ソードアート・オンライン~破壊の剣《ブレイクブレイド》~ 作:ソースケ_研究中
では今回もよろしこ
この世界、天空にそびえ立つ鉄の城《アインクラッド》。階層によっては四季様々、熱帯の樹海、高原、花畑、荒れ地などいろいろある。彼が居るある階層の樹海では雪が積もり一面の銀世界、この時期は現実でもこの剣の世界でも凍える様に冷え込む。そんな静かな世界で突然、周囲に爆音が響き渡り、黒煙が立ち上る。
「数で来たってなぁ・・・・・。―――――要は頭の使いようってね。」
爆煙と炎の中から相棒の《セミスパタ》で肩を叩きながら白い防寒服の上に何時もの黒い外套を着て出てくるデル。その後にレベルアップの効果音を聞き、クエストのクリア表示とウィンドウが展開したのを確認。これでLv68、素材や売り物になる武器を捜しながら依頼の為にレべリングをしている。ソードスキルという戦闘用自動操縦というか、遊戯式の戦闘法というか、まぁなんにしてもバトルスキルの運用時想定しているとはいえ、現実でもバリバリ使えそうな戦闘技術をこの数日で覚えた。同じサイズの敵なら殴る蹴るで攻撃を逸らせる事、足を引っ掛けたり、引っ掴んで投げたりして体勢を崩したり、巨大な奴なら急所になりそうな目などを得物で刺し貫くなど最近、映画で見る様な冒険家や伝説の傭兵張りのサバイバルしている気分になる。それ以外にも生産スキルの熟練度もこの数日でかなり上がっており、最近では発掘アイテムから精製した高性能液体爆薬を染み込ませたオガクズ。爆発物を包む保護層の役割をする厚い薬包紙で包まれた円筒形の形状し、導火線を付けた主に工事現場で使われている見た目どう見てもダイナマイトにしか見えないこのアイテム。
強化版に相当するコイツは《フレイムボトル×5》二束に相当する威力を誇る同じ牽制兼攻撃アイテム《エクスプロシブ》。名の通り爆発物で、任意で発火させるタイプと自動発火のタイプがある。威力と異常状態付与率が上がっている以外は、強化改修可能な所など性能は《フレイムボトル》と同じだ。他にも煙幕に閃光弾もあるのだが、また次の機会で良いだろう。そんな彼がこう言う物を好のんで使い始めたのは、周りに影響を与えるアイテムはソロでの戦闘の時は重宝するからだ。一対一では巨大なネームドボスであろうとバトルスキルと己の技量、アイテムで完全に視界を潰して死角に回り込んで攻撃の繰り返し、後は口でも何でも爆薬突っ込んでダメージを稼ぐしかない。一対多の場合は、フロアなのどの狭い場所は煙幕でも閃光弾でも使って《イーストシミター》と《セミスパタ》の二刀で戦場を引っ掻き回し、以前の様にフィールドなどの広い場所ならトラップを仕掛けて誘い込んで一発痛いのを食らわせて怯んでいる所を追撃して仕留める。最近の戦法はこう言うのばっかり、と言ってもコレしか今の所成功法が無い。設定された行動しかしない学習能力の無いAIだから何度も使えるが、プレイヤー相手、特に頭の良いタイプにはそうそう掛かってくれそうに無いお粗末な物だし、と言っても出来る事なら人間相手はしたくないが覚悟はしないといけない。
と色々と思考を巡らせている彼は
「はぁ・・・・・。リズへの埋め合わせどうしよう。」
ウィンドウを開き、報酬アイテムを確認しながら彼は悩む。
何故彼女について悩んでいるかと言うと、アルゴの依頼を受諾した後にリズに言った発言の事だ。今にしてもあの様な真剣に思わせぶりな発言をしたと思い彼も反省している。クリスマスと言えば、子供が待ち望む行事として有名であるが、男女に取っても特別な行事である。この場合、特に恋人限定は、と強調する。今までプレイヤーやNPCからいろんな依頼を受けて来たが、今回は人命が掛かった依頼であった為、あのような表情になってしまった。申し訳なく思うが今回ばかり勘弁して欲しい。何か勘違いしている事は直に分かっていたから訂正したが、”あはは、やっぱね”と凄く残念そうな表情をさせてしまった。デルは別に彼女の恋人面をするつもりまったく無い。それでも自分の武器製作、新たに増えた鎧の改修などをまかせっきりにしている彼女に新年を祝いの前倒しで、クリスマスに託けて今までの労を労う為に何かしようとは思っていたがこの有り様だ。状況的にも精神的にも詰んでいて、はっきり言って笑えない。
今現在もレべリングについでに何かプレゼントになりそうな物をアクセサリーアイテムとか無いかなと依頼の時間まで遠出してみたが、なんと言ってもありがち過ぎる。そんなプレゼントに彼自身、本当にそんなんで良いのかと思わされる。レア武器という手もあるが、命かけて行くような事をするとなんかそれは駄目な気がするし、特に彼女の心情的にもとてつもなく悪い。こうやって撒き餌に自分を使って網使って魚を取る様にてズドンと一発一網打尽に敵を倒しても何もドロップしな・・・ん?デルがウィンドウを下にスクロールするとドロップアイテム一覧に《ブラックスミス・グローブ》に《幸運の髪留め・桃》の二つに目が止まる。オブジェクト化すると、青白い粒子から手首にまで覆う手甲が付いた黒色の厚い手袋とピンクオパールが中央にはめ込まれた四角い髪留めが構築される。
