Blue Redemption   作:白黒モンブラン

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「おーおー…派手な花火が上がってるねぇ」

「普通はハヅキに指示を仰ぐのが良いんだが…」

「こりゃ盛り上がっている方に行かないとね!」

「さぁて、久しぶりの鉄火場を楽しもうじゃないか!」


1899年より、油を絶やすことなかれ 5

絶対的な有利な立場にあると。

ドロドロヘルメット団の団員、その全員がそう思っていた。

故に列車を襲ってきた連中を狩るなど、いつもの事だと高を括っていた。

何時もの様に物量で押し切って、列車さえ守れる事が出来れば高額の報酬が得られる美味しい仕事。

…の、筈だった。

 

「は…?」

 

銃声とは程遠い、まるで砲撃の様な音。

煙幕を諸共吹き飛ばすような衝撃波。

刹那、圧倒的な立場に居た筈の武装ヘリが木端微塵に破壊される光景。

星空に突如として咲いた花火にしては、それは余りにも物騒極まりない。

それを見上げる様にして、列車の上で戦っていた便利屋の三人が、ヘリから列車へと降り立ったドロドロヘルメットの団員が目を丸くしてしまうのは至極当然と言えよう。

 

「え…?」

 

何が起きた?誰しもがそう思わずにはいられなかった。

理解しようにも頭はそこで起きている現実に理解不能と叫び続ける。

それでも何が起きたと同じ問いを繰り返し、頭は理解不能と叫び続ける。

しかし現実は告げる。今そこで起きている事は紛れもない事実だと。

 

──ゴォン…──

 

陸橋から鐘を突いたような音が重たく、腹の底にまで響き渡る。

それはまるで晩鐘を思わせるような音。

しかしそこに込められた思いは決して平和や愛などではない。

木端微塵に吹き飛んだヘリの残骸と破片に入り混じるかのように、そぼ降る火の粉の中で響いた音は次の鐘を鳴らす為に捧げる生贄を探し求めている声であると一体だれがその答えに行きついたであろうか。

 

「へ…?」

 

その一方で陸八魔アルは素っ頓狂な声を上げていた…否、上げざるを得なかった。

空気が爆ぜるような、煙幕を一瞬にして消し飛ばしてしまう様な強烈な衝撃波。

咲かせる様に広がった爆発と砲口からゆらりと広がる発射煙と転がり落ちる巨大な薬莢。

全ての出来事が一瞬かつ早送り再生された様に彼女の目の前で流れた今、その瞳に映ったのは銀色の大砲を構えながら眼前に見える武装ヘリを睨む落合クロカの姿であった。

 

「た、大砲…?」

 

そして、アルの口から出た言葉はクロカが構える銃の形をした大砲であった。

キヴォトスに生きる生徒でも、これほど大きな銃を携えた生徒は居たであろうか。

グレネードランチャーやロケットランチャー、はたまたは大口径のライフルを携える者は確かに居る。

だがクロカは持つはそれは訳が違いすぎた。

 

「流石は──」

 

クロカが携えるそれは銃などではない。

 

「ミレニアムのエンジニア部…良い仕事をしてくれました」

 

銀色に彩られたそれは銃の形をした砲だった。

 

「これで──」

 

手の平に余るほどの強大な砲弾を開いた薬室を押し込み、ボルトを前へと押し込む。

銀色に彩られた砲身がまるで大剣の如く振るわれ、その狙いを今起きている現実を呑み込めずに無防備を晒し続ける武装ヘリへと向けるとクロカは不敵な笑みを浮かべる。

 

「煩い小蠅を片付けられそうですわ」

 

次の瞬間、『銀の女神(シルヴァ・ラ・デエース)』の咆哮が木霊した。

空気が破裂するような、重々しく鋭い音。

吐き出された30×173mm弾が武装ヘリへと襲い掛かり着弾。

その装甲を容易く穿つとヘリ内部で爆ぜ、二度目の爆発がヘリの破片と共に空へと咲き誇った。

 

「…お、お前たち!何をぼさっとしてんだ!誰かあいつを止めろぉ!」

 

