ガチコイ 〜もし小野寺小咲が先に一条楽と付き合ったら?〜   作:nemu1116

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ありそう過ぎるってか、あったんですよ……楽さん。本来ならそこでニセコイの話は急展開してたはずなのよ。


イネムリ

波の音が心地よく響く、夜の浜辺。

 

月明かりがふたりを照らす中、小咲は砂浜にちょこんと座って、顔を覆いながら身体を小刻みに揺らしていた。

 

小咲(まって……待って、ほんとに! ヤバい、ヤバいヤバい……! ちゃんと言えた……! ちゃんとできた……! キス……! しかも……口と口だよ……?! ほっぺじゃないんだよ……?!)

 

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小咲(え、え、え、え? 嘘? 夢? わたしが? あのわたしが? 一条くんと……キス……?! え、どうしよう?! ちゃんとキスできて……このあと! このあとはどうしたらいいの?! キスしたあとの正解行動のマニュアルとかあるのかな?! 読んでおけばよかったーー!!) ※そんなものはありません

 

どうにも抑えきれない高揚感に、顔は真っ赤。

頬の筋肉が緩みっぱなしで、どう見ても恋の病というやつだった。

 

楽「……なあ、小野寺。顔、タレパンダみたいになってるぞ?」

 

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小咲「ふ、ふふふふ……/// もう、いいんだ。わたし、あと2週間くらい……何も食べなくても生きていけるかも……///」

 

楽「それ、普通に死ぬからね!? 小野寺、ただでさえ細いんだからww」

 

小咲「ふふふ……一条くん……くちびるって、あんなに、柔らかいんだね……」

 

楽(それ俺のセリフだっつーの……! てか小野寺のくちびる、柔らかすぎたろ!? 俺、ちゃんとできてたかな……? 歯とか当たってなかった? 上手くできたか? もしかして下手とか思われてない?!)

 

ふたりして顔を真っ赤にしながら、目は泳ぎ、声は上ずり、でもどこか幸せそう。

 

小咲「ねえ、一条くん……わたしたち、ひとつだけ“壁”を越えられた気がするんだ」

 

楽「……壁?」

 

小咲「うん。なんていうか……多分、今のキスは“恋人同士”じゃなかったら、できなかったと思うの」

 

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楽「そうかな? 俺は多分、キスしてたと思うけど……あっ、小野寺がイヤじゃなければってことね?!」

 

小咲「ふふ、ありがと/// 確かに、どっちかが誘いはするかもね。でもね、なんだろうなぁ……こう、なんかしらの運命力に邪魔されて、結局できないみたいなことがありそうでw」

 

楽「運命力……? 例えば?」

 

小咲「うう〜ん、例えば〜……わたしが“キスしてもいい?”って言ったのに、一条くんがその瞬間……居眠りしちゃってたり、とか?ww」

 

楽「ぶはっ! さすがにそれはないだろ、俺でも……ww」

 

小咲「でも、ありそうじゃない? 一条くんだもんww」

 

楽「いや、ないって、そんなこ……」

 

楽「ありそう過ぎるwww」

 

小咲「でしょおwww」

 

ふたりは、砂浜で声を上げて笑った。

笑い声は、波の音に溶けて、夜の海に優しく響いていた。

そしてその空気は、なによりも確かに恋人同士のものだった。

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