詠う小鳥は夜の魔王に出会う   作:リョウ77

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大変長らくお待たせしました。
ブルアカ二次の方がまあまあ沼ってしまい、遅くなってしまいました。
番外編なのに二話で3万文字ってどういうことよ・・・。

今回は久しぶり過ぎたので、感覚を取り戻すために短めです。


私にはルミナス様の趣味が分かりません

前回のあらすじ。

ルミナス様のスパルタ特訓を受けたら、少女になりました。

以上!というか異常!

いや、たしかに進化によって姿が変わることがあるっていうのは聞いたけど、普通小鳥から女の子の姿になるとは思わないじゃん!?

 

「なるほど、ずいぶんと可愛らしい姿になったな」

「なんて言えばいいのか分からないんですけど・・・」

 

『進化して嬉しい!』よりも『何でこんな姿になってるの?』って困惑の方が大きい。

一応、ルミナス様が話した通り世界の声らしきものが聞こえたから、進化したのは間違いない。

世界の声から聞いた限り、今の私の種族は歌鳥人(セイレーン)らしい。

読んで字の如くというか、もうそのまんまとしか言いようがないというか。

もちろん変わったのは見た目だけじゃなくて、魔素量は自分でも分かるくらい増えてるし、諸々の耐性スキルもボーナスで取得した。

ついでに、人と小鳥の姿はスキルで自在に変えれるらしい。

まぁ、それはさておき、

 

「その、とりあえず何か着るものとかありません?」

 

私に露出プレイの趣味はないんだけど。

小鳥の時は実質全裸だった?羽毛があるからセーフでしょ。

それに、姿が人か小鳥かでその辺の感覚はだいぶ変わってくる。

毛皮や羽毛を晒すか人肌を晒すかの違いはそれだけ大きいのだ・・・たぶん。

 

「ふむ、そうじゃな・・・一度立ってくれぬか?」

「裸体を晒せと言うんですか!?」

 

私に露出プレイの趣味はないんですけど!?

もしやルミナス様にはそういう趣味がおありで!?

 

「違う、そうではない。妾の服を着せるにしても、最低限のサイズは分かった方がいいじゃろう」

「あ、あぁ、そういう・・・」

 

どうやら、私に羞恥プレイをさせたいとか、そういうのではないらしい。

・・・それでも、私に向けられる視線が一瞬だけ()()()()()になったことは気付かない振りをしておこう。

そっかぁ・・・ルミナス様はそっち系だったかぁ・・・あるいは、どっちもいけるとか?

とりあえず、貞操の危機には気を付けよう。

やたらジロジロと舐め回すように私の体を見てるような気がするけど、それもサイズをきちんと測るため・・・きっとそうに違いない、はず。たぶん、きっと。

 

「ふむ、妾よりも小柄か。少し合わぬかもしれぬが、新しいものを仕立てるまではこれで我慢するのじゃ」

 

ルミナス様がそう言うと、私の体が光に包まれる。

これは、あれだ。時折ルミナス様が使ってる、たしか“魔法換装(ドレスチェンジ)”だったか。

一発で服を着替えることができる便利な魔法だ。

ただし、着替える服をストックするために空間魔法が習得必須だから、利便性に対して難易度はかなり高い。

私も人の身体と小鳥の身体を行ったり来たりするなら習得しておきたいけどな・・・魔法の才能が皆無だし、詠唱者(トナエルモノ)で再現出来るか確かめておこう。

そんなことを考えている内に、あっという間に光が弾けた。

さて、ルミナス様が選んだ服は・・・

 

「・・・あのー、ルミナス様?」

「なんじゃ?」

「なんでメイド服なんですか?」

 

あなた、立場的にはむしろ自分の服を従者に持ってもらう側ですよね?

なんで主人が従者の服を持ってるんですか?

 

「アリアに合う服がこれくらいしかなかったからじゃ」

「・・・本当ですか?」

「趣味で用意してるのは否定せんがな」

 

良い性格してんなぁほんとによぉ・・・!

サイズの都合は嘘じゃないんだろうけど、それはそれとして隙あらば自分の趣味を押し付けてくるのはどうなの?