「コイツをは良いな。プレゼントにするか・・・なんつって、鍛冶屋=関連アイテム、女の子=髪留め的な考えで良いのか?」
多分今さっき一緒に一気に吹っ飛ばして一網打尽にした中にこれを持っていたモンスターが居たんだろうが、テキストは別に良いとしてスペックを見てもそこまで良い様な感じもしない。手袋の方は鍛冶スキルの強化成功率が少し上がり、髪止めの方はアイテムドロップ率が少し上がる程度のものだ。手袋の方は性能、髪止めは色に注目したが、性能はそこまで高いと言い難いし、髪の毛の色と一緒の髪留めってそれはそれでどうなんだ?いや、黒髪の子が黒いヘアピンを付けているのを批判するつもりはないが、同じ色である為余計に目立ちにくい。彼女の髪の色は現在、現実の髪の色と違ってベビーピンク。この髪止めも髪より少し白い程度で殆ど同色とも言っても良い。ならどうする?彼女は片手棍を使うから、偶然先日見つけた片手棍で釘バットをあげるか?見た目はアレだが、軽く、クリティカルの確立が高い上に低確率だが気絶の追加効果がある。――――無いな。嫌がらせか!と言いたくなる女子に釘バットと言うのも既に使い古されている様な気がするし、なによりネタでしか無いから止めた方が良い。
と言うか、なんでこのようなネタ武器までこんな世界にあるのか、本当に疑問が尽きない。それにネタ武器の方が性能が高いと言うのは何処でも同じなようだ。そんなこと悩んでいる彼が空を見上げると日が暮れ始め、白い景色が赤く染まっていた。朝から探索を初めて今五時ちょい過ぎた所だ。本当なら既に日が大分傾いているはずなのに自分の赤く照らしている夕陽、此処は現実の冬での体感時間より日の暮れが遅い。何時も道理の天体運行にやはりゲームの中であるという実感を再び思い出させる。時間もそろそろ良い具合だしと思った彼は圏内の方に足を進め始める。
憂鬱な気分になりながら一回、自分の拠点でもあるリズの店に戻ろうと上手い具合に石をはめ込んだ道を歩いていると店前に戸締りをしているであろうリズの姿がそこあった。
何時もの服装に新たに付けられた物が合った。腰に工具を差し込んだを布を丸めてベルトで固定して収納している独特なサイドポーチを新たに付けられた彼女の腰より大きめの黒いベルトを左側にぶら下げたサイドポーチの重さで、左斜めに傾けて身に付けている。
戸締りを終えた彼女が振り返ると丁度、外套と防寒服を脱いだ何時もの服装のデルが手を上げながら、近づいて来るのが目に入り
「よう。その分だと終わったみたいだな。」
「うん?デル・・・・。はぁ、今日はクリスマスだからあんまりお客さんが来なかったからね。早めに店仕舞い。―――皆、最近解放された49層のミュージェンの街に大分集まっているんじゃないかしら?そこはNPCが用意したかわかんないけどイルミネーションかなり凝っているからクリスマスには打って付けの場所だって言ってたわ。」
「俺達もそこで依頼主に会う約束になっているんだ。」
「その情報屋のとっておきの情報をただで聞ける。――――――――だけどクリスマスにお仕事って忙殺させている気分だわ。」
「今回は人命が掛かっているかもしれないんだ。大目に見てくれよ。」
「分かってるわよ。今になって協力しないって言う訳じゃないわ。ただ、そんな不明瞭な情報で動かなきゃいけないってのが少し不満なだけよ。」
「しょうがねぇだろ?確認された情報が全部NPCからの情報で、他のプレイヤーからも同じような情報が出回っている位の代物なんだ。嘘かほんとかなんてわかんねぇよ。とりあえず、NPCから聞いたって事はとりあえずモンスターが出てくることは間違いない。だけど本当に”蘇生アイテム”ってのが出てくるかは、わかんねぇけどな。」
今回、アルゴから受けた依頼は人命急所と言うよりバックアップに近い。内容はクリスマスである今日の深夜、第35層にあるフィールド”迷いの森”にある樅の木の下ヘ行くとイベントボス”背教者ニコラス”が出現する。それにソロで挑もうとしているのは第1層でのボス戦時に流行ったと言うか忌み嫌われる形で生まれた名称というより造語”ビーター”で有名な黒尽くめのソロプレイヤー。キー坊こと”キリト”のバックアップをする事である。普通なら他のプレイヤー達に頼めば良いだろうが、今回は他のギルドも動いている為、あまり目立った動きは出来ない。そこで隠密性の高くいざという時に相手をかく乱して直に離脱できる。クリスマス限定、この場かぎりのイベントボスなので力は未知数。だから単独行動が可能は同じソロで彼を死なせない程度には役に立ち、一番早く彼の元に急行できるからデルに白羽の矢が立った様だ。
