大天狗令嬢 vs シャーマンスープレックスホールド   作:いぶりがっこ

7 / 16
第七話「FLY HIGH」

 あれは、ビッグフォール皇国の長い夏もようやく盛りを過ぎ始めた、とある秋夜の事だった。

 

大凶印剣虎(ジェット・タイガー)?」

 

 鏡台の前で居心地悪そうに背筋を伸ばし、カルラ=クラウザーがポツリと呟いた。

 柔らかな寝巻きに身を包み、振り向く髪に微かな甘い香りが混じる。

 

「ええ、剣牙虎(サーベルタイガー)の中でも【大罪級(シン・クラス)】と恐れられるあの大印凶(ジェット)よ。

 薬草摘みをしていた受験者たちの前に突然現れたようね。

 引率をしていたアッチャブゥさんとダイベアーさんも、浅からぬ傷を負ったと聞いたわ」

 

 そう言いながら、ゴリィが背後からカルラの頭に櫛を通す。

 初めて出会った頃は短かく切り揃えていた赤髪も、今では肩の長さまで伸びていたが、少女の強情さを示すような跳ねっ返りは相変わらずで、思わず苦笑がこぼれる。

 

「あのダイベアー先輩とアッチャブゥ先輩に手傷を負わせるだなんて……」

 

「取り逃したとは言え、大罪級(シン・クラス)を相手に後輩たちに危害を加えさせなかったと言うのだから。

 やはりお二人は見事なものね、ビッグフォール貴族の鑑ですわ」

 

「……それじゃあ、私たちの試験では、その剣虎の捜索を?」

 

 血気にはやるカルラの言葉に、ゴリィが笑って首を振るう。

 

「まさか。

 それはお兄様たち正規の皇国軍人のお仕事ですわ。

 貴方には明日、例年通り小鬼(ゴブリン)たちの巣穴を探索してもらいます」

 

 ゴリィの回答を受け、カルラが小さく嘆息した。

 今、二人が語り合っていたのは、(セント)クロックアップ学園において初秋の慣例となっている、一号生たちの実地試験についてであった。

 毎年この時期になると、学園では一号生たちの進級課題として、魔物退治などの実践的なテストを行うのが通例となっていた。

 テスト、と言っても本来は平民の冒険者たちがこなすような任務であり、常日頃から心身を鍛えている魔闘家(メイジ)の卵にとってはさして難しい課題ではない。

 むしろ、現実的な社会経験の乏しい貴族の子弟たちに実戦の機会を与えようという、儀礼的な意味合いの強い行事であった。

 それが、時ならぬ大罪級のモンスターの乱入によって中断されるに至り、事態を重く見た学園側の要請により、三号生筆頭のゴリィまでもが監督員に駆り出される状況にまで陥ったのであった。

 

「たかだか小鬼退治の為だけに、ゴリィの手を煩わせるなんて……」

 

「……貴族の務めに軽重は無いわ。

 それに戦士は古来より、ささいな凶兆にも気を配る者です」

 

 どこか不満げなガルラのぼやきを、やんわりとゴリィが窘める。

 口調の中に次の課題を軽んじる向きがあるのも気になったが、それ以上に、カルラが自分とギロチンドロップ公爵家に対し、未だに引け目を感じているであろう事に、一抹の寂しさを覚えた。

 

 あの馬小屋での出会いより半年が過ぎ去ろうとしていた。

 出会った頃は魔術の素人同然だったカルラも、この短期間の内に目覚ましい成長を遂げ、一号生たちの中でもめきめきと頭角を顕わし始めていた。

 だが、その出自と実力のギャップゆえに、同級生の中には彼女の存在を妬ましく思う者も多い。

 皇国一の大貴族であるギロチンドロップ公爵家が、身寄りの無いカルラの実質的な後見人となっている事も、彼女に対する風当たりの強さを助長しているらしかった。

 

 カルラはもう、出会った頃の未熟な少女ではない。

 今や自分の存在こそが彼女の重荷となっている事を知りながら、あえて後輩たちの前にしゃしゃり出られるほど、ゴリィは図々しい女ではない。

 だが、特に今回のような任務においては、カルラの個人的な引け目が命取りとなりかねないのは問題であった。

 

「先日の大凶印剣虎(ジェット・タイガー)の件もそうだけど、近頃の皇国には不穏な事件が多すぎます。

 まるで何かの予兆のよう……。

 明日の小鬼退治退治にしたって、常のように滞りなく進むとは限らない。

 学園側も本来ならば、このような状況で試験を継続したくは無かった事でしょう」

 

「…………」

 

