RESIDENT EVIL Tyrant reincarnation   作:ss好き

9 / 47
今回はちょっと中途半端かもしれませんが、ご容赦ください。


Chapter.8 暴君

 (彼らに出会えたのは、本当に幸運だ。俺とタイレルの二人だけでは、ゾンビやクリーチャー、会社の商品の昼飯にされるとこだったな)

 

 カルロス・オリヴェイラは心の中でそう呟いた。彼は幼少時はゲリラとして、戦場を多く経験しながら銃の扱いにも慣れて生き延びてきたが、所属元がアンブレラに吸収されてからはU.B.C.S.の傭兵となっていた。しかし彼は元ゲリラとは思えない程、正義感と勇敢さを併せ持っていた。今回の任務も彼はラクーンシティが危機的状況で、非常に危険な作戦になる事がブリーフィングで伝えられていた。しかし、彼は怖気づく事はなく寧ろやる気と決意に漲っていた。ラクーンシティ最寄りの基地からヘリに乗り込み、タイレルを始めとする大勢の仲間と共に出動した時は、「雇い主の商品が悪さをしているから、お仕置きしてこい」と軽口を叩き合っていたくらいだ。しかし、街が見えてくるにつれてそんな楽観的な考えは、湧かなくなった。街のあちこちで火災が発生しているのだ。ブリーフィングではウイルス漏洩によるバイオハザードとそれに伴う商品の脱走、多数の感染者が市民を脅かしていると話していた。だが実際はもっと酷かった。日が落ち始めて薄暗くはあったが、街の至る所で感染者が市民を襲っていた。危機的どころではない、既に壊滅状態と言っても過言ではない。ある通りでは大勢のラクーン市警の警官が無数のゾンビ軍団に対して、防衛戦を張っていた。しかし、いざ銃撃が始まってもゾンビの数は全く減らず最終的には警官達は、ゾンビの群れに飲み込まれていった。

 ヘリから降下した後、U.B.C.Sも同じく苦境に立たされていた。想定では数百人程の筈だったが、実際には万単位のゾンビと戦わなくてはならなかった。降下して早々に部隊は半壊して、生き残った隊員は各々に応戦しながら何とか任務を果そうとするが、多勢に無勢だった。結局、自分と隊長以外に生存を確認できたのはタイレルと親友のマーフィー・シーカーだけだった。任務の続行は不可能と思えたが、上の連中はラクーンシティ総合病院に有るワクチンを確保して残存隊員並びに生存者に投与して、避難場所であるセントミカエル時計塔へ移動せよとの命令だった。正気とは思えない指示だったが、生殺与奪は上が握っている以上は従うしかなかった。最終的にカルロスとタイレルがワクチン回収、隊長とマーフィーが生存者の捜索に別れて任務に就いた。そして病院に到着し、NEST2と呼ばれる地下研究所へと続く鍵を入手した。その直後にハンターと呼ばれるB.O.Wに襲われこれまでかと考えた時、助けがきた。一人は2m以上の背丈に、厚手のトレンチコート越しでも分かる、自分以上の筋骨隆々の大男、ジョン。もう一人は成人もしてない幼さの残る顔立をしつつ、死線をくぐり抜けて来たで有ろう引き締まった顔の女性、レベッカ。この二人に出会えた事が、カルロスとタイレルのこの任務における最大の幸運かもしれない。

 

 

 

 「此方カルロス。第一研究室で培地を見つけた。数個程有るが全部持ってきたほうが良いか?それと残念ながら、ワクチンはなかった」

 

 「ええ、全部持ってきて。ワクチンは残念だけど、素材が残っていたのは不幸中の幸いだわ」

 

 「了解、これからそっちに戻る」

 

 俺はレベッカに報告しつつ、数個の培地をバックにしまい、精製室に戻ろうとしていた。

 

(あの二人が居てくれたたおかげで戦力だけでなく、こうした作業を分担して出来る人手も増えた。合流出来た事は本当に幸運だ!)