『三人とも攻勢に出て!!後ろは任せなさい!!!クロカはあの煩い小蠅を片づけなさい!!!』

 

漸く現実を理解して、我を取り戻したヘルメット団員が周囲に指示を飛ばし、同時にアルもまた列車の上で戦う三人へと指示を飛ばし、クロカに小蠅退治を命じる。

それぞれが動き出し、止まっていた現状が動こうとした時だった。

 

『あっはっはっ!景気づけにしちゃデカい花火だね、クロカ!こんなもんを咲かせてくれるなんざ、私も良い後輩を持ったもんだ!』

 

突如として通信に入った、クロカを褒めたたえる誰かの声。

何よりその声は便利屋の三人とヘルメット団員で敷き詰められた列車の上から聞こえた様な気がした。

 

「え?…その声、ルオン先輩!?」

 

思わずその場から立ち上がり、声がした方へと向くクロカ。

その視線の先、カヨコがいた列車の屋根の上でいつの間にか紛れ込んでいた人物。

紺藍に染められた長い髪に金色のヘアーメッシュ。

胸元を開いた丈がやや短いチャイナドレスといった風貌はどこか山海経高級中学校に属する生徒たちを思わせるが、肩に掛けた白いコートに描かれたカイナ農場学園の校章が、彼女の所属を明らかにしていた。

 

『ああ、私だよ。…待たせて悪かったね、よく頑張った。ここからは──』

 

コートを後ろへと勢い良くはためかせ、腰の後ろに配置したホルスターに差し込まれた双銃に手がかかる。

木目調のグリップに刻まれた『右龍(うりゅう)』、『左龍(さりょう)』の名。

白銀に彩られ大型のバレルウェイトを装着した銃身、先端に備えられたマズルブレーキ。ベースとなった銃にあらゆる手を加え、大型かつ堅牢化を施しながらも確かな機能性を宿した二丁の銃が引き抜かれ、その銃口が敵へと差し向けられるとルオンと呼ばれた生徒は高らかに叫ぶ。

 

「この蓬莱園(ほうらいえん) ルオンを混ぜて貰おうじゃないか!」

 

 

 

列車の後方車両。

そこで起きている銃撃戦は激しいという言葉だけで足りない程に凄まじいさを物語っていた。

撃っては撃ち返し、撃っては撃ち返される。繰り広げられる銃撃の応酬。

地に落ちて飛び跳ねる薬莢、異なる弾が飛び交い、撃たれた相手が気を失い地面へと崩れていく。

生徒と不良共のただの銃撃戦と言うよりも、そこだけが戦争をやっているような状況だった。

 

「撃て撃て!撃ち返せぇ!」

 

「弾切れ…カバーをお願い!」

 

悪名高いドロドロヘルメット団を相手に奮戦するカイナ農場学園の生徒たち。

そしてその中には他のカイナ生と共に銃撃戦を繰り広げるハヅキの姿もあった。

手にしたオーバーファイアと倒した敵から奪い取った軽機関銃を左手で構えて二丁の軽機関銃による掃射を行うハヅキが最も激しく、尚且つ派手な銃撃戦を繰り広げている一人とも言えるだろう。

装弾数に優れ、強力な弾丸を次々と吐き出し相手の攻撃の時間を与えない。しかし弾切れというのは当然ながら存在する。

 

「っ…!」

 

そして、その時が訪れてしまった。

カチンと音を立てて、両手に持った銃がハヅキに弾切れを伝える。

 

「今だ、攻めろ!」

 

圧倒的な弾幕の前で手足も出なかったドロドロヘルメット団員が身を隠した壁から飛び出して攻めに転じる。

ハヅキの近くの傍にカイナ生らが彼女を守るように向かってくるヘルメット団員に近寄らせまいと銃を構えた時だった。

 

「ハヅキ生徒会長、下がってください!」

 

他のカイナ生の中から一際大きい盾を構えた生徒がハヅキの前の飛び出した。

身の丈はある程に巨大で、そして分厚い大盾を軽々と構えて敵へと突貫する少女。

 

「な、なんだアレ!?」

 