あぁもう、ルミナス様がめっちゃ満足そうに頷いてる・・・ルミナス様はロリメイドが好みってこと?

メイド趣味持ちのレズビアンorバイセクシャルとか、属性詰め込み過ぎでは?

私にはもうルミナス様のキャラクター性が分からない・・・。

 

「・・・はぁ、分かりましたよ。どのみち、我が儘を言える立場ではありませんから」

「ならば、これからもメイド服で過ごしてみるか?」

「それはそれで誤解されません?私、メイドの教育とか受けてないんですけど・・・」

「冗談じゃ。とはいえ、妾の屋敷にはアリアにちょうど良い服がないからな。採寸からとなると、しばらくはそれで過ごすことになるじゃろうが、それでも構わんな?」

「先ほども言いましたが、私自身我儘を言える立場でないことは理解しています。むしろ、用意してもらうのに返せるものがないのが心苦しいと言いますか・・・」

 

ルミナス様が用意する服、絶対高いやつじゃん。具体的には、定価じゃなくて時価というか、値札がついていないみたいな、そういう感じの。

私も人並みにオシャレは気にするけど、根本的に金銭感覚が庶民だから、あんまり高いものを送られるとガチガチに緊張しちゃいそう。

 

「なんじゃ、そんなことなど気にせずともよい。妾が好きでやっていることじゃからな」

「もしかして私、着せかえ人形にされたりとかしないですよね?」

「さて、どうじゃろうな」

 

あっ、これは着せかえ人形にされるやつだ。間違いない。

どこまでするつもりなのかは分からないけど・・・まぁ、大量に用意するくらいルミナス様なら何てことないんだろう。

実力主義が多い魔物社会において、“魔王”の肩書きっていうのはそれだけで強い影響力を持っている。

それこそ、魔王に命令されることこそ名誉なことであると考える魔物も少なくないくらいには。

ルミナス様もその例に漏れず、同族からは畏怖や尊敬の念を向けられていて、気紛れに店に寄ろうものならめちゃくちゃ接待される。

そんなルミナス様が誰かに送る服を頼むとなったら・・・どうなるんだろうね。

ただでさえ可愛がられ過ぎてちょっと肩身が狭くなりつつあるというのに・・・まぁ、進化もしたし見下されることも少なくなるんじゃないかな、たぶん。

 

「そう言えば、服を着たまま小鳥になるとどうなるんでしょう?」

「ふむ、試してみるか?」

「いえ、服を汚してしまうわけにもいかないので後にします」

「そうか。まぁ、おそらく大丈夫じゃろうがな」

 

ルミナス様曰く、一部の獣人なんかは獣化スキルで変身できるけど、魔法換装(ドレスチェンジ)を使えなくても服は問題ないらしい。

はぇー、地味に便利。

ただ、そいつらはだいたい人間形態よりも大きくなるか同サイズのことが多いから、大幅に小さくなる私も同じかはなんとも言えないとのこと。

まぁ・・・その辺は後で試してみればいいか。

それよりも、

 

(下着は最優先で用意してもらおう)

 

合わないもの渡されるよりマシかもしれないけど、スカートの中がスースーしてめっちゃ落ち着かない。

 

 

結論だけど、今の時点で服を小鳥形態に持ち越すことはできなかった。

でも出来なくはなさそうだから、この辺は要練習かな。

練習するたびにルミナス様に裸を晒すことになるのか。

ついでに、応急処置としてドロワをその日の内に用意してもらった。ちゃんとしたやつも服と一緒に準備するって。

この世界に下着の概念があって助かったよホント。

上?支えるほどのものがないからスルーですが何か?

・・・まぁ、どのみちルミナス様の趣味を全面的に押し出したものをプレゼントされそうだけど。




原作にすでに水精人(セイレーン)が存在するのは把握していますが、元ネタのギリシャ神話的には間違ってないこと(なんなら半人半鳥が正規で、人魚は誤訳説があるらしい)、種族は違うけど読み方が同じの例があること(妖鬼“オニ”と悪鬼“オニ”。ただし、同系統のオニに対してこっちは完全に別系統なので、けっこう無理矢理ですが)から、このままごり押すことにしました。
まぁ、一番の理由は他に良い種族名が思い浮かばなかったからですが。
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