ガチコイ 〜もし小野寺小咲が先に一条楽と付き合ったら?〜   作:nemu1116

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問.キムチでもいい?
→ 答.ダメです。


サシイレ

月明かりに照らされている防波堤

 

寄せ付ける波が打ち付け、足先のすぐ下まで跳ねてくる。

楽は一瞬目を見開くが、すぐに微笑み、静かに言葉を返した。

 

楽「……それ、俺から言おうとしてたんだけどな」

 

小咲「うん……///」

 

二人はゆっくりと顔を寄せ合いーー

夜の波音に包まれながら、静かに唇を重ねた。

時間が、まるで止まったようだった。

灯りも喧騒も世界で、ただ互いの温度だけが確かだった。

 

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ーーーーー

夜の浜辺、木の影にて

 

シルエット越しに見える、ふたりの影。

寄り添い、見つめ合い、そしてキス。

その一部始終を、木陰からじっと見ていた千棘がいた。

金髪が夜風に揺れ、瓶コーラを片手に握りしめている。

 

千棘「……。チャラ男にしては珍しく段取りとか頑張ってたから、ちょっと気遣ってさ。『コーラでも飲む?』って、持ってこうとしただけ……。それだけ、なのに、なんでこんな光景見せられるんだろ……」

 

彼女は、ふと顔を伏せると、静かにため息を吐き、踵を返した。

その手にはまだ、未開封の瓶コーラが握られていた。

しかし次の瞬間――

 

スッ!

 

突然、その瓶が彼女の手からすっと引き抜かれた。

コーラを奪ったのは、茶髪を風になびかせるもう一人の女ーー万里花だった。

 

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万里花「……ふぅ。ぷはぁっ……ご馳走様♪」

 

ゴクゴクと一気に飲み干し、微かに口角を上げる。

 

千棘「……はぁ? なに、アンタも見てたの?」

 

万里花「ええ、見ましたけれど? ……あの距離なら、誰だって見えますわ」

 

千棘「ふぅん……で? それでも、まだ頑張るの?  あれだけ見せつけられて、まだ気力湧くわけ?」

 

万里花「……そりゃあ、楽様と小野寺さんは正式な恋人同士ですもの。キスくらい、当然でしょう? ……何を今更? むしろこれが1000回目くらいのキスかもしれませんよ?」

 

千棘「……その割には、半分キレながらコーラ飲んでたじゃんww」

 

万里花「……。覚悟はしていましたわ。わたくしの中で、小野寺さんは大人しい性格……故にそこまでの発展はまだないと思っておりましたのに……最近、積極性まで身につけたようで」

 

言葉を切り、少しだけ夜空を見上げる。

 

万里花「……予想以上に、手強いですわね、彼女は」

 

千棘は小さく息を吐く。

 

千棘「ねえ、万里花」

 

万里花「あら? いつもはアンタとか橘ってお呼びになるのにどうされました? 改めて」

 

千棘「アンタ、辛くならないの? 入る余地なんて、ほぼないのに。そりゃ確率で言えば0.1パーくらいはチャンスあるかもしれないけど……」

 

万里花「…………。辛いに決まってるでしょ? バカなのかしら?」

 

千棘「……へ?」

 

万里花「楽様と小野寺さんはお互い好き同士、そして正式な恋人関係。それならばキスくらい当たり前です。むしろわたくしたちの知らないところで、それ以上の関係まで進んでいる可能性すらありますよ?」

 

千棘「そ、それ以上て……///」

 

万里花「ま、今のはモチロン最悪の場合ということですけれどね?! でもそれくらい、頭の片隅に入れておかなければ、気持ちが持つわけありませんわ」

 

千棘「そりゃ、そーだけどさ……でも、実際こうやって目の前でその光景を見ると、また違うじゃん」

 

万里花「うーるーさーい!!! ですわ!!」

 

千棘「?!」

 

万里花「もう、聞き飽きましたの、あなたのそのネガティブな愚痴は。楽様と小野寺さんの間で何か事あるたびに、グダグタグダグダ……夏祭りでわたくしに説教されたことをもう忘れましたの?」

 

千棘「……」

 

万里花は鋭く、突き刺すような声で続ける。

 

万里花「そんなに耐えられないなら、潔く消えたらどうです? 私としては、ライバルが一人減って大助かりですわ♪」

 

千棘「……ライバル、ね。そんな場所に、私……いるのかな」

 

万里花「……ふふ。ま、せいぜい夜風に当たって、頭を冷やしてきなさいな。ーー偽物さん♪」

 

コーラの空き瓶を軽くくるくると回しながら、万里花は踵を返し、闇の中へと消えていく。

その背中を、千棘は何も言わず、ただ見送っていた。

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