RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation   作:ss好き

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 今回から少しずつオリジナルとリメイクの世界が混じっている事を、ジョンが知っていくことになります。又、混じっている世界がもう一つだけあります。


Chapter.6 ワクチン

 私はマービンに手を貸しながら容態の確認を行っていた。しかし、確認すればするほど彼が絶望的な状態だと理解してしまう。感染しているのだ。黄道特急・幹部養成所・洋館での経験とリア・セキュリティ (RS)として医療的知識を持っているからこそ、正確に残酷にマービンがこの後どうなってしまうか結論が出てしまう。

 

 「どうだレベッカ、俺は悪いのか?」

 

 マービンが聞いてきた。その問いに私は心臓が一瞬強く脈打った。

 

 「大丈夫よ。心配しないで」

 

 何とか精一杯の笑顔を作り、不安にさせないように努めたが彼は静かに首を横に振った。

 

 「いや、良いんだ。自分の事だ、よく分かってる。それに噛まれたらどうなるかも見てきたからな・・・」

 

 「マービン・・・」

 

 力無く項垂れている彼を見るのは辛かった。なんとかしてあげたい、しかし方法が分からない。

 

 「マービン、しっかりして。貴方らしくないわ。まだ生意気な新人達を叱る仕事が残ってるのよ。だから諦めないで!」

 

 「ジル・・・、俺がどうなるかは君達がよく分かっているだろう?」

 

 「いえ、わからないわ」

 

 ジルが間髪容れずにそう答える。しかしマービンは苦痛と悔しさ、そして悲しみと恐怖が滲んだ顔を向けてきた。

 

 「聞くんだ!俺はもう助からない・・・!このままじゃお前達だけでなく、他の仲間やまだ生きている市民にも迷惑がかかる。・・・ジル・・・、最期の頼みをきいてくれないか?」

 

 それが何かをジルも私も直ぐに理解できてしまった。

 

 「そんな・・・、嫌よ・・・」

 

 「なんとかして助かる方法を・・・!」

 

 「頼む・・・!せめて死ぬなら人間のまま死なせてくれ・・・!」

 

 悲痛な訴えだった。そして私達が出来る事はそれしかなかった。だがどうしても了承出来なかった。また仲間をこの手で葬らなければならないのかと。そんな時だった。ジョンが徐に口を開き、一筋の希望のある言葉が放たれた。

 

 「もしかしたら彼を救う方法があるかもしれない」

 

三人で思わずジョンに顔を向けた。

 

 「済まないが気休めなら大丈夫だ。自分の事はよく分かっている・・・」

 

 「ラクーンシティ総合病院地下にはアンブレラのt-ウイルス応用研究所がある。もしかすればワクチンの保管ないし製造が可能かもしれない」

 

 青天の霹靂だった。もしかしたら彼を救う事ができるかもしれない。

 

 「ジョン、本当なの!?本当にワクチンがあるの!?」

 

 「ああ、俺が居た研究所にはラクーン総合病院地下にはNEST2と呼ばれる研究棟があり、そこではワクチンの製造も行っていると資料があった」

 

 ジョンの話が本当ならマービンだけでなく他の生存者も助ける事が出来る。文字通りの希望だ。

 

 「助かるのか?俺は?生き残った市民も?仲間も?」

 

 「可能性は高い。だが問題もある」

 

 彼は深刻な顔でそう告げた。

 

 「NEST2が今どんな状況か分からない。もしかしたら設備が破壊されるか封鎖されている可能性もある。よしんば封鎖されず、無事だったとしてもワクチンか素材がある保証がない」

 

 「それでも可能性があるなら賭けてみたい。このまま仲間を見殺しなんて出来ない」

 

 「私も!少しでも助けられる方法があるなら、試す価値は十分にある!」

 

 私とジルの言葉にジョンは一度目を閉じ、開くとともに口を開いた。

 

 「分かった、俺も彼を見殺しにしたくない。薬学ならレベッカが精通している。案内兼護衛は俺が、ジルはマービンの介抱。この人選でどうだ?」

 

 「ええ、ベストだと思う」

 

 「私も」

 

 「決まりだな。車を借りたいが良いか?」

 

 「交通課にキーがあるかもしれない。それを見つけてパトカーを使いましょう」

 

 各々準備を始め、行動を開始する。

 

 「死に損ないの為に済まない・・・」

 

 「そんな事言わないで、貴方は助ける。絶対に」

 

 「そうですよ、マービン!だから諦めず待ってて下さい!」

 

 そう言うとマービンは深く頷き、ジョンの方へ顔を向けた。

 

 「ジョンと言ったな?新人を頼むぞ」

 

 「ジョン、レベッカの事を任せたわ。必ず二人で帰ってきて」

 

 「約束する」

 

 ジョンはそう答えると頷いた。さあ時間がない、行動開始だ。

 

 

 

 

 俺はレベッカの案内で交通課のデスクまで向かい、パトカーのキーを手に入れて駐車場に向かった。その際にカードキーも忘れないように気をつけた。駐車場のシャッターが開けないなど今の状況じゃ笑い話にもならない。最悪俺がこじ開けても良いが、其処からゾンビが大量に侵入しても困る。壊さず開くならそれが良い。

 

 (かなり窮屈だが何とか乗り込めた・・・!タイラントの身体はデカいが、T-103は002に比べてかなり小型化されているから、何とかなって良かった)