「けれど、皇国における貴族とは、弱者を守る盾たるべし。

 明日の皇国を支える魔闘家(メイジ)の末裔が、命を惜しみ予兆を恐れるならば。

 この地上に貴族の存在など、そもそも必要ありません」

 

「私たちが危険を避ければ、この仕事は、他の冒険者たちが負わねばならなくなる。

 魔術の力を持たない一般の人々が……」

 

 カルラの断定に対し、ゴリィが無言で頷き返した。

 ふるり、とカルラがわずかに両肩を強張らせた。

 ふ、とゴリィの口から小さな溜息がこぼれる。

 

 なまじ貴種の出自で無いがゆえに、カルラは時に誰よりも貴族たろうとし、己を追い込み過ぎるきらいがあった。

 心がけは立派だが、しなやかな芯を持たぬ刃は時に容易く折れる。

 カルラという少女の看過できない急所ではあるが、この問題に対し、生まれついての大貴族であるゴリィでは、何ら彼女の力になる事ができない。

 カルラ自身が己の内面と向かい合い、克服していかねばならない課題なのだ。

 

 微妙な沈黙の中、テラスより鈴虫の音色が微かに届く。

 ふと思い出したように、ゴリィは化粧台の上の香油を掌に溶かし、カルラの首から頬にかけてそっと優しく撫でつけた。

 ふわり、と柔らかな香気が乙女たちを包み込む。

   

「焦ってはだめよ、カルラ。

 気負うばかりが、己を苛め抜くことばかりが貴族ではないわ」

 

「…………」

 

「どれほどに己の力を磨き上げようとも、魔闘家(メイジ)の力は所詮個人の強さ。

 個の強さだけで、世界の全てを救えよう筈がない。

 だからこそ私たちは、手を取り合うように出来ているのだから……」

 

「…………」

 

「あら?」

 

 くてん、と、不意にカルラがゴリィに体を預けてきた。

 上から見やれば、少女はゴリィの胸の内で、安らかな寝息を立てていた。

 張り詰めた常の表情からは想像もつかない穏やかさに、思わずふっ、と苦笑が漏れる。

 

 やはり、少女は知らずに気負い、疲弊していた所があったのだろう。

 白百合の柔らかな香気には、無意識の緊張を解きほぐす効果があるという。

 在りし日のゴリィの母、リッキーが愛したエッセンスである。

 

 顔も知らぬ母親の事を想いながら、わずかに二つばかり年下の少女に、母親のような真似事をしている自分に気付く。

 我ながら、らしからぬ事と、今、胸の内で寝息を立てる少女の存在が、随分と自分の中で大きくなっていたのだと今更ながらに思い知らされる。

 

「そう、今はおやすみなさい、カルラ、良い夢を」

 

 そっと耳元に囁いて、小柄な少女を起こさぬよう静かに抱きかかえる。

 このやせっぽちな少女の体に、歴戦の魔闘家(メイジ)にも匹敵する力が宿っているのが不思議に思えた。

 普段からこのように、もっと自分を頼ってくれればいいのに、と思う。

 彼女の眠る、今、この時間の尊さに、どうしようもないもどかしさを憶えてしまう。

 

 この時、ゴリィはただひたすらに、腕の中の少女を想い、その心の平穏を願っていた。

 その寂しい乙女心を、感傷、と、油断と断じてしまうのは、果たして残酷な事だろうか?

 

 

 いずれにせよ、この日の『油断』の報いを、ゴリィはすぐに受ける事となる……。

 

 

 

 

 目の前に、羆の大きな貌があった。

 

 その瞳に、いつかのような哀しみに濡れた色は無い。

 肝の据わった武人と、獰猛な肉食獣を混ぜ合わせたぐらいの、怖い形相をしている。

 それぐらいの仔細が悠々と観察できるほどの間合いで、今、ゴリィは羆と相対していた。

 瞬きすれば、その間に頭部を吹っ飛ばされかねないほどの緊張感が心臓を蝕む。

 

 ゆるり、と一指し舞うかのような緩やかさで、羆が動いた。

 重油の海でも掻き分けるような、焦れるほどの遅さで、大きな掌がゴリィの顔面に迫る。

 

 対し、ゴリィは半身を取り、外から迫る熊掌を払うように内から左腕を回す。

 円の動きで捌きと崩しを同時に行い、敵の当身を逸らしながら本命の右拳を叩き込む。

 

 ……いや。

 

 大仰な右半身の動きに反し、羆は未だ、四分の魔素(ヴィスコ)を丹田に残している。

 右の動きでゴリィの反撃を誘い、更なるカウンターを狙っている。

 左半身の動きに対しても備えを残さねばならない。

 咄嗟にそう判断し、重心をわずかに軸足に預ける。

 

