RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation 作:ss好き
ネメシスとの激闘を終えた生存者たちは、一度時計塔の礼拝堂にて傷の手当と休息を取っていた。ネメシスの触手で高濃度かつ強力なTウイルスに感染したジルとレベッカもワクチンを接種して回復した。しかし、一同の表情は暗く沈んでいた。脱出のためのヘリを撃ち落とされ、更にはU.B.C.S司令部との通信も切れてしまったのだ。ミハイルは戦闘後に新たなヘリの手配を司令部に要請したのだが、司令部からの応答はなく無線は沈黙していた。全員が望みを絶たれたと思い、暗く沈むのも無理のないことだった。だがジョンとレベッカ、ジルだけは難しい顔をし悩んでいる様子だった。そしてジョンが苦渋の決断をするように口を開いた。
「皆・・・後一つだけ、街から出る最後の方法がある」
その言葉にジルとレベッカ以外の全員がジョンに顔を向けた。
「本当かジャック!?」
「まだ脱出プランがあるの!?」
「ああ、あるにはあるが・・・ものすごく危険な道のりになると思うぞ」
ジョンはそう言ってウエストポーチから数枚の書類と地図を取り出した。
「何人かには話したがこのラクーンシティ地下にはアンブレラの秘密研究所があり、それは警察署裏にある下水処理施設から下水道を通り、その先にある地下ロープウェイから郊外のアンブレラの工場に行き、ターンテーブルに偽装した秘密のエレベーターで向かうことができる。それ以外なら警察署近くにある孤児院の地下かロバートの店の近くの下水道から秘密のケーブルカーに乗る方法もある」
NESTの存在を知らない者からは驚きの声が上がった。ラクーンシティはアンブレラが牛耳ていると言っても過言ではなく、街の住民の半分以上がアンブレラとアンブレラ系列の会社や工場で働いており、必然的にアンブレラの建物が多く存在している。だが誰にも知られることなく地下に研究所を建設し運営してるとは思ってもみなかった。
「地図によると研究所最下層には脱出用と貨物運搬用のプラットホームがあり、そこの列車を使えばラクーンシティ外の荒野まで出ることができる」
ジョンの言葉に全員の顔に希望が宿り明るくなり、今度こそ街を脱出するぞと皆の身体に力が湧いた。しかし、ジョンは難しい顔をしながら口を開いた。
「だが、アンブレラの研究所なだけあって何が潜んでいるかわからない。街ですらこの有り様だ。元凶の研究所には一体どんな化物が潜んでいるか分からない。それでも大丈夫か?」
ジョンの言葉に全員が決意のこもった目でジョンを見返した。
「野暮なこと聞くなよ。どの道このまま此処にいてもなんにもならない、だったら前に進む以外ないだろ?」
「此処まできたのよ、今更化物くらいに怖気づくと思う?」
「市民を守るのは警察官の務めだ。必ず守る、任せろ」
「娘とこの娘のためにも絶対に生き残るぞ!」
「我々U.B.C.S・・・いや、元U.B.C.Sも諸君ら市民のため全力で戦い守ろう」
ジョンは難しい顔から一転し笑みを浮かべた。
「大丈夫そうだな。よし、なら行くか。だが交代で二時間程休憩と仮眠を取ろう。連戦に加えてこれから更に激戦になる可能性がある、できるだけ休んで英気を養おう。だがまぁ、とりあえず飯にしよう。スナックと非常食しかなくてすまんが」
ジョンの言葉に全員が頷き、ウエストポーチから食料を取り出し小さな食事会が開かれた。なおちびっ子二人は普段は駄目だが緊急事態ゆえに特別にお菓子食べ放題として、お菓子を食べまくっていた。
女の子はプルプル五個とともにラクーン市警察署を目指していた。ゾンビに襲われ絶体絶命のだったとき、颯爽と現れゾンビの群れをすべて倒し女の子を救った。女の子はプルプルの正体が食べ物であること少しして知った。一つはアメリカでもよく見られるプリンだと分かった。残りは家族で何回か行った和食レストランで食べたことがある豆腐とこんにゃく、ういろうだと分かった。しかし最後の白く表面が滑らかなプルプルは分からなかった。すると豆腐が小さなホワイトボードを持って水性ペンで何かを書いて渡してきた。そこには英語で”チャイナのデザートで杏仁豆腐という名前。