 

 カルロスは心の中でガッツポーズし、精製室まで戻ろうとしていた。道中と研究室に数体のゾンビが居たが、残弾にも余裕があり数も少ない為、一瞬で制圧し目的の物も回収できた。そんな時だった。

 

 「ん?」

 

 研究室の奥に何か光るものが見えた、今は一刻も早く戻らなければならないが、無視してそれが最悪な事態になっては元も子もない。それに慎重に近づきながら正体を探った。それは何かの粘液だった。研究室奥の部屋、箱と台車のバリケードで塞がれた奥まで続いていたが、それ以上は確認しようがない。

 

 「一体こいつは何だ?嫌な予感がしてきた・・・」

 

 彼は何か悪い予感を感じながら、仲間達の元へと急いだ。

 

 

 

 

 ジョンは培養研究室に向けて歩みを進めていた。途中カプセルに保管されていた多数のハンターβが襲いかかって来たが、タイラントの身体能力とマグナム、グレネードランチャーを駆使してあっという間に片付けてしまった。ゾンビも多数居たが、此方は相手にもならない、銃を使うまでもなく文字通りなぎ倒しながら、培養研究室に到着した。中は荒らされた様な酷い状態で、ワクチンも見つからなかったが薬品は無事だった。ゲームと違い数本も有った。しかし、一つ予想外の者を(・・)見つけた。

 

 「バード博士?」

 RE3版バイオハザードに登場したアンブレラの科学者、ナサニエル・バードが身体の内側から無理やり(・・・・・・・・・・・)突き破った様な傷(・・・・・・・・)が胸に開いた状態で絶命していた。

 

 (一体彼に何が起きた?待て、確かこんな傷を作れるやつが居たような・・・。そうだ!Gウイルスだ!確かG感染者は自身の腕から胚を相手の体内に送り込み、適応しなければ宿主の身体を裂いて出てくる生き物だった筈)

 

 ジョンはバードの傷を確認して、薄れているゲームの記憶を何とか引き上げ、これを引き起こした存在のことを思い出した。しかし、どうも妙な感じだった。

 

 (オリジナルにもRE版にも無い事がどんどん出てくるな、この部屋の有様は間違いなくGバーキンの仕業。シェリーを探してNEST2に迷い込み、偶然バード博士を見つけて胚を産み付けたのか?だとしたら不味い!まだこの施設にGバーキンが居る可能性がある!)

 

 「レベッカ聞こえるか!?」

 

 「ジョン?どうしたの?」

 

 「問題発生だ。寄生型のB.O.Wの犠牲者を発見した。もしかしたらまだ施設内に居るかも知れない。注意してくれ」

 

 「寄生型!?実はカルロスが第一研究室の近くで変な粘液を見つけたって。粘液の主は見つからなかったけど、とにかく注意しとくわ」

 

 (ひょっとして施設を離れたのか?油断しない方が良いが、居ないならさっさと精製して戻ろう。もしかしたらGバーキンが戻って来る可能性もある。そうなったら非常に不味い)

 「それと薬品を見つけた。数個も無事に保管されていたが、残念ながらワクチンは保管されてなかった」

 

 「了解、ワクチンは残念だけど素材が無事で良かった。カルロスの方も培地を数個見つけて戻って着てるし、タイレルも精製機の調整が済んで、後は素材を入れれば機械が自動でワクチンを精製してくれるそうよ」

 

 「了解した、すぐに戻る。カルロスとタイレルにはグッジョブと伝えてくれ」

 

 「ジョン、気を付けて。待ってるから」

 

 レベッカとの通信を切り、ワクチン精製機の元まで走り始めた。しかし、何故かは分からないが胸騒ぎがした。レベッカたちではなく、この先のハンターとタイラントが並んだ(・・・・・・・・・・・・・・)カプセルのある通路にだ。ゲームではハンターが何体か飛び出してきて戦闘になったが、そのハンターは最初にこの通路に来た時に、カプセルに入っているもの全てが出てきて、戦闘になったのだ。なら大丈夫の筈だ、もう出てくるものは無いだろう。そう考えながら生成途中の歪な形の(・・・・・・・・・)タイラント達(・・・・・・)を見た瞬間、警報と共に通路の隔壁が閉じた。

 

 

 

 

 (良かった、ジョンが通路に来た。後もう少しで合流出来る)

 

 レベッカは培地を機械にセットし終えて、精製機の部屋の奥にあるベランダの様な場所から、ジョンがB.O.Wのカプセルが並んだ通路に現れた事を確認して、そう心の中で呟いた。此処までくればもう後少しだ。ワクチンを作って、マービンの元に戻るだけだ。時間もそんなに掛かってない、焦ることはない大丈夫と考えていた時にそれは起こった。通路の隔壁が警報と共に閉まり、その直後にカプセル内に居たタイラント四体が、カプセルのガラスを破壊して突然動き出したのだ。

 

 グウゥォオオオオオオオオオーーーー!!!!!