デルはリズと喋りながらもアリ谷に散策に行った時、一回だけ望遠鏡越しに見た彼の表情が死に急いでいる様に見えて忘れられない。
まだアレはゲームを始めた頃だった。当初は二人ともやり方がわからなかって他の人に聞きながらやり始めた。リズはメイスの扱いが少し様になっていたが、デルはどの武器を使ってもあまり上手く使いこなせなかった。そんな彼は思い切って装備できる武器を全部買った。一つを極めれそうに無いなら全部をある程度使えれば、強くなれると安直な考えでだ。御蔭で初期残金は雀の涙程度しか残っていなかった。それを聞いて彼女は呆れかえって物が言えなかったのは言うまでも無い。後のデルが一種類の武器に拘らないのはそう言う所から来ている。
そして開発者によるあの宣言の後、ただの遊びがデスゲームに変わった時、彼はこう思った。自分の誘いが無ければこんな事に巻き込まなかったかもしれない。あまりの事実に放心状態であった彼女に彼は、この街に居てあまりフィールドに出ない様に言うとフィールドに出て目に付く敵を持っている武器全てを使って倒した。最初は死にそうになっていたが、段々と各武器の扱いに慣れ始め、特性を掴み始めた彼は一度だけ、彼女に会いに行くと回復アイテム等を買った後の残金を彼女に渡し、こんな事になってしまった事への謝罪となんとしても彼女を現実へ返すと言ってその場を去り、その後は次の町を目指しながらレべリングと武器の性能把握に努めた。
そして攻略に紛れて第一層を突破した後の事、ボスが討伐されてビーター騒ぎなど気に止めた様子も無く先に上がったデルは第二層の町である程度装備を整えた後にフィールドを当ても無く散策したと見つけたダンジョンや危険な場所を単身で散策して強い武器系アイテムの調達とレべリング、迷宮区のボス部屋に突っ込んで情報収集後にある過程で知りあったアルゴに報告。そんな事を寝ずに何回も繰り返した。
そんな事をしている中で彼が偶々リズに会った時にはぶつかった。何故こんな所に居るのだとか、危ない事をする必要が無いとか、一方的に彼女に言っていた気がする。彼女が言った事を自分が覚えていないと言う事は言い分を聞かずに自分の事ばかり言っていた証拠だろう。その後もたまに会う度に何度も止められたが、彼は聞く耳を持たなかった。ああやって止めてはくれているが本当は自分の事を恨んでいるかもしれない。そんな思いが過って彼女の顔を見れず、ずっと避けていた。こうやって攻略為に心血を注ぐ事でしか自分の心を安定させる事が出来なかったのだ。
そして第10層のダンジョンのある最下層のフロアがモンスターハウスで遭った為、大量のモンスターに囲まれ、目的を達するまでデルも死ぬわけに行かず抵抗を続けた。バトルスキルにソードスキル、アイテム、思いつく限りの組み合わせでその場を脱そうと短剣、片手剣、槍、片手棍、両手剣、曲刀をを一つずつ状況に合わせて呼び出し、振り続ける。どうにか数がある程度減ったが補充した回復アイテムも切れてHPバーがレッドラインを越えて数ドットまで削れた。
―――――どうにか全部倒したが、体中には切り傷の様な赤いライトエフェクトが刻まれ、最後に受けた麻痺の所為で膝をついて立ち上がれない。どうにか立ち上がろうとするが何度やっても力が入らない。今までの疲れが来たのか、とても眠く意識が遠くなってきている。ぼやける視界の先にはまだ残っていたのか、既に動けない彼に止めを刺そうと迫ってくるモンスター。万策尽きた時と思って生きて帰す事が出来なかった彼女に謝罪の念を抱きながら意識を手放そうとした時に
『何勝手に格好良く死のうとしてんのよ。このアホンだらぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
聞き覚えのある声と共に一刃の閃光に続けて重い打撃音が、迫ってくるモンスターを青白い粒子へと還す。次に眠気で倒れそうなデルに無理矢理ポーションを口に突っ込んだ。
『―――――――――――ごはっ!!!?!』
『ちょっとリズ!?そんなことしたら息が!?!』
『大丈夫よ。此処まで無茶なことしてきたんだからコレくらいどうって事無いでしょ。』
