽きない。人間としか思えない程、言葉に違和感がないのだ。先程も倉庫に行くことを提案した時も「OK、ちょうど一息入れたいところだったから助かる」と、軽口が出た時は目を丸くしてしまった。彼は一体何者なのか?彼には悪いが色々と質問攻めしたいと思った。
倉庫に着き中に入るが、予想に反して綺麗だった。この倉庫の存在は知っていたが、なんの倉庫かは知らなかった。どうやらアンブレラ系列の会社の食料庫だったようだが、この混乱で略奪されてないのは奇跡としか言えない。もしくは、略奪する間もなく感染してゾンビ化したか・・・。そこまで考えた後、考えを振り払い倉庫の事務所を見つけて中に入り、それぞれ手近な椅子に腰掛けた。そして改めて彼の姿を確認する。皮膚は色素が薄いが人間の皮膚をしている、手も幹部養成所と洋館で戦ったタイプのタイラントの様な大きな爪はなく、少し大きいが人間の手をしていた。頭部はスキンヘッドで瞳は綺麗で優しそうな青色。数ヶ月前の事件を経験していなければ、大柄な男性と間違えてしまいそうだ。現に自分は遠目で夜、街灯も壊れ火事と建物の僅かな明かりのみで見えづらかったとは言え、コートを着た背の高い男性と誤認したのだから。
「さっきはありがとう。私はレベッカ・チェンバース、ラクーン市警の特殊部隊S.T.A.R.S.の隊員で階級は巡査、よろしく」
そう穏やかな笑みを浮かべながら自己紹介すると、彼は少し思案顔になった後に口を開いた。
「ジョンだ。こちらこそよろしく頼む、レベッカ」
・・・なんだかとても良い声をしていると思った。そして何故か溶鉱炉に沈みながらサムズアップしているイメージが湧いてくるのは何故だろ?
「早速で申し訳ないんだけど、質問させて。気を悪くしないでほしいんだけど、あなたは・・・その・・・s「生物兵器なのに何故言葉を話して、人間とコミュニケーションをとれるのか?だろ?」!?」
不意をつかれた感じだった。彼はいたずらが成功した子どものような笑みを浮かべていた。彼は自分が生物兵器である事を理解しているようで、その事に特に思い詰めている様子はなさそうだった。それなら。
「そのとおり。見たところあなたはアンブレラの生物兵器[タイラント]の新型。人間に擬態して任務を行う事を考えて作られた」
「そうだ、正確にはT-103型だ」
やはり人間に擬態するのが目的だったようだ。確かに養成所と洋館のタイラントに比べれば
背はかなり低く、まだ大男でギリギリ通りそうだった。
(103型とということは、001と002から改良しつつ小型化と他の機能の追加か、回復能力の追加を加えたのかな?でも彼の様子を見るに知能の大幅な強化もありそうね)
「所々血で汚れているが、俺と103型に関してのレポートがある。どうやら俺は他の個体より脳のシナプスが高く知能が高いと予想されていたようだ」
そう言って彼が渡してくれた資料は確かに血で汚れているが、彼と103型タイラントに関するデータが書いていた。103型は概ね予想どおりだったが、彼に関して更に驚くべき事がわかった。生成途中で突然変異を起こし、通常よりも手が小さいが人間に近い肌色、脳のシナプスが他の同型個体より高く、人間と同じくらいの知能があるのではないかと予想されていた為、通常の103型よりも高度で複雑な命令、更には銃火器の運用や体術など人間の持つ[知識]と[道具],[技術]も習得出来る可能性が有ると期待され、生成完了後は近々起動実験を行おうとしていたようだ。内容はアンブレラの狂気の製造レポートだが、彼に関して純粋に驚きが勝っていた。その時、ふと疑問が浮かんだ。資料には近々起動実験を行うと書いていたが、起動に関しての資料はなかった。
(彼はどうやって起動したのかしら?起動するには人間の手が必要な筈。暴走していないの一目で分かるし、アンブレラの人間だったとしても、自分を守るようにプログラムはしない筈。それ以前に人間と変わらない会話とユーモアはどうやって?)
「俺は独りでに起動した」
こちらの考えを読んだように彼は話し始めた。
「半日ほど前に俺は目を覚ました。その時は既に俺の居た研究所は壊滅していて、誰も居なかった。手術室のような部屋を抜け、服と武器を調達しながら俺自身は・・・、研究所と街の惨状に悲しみと怒りの思いが湧いた。そして考えた、俺は生物兵器だがこの思いと心は人間の持っているものだと。だから俺は誰に何か言われたからではなく、自分自身の意志に従って街にいる生存者を救おうとして、そして君に出会った。だから君を助け守ったのは俺がそうしたいと思ったからだ」
呆気にとられる。まるで考えもしなかった事だ。タイラントが・・・、生物兵器が人間の心を自然に持ち、悲しみと怒りを理解して人間を救おうなど。もはや人間ではないか!?
