RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation   作:ss好き

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ウェスカーのエミュが難しいです。


エピローグ.2 ウェスカー

「マービンめ・・・余計なことを。しかし、ネメシスの変異とその戦闘データが得られたことは幸運だったな。この分ならアークレイ研究所を上回る量のデータを回収できそうだな」

 

 アルバート・ウェスカーはそう言ってモニターの一つを起動し録画された動画を再生した。それは、セントミカエル時計塔にて起きたネメシスと生存者たちの戦闘映像であり、ラクーンシティ中に存在するアンブレラの監視カメラから撮られたものだった。ウェスカーは元アンブレラ所属の工作員であったがアンブレラを離反、ライバル企業であるH.C.Fに鞍替えした経緯を持つ男だった。しかし、その際の手土産として用意していたS.T.A.R.S.とB.O.Wとの戦闘データをセルゲイとアンブレラのAI[レッドクイーン]によってデータすべてを奪われ、ウェスカーは手ぶらでH.C.Fに加わることになり、彼にとって不名誉かつ屈辱的な無能のレッテルを貼られることになった。ウェスカーは組織内のこの評価、そしてそうなる原因となったクリストファー(クリス)・レッドフィールド*1に対し大いに怒りつつ、次の手を考えていた。そんなときに親友でありライバルでもあるアンブレラの研究員、ウィリアム・バーキンが自身が開発した新型ウイルス「G」を巡ってアンブレラ上層部と折り合いが悪くなり、近々アメリカ政府と交渉し離反しようとしていることを知った。

 

 (これは・・・使える、H.C.FもTを超える性能の新型ウイルスとなれば興味を惹かないはずがない。Gの現物とウィリアム本人を回収すれば、俺につけられたレッテルを覆し権力を手に入れることができる。あいつには自由に好きなだけ研究できる施設と立場を用意すれば必ず食いついてくる)

 

 ウェスカーは早速H.C.F上層部に進言し作戦の許可をとった。最初はウェスカーの評価から難色を示してはいたが、予想通りTを超えるGの存在に魅力を感じ指揮権と作戦機材と人員の使用許可を与えた。エイダ・ウォンはその人員の一人だった。しかし、作戦決行が秒読みに入った段階でウェスカーの予想外の事態が発生した。アンブレラが自社の保安警察U.S.S(アンブレラ・セキュリティ・サービス)がラクーンシティ地下研究所に強行突入し、ウィリアムを襲撃しGを奪い取ってしまったのだ。しかも、ウィリアムはU.S.Sの新人隊員の緊張による銃撃で瀕死の重症を負うも自らにGを投与し制御不能の怪物へと変貌、実質的に死亡してしまったのだ。

 

 (ウィリアム・・・馬鹿なやつだ・・・)

 

 ウェスカーは極めて冷静沈着で鋭い観察力と洞察力から感情よりも論理的な考え方を優先する男だ。そして用済みになれば誰であろうと簡単に切り捨てる冷酷さを持ち合わせてもいた。だがこの時ばかりは十何年の付き合いの友に対して彼は侮蔑も軽蔑もなく、ずっと愛用、もしくは大事にしていたものがなくなってしまったような、なんとも言えない虚しさが湧いてきていた。ウェスカーは数分目を閉じ自身に宿る気持ちを追い出し次のプランを考えた。そして、イレギュラータイラント[ジョン]を見つけ、彼の計画は大幅に付加と変更をしていくことになった。

 

 

 

 

 ラクーンシティ壊滅後はイレギュラータイラントのデータ収集とネメシスを利用し、NESTに向かうように状況をコントロールしつつ、自身の能力でゾンビやクリーチャー、B.O.Wを生存者たちにけしかけ生存者たちの足止めを行いつつ、護衛対象をどう守るかの観察を行っていた。結果はマービン・ブラナーに邪魔されてしまったが、予備弾薬の配備や陣地作成など一定の情報は収集できたためよしとしていた。

 

 (ネメシスにロケット弾を撃たれたときはさすがにここまでかと思ったが、通常のT-103よりも耐久と再生力が高いのか?ネメシスにしても死にひんしてタイラントの肉体がリミッターを解除し、ネメシスも回復のため自身の分泌液の量を増やし増殖速度が上がったのか?)

 

 セントミカエル時計塔の戦闘データにウェスカーは非常に興味をそそられたが、無理やりそれを追いやった。重要なのはGとイレギュラータイラントの血液とその中にあるTウイルスだ。ヘリが撃墜され、脱出を目的とする彼らが次に向かう場所があるとすればNESTしかなかった。

 

 「どうやら今回はアークレイ研究所と違い俺にもツキが回ってきたようだな。だが、今回ばかりは念を入れさせてもらおう」

 