 果たして、接触の瞬間、羆の動きが鮮やかに変化した。

 右半身に寄っていた魔素がたちまち循環し、同時に左の二の脚で踏み込んでくる。

 合わせてゴリィも緩やかに半歩下がり、迫りくる左の爪をかろうじて避ける。

 

 今、二人が行っているのは、舞踊でもなければ約束組手でもない。

 体内の魔素と重心の動きの確認に重点を置いた、実戦練習のようなものである。

 

 練習といっても、この組手には厳密な(ルール)も約束もない。

 暗黙の了解に背いて、いきなり不意打ちを仕掛けてもよい。

 それを恐れて体勢を崩せば、たちまち対手に押し切られる。

 互いの体勢、魔素の流動を見定めながら、起こり得る次の事態を想定し、最善の一手を繰り出す。

 

 一見、二人の体は静止しているようにすら見える遅さで動きながら、その思考は独楽のように高速回転を続けている。

 蝸牛に等しい緩やかな動きは、肉体に常とは異なる疲弊を及ぼし、いつ果てるとも知らぬ一撃必殺の応酬は、じわりじわりと精神を蝕む。

 

 どれほどの間、二人は廻り続けていたのだろうか。

 

「グワォ!」

 

 やがて、勝負所と見たか、突如として羆が動いた。

 身を低くして顔を突き出し、至近距離がら一吠え浴びせた。

 並みの人間ならば反射的に身を竦ませてしまうほどの雄叫びが、木面の表をビリビリと叩く。

 だが、ゴリィはさして気にした風もなく、逆に悠然と一歩踏み込んだ。

 

 今、全身で殺気を露にする羆に対し、彼女の内面にはさざ波一つ立っていない。

 殺気は見せかけの陽動であり、ゴリィの反応を見て隙を突いてくるつもりなのは明白だった。

 

 果たして、羆は陽動が通じないとみるや、すかさず体を転じて受けに回ろうとした。

 対し、ゴリィは羆の体に吸い寄せられるかのようにするすると間合いを詰める。

 

 無論、この時羆は暗黙の了解を捨て、素早く後方に飛び退く事も出来た。

 だが、ゴリィは羆の急変を見逃すまいと、その全身を見るとも無く見ている。

 羆が動こうとすれば、ゴリィもまたその予兆を捉えて転じ、先の先を行こうとするだろう。

 今のゴリィには、歴戦の羆を敵に回してそれが出来るだけの余裕があった。

 

 しゅるり。

 

 ゴリィの緩やかな拳が、羆の喉元にぴたりと添えられた。

 文句のつけようが無い決着であった。

 

「少しは出来るようになったか?」

 

 不意に後方から声をかけられた。

 おもむろに振り返ると、そこにはやはり件の鴉が、居丈高な師匠顔でゴリィを見下ろしていた。

 

「……試された事を知っていて喜べるほど、単純に出来てはいませんわ」

 

 そう探るようにゴリィが嘆息した。

 先の羆の一吠えは、ゴリィを成長を試すための早仕掛けに過ぎない事を、受けたゴリィ自身がよく理解している。

 そもそも、この羆が真に目指しているものは、こういった技巧だの駆け引きだのといった体裁を取り払った、究極の野生の中にこそある。

 今、羆は己の歩みを止めてまで、ゴリィを一つ上の次元に引き上げようとしている。

 常に独尊に振る舞う大鴉に対し、傍らの羆はゴリィへの深情けが過ぎるようであった。

 

「鼻」 

 

 くつくつと、意地悪く鴉が嗤った。

 確かに、可愛げの無いゴリィの言い草に反し、木面の鼻は力に満ちて隆々と盛り上がり始めていた。

 ゴリィが極真大山を訪れ、この先人たちの許に膝を屈してから、はや半年。

 手にした力の成長と共に日一日と鼻は伸び、ゴリィの心は隠しきれなくなっていた。

 

「くだらぬ謙遜なんぞ狗にでも喰わせろ。

 古来、天魔とは尊大、傲慢を捏ねて固めた無法の化身。

 この天地を、己の気儘に取り廻せるものと笑えずして――」

 

「――どうして神と相対できようものか?」

 

 鴉の言葉を先回りしてゴリィが奪った。

 鴉はしばし、無言でゴリィの姿をまじまじと見つめていたが、そのうち「カッ」と再び笑った。

 

「跳ねっ返りが、遊戯にも退屈を憶える頃合いか?