「撃て!あいつを止めろぉ!!」

 

襲い掛かる銃撃を鬼の顔を思わせる大盾ですべて受けながらもその足は止まらない。

狭い通路の奥から向かってくる巨大な壁に狼狽えるヘルメット団員達だが、銃撃の手を止まらない。

だがそれでも相手は止まることなく、その距離をどんどん詰めてくる。

そしてその距離がすぐそこまで迫った時──

 

「やあぁぁっ!!」

 

ヘルメット団員の戦列を崩壊させるような強烈なシールドバッシュが炸裂した。

襲い掛かった一撃が数人を吹き飛ばし、間一髪で避けたヘルメット団員が銃を差し向けるが、少女はそれにすぐさまに反応し、盾の内に収納されていたリボルバーを引き抜いて数発発砲し相手を再起不能へと追いやる。

 

「このまま…ッ!?」

 

「このまま、どうするってんだい?」

 

狭い通路がさらに狭く感じさせるように、少女の前に立ちふさがった大柄な体格を持ったヘルメット団員。

銃ごときじゃ自分を退けることなどできないと言わんばかりに立ち塞がる辺り、頑丈さには自信があるのだろう。

いつでも来いと自身の胸を叩いて構える相手を見て、先ほどのシールドバッシュでは難しいと判断したのか少女は手にしていたリボルバーを盾の内側へと収めて軽く息を吐いた瞬間、動いた。

 

「それでは、遠慮なく…!」

 

左手で持っていた盾を右手に持ち替え、そして腰を落としながら腰をひねり後ろを向きながら大きく振りかぶって構える。

端から見れば余りにも妙な構えから思わず困惑してしまいかねない構え。

現に相対する大柄な体格のヘルメット団員も目を丸くし、思わず首を傾げてしまう。

隙だらけで、まるで相手からの攻撃をすら考慮していないどころか相手すら見ていない構え。

奇天烈なそれはまるで何処か投擲するための構えの様にも見えた。

だが何かしようとしているのは分かる。即座に防御姿勢を取って構え、その時を待った時だった。

 

「ッ!!」

 

大盾が振るわれた。

その華奢な体と奇妙な構えから振るわれる豪快な一撃。

そこから繰り出された速さに加えて、手にした盾が巨大な拳の如く迫る最中、相手は思わず予感してしまった。

 

──防御が…意味を成さない?──

 

片足を引いて、腰を落とし、両腕で防御の態勢を取った。

今できる最大の姿勢。何であろうと崩れることはないと自信があった。

だがしかし迫りくるそれを前にして、最大の防御が意味を成さない理由を悟った。

 

──防御もカウンターも考慮してねぇ──

 

防御として構えた腕に衝撃が走り、激痛が襲う。

 

──無駄に攻撃へと偏りまくった攻撃だけの構えから出た──

 

自慢の防御も成す術もなく崩れてしまい、鬼の形相をした盾が眼前に迫る。

ヘルメットのバイザーが砕け散り、放たれた一撃がその衝撃を物語る。

それが顔面に叩き付けられた瞬間、彼女は体が後ろへと吹き飛ばされる感覚を覚えながらも視界がブラックアウトする直前で…

 

──暴走ダンプカーみてぇな一撃かぁ……そりゃあ、防御も意味ねぇわなぁ…──

 

感心したかのように、納得したかのように笑みを浮かべつつ…。

ただ、静かに視界が暗くなるのを甘んじて受けるのであった。

 

「ふぅ…」

 

自ら放った一撃で相手を通路の奥へと吹き飛ばした少女は軽く息を吐き、その後ろで誰しもが信じられないと言わんばかりにその目を丸くする中、ハヅキだけがクスクスと笑っていた。

 

「ふふっ…流石ですね、ミスズさん」

 

「えっ?…あ、ごめんなさい!皆と歩幅合わせないといけないのに一人で出しゃばる様な事をしちゃって…」

 

「いえ、寧ろ助かりました。ミスズさんのおかげでこの先へと進めますから」

 

オーバーファイアに新たな弾倉を取り付けながら、ミスズと呼ばれた少女に礼を告げるハヅキ。

近くにいたカイナ生と顔を見合わせてお互いに頷き合うと、ハヅキを先頭に一行は先へ駆け出していく。

ミスズもまたその一行に混ざるようにして駆け出していく最中、彼女はそっと手に持った盾を見た。

 

(先代生徒会長さんの戦い振りには程遠いかもだけど…。でも大事な友達やタキトゥスさんを守る為に頑張らないと!)