 ウェスカーはそう呟き、指揮車から出てどこかへと向かった。

*1
クリスに対しての恨みはほぼ逆恨み。




 IFストーリー
 .もしもジョンがラクーン市警察の警部補としてラクーンシティにいたら 2




 1998年7月23日 アークレイ山地

 レオン・S・ケネディは上司であり教育担当であり、親友になった男とともにアークレイ山地の森の中をラクーン市警の4WDに乗り込み進んでいた。ラクーンシティでは7月から頻発して起こり始めた人が食い殺されるという猟奇殺人事件、アークレイ山地猟奇事件が頻発していた。主にラクーンシティ郊外で事件は発生しており、数人か数十人で民家を襲い住人を殺害している。市警は薬物かカルトの仕業と見てS.T.A.R.S.に調査をさせており、警官たちにも郊外を中心にパトロールを強化して対応に当たらせていた。レオンと同乗者のジョンも郊外のパトロール強化とレオンの指導のため夜勤シフトでコンビを組んでいた。真面目で正義感も強いレオンは今回の事件に誰よりも憤りを見せ、自分も捜査に参加して解決してみせると意気込んでおり、その都度ジョンとマービンに突っ込まれながらも熱心に勤務に臨んでいた。そしてパトロールが終わり警察署に引き返そうとしたとき、市警より緊急の無線が入った。アークレイ山地の山道にある休憩所からの通報で、様子のおかしい集団に襲われていると通報が入ったとのことだった。ジョンとレオンが一番現場に近いということもあり、二人に現場に向かうよう指令が出たのだ。

 「さあ行くぞヒーロー、街を脅かす犯罪者を捕まえに行くぞ」

 「茶化さないでくださいジャック、確かに意気込みは本当ですが、流石に皆の前で話したのは今思い返しても恥ずかしいんですから」

 ジャックは自分を含めた先輩警官全員の前で宣言するように言った意気込みを思い出して笑い、レオンは正義感と自分が捜査に加わり解決したいという欲から出た言葉に恥ずかしそうにしていた。

 (レオン、時間外勤務ではなくボランティアで休日にまで見回りをするくらい熱心なのは皆知ってる。口に出さないが皆お前を誇りに思ってるよ。それはそれとして、休日はしっかり休まないと身体を壊すぞ)

 ジョンは後輩であり年の離れた親友である男にそう心のなかで誇らしいと思っていることと注意を伝えた。




 「ジャック!あれを!」

 「ああ・・・遅かったか」

 レオンが指差す方向を見てジャックは悔しそうに発した。アークレイ山地の中に作られた道路を走り、連絡があった休憩所まであと少しのところで道路の真ん中に数人の血まみれの人間が倒れているのを車のヘッドライトが照らし出した。

 「レオン、念のため()も用意しておけ。弾も多めに渡しておく、用心しろ」

 「了解」

 レオンはホルスターから愛銃であるハンドガン[VP70]と大型ハンドガンを取り出し薬室に弾を装填した。それは砂漠の荒鷲の名を持つマグナム[デザートイーグル.50AE]だった。[VP70]は装弾数十八発と拳銃の中では装弾数が多いが、構造上の問題から威力が落ちてしまう欠点があった。相手が薬物によりハイになっているのならば、九ミリでしかも威力が落ちている弾丸では身体に撃っても構わず襲ってくる可能性が高く、心臓か頭に命中させなければ射殺することが非常に困難な可能性があった。[デザートイーグル.50AE]ならばそのパワーで身体のどこに当たっても確実に止めることができると考えたからだ。ジョンも警察支給のハンドガン[M92FS]と誕生日に警察署近くのガンショップ[ケンド]の店主、ロバートからもらった銀の彫刻(エングレーブ)が入ったリボルバー[S.A.A]を取り出し装填した。武器を準備し二人は車を降り、倒れている数人にゆっくりと近づいた。調べた結果体中を食いちぎられ、大量出血とショックにより死亡したと推測できた。

 「クソッ!また罪もない人が犠牲に・・・!」

 「レオン、気持ちは分かるが落ち着け。S.T.A.R.S.のブラヴォーチームが今日調査にヘリを飛ばしてる。親玉と拠点探しは彼らに任せて、俺達は応援を呼び仲間が来るまで彼らの保護をすることだ」

 「ジャック・・・そうだな。これ以上彼らに被害が出ないよう守らなければな」

 「いい顔になってきたな、レオン。本部、こちらジョンだ・・・本部?聞こえるか?」

 ジョンは無線で市警に報告と応援、鑑識の手配を頼もうとしたが無線が繋がらなかった。バッテリーは入れ替えたばかりで切れたとは考えにくい。

 (こんなときに故障かクソッ。何だか不吉だな)

 「レオン、すまないが無線の故障だ。お前から市警に報告してくれないか?」

 「了解、本部こちら・・・」

 ジョンはレオンが連絡を入れている間、無線を見つめながら訝しんだ。

 (俺の無線はまだそこまで古くはなく、故障する可能性は低い。バッテリーも入れ替えてそんなに経ってない・・・考えすぎか?)

 「ジャック、駄目だ。俺の無線機もつながりません」

 そんな馬鹿な、俺だけなら偶然で片付けられるがレオンまで故障だと?これじゃまるで・・・。

そこまでジョンが考えたときだった、突然周りから凄まじい腐臭が漂い、自分たちを取り囲むように気配を感じた。



 エピローグ二つ目と続いちゃったIFストーリーです。細かい設定は短編なので省いていますが、いつかきちんとした話で書きたいですね。ウェスカーとバーキンは個人的には表にあまり出ないだけで、友情はあったんじゃないかと考えています。ただあまり内面でも言葉でも話しすぎるとウェスカーらしさを損なうと考えたので、呟いて心で感じて多くを語らないようにしました。次回は未定ですが、新章に入りたいと思います。
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