 

 タイラント達が一斉に咆哮を上げた。

 

 (不味い!ジョンがまだ下の通路に居るのにっ!)

 

 ジョンはマグナムとグレネードランチャーを装備して四体のタイラント達を怯ませていた。

 

 「レベッカ!これをっ!」

 

 「ちょっ!ジョン!?」

 

 そんな声と共にジョンがケースを投げてきた。中身はワクチンの材料の薬品だった。

 「待ってて!今助けるから!」

 

 「俺は良い!それよりワクチンを!」

 

 「でもっ!」

 

 「良いから行けっ!!目的を忘れるなっ!!」

 

 今まで聞いたこと無い怒声と言っていい大声でそういわれ、弾かれる様に精製機に向かう。そうだ、此処に来たのはマービンの為、ワクチンを入手する為だ。目的を忘れてはいけない、優先すべき事をしなければ。 

 

 (ジョン、ありがとう。ごめんなさい!)

 

 心の中でジョンへの感謝と謝罪をしながら、精製機に薬品を装填した。

 

 「なんだ今の雄叫びは!?」

 

 「下のカプセルに入っていたB.O.Wが暴走して、ジョンが戦ってるの!薬品はジョンが投げ渡してくれたから・・・」

 

 「何っ!?クソ、分かった。俺は其処のベランダから援護する。レベッカとタイレルは精製機の方を頼む」

 

 「分かった、気をつけろよ・・・!」

 

 「ジョンをお願い・・・!」

 

 カルロスは不敵な笑みを浮かべながらサムズアップを行い、

 

 「任せておけって」

 

と力強く答えて、援護に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (何なんだあれはっ!?凄い、この情報と戦闘データは高い金になるっ!)

 

 男は細身だが鍛えられ背が高く、少し落ち窪み虚無的な目をしていた。だがその目の奥は狂気的な光と興奮の色が出ており、男の出す不気味で近寄りがたい雰囲気に拍車をかけていた。人種はロシア人で、着用しているベストにはアンブレラのロゴマーク付けられており、彼が何処に所属しているかは一目瞭然だった。

 

 (少しは金になればと思い来てみたが、コイツの情報は高く売れる!それどころか今後のB.O.Wの概念を変えてしまうと程に!)

 

 男は慎重に隠れつつ、興奮の対象である()()()B().()O().()W()[()()()()()()]()の観察と記録、情報収集を行っていた。

 

 (通常のT-103型では不可能な銃器の使用に状況に合わせて選択する知能、人間に限りなく近い容姿。何よりも人間とコミュニケーションを取れるB.O.Wなど聞いた事がないっ!)

 

 男はラクーン総合病院の地下にあるNEST2の情報を集める為に来た、だがその時に一台のパトカーが猛スピードで病院にやってきた。最初は警官の生き残りかと思ったが、出てきたのはアンブレラの抹殺対象のS.T.A.R.S.隊員レベッカ・チェンバース、もう一人は最初に見た時は口を大きく開けてアホ面になってしまった。パトカーの運転席から出てきたのはタイラントだったのだ。しかもアンブレラ最新のT-103型で、出てきた位置からパトカーを運転していたのはタイラントらしい。何故車の運転が出来るのか通常より知能が高いのか、あれこれ考えていると衝撃の情報が飛び込んできた。タイラントが銃を使い人間と会話して指示まで出していたのだ。いったあのタイラントは何なのか疑問は尽きないが、一つ分かる事はこのタイラントの情報はとんでもなく価値が有るという事だった。男は不気味な笑みを浮かべながら、病院とNEST2を探索するタイラントの後を追い、記録を取り続けた。

 

 

 

 




彼が誰かは、$への執着で皆さん感づいていると思います。次回もよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。