「これ食べていいの?」
豆腐たちが身体の真ん中から上が前に数回曲がった。どうやら頷いているらしかった。
「ありがとう!」
女の子はプルプル達にお礼を言って食べはじめた。どれも美味しく独特の味と風味が口と鼻に広がった。気になっていた杏仁豆腐も杏仁霜は分からないが、アーモンドエッセンスの香りはすぐに分かった。女の子は今度家族でチャイナ料理も試してみようと考え食事に没頭した。
なお、プルプル達の背中には削ったような後がついていたが、女の子には知られることはなかった。
IFストーリー
.もしもジョンがラクーン市警察の警部補としてラクーンシティにいたら
1998年3月9日
ジル・バレンタインは日勤のシフトで警察署に出勤した。ジルは二年前に設立された特殊部隊S.T.A.R.S.のメンバーの一人だった。これからロッカーで制服に着替えオフィスに向かおうとしたとき、
「クリスッ!!これで何度目だ!?いい加減力加減を覚えろ!」
西側オフィスの方で低くそれでいてよく通る声が響いた。その声を聞いたエントランスにいた警官全員がビクッと震えるか、ああまたかと小さく笑っていた。声が聞こえた西側オフィス前まで行くと、扉の前に先月に配属された新人警官レオン・S・ケネディが扉を少し開けて中を覗いていた。
「覗き見とは感心しないわよ、ケネディ巡査?」
声をかけられたレオンは驚き慌てて振り返り敬礼した。
「おはようございます、バレンタイン巡査!」
「ジルでいいって言ったでしょ?おはようレオン。クリスは今度は何を壊したの?」
ジルは笑みを浮かべてレオンにそう言い挨拶を返した。レオンは緊張が溶けた様子で口を開いた。
「それが・・・署内で導入されたばかりのポータブルセーフのボタンと回路をうっかり潰してしまったらしく、ジャッk、ジョン警部補に叱責されています」
まったくクリスったら・・・力加減には気をつけろとこの前も言ったばかりなのに、もう備品を壊すなんて・・・。
ジルもそっと西側オフィスの中を覗いた。中には二メートル超えの筋骨隆々の身体にスキンヘッドに堀の深い顔をした大男、上司であり友人のジョンがマービン・ブラナー警部補とともに相棒の
「この前は押収品保管庫の端末二回に今週はポータブルセーフ五個をスクラップにする。弁明を聞こうかクリス?」
「違うんだジョン、今回は気をつけていたんだが組み合わせパズルをやってる内に力が入っちまって・・・その・・・すまん・・・」
ジョンはため息を吐き呆れながらも怒気を収めた。
「クリス、ここの署長は神経質でねちっこい。俺とマービンが宥めるが限度がある。それに数が数だ、今度は始末書は俺だけでなくウェスカーにも出しておけ。ちょうど用事があるから俺が先に伝えておく。後、備品係にも謝っておけよ。せめてもの慈悲だ、マービンも一緒に行ってくれないか?」
「あいよ、ジョン」
「ジョン!?勘弁してくれ!ウェスカーの説教は理路整然としてこえーんだよ、備品係全員にも俺睨まれてるし!五十枚でも百枚でも始末書書くから隊長と備品係だけはご勘弁を!」
ジョンは笑みを浮かべながらクリスの肩に手を置き、
「駄目だ」
無慈悲な宣言とともにS.T.A.R.S.オフィスへ歩いていき、マービンに笑いながら「諦めろクリス、行くぞ」と言われながら羽交い締めにされ連行されていくクリスだった。
レオンはなんとも言えない顔で、ジルは呆れながらも必死で笑いを堪えていた。アークレイ山地猟奇事件が起きる四ヶ月前の警察署での出来事だった。
今回はエピローグに加えてIFストーリーを書いてみました。レオンが原作より早くR.P.D入りし、ジョンが
後一話か二話エピローグを入れたら新章に入ります。これからも本作をよろしくお願いします。