明らかにこれまでの恨みを晴らさんばかりにと言った感じに突っ込んで無理矢理飲ませた所為で意識が覚醒し、自然回復効果での回復と同時に視界のぼやけが無くなって来る。麻痺の効果も時間が経ったのか体が重いが立てないほどでは無い。使い終わったポーションの空き瓶を彼女が抜くと暫くせき込んで、上手く喋れなかったが、体力の回復と体の自由が利く様になった彼は立ち上がり、二人の姿を確認する。当時は会ったばかりのベストに白いシャツ、短いスカート、さらに焦げ茶色のローブを羽織ったアスナの事は分からなかったが、同じような服装のリズが自分の事を助けてくれたそれだけは分かった。
そしてデルは
『ありがとう。助かった。―――――――――俺はもう行く。お前らも二人だと危険だ。直に町へ引き返せ。』
『ちょっと!!!リズがどういう思いで此処へ・・・・・・!!』
周囲を警戒している細剣を持ったままのアスナが言葉の先を言おうとする前に彼は、このフロアを出ようと振りかえって歩み出すが、リズが右手に持った長方形に棒が付いた様なメイスを放り出して、肩を掴んで自分に対面するように引っ張る。
『――――――――?』
『人も話も聞かないで勝手決めて!!いい加減にしなさいよ!!独りよがりも此処までにして頂戴!!』
彼女がそう言ったのだ。今までの言動から察して自分だけで攻略するか、他のプレイヤーに情報が渡る様にアルゴに提供するかで彼女の帰還をどうにかはやめようとしていた事は、多分、どういう手段を取っていたかは分からなくても彼がどう言った思いでこんな事をしているかだけは、理解する事が出来たのだ。彼のやっている無謀な事を止めたい一心で此処へ乗り込んできた彼女は
『そりゃぁね!!このゲームを始めたのはアンタが切っ掛けだったかもしれない!!―――――でもね!!アンタが此処をゲームオーバーになったら死ぬようなデスゲームにしたわけじゃないでしょ!!アンタの思いは的外れよ!!』
『だけど―――――――!』
『だけどじゃない!!誘ったアンタは悪くない!!こんな事になるなんて誰も予想が出来なかったことよ!!私が攻めていると思った?私の思い知らないで勝手に決めつけないでよ!!』
そう言った彼女の目尻から頬を伝って流れる涙に目を奪われる。自分のやっていた事が此処まで彼女を追い詰めていたなんて思いもよらなかった事にデルは困惑する。危険から少なからず離れられる様に頑張ったはずが、彼女は今ここで悲しんでいる。
『大神が1人で早く攻略して現実に帰れるようにするって行った後、何処もかしこも知らない人ばっかり、残された私がどう言う思いだったか分かる?私はね!!1人でも私の事を知っているアンタに一緒に居て欲しかったのよ!!』
『・・・・・篠崎。』
そして小さな声で彼女は
『―――――――私を1人にしないでよ。』
それからリズとデルがアスナの事を忘れていて赤っ恥をかいた事は割愛しておく、それからだっただろうか、こんな無茶な事をやめたのは、その後はリズと行動を共にしながら、生産スキルの一つである鍛冶スキルを使って露店を開いている彼女の手伝いをしながら、鍛え上げた戦闘スキルを生かして鉱石やインゴット系のアイテム、モンスタードロップの武器アイテムを調達。彼は今と同じでそう言う事やってきた。つい最近まで露店でやっていたのだが、48層が解放されて前々から店が欲しいと言っていたリズが今の店を見つけ、今に至るわけだ。
何時もぼうっとしているか、適当な態度を取る彼から考えるとあの時の彼の雰囲気はかけ離れている物が合った。それだけ必死だったのだろうと言えば、それまでなのだが、人間と言う物は普通は見せない”顔”と言う物を皆、何処かに持っていると言う事だ。ただそれが必要無いと言うだけで何処かに絶対存在している。彼の場合は、それが思い違いの自責の念で理由に顔を見せただけだ。
彼の必死な顔はそう言う自分を思い出させる。だからアルゴへの何時もの礼ともう一つの理由として彼に何かしてやれないかと思って受けた。願わくば彼にも自分の心に近い人が出来る事を願わんばかりであるがと思っている彼に隣で歩いていた向かい合う様に座っていたリズが
「ちょっと!何ぼうっとしてんのよ?注文来てるわよ。」
「―――――え、おう。」
考えに耽っている間に転移し、既に夜になっている広場に装飾を施された大きな樅の木が目立ち、レンガの家と白い雪で埋め尽くされた銀世界にイルミネーションが輝いて美しさを感じさせる街。49層のミュージェンの街にあるレストランに入っていた。そう言えば依頼の時間までかなりあるから先にどっかで食べようとかなんとか言ってたようなと思い出しているデルは適当にメニューリストから選んで店員さんに言うと了承して行ってしまった。
そしてリズが
「デル。アンタ、ぼうっとし過ぎよ。今日の依頼大丈夫なの?」
「うん。ああ、大丈夫だって。少し考え事してただけだから全然問題ないって。」
「・・・・・・・・・・・そう?そう言うなら別に良いけど。」
