RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation 作:ss好き
プロローグ.3 ラストエスケープ
セントミカエル時計塔の礼拝堂にて生存者たちは仮眠を取り、交代で見張りと各々の銃の点検を行っていた。ネメシスに脱出用のヘリを撃ち落とされたため、代替案でアンブレラの地下研究所にある列車を使用し脱出するためだった。しかし、街ですら既に危険な状態ならば大元となった研究所など想像を絶する化物がいてもおかしくなかった。しかし、生存者全員がゾンビを始め様々な怪物と戦い経験を積んできたため怖気づくこともなく、全員が研究所を経由する脱出プランに賛成した。そして今、再び地下鉄に乗り研究所の入口が近くにある警察署の方へと向かおうとしていた。
「NESTに向かう道もそうだが、十二人もの人数で固まって動くのはリスクが高い。いっそ半々に分けてそれぞれ別々の道を行くのもありか?」
礼拝堂内でジョンがNESTへ向かう前の最終確認を生存者たちと行っていた。ジョンは十二人が固まって動くのはリスクがあると考え、半分に別れてそれぞれのルートから向う案を提示した。
「考えとしてはありだけど・・・子供もいる。ゾンビだけならともかく、白いやつやB.O.Wが大量に襲ってきた場合は不安が残るわ」
「だがこれから行くのは下水道と地下の研究所だ。屋内戦闘がメインになるなら大人数はかえって動きが阻害され逆に危険だ」
NESTへの道は二つ。警察署裏の下水処理施設から地下ロープウェイに乗り、郊外のアンブレラの工場からターンテーブルに偽装されたエレベーターに乗る。もう一つは警察署近くの孤児院の地下かロバートのガンショップの傍の下水道から少し先にあるケーブルカーを使用することだった。どちらも下水道という閉鎖空間でのため動きが取りづらく、人数の多さがデメリットになってしまう場所だった。しかし、街の住民のほぼすべてが敵の状態で人数を分けることもリスクが高い行為だった。どうするべきか全員が意見を出し悩んでいるときだった。
バラバラバラ!!!
ヘリのローターの音が聞こえ更に徐々に近づいてきているようだった。
「ヘリ!?まさか・・・救助にきてくれた?」
「いや・・・違うな」
クレアが新たな救助ヘリかと期待するが、カルロスが否定する。ローターの音がU.B.C.Sの使用するヘリ*1と違うからだった。カルロスは礼拝堂か出て舞踏の間の行き、中庭への扉を少し開けて警戒しながら確認した。一機のヘリが時計塔に接近してきており、機体にはアンブレラのマークがついているがU.S.Sが採用しているヘリ*2だった。機体からは大きめのサプライボックスが吊り下げられており、時計塔上空につくとゆっくりと中庭の空いたスペースに機体を移動させ、サプライボックスを投下した。投下し終えたヘリはそのまま時計塔を離れやがて見えなくなった。カルロスは慎重に扉をくぐりサプライボックスを観察するが、重火器や弾薬を運んだりするタイプに似たものとしかわからなかった。
「一体全体なんだってんだ?」
カルロスはぼやきながらもミハイルと仲間たちに報告すべく礼拝堂へと一度戻った。
「よし・・・箱の周りも蓋にも細工はされてない、開けても大丈夫だ」
カルロスからの報告の後、ミハイルが投下されたサプライボックスを調べブービートラップの類がないことを確認し、中身を確認するべく蓋を開けた。ミハイルとジョン、仲間たちも中身を覗き込んだ。中には少し古いタイプの黒いトレンチコートと黒の中折れ帽、黒いインナーとズボン、黒のベルト複数と黒のブーツが入っていた。トレンチコートは数着用意されており、その下からはさらに大きめな頑丈そうな箱が手紙とともに入っており、手紙にはセルゲイ・ウラジミールと名前が書かれていた。
「手紙の名前、何者なんだ?」
「セルゲイはアンブレラの幹部の一人でU.B.C.S設立にも深く関わっている男だ」
「えっ!?つまりアンブレラの大物からの手紙ってこと?」
「なんでそんなやつから手紙なんて来るんだ?」
「ラクーンシティはアンブレラが支配してるんだ。監視カメラ以外にも隠しカメラが街中に配備されていても不思議じゃない」
「手紙にはなんて?」
ジョンが手紙の封を開けて開き中を確認した。
”はじめまして、これを読んでいるであろうT-103型タイラントのイレギュラー個体ジョン。私の名前はセルゲイ・ウラジミール、アンブレラ社の幹部を務めている者だ。君のことはラクーンシティ総合病院のあたりから活躍を拝見させてもらっていたよ。生き残りのS.T.A.R.S.隊員をはじめ、U.B.C.Sや民間人とともにゾンビやイレギュラーミュータント、我が社のB.O.Wを退けセントミカエル時計塔までよくたどり着いた。これまでの奮闘と活躍を讃えてささやかな贈り物を用意したのでぜひ受け取ってくれ。これからの君の奮闘に期待する、NESTでは我が社の誇る研究所とその成果物を存分に楽しんでくれたまえ。幸運を祈る。
「悪趣味な男ね」
「アンブレラの大物から評価されるとは光栄だね」
レベッカが吐き捨てるように言い、ジョンは皮肉げに言った。とりあえずは変なものではないと分かったため、箱の中身を確認すべく開けた。中にはブーメランのような形状をした奇妙な形をしたナイフ*3が三本と専用の鞘が入っていた。手紙に同封されていた説明書によるとナイフの素材はツングースカ大爆発のときにシベリアに落ちた金属で作られており、錆びず、腐食せず、とても軽くそれでいて鋼鉄以上の強度を持ち、磨き上げるほど切れ味を増し刃毀れもしない夢のような素材でできているとのことだった。
「随分インチキじみた素材でできたスーパーナイフってことか。トレンチコートのことも書いてあるな」
トレンチコートはタイラント用に新しく作られたものらしく、より人間社会に溶け込みやすいようにデザインされたものらしく強度はこれまでのT-103用のトレンチコートより上と書かれており、中折れ帽とインナー、ズボンとブーツ、ベルトも同じ素材で作られていると書かれていた。
「まあ、ネメシスとの戦いで俺も服がボロボロだったからありがたく使わせてもらうとしよう」
ジョンはセルゲイからの贈り物を素直に受け取ることにし、再び礼拝堂へと全員が戻り脱出のための話し合いを再開した。
プロローグのためちょっと中途半端かもしれませんが、今回は此処までとします。おまけのショートIFストーリーは、今の処は後書きで書きたいことを少し書く感じで投稿したいと思いますが、本編が少なくとも5か6まで書けたら本格的に書こうかと思っています。ショートIFストーリーはアンケートを取らせていただきます。不定期ですが次回もお楽しみください。