ガチコイ 〜もし小野寺小咲が先に一条楽と付き合ったら?〜 作:nemu1116
林間学校が終わり、またいつもの日常が戻ってきた。
とはいえ、生徒たちの間ではまだ熱気が冷めやらぬ様子で、あちこちで「肝試しどうだった?」「夜のババ抜きで告白されちゃってさ」なんて甘酸っぱい会話が飛び交っている。
そんな空気の中、楽と千棘は「公認カップル」として変わらぬ注目を集めていた。
一方で、小野寺小咲はーー
小咲(……こうして見てると、一条くんと千棘ちゃんってほんとお似合いに見えるなぁ……。付き合ってるってこと、誰にも言えないのは分かってるけど……でも……。“恋人”って、なんだろう? 私たち、答え合わせはできたのに……それから先の気持ちが、少しずつ遠くなるみたいで……)
教室の隅、ぽつんと座って窓の外を眺めていた小咲に、楽の声がかかる。
楽「ーーあの〜、小野寺? 聞いてる?」
小咲「ふぁっ!? ご、ごめんね?! 考え事してたの……!」
楽「さっきから呼んでたんだけどな。……ちょっと、二人で話せない?」
小咲「え、えっと……うん。いいよ?」
どこかぎこちなく、でも確かな鼓動のまま、二人は屋上へと向かった。
ーー風が気持ちよく吹き抜ける放課後の屋上。
楽「悪いな、こんなところに呼び出して。教室だと、なんか話しづらくてさ」
小咲「ううん……大丈夫……。それで、話って……」
(話しづらい……? まさか……まさか……これって……“関係を続けるのは難しい”って、そう言われるのかな……? 一条くんの立場とか、偽カップルのこととか……わたしが重荷になってるのかも……)
小咲の胸がきゅっと締めつけられた。
涙が自然と浮かび、こぼれ落ちる前に慌てて袖で拭う。
楽「ちょ、ちょっと待って! 小野寺?! 泣いてるの!?」
小咲「だ、大丈夫……! ちゃんと、受け止めるから……!」
小咲(ほんとは全然大丈夫なんかじゃないけど……ちゃんと、受け止めるから……)
楽「受け止めるって何を!?」
小咲「え……え? ……違うの? わたし、フラれるんじゃ……」
楽「ちがっ……!? はぁwww なんで?! なんでそうなるんだよ!? 違う違う違うっ!www ビックリするわwww」
小咲「……へ? 違うの?」
楽は耳まで真っ赤にして言った。
楽「あのさ……今週の日曜、空いてる?」
小咲「……え?」
楽「デート、しない? ちゃんとしたやつ。付き合ってからまだ、一回もちゃんとデートできてないだろ? だからさ……」
小咲の瞳がパッと開く。顔がどんどん赤くなる。
小咲「え、えっと……待って、手帳見てみるね……!」
慌ててカバンをあさり、小さなスケジュール帳を開く。
(友達とカフェ、買い物、親の店の手伝い、妹と映画……予定びっちり……)
小咲「うん……なんにも予定なかった! もう、暇すぎてどうしようって感じ?!(超笑顔)」
楽「めっちゃ目が泳いでたけどな!?!?」
小咲「だ、だって、行きたいんだもん! 一条くんと……!」
楽「じゃあさ、遊園地に行こう。ちょうど親からペアチケットもらっててさ(ほんとは千棘と行けって言われてんだけどね……)」
小咲「行く……! ぜったい行く……! すっごく楽しみにしてるね!!」
思わず、楽の手を取ってしまった小咲。
自分の行動に気づいて、はっとして手を引っ込める。
小咲「あっ……ご、ごめん……私、手……!///」
楽「……いや、むしろもっと触ってもらって構わないというか……(小声)」
小咲「……ふふっ///」
楽「小野寺と一緒にいると、俺、いつも幸せな気持ちになれるんだ。だから、もっとちゃんと、こういう時間を作っていきたい。……いいかな?」
小咲「……うん。私も、そう思ってた。嬉しい……ほんとに、嬉しい……///」
ーー風が吹く屋上。
まだ言葉にできない未来の約束が、二人の指先のあいだで、確かに芽吹いていた。
楽と解散した後
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小咲「る、るりちゃん……実は……///」
るり「うん、全然いいから。やれ。やってしまえ」
小咲「やる?! なにを?!///」
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小咲「お母さん……ごめん、日曜日のお店の手伝いなんだけどさ……」
菜々子「うん、全然いいから。やれ。やってしまえ」
小咲「……!?(え、デジャヴ……!?)」
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小咲「春……あの、ごめんね……?」
春「うん、いいんだけどさ……まさか、一条センパイって人とデートじゃないよね……?」
小咲「……?! ち、ちがうよぉ……? やだなぁ、春ったら///」
春「……うん、そっか(わかりやす……)」