 

カイナ農場学園一年生、名は花咲(はなさき) ミスズ。

先代生徒会長から譲り受けたとされる、鬼の顔を模った大型ライオットシールド『不動明王』、愛用のセミオートショットガン『守護の誓い』とサイドアーム用のリボルバー『ラストスタンド』を携える少女であり、心優しき性格や前線でおける盾役として戦う姿から学友からは『カイナの守護聖母』と呼ばれ、タキトゥスからは『ある意味で危険な少女』と呼ばれたりする人物。

ある一方でハヅキやスズキ、ルオンといった三年生組からはこうも言われている。

 

──体格や性格…それら全てにおいて"あの人"とは違う──

 

──だが、あの盾を譲り受けて前に立った姿を見た時、実感した──

 

──あれはまさしく先代生徒会長"花坂 カオリ"を継ぐ一人だと──

 

 

 

場面は変わって、列車の中腹部付近。

どういう訳か、アーサーは一人で先を目指していた。

つい先ほどまで居たスズキやセツラとヒナはどうしたのか。

何故一人で行動しているのか?それは理由があった。

今から数十分前、スズキと共に先を目指していたアーサーは道中でセツラとヒナを合流を果たし、四人で先を目指していた。

敵を遭遇するも圧倒的な戦闘力を誇る三人が瞬く間に蹴散らし、タキトゥスの見せ場がないといった状況が何度か起きるも、四人は無駄な消費をすることなく列車の中腹部から少し離れた所まで来ていた。

が、しかしそこで身を潜めていた敵らに強制的に二手に分かれざるを得ない状況に陥ってしまい、スズキ、セツラ、ヒナの三人とアーサー一人だけと分断されてしまったのだ。

分断され、敵の数も多い上にアーサー一人でヘルメット団員らと相手させるのは不味いと判断したスズキが先に行ってハヅキ達と合流するように促してきた為、やむを得ず一人でその場から離脱。

そして今、アーサーは三人を置いて後方車両へと向かっているという訳だった。

 

(あいつらなら大丈夫な筈だ、そう簡単にやられる様な奴らじゃない。問題は俺だろうな)

 

手助けを得られない今、後方車両までの間は自身の力でどうにかする必要がある。

問題は相手は子供だという事。スズキに忠告された時は分かったと答えたアーサー。

しかし、やはりと言うべきか。

 

(分かっている…下手に手心を加えてしまえば俺が死ぬという事ぐらいは。だが…)

 

その心の中には少なからず躊躇いが存在していた。

 

──その優しさは他の人の為に取っておいて。今は、その優しさを厳しさに変えて──

 

優しい声色で、そう諭してきたスズキの声が胸の内で響く。

 

「…」

 

その場で立ち止まり、アーサーは静かに帽子を被りなおす。

これから相手取るであろうドロドロヘルメット団の情報を思い出していた。

 

(ドロドロヘルメット団は子供としての一線を越えているとスズキは言っていた。喧嘩代わりに銃撃戦が当たり前のキヴォトスでも超えていけない一線がある…殺人は当然だが、それ以外にあるんだろう)

 

様々な犯罪に手を染めた悪名高い集団。

その質の悪さはヴァルキューレや連邦生徒会と呼ばれる組織すらも手を焼いているという。

 

(犯してきた犯罪の中には誘拐もある…確かに子供としての一線を越えているんだろう)

 

だが子供というのは、時にずる賢さを発揮する。

ちょっとやり過ぎただけという時もあれば、大人が子供に向かって撃つのかと言う時もある。

都合が悪い時に限って、相手の良心に漬け込むようにして子供だという立場を利用する。

 

「…こうなってしまえば、もう立場なんてものはない。悪いが──」

 