「助けようとした人間に攻撃されるとは考えなかったの?」
「俺自身が人間と違うことを自覚している、攻撃されることは仕方ない」
「その結果があなた自身が死ぬことになっても?」
「もう決めたことだ、死ぬ最期の瞬間まで俺が自身がやりたいことを、決めたことを貫く」
(・・・言葉が出ないわ・・・)
彼の善性・信念・高潔さ・自己犠牲、そして他者を思う心。これまでの行動と今しがた行った問答。レベッカは彼を人間と思うことにした。
(生まれがタイラントでも彼の心は間違いなく人間だ!地獄のような有様の街に自分から向かい、見返りも何も考えず他者のために動こうとするなんて、人間でも中々居ないのに)
彼女はそこまで考え、あることを提案した。
「貴方にお願いがあるの。今回のラクーンシティの事件の証拠兼証人になってほしいの。勿論道中に生存者が居たら救助するわ。」
彼は右手で顎を少し揉むように握り、考える仕草をしたが直ぐに返事はきた。
「わかった、俺としても役に立つならできる範囲で協力したい」
微笑みながら右手を差し出し、握手を求める。
「改めてよろしく!ジョン!」
「こちらこそ、レベッカ」
俺はレベッカの質問に受け答えしつつ、新たに分かった事があった。自分の前世の記憶が所々抜けているのだ。人間だったことと転生する直前のことは覚えているが、名前と家族の事、交友関係の事が思い出せない。名前を聞かれた時は焦ったが、咄嗟にジョンと名乗って何とかやり過ごせた。
(身元不明の男性に使われる事も有るから、俺には合っているかもな)
そう思いながらレベッカとの質問に答えつつ、最終的に俺は証拠兼証人になることになったが、住民の生存がほぼ絶望的に感じていてたため、せめて少しでも敵討ちや何があったかを知らせれば良いと考え、承諾した。
(個人的には主人公キャラの一人のレベッカに出会えたのは、とても嬉しい。最初はタイラント故に警戒されたが、信頼してくれてるようで良かった)
それはそうと大事な事を思い出した。
「レベッカ、今日は何日か分かるか?」
「えぇっと、9月28日の午前2時10分ね。何かあるの?」
「いや、気になっただけだ。」
失った記憶の中にバイオハザードの事も含まれており、ストーリーに関わることは特に抜けていて、肝心の部分が思い出せないでいた。
(滅菌作戦が10月に行われる事は分かっているが、詳しい日にちまでは思い出せない。下手すれば脱出が間に合わない可能性もある。しかし、不確かな情報は不安や混乱を生む。今は目の前の事に集中しよう。)
「これから何処へ向かう?」
「まずは警察署へ向かうわ。街や市警の現状を知りたいし、ジルが来ているかもしれない。あ、ジルっていうのは私の先輩で同じS.T.A.R.S.隊員なの。元陸軍所属で特殊部隊デルタフォースの訓練課程を修了してる凄い人なの。爆発物のエキスパートで、手先も器用だからピッキングも得意なの」
レベッカは誇らしそうな顔をしながら俺には説明してくれた。外伝含めてプレイアブルキャラクターに選ばれている為、よく知っている。
(そうなるとジルに会う可能性が高いな・・・。レベッカは俺の事を知っているがジルは・・・、会った瞬間に顔に銃弾を撃ち込まれそうだ・・・)
覚悟はしていたが、いざそうなる可能性が出てくると憂鬱になってくる。それを察したのかレベッカは「私が事情を説明するから」と言ってくれた為、少しはマシになった。そして再び予定と計画を話し合った結果、警察署へは朝向かうことにして交代で睡眠をとりながら休むことになった。食料庫の為、水と食べ物は大量にあり電気とガスもまだ生きている為、事務所の奥にあった小さなキッチンで簡単な料理を作り、まずは腹ごしらえをする事にした。
・・・余談だが料理の知識と記憶は何故か残っていた為、料理をした時はレベッカにとても驚かれた・・・。
アークレイ山地の深い森の中に1台の大型車が止まっていた。中はアクションかスパイ映画に出てきそうなモニターと無線機、盗聴器などの機器が詰め込まれていた。そしてそれらの機器の前に1人の男が座ってモニターを眺め、無線機と盗聴器の通話を聞いていた。暗闇に溶け込みそうな、黒一色の装いは闇が人の形をしたような、底しれぬ不気味さを生み出していた。男はアンブレラが自社のB.O.Wの実戦テストを、バイオハザードが起きたラクーンシティで行う情報を掴み、こうして監視しデータ収集を行う為にやってきたのだ。
そんな中アンブレラの無線盗聴器より一つの知らせが男に入ってきた。ラクーンシティ郊外の研究所に保管されていたT-103型の特殊個体が暴走し独りでに動き出したとの事だった。男は失笑を禁じ得なかった。アンブレラらしい杜撰な管理体制だと、起動実験もしていない内から暴走とは、やはり落ち目の斜陽企業か。
男はそう内心思いながも興味深い事が分かった。どうやら暴走した個体は暴れるわけではなく、街の中心に向けて移動したらしいと。男は興味深そうにしながらもあまり関心は向けていなかった。しかし、暴走しているとは言え特殊個体というのは気になる。
(大したデータは取れんだろうが、今は一つでも情報は欲しい)
男は
変わらず低クオリティで不定期更新ですが、よろしくお願いします。