大丈夫だと言う彼に少し疑いの目を向けるリズに苦笑で返すデルは店員が持ってきた食事に手を付ける。そんな彼女は不満そうな感じで
「―――――――――今回本当にアレを使うの?」
「まぁな。アルゴにこれ以上嗅ぎまわれて周りにこっちが不利になる情報を与えるより早めに教えて止めしておく方がよっぽどマシだ。」
「まぁ、アンタがそう決めたなら私は別に良いわよ。」
そうして合流したアルゴと共に第35層の同じ銀世界と変わった迷いの森へと向かった。赤い防寒服を着ているリズはアルゴとはデルと会う前に情報のやり取りもした事あるから知り合いではあるので多少は彼女の事は知っている為、彼女の事を考えてデルの考えに賛同した。彼女は露店に使っていた敷物アイテム《ベンダーズ・カーペット》コイツは武器などは地面に直に置くと耐久値が下がってしまうが、そう言う現象を起こらないようする機能がある露店をする生産職のプレイヤーには必須なアイテムだ。その敷物には赤黒い分厚い装甲が数枚も置かれており、腰に付けていたサイドポーチから出して広げられた工具を使って《ブレイクブレイド》を纏ったデルに取り付けて行った。
黒銀の破壊の剣は相棒の手で異様な姿を変わる。頭部、胸部、股間部、膝、つま先、配置された鋭角な装甲。さらに同じように肩上部から後ろに流れる様に曲線的に覆う装甲は、そのまま両肩から太ももまでを覆うっている。両腕には一部窪みがある分厚い凸形状の多重盾があり、その盾から後ろに伸びる白く巨大な両手剣と刀に分類される片手直剣。軽装だった姿からかけ離れた姿に変わり、前面を集中的に赤黒い重装甲が《ブレイクブレイド》を覆い。その姿は圧倒的な防御力を備えた巨大な盾にも見える。
そしてそれを見ていたアルゴは
「コイツは驚いタ。まさかデルが噂の”黒銀”だっなんてナ。なんでオレッチに教えてくれたんダ?」
「変に詮索されてこれ以上噂が流れると面倒なんだ。持ち主的にも色々とな。――――――俺の言いたいこと分かるよな?」
「分かっているヨ。この情報、かなり高値で売れそうなんだけどナ。お得意様がオイラを信用して教えたんダ。そうそう簡単には言わないヨ。」
「こっちとしては他言無用して欲しいだけどね。」
「冗談だヨ。それぐらい分かっているサ。」
そう言いながら笑う彼女に頭を抱えるリズとデル。一歩踏み出す毎にその装備の重量が足音と足跡で分かる。普通の一般筋力値、例え前線プレイヤーの最高筋力値を持ってしても、こんな重量の装備を付けて歩く所か、立っている事すら異常であり、積もった雪ごと地面に皹を広げながら足をめり込ませる。
「話には聞いていたけど、実際に見ても異常だよナ。それってその鎧だけの専用エクストラスキルカ?」
「まぁ、そんな所ね。普通なら立ってる事すら異常な代物よ。」
「――――――デル。樅の木までのルートは頭に叩き込んだカ?キー坊に感づかれない様にする為、少し出遅れてル。いちいち確認しているほど時間は無いゾ。」
「装甲は失敗作の武器と武具とかを全部インゴットに戻して使った物だけど、防御力と耐久力はずば抜けているから心配しないで大丈夫よ。だけど、その状態だと内部フレームに固定されて上半身を動かせる範囲が少ないから今の状態でやり合おうとしないでね。装甲は全力で握れば外す事が出来るから、外すタイミングには気をつけなさいよ。」
「――――――おう、了解だ。行って来る。」
彼女達の言う事を了承しながら足を進めて行く。HPバーの予測使用限界の時間に変化は無いが、《ブレイクブレイド》の簡易図は赤黒い装甲覆われた姿に変わっていた。兜を覆っている追加装甲のスリットから覗く、刻まれている目の様な幾何学な模様が彼の意思に呼応して赤く輝きだす。足に力を入れると地面を砕き、重い爆発音を響かせながら雪と土を巻き上げて前へ飛び出した。超重量でありながら少し浮き上がった後に反対側の足を着地したと同時に前へと跳ぶ様に踏みこむ。同じように重い足音を響かせ、地面を砕き、雪と土を巻き上げてどんどんと加速し、疾走する。
「・・・・とんでもないナ。まぁ、あれなら間に合いそうダ。」
「そうね。だけど、アレを見てると交通事故が起きそうで不安なんだけど・・・・。」
「それはオレッチも思っタ。」
依頼を完遂する為に走って行くデルの後姿を見てそう思った。
真夜中の雪原を土砂や雪ごと巻き上げ、連続した炸裂音を響かせながら疾走するデル。超重量の重装甲を揺らし、金属の擦れる音や軋む音を響かせ、前屈みになりながら前へ跳ぶ様に駆ける彼は、とりあえず腕を動かしてメニュー・ウィンドウを展開し、マップデータを表示する。
表示されたマップを見るが、どうにも上手く方向が掴めない。アルゴの情報通りに行くしかないか・・・・!?