 いいじゃろう、そろそろ羽の生やし方を教えてやる」

 

 そう言い捨てると、鴉は何処かへと歩き始めた。

 一瞬ゴリィは目を見張り、すぐに我に返るとその後を追った。

 

 極真大山を訪れてより半年、大鴉はその大ぼら体現したかのような奔放な物の怪の類として振る舞い続けてきた。

 突然姿を現したかと思えば、ふらりと山中に消えて十も二十日も帰って来ない。

 気まぐれにゴリィの命を救いはすれど、その行く末を案じるつもりも無ければ、真面目に弟子をとるつもりもなかったらしい。

 ゴリィに目をかけ、常に行く道を示し続けてきたのは、あの寡黙な大羆の方である。

 言い方はぶっきらぼうながら、この鴉が直接ゴリィを指導しようなどと初めての事ではあるまいか?

 

 

 

 やがて鴉は巨人山脈(アンドレ)を臨む断崖でピタリと脚を止めた。

 分厚い雲間から差し込む光芒が、峻厳なる山々を照らし出す。

 

「いつ見ても見事なものよな……。

 ここから臨む天地の聡明さに比べれば、地上の出来事の大半はゴミ粒のようなものよ」

 

「…………」

 

「のう、小娘。

 貴様はそうは思わぬか?」

 

「……そんな事よりも」

 

 飄々とした鴉の言葉を遮って、ゴリィは後ろに回した両腕を不満げに揺すってみせた。

 その両手は、道すがら鴉の調達してきた太い蔦できつく縛られていた。

 

「これは一体、何の真似事ですの?」

 

「カカ。

 いかに鼻っ柱の強い貴様でも、戒めがあれば臆病にもなるか」

 

「そのような事は言っておりません!

 本物の鎖ならばいざ知らず、こんな有り合わせの蔦が戒めになるとでも?」

 

 嘲るような鴉の物言いに、頬を膨らませて抗議する。

 事実、ゴリィの言葉は強がりではない。

 魔術がどうだ武術がどうだと言う前に、この程度の戒め、腕力一つで引きちぎれるほどの肉体が無ければ一端の魔闘家(メイジ)とは言えない。

 

「気に食わんならこの場で外しても構わんぞ。

 いや、命が惜しくばすぐ外せ」

 

 いかにも憤懣やる方ないと言ったゴリィの様を、なお挑発するように鴉が言った。

 その言い草に、ゴリィは却って冷静になった。

 鴉の言葉の裏を返すなら、この先には、咄嗟に戒めを解く暇もないほど危険な試練が待ち受けていると言う事か。

 

「時に小娘、貴様この巨人山脈(アンドレ)の由来を知っておるか?」

 

 不意に鴉が声のトーンを変え、別の話題を振ってきた。

 あからさまな変化を訝しげに見つめながら、ゴリィが言葉を返す。

 

「……嘘か真か、伝承によれば太古の時代。

 太陽神(ヴィスコ)との戦いに敗れ僻地に追いやられた巨人たちがふて寝した姿が、

 そのまま現在の霊峰になったとか……?」

 

「ほう、それが西方の賢人たちの伝承かね?

 だが、我ら東方の住人たちの解釈はまた違う」

 

 鴉はそう言い放つと、しばし無言で断崖からの風景を睨み据えた。

 誘われるようにゴリィが後方から神代の霊峰を仰ぎ見る。

 

「見えるか?

 向かって右が雄岳、左が雌岳。

 そして、雌雄一対の山麓に挟まれ中央――」

 

 鴉の説明を受け、じっ、と瞳を凝らす。

 見れば確かに正面には、まるで鏡写しのような双子の山々があり、さらにその奥にはひときわ大きな霊峰が、霞ががかった姿をおぼろげながらに曝している。

 

 

 ――どっ。

 

 

「あっ」

 

 不意に強い衝撃を背中に受け、ゴリィの体が中空に踊った。

 ぐるりと空中で体が反転し、天地上下となった視界の先で、右肩を突き出した羆の姿が逆さまに映る。

 

 見事。

 怒りも忘れ素直にそう称えるしかないほど、完全なる奇襲であった。

 あの巨体と馬力でありながら、近寄る足音はおろか、攻撃の瞬間の殺気すらも感じ取る事が出来なかった。

 それにしても我ながら、なんと子供だましなやり口に引っ掛かってしまったものか――

 

 

「ひぃあぁあああああぁアぁああアァァ――――ッッ!!??」

 

 

 不明を恥じる暇すらなく、ゴリィの体が急速に落下を始めた。

 断崖よりこちらを見下ろす化外たちの貌が、みるみる遠くなる。

 

 極真大山(ファイナルチェンジ!!ダイナミックウォール)

 

 標高3,776バーバ(およそ7,854メートル)

 今、人外の頂を目指すゴリィ=アントワネットの、青春を賭けた40秒が幕を開けた。

 

 

  

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。