 

 それでもきついものはきつい。

 

 「ジョン、大丈夫?代わろっか?」

 

 「いや、大丈夫だ。それより病院に急ごう」

 

 俺はそう言ってアクセルを踏み込み、パトカーを勢いよく走らせ病院へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 猛スピードで道路を走るパトカーを隻眼の異形が見つめていた。異形はパトカーが走っていった道と、頭の中にあるラクーンシティの地図とを照らし合わせて、()()()()()使()()建物の間をワイヤーアクションの様に移動し、見失なわないようにしながらも気づかれない位置をキープしつつ、パトカーを追跡し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 ジョンの荒っぽい運転に振り回されつつも、何とかラクーン総合病院に到着した。道中に事故車やバリケードが道を塞いでいたが、ジョンが怪力に物を言わせ退かしていった為、最短ルートで到着できた。病院は僅かな明かりしか点いておらず、薄暗く不気味な雰囲気を漂わせていた。

 

 「警戒しながらいきmっ!今窓に何か居た!」

 

 一瞬だが病院の窓に何者かが見えた。ゾンビではない、とても素早く何より人間のシルエットしていなかった。

 

 「気を引き締めろ、病院とはいえ地下にはアンブレラの研究所がある。どんなB.O.Wやクリーチャーが居るか分からない」

 

 ジョンの言葉に改めて警戒しながら私達は病院の中へ足を踏み入れた。

 

 

 

 病院エントランスに入ると、まず濃い血の匂いが漂ってきた。そしてあちこちに死体が散乱していた。医師や看護師は勿論の事、逃げ込んだ市民や搬送の為に来たであろう救急隊員や警察官の遺体もあった。皆身体のあちこちに噛み傷があり、ゾンビに襲われた事は明白だった。だがその中に奇妙な遺体が何体か存在した。首が大きく斬られた遺体だった。鋭利な刃物で斬られたような、気味の悪い死体だった。そしてこんな事が出来るB.O.Wを俺とレベッカは知っていた。

 

 「ジョン、この遺体首が・・・。もしかして外で見た窓のシルエットって・・・」

 

 「君の考えている事は分かる。注意して進むぞ、俺が前で君が後ろ。これまでと同じで行くぞ」

 

 そう言って俺はマグナムを構えつつクリアリングを行いながら、病院奥へと進んだ。

 しかし拍子抜けするほど院内は静かで何にも遭遇することはなかった。

 

 (病院の内装はオリジナルのバイオ3で、地下の設定はRE3なのは厄介だな。両作品の事は今思い出したが、設定が混ざっていると何処に地下へ通じる道があるか分からん。アウトブレイクの脱出時に使った道を探すか?)

 

 そう考えながら探索を続けていくが、俺自身は不安になってしまう。もし時間までにワクチンを見つけられなかったら?見つけても使い物にならなかったら?嫌な考えが次々と浮かんでくる、良くない兆候だ。その考えを振り払う様には探索に集中していこうとした時に、強制的に考えが中断された。

 

 ダダダッーダダダダダダッー!!!

 

 銃声、しかもアサルトライフルと思われる音が院内に突如響いた。

 

 「銃声!?何処から!?」

 

 俺は耳に意識を集中させて音の場所を把握した。4階だ。

 

 「レベッカ!4階だ!向かうぞ!」

 

 「了解!」

 

 今度はレベッカもついてこられる速度で走りながら、銃声のした部屋へと急ぐ。途中バリケードやシャッターが階段や廊下にあったが、力任せにこじ開け、蹴り飛ばしていった。銃声のした部屋に到着し、ドアの両側に立ち突入の準備をする。レベッカが頷いたのを合図に一気に部屋の中に入る。資料室のようでいくつもの棚と段ボールが有り、室内には何体ものB.O.Wが部屋の奥に居る、銃声の主に襲いかかろうとしていた。B.O.Wハンターだ。

 

 「あれってハンター!?少し変だけど、間違いなくハンターよ!」

 

 レベッカが言う通りハンターだと一目で分かるのだが、アークレイのハンターとは違い、肉腫のような物が頭部と肩付近に生えていた。ハンターβと呼ばれる、アークレイ研究所のハンターをαとして、攻撃力はα型より若干劣るが、神経系の改良によって銃弾を回避するほどの反射速度を獲得しているハンター型B.O.Wの新型だ。

 

 「援護してくれ!前に出る!」

 

 「了解任せて!」

 

 お互いの銃のリロード時間をカバーすようにしつつ、制圧射撃とタイラントの身体能力を生かした格闘で、一分少々でハンターをすべて倒した。

 

 「大丈夫か!?」

 

 声を掛けつつ生存者の方へ行くと予想外の人物二人に遭遇した。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。もう一人は()()()()()()()()()()()()()。この二人を俺は知っている。無精髭の男と黒人男性はストーリー上この病院に来るの知っていたが、彼らはオリジナルには居ない筈だった。

 

 「助かった、俺はU.B.C.Sのカルロス・オリヴェイラ、こっちはタイレル・パトリックだ」

 

 「よろしく、援護に感謝する、ありがとう」

 

 (RE3のカルロスとタイレルが、なんでオリジナルの方のバイオ3に居るんだ?)

 

 

 

 

 

 




 リメイク版タイレルが良い人でとても有能なので、死んだ時は本当にショックでした。最期の時までジルを気づかっていたのも良かったです。
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