超重量の重心移動が思いの外難しく、勢いに流されてかなり遠回りをしながら旋回すると前方の方に動くのモノを目に捉えた。
「・・・・!?!アレは!!?」
無効か向かって来るのはこの季節になって出現するようになった白い毛並みが特徴の狼型モンスター《スノー・アサイラント》。それが数十匹。あのモンスターは本来の狼同様群れで行動する。さらに言うならHPバーがレッドを超えるか、身の危険を感じると遠吠えで仲間を呼ぶ厄介なモンスターだ。群れを威力偵察に数匹、残り待機。自分達が仕留めれると判断したら残り奴が襲ってくる腹か。AIにしたら良く考えているな。だけどこんな所で――――――――!!
「――――――――― 道草食っている暇は無いんだよぉぉぉぉ!!!」
さらに足に力を入れて地面を蹴ってさらに重い炸裂音を響かせて前へ跳んで加速する。強行突破しようとする俺に狼共も跳びかかって来るが、痩せ狼と重量級の砲弾となった金属の塊が激突する。結果は明白、
《《《《《―――――ッキャヒュッィィ!!?!!?!》》》》》
重く柔らかい物と堅い物がぶつかった様な激突音と共に向かってきた狼共を弾き飛ばした。見えずらいが、少し後ろに視線を向けると雪原に落ちた狼が青白い粒子に還るのを確認できた。下層モンスターなのでどれくらい威力があるのか分からないが、この状態での突進は危険だと判断できる。
この突進は《ハイ・バーサーカー》による補正、あらゆる攻撃行為の有効化による突進となる。スキルが攻撃力に変えたのは重量と速度、耐久値の三つだ。システムの認識下に置かれている中でコレだと本当にあの人は此処を現実にしたいと言う事が分かる。重量と耐久値、速度計算を考慮して考えられた威力であると思うが、一番危険なのはこれをプレイヤー相手にぶつかるとどうなるかと言う事だ。もしかしたら一発で装備ごとふっ飛ばして殺す事になったら肝が冷える。だけどな
「―――――― 今更ビビってる場合じゃねぇ!!やるしかねぇんだ!!」
俺は簡易図に表示されている多重装甲の耐久値とHPバーの下にある予測使用限界を確認しながら敵の増援を確認し、狼共や釣られてやってくるモンスター共に囲まれる前に突破しようとさらに土砂と雪を巻き上げて加速する。その後さらに何か分からない物が弾かれて宙を舞う。
さらに先、樅の木の付近のエリアで赤と灰色が入り乱れ合う。お互いプレイヤー同士、人間である以上争う理由なんて腐るほどある。その中で赤いバンダナに野武士姿の男性プレイヤー。ギルド《風林火山》のギルドリーダー《クライン》。
「くっそ!!流石、聖龍連合って所か!!」
攻略組ギルドの一つで、レアアイテムのためなら一時オレンジ化も辞さない危険なギルド《聖龍連合》。《聖龍連合》のメンバーである統一された騎士甲冑を纏った1人のプレイヤーがクラインに迫ってくる。それを自分の得物である刀で鍔迫り合いをしながら、樅の木へと向かった黒尽くめの少年《キリト》の後を追わせない様にギルドメンバー全員が、結束して数で負けている所をカバーし合っている。だが、向こうも腐っても攻略組だ。段々と押され始めている。
「腐ってんじゃねぇぞ俺!!こんなんじゃキリトに顔合わせらんねぇぞ!!」
力づくで押し返し、距離を取った後に《聖龍連合》の方面から妙な声が聞こえ始める。
「な、何だ!あれは!!隊長!!何かが!!モンスターを弾き飛ばしながら猛スピードでこっちに向かってきます!!」
「――――何ぃ!!これ以上面倒ごとを増やすなよな!近づかせるなよ!!抑撃!!投剣用意!!投的開始!!」
なんだか向こうの方がざわめき始め、此方に構って待っている場合じゃない此方への向けられていた激しかった攻撃が段々と緩くなっていく、何かが《聖龍連合》部隊の後方から突っ込んで来てくれた御蔭で注目が全部そっちへ行って、助かったと思ったと少し安堵したが、嫌な感覚がクラインの脳裏に過る。もしプレイヤーだったらと自分達がこのまま攻撃に出ないとソイツが今度は危なくなる。と思った彼はこの期に一気に畳み掛けに出ようとするが、《聖龍連合》側から悲鳴の様な声が上がる。
「――――う、嘘だろ!!全然効かねぇ!!」
「止まれ!!止まれぇ!!止まれよ!!」
必死になって投的する《聖龍連合》の部隊の間から見えたその姿にクラインは驚いた。ソードスキルの補正で重機関銃の様に投的される投剣を気にした素振りも無くそのまま突っ込んで来る。連続して炸裂する様な足音を響かせ、雪や土砂を巻き上げて迫る破壊の剣の角を持った赤黒い重装甲に埋もれるほど覆われた鎧姿、投的された投剣は確かに装甲を削って入るが、無意味と言って良い程些細なモノでしない。
そしてクラインはその姿に思わず声が漏れる。
「―――――――ま、まるで壁が走って来てるみてぇだ・・・・。」
異様な姿に一瞬呆けていたが、直に持ち直す。モンスターが宙に舞って青白い粒子に変わった以上、当たったらタダじゃ済まない事は分かっている。見ていても減速する所かさらに加速している事は見ていて分かる。だからクラインは少しでも被害を少なくしようと声を張り上げる。
「《聖龍連合》の馬鹿野郎共!!そいつと向き合うな!!牽きっ殺されちまうぞ!!!」
