ガチコイ 〜もし小野寺小咲が先に一条楽と付き合ったら?〜 作:nemu1116
夜の浜辺
さっきまでの賑やかさが嘘のように、海は静かに波を打っていた。
潮風は心地よく、月明かりが水面に柔らかな道を描いている。
そんな幻想的な光景のなか、楽は防波堤に腰を下ろして、静かに海を見つめていた。
楽「ふう……疲れた。なんか今日、俺が一人で全部段取りしてた気がするわ……」
そのとき、背後からそっと聞こえる声。
小咲「ねえ、一条くん? 隣、いい?」
楽は微笑んで、ぽん、と自分の隣を叩いた。
楽「ん、当たり前じゃん。むしろ、隣にいて? ww」
小咲「……もう……///」
小咲は小さく笑って、そっと隣に腰を下ろす。
楽との距離はほぼないと言える。
楽「他のみんなは?」
小咲「向こうで片付けしてるよ。わたし、ジャンケンで勝ったから免除されたんだ」
楽「おお、強運の小野寺! どちらかというと、いつもそういうの負けてない?w」
小咲「ふふっ、そうなのww ふふ、珍しく運がよかったんだ」
ふたりは海を見ながら、他愛もない話でゆっくりと時間を過ごす。
楽「……ほんと、小野寺と一緒にいると幸せだわ。もう俺、一生オノデラーとして生きる」
小咲「なつかしいね、それw オノデラー……わたしと……ほら、裸で女湯入ってたとき以来じゃない?」
楽「お、おい! そのエピソードだけ聞いたら俺、完全にただの変態だからな?!」
小咲「ふふっ……でも、私、ちゃんと覚えてるよ。で…………見た?///」
楽「い、いや! 見てない! 見てない! もう色々テンパっちゃってそういう思考じゃなかったww」
小咲「ふふ、そっか……よかった」
楽「でも、今思えば少し見とけばよかったかな……」
小咲「……え?!」
楽「……あ、い、いや! 冗談に決まってるだろ?! ジョーダン!」
小咲「……///(ホントかなぁw)」
しばし、波音だけが耳に届く。
小咲「なんかさ……今、こうして、恋人として隣座ってるけど……もし、わたしたちが今、恋人じゃない次元の世界があるとしたら……ここから見える景色って、同じようで、違うのかな?」
楽はその言葉に、しばし黙って月を見上げる。
楽「そりゃ、違うんじゃないかな。でも、いい雰囲気にはなっていたと思う。むしろそうじゃなければ泣くw」
小咲「……そうだよねww でも、今は恋人同士で……わたしたちは、雰囲気だけじゃないーーよね?」
楽「ああ、もちろん! でも、きっとどんな世界線だろうと、俺は間違いなく小野寺のことを好きになってた。どんなタイミングで出会っても、俺は……惹かれていたと思う」
小咲「そっか……ありがとう/// うん、わたしもきっとそうだったと思う///」
小咲は、ふと顔を横に向け、楽の横顔を見つめる。
月の光が、彼の睫毛の輪郭を淡く照らしていた。
小咲「ねえ、一条くん」
楽「ん?」
小咲「……キスしてもいい?」
迷いなく楽を見つめる小咲。
楽の瞳がが、ゆっくりと小咲を見返した。