これから銃を突きつけ合うであろう、この場にはいない敵に対してアーサーは告げる。

 

──許せよ──

 

これから行う事に対しての許し。

鉛玉を叩き付けられるであろう子供に対しての許し。

あの時、子供に手を出す事はタブーだと言っていた彼への許し。

そして何より…二度目の人生を与えた神に対しての許し。

それ以外にも、何か或いは誰かに対しての許しが幾多にもあった。

それを知るのはアーサー・モーガン当人のみと言えるのかもしれない。

 

「行くぞ…」

 

意を決した様に、覚悟を決めたように、アーサーは歩き出す。

一歩踏み出せば、鳴り響く拍車の音。遠くから聞こえる銃声、爆発音。

未だに終わりを告げようとはしない戦いの中、アーサーは次の車両へと乗り込もうとする。

 

(…開いている)

 

次の車両へと突撃する際は決まって扉は閉ざされていた。

だが、不思議な事にそこだけは開いたままになっており中からの明かりが漏れ出していた。

いつでも入ってきてくださいと言わんばかりの、見え透いた罠。

カービン・リピーターを左手に持ち、ホルスターに差し込んだ銀のキャトルマンリボルバーを引き抜く。

そして勢いよく中へと飛び出した時、アーサーは思わずその動きを止めてしまった。

 

「おや…漸く来ましたね」

 

棚に置かれた無数の金銀財宝、高価な芸術品に、並べられた高級感あふれる書斎。

他の車両とは明らかに内装が異なる車両。

それはかつて見たコーンウォールの特別列車の客車を思わせる内装だった。

そんな煌びやかな空間の中央で、アーサーを待っていた様な様子で佇む少女が一人いた。

 

(ヘルメット団じゃない、のか…?)

 

その風貌は明らかにヘルメット団とは違っていた。

手にした杖、真っ白なスーツ、真っ白なマント。素顔を隠しているのか目元にはドミノマスク。

獣の様な耳を生やした白く透き通る様な長い髪。

何処からどう見てもヘルメット団の一人ではない一方で、先ほどの声をアーサーはふと思う。

 

(この声、何処かで聞いた事がある…いや、何処かで会っている)

 

どこで会った、何故会ったと確信できるとアーサーは己に問う。

記憶の棚から目の前に立つ人物に繋がる情報を引き出そうとした時、とある映像が彼の脳裏を駆け抜けた。

 

雨降る、とある日。

最終電車を逃してしまい、家に帰る事も儘ならなくなってしまった一人の生徒。

そんな生徒を見かねて、手を差し出した自分。

淹れたてのコーヒーの香りが漂うリビングの机で向き合って他愛のない会話を広げた両者。

芸術における只ならぬ熱意を宿した生徒に対して、かつて出会った事のある写真家について話をした己。

いつかまた会おうと、雨が止んだ翌日の空の元で約束を交わした相手。

決して忘れる事のない、特別な出会い。

 

その特別な出会いの映像が流れた時、アーサーは静かに口を開く。

 

「…まさか、あの時の…」

 

「ふふっ、覚えていらっしゃったのですね…」

 

覚えていてくれた事が少し嬉しかったのだろうか。

少女は目元のドミノマスクに手をかけた。

それは素顔を晒すという行い。しかして普段であれば絶対にしないであろう行い。

それでもこの大人に対して、この様な行いをしたのは単なる気まぐれなのかどうかなど分からない。

だが──

 

「…お久しぶりですね、カウボーイさん」

 

清澄アキラが、またの名を慈愛の怪盗がマスクを外してその顔を晒したのは紛れもない事実であった。




新しい生徒に加えて、意外な生徒の登場と…情報がド満載ですが、何卒ご容赦を。
新しい生徒に関しては、また説明を設けるようにします。

また最後に出てきた生徒に関しては…その、私の趣味が爆発しました。
ブルアカにわかなのに…でも、すごく良くて出したかったんです。
再現性低い上に解釈違いを引き起こしているのも分かっているのに出したかったんです。
だから…何卒ご理解、ご容赦の程お願いします。

では次回ノシ。
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