クラインが言った頃には寸前の所まで迫って来ており、臆病風に吹かれた《聖龍連合》は悲鳴を上げながら蜘蛛の子を散らす様に道を開け、逃げ出す。あんなのに牽き殺されるのは御免だと、クラインも自分の仲間にも道を開ける様に言って下がらせる。自分の直横を走り去って行く姿を一瞬だけ目で捉える。赤黒い装甲に覆われた破壊を象徴するのような角にスリットから覗く、刻まれている目の様な幾何学な模様が淡く光っている兜が一瞬だけ自分の方を向いた様に見えたが、それを確認する間も無く雪が混ざった土煙と共にキリトが行った方向と同じ方向に行ってしまった。
「―――――なんだったんだよ。」
走り去った何かに対して言ったであろうクラインのその言葉だけが虚しく残る。
そして樅の木では片手剣を持った黒尽くめの少年《キリト》とサンタクロースと言うには、服装と白い袋は合致しているが、反対の手には斧。細身で体色も青みががった巨体で目の焦点が合っていない化け物と言っても良い様なイベントボス《背教者ニコラス》との戦闘が行われていた。
ただ贖罪の為に、自分の心を守る為か、必死に蘇生アイテムを求める。その為に剣を走らせ、後もう少しと言う所なのだが、大量に持ち込んでいた回復アイテムも底を尽き、自然回復を命綱にして如何にか持ち堪えている。だが、仮もボスである。どうにか持ち答えていたが、それも限界だった。度重なる無謀なレべリングに精神の摩耗で集中力が切れかけている。一瞬だけの油断が、命取りそんな事言われなくても分かっていたのだが、強烈な斧の一撃に吹き飛ばされ、HPバーがレッドラインに入る。立ち上がろうにも既に斧が振り下ろされそうになっている。このまま誰の目にも止まらない場所で何も意味をも無く命を散らせる事は覚悟は出来ていた。だが、自分が思い上りが壊滅させたギルド《月夜の黒猫団》に居た《サチ》と言う少女の最後の言葉を聞く為に此処まで来た。だからまだ終われない!!そう思う彼に斧が振り降ろされようとした時、振り上げたままのニコラスの胴体に、立ち上がろうとする彼を飛び越えて真っ直ぐに赤黒い金属の塊が、その身を軋ませながら直撃した。
「――――――なぁ・・・・!?!!」
あまりの勢いに弾き飛ばされたニコラスはたたらを踏む様に後退する。そのままキリトの前に重い炸裂音の様な着地音を響かせて降り立ち、半身を此方に向けて安否を確認するように少し見ると、メニュー・ウィンドウを開いて彼に回復結晶とポーションを指先で器用に掴んで投げる。その後は両腕の盾で守る様に構えて、ニコラスに突っ込む。キリトは直に回復結晶とポーションを使って回復、HPバーが安全域まで回復し、飲んだポーションの自然回復が付加される。何の真似かは知らないが、助かったことには違いない。それなら自分のする事は、キリトは落ちていた自分の剣を手に取ると防御とタックルを繰り返し、あまり残って無いニコラスのHPバーを削り取っている彼に割り込み
「―――――そいつは俺の獲物だ!!引っこんでろ!!」
コレは自分がしなければいけない事だ。部外者は引っこんでいろ!!そう言わんばかりにニコラスに剣を叩き付ける。そうするとキリトが攻撃役《アタッカー》に回ったの確認すると壊れた剣の角飾りを付けた装甲に埋もれた鎧は、壁役《タンク》に回る。キリトが攻撃し、ニコラスの攻撃が来ると鎧が防御に回る。パーティを組んでいるわけでも無いのに自分に合わせてスイッチをする。こうも自分勝手に動いているに、それに無理に合わせて防御に回る。本来なら邪魔だと言いたいが、今は目的が優先だ!!拘りを捨てて頭を切り替えて一気に畳み掛ける。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
ソードスキルを駆使して仕留めに掛かる。これで終わりにする。そんな彼の思いを汲み取った様に自分を追い抜く様に突っ込んで行く鎧はその重い殻を脱ぎ棄てる様に、全ての拘束が外れて覆っていた装甲がバラバラになって雪原に落ちる。
そして外されたと同時に勢いのまま宙に浮いた巨大な白い両手剣と片手直剣を握り締めるとニコラスに今までの加速をさらに上回る程の爆発的な加速に度肝を抜かれる。
そのまま弾丸の様に跳んだ露わになった細身の黒銀の鎧は樅の木に両手剣で勢いのまま胴体の中心を刺し、文字通り釘付けにしてにすぐに後退する。叩きつけられたニコラスはもがき苦しむが、深く刺し込まれた両手剣は抜けない。少し肝が冷えたが、今のでは完全にHPバーを削り切れなかったのか徐々に削れているが僅かに残っている。そこへ
「これで終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
自分の横一線の一撃がニコラスに止めを刺す。断末魔を上げながら青白い粒子に還るの確認し、待ち望んだウィンドウ展開。ドロップした中にそれらしいアイテムがあった。これで、これでサチは・・・・!!《還魂の聖晶石》のテキスト文に目を向ける。
「―――――――――――――う、嘘だろ・・・・。」
確かにこれは蘇生アイテムだ。だが、それは死んでから10秒以内。考えれば分かる事だった。ゲームオーバー時何時脳が焼かれる?クリアしてからか?それとも数日間を開けるか?
――――――――――――――違う。答えは”その直後”だ。
いくら蘇生アイテムだと言っても焼かれた脳を修復する事なんてできない。それこそ夢物語かゲームの話だ。必死になっていたのが馬鹿らしく思えてくる。――――なんだよ。お前、ずっと俺の事見て、俺の不幸を嘲笑ってんのか?
・・・・・・・違うな。そんな目で見んなよ。自分の表情を見る兜のスリットから覗く、刻まれている目の様な幾何学な模様が淡く光っている。その視線が自分を心配している様な感じに錯覚してしまう。俺にはもう必要なくなった。助けて貰った礼はしないとな。
半ば自棄になりながら黒銀の鎧にオブジェクト化した黄色い装飾に縁取られた丸い青い結晶《還魂の聖晶石》を投げ渡す。
「―――――それが蘇生アイテムだ。欲しかったんだろ?俺には必要無い。」
黒銀は、どう言う事か分からないと言った感じにアイテムのテキストを開くと驚いた様に少しの間固まった。内容を見て俺が言った事の意図が分かっただろうから言葉を続ける。
「そいつは次にお前の目の前で死んだ奴に使ってやってくれ・・・・。」
そう言って俺は立ち尽くす彼?を置いてその場を去った。その後、黒銀の鎧は追ってくる事も無かった。
その後、沈んだ表情で帰って来て鎧を脱いだ。いつもの服装に防寒服を着たデルに依頼が失敗したのかと聞くと依頼自体は成功したのだが、実際の所、その”キリト”と言う彼が欲しがっていた物では無かった事が分かったらしい。蘇生アイテムもデマでは無かったが、今までそれを支えてしていた人達にとっては残酷な現実だけだった。デルと私は第49層に戻って広場にあるベンチでイルミネーションを見ているとデルが突然、メニュー・ウィンドウを展開し、アイテムをオブジェクト化させ、ピンクオパールが中央にはめ込まれた四角い髪留めが構築される。
「――――――――これ、やるよ。」
「コレって髪留め?良いの?」
「こんな御時世だ。何時渡せるかわかんねぇからな。貰ってくれ。」
彼の疲れた笑みを見ながら渡された髪留めを何時も付けている白い髪留めを外して、付け替える。デルからに送り物なんて小学生以来だったけど、今は二人ともあまり惚気る気分でも無い。
そして私は
「――――――どう?似合ってる?」
「ああ、うん。アレだなぁ、自分で渡しておいて言うのもなんだけど、今の髪の色に同じ色の髪留めってあまり・・・・。」
「・・・・アンタが渡して来たんでしょうが。」
「いや、悪い。やっぱ返し―――――――――。」
「―――嫌よ。」
「なんでだよ。」
「なんでもよ。」
せっかく貰ったのに返すのは持った無いない。だってアンタが私に似会いそうだと思ってプレゼントしてくれた。それだけで十分だから、その証であるコレは絶対に返さないわよ。
そして分からんと言う表情をして頭を抱えるデルを私は笑うのだ。
うまく表現できていただろうか?不安が残るばかり・・・。
前回にも言った通り、第三形態で轢き逃げやっちゃいました。
(まぁ、モンスターだけだけどね。さすがに人やっちゃうと大変だからね。)
アイテム紹介
《エクスプロシブ》
外見:ダイナマイト、導火線部分にキャップがついたタイプとついてないタイプがある。
性能:名前通りの爆発物。フレイムボトルの上位版、一本で威力は《フレイムボトル×5》二束に相当する。
同じように強化改修可能でキャップ付きは、勢い良く引っこ抜くと摩擦で導火線に点火するようにしてある。無いモノはマッチなど点火できるものでする。
ではまた次回