プロローグ
皆さんは、気づいた時には自分のいる場所が極寒の豪雪地帯だったことはあるでしょうか?
ある訳ねえだろアホか。こんなもん例外中の例外だボケ。あのさぁ?ドッキリとかならさっさとドッキリ大成功って書いたパネル出してくんないかな?
「て、誰に言ってんだか。これ、現実だよなぁ……いや怖えよ!おい!マジでさっさと俺を元いた場所に返しやがれよ!」
どこからも反応なし、か……ん?でもちょっと待てよ?なんで俺黒い長袖インナー1枚とくるぶし辺りまでしかない薄いズボンでこんな豪雪地帯にいるのに寒くないんだ?
「いや怖い怖い怖い!俺の体どうしちまったんだよ!?」
ああああああ!?俺、人間じゃなくなったのか!?こういうのはフィクションであるからいいのであって自分の身に同じ事が起こったら混乱するだろ普通!
「ま、まあいいや。起きてしまったもんは仕方ない!割り切っていこう!!」(ヤケクソ)
てことでとりあえず、この場所についての情報を探そう!と、おおおおおお!?なな、なんだ、地震か!?
俺が歩き出そうとした瞬間に大地が揺れた。なんだよ急に、恐ろしくなるようなことすんなよ世界。心臓の弱い俺にもうちょっと気を使え
「にしても、なんだあの巨大な樹は。こ、こんなもの俺のデータにはなかったぞ!?」
データキャラやめちまえ、なんてね。こうでもしてなきゃ自分の正気を保つこともできねぇよ。まあでも気になるし行ってみるかぁ……生憎寒さは感じないから動けるけど、なんか変な生物とかいそうで怖いな……
「でも、動かないことには始まらないし、行くかぁ」
俺はあの巨大な樹の方向に歩き始めた
あ〜……結局あの樹のところに行ってもなにも分からなかったなぁ……ただデカいだけでそれ以外別におかしなところはなかったし。んで、今は樹から離れて適当にブラブラ歩いてるけど、寒くはないのにめちゃくちゃな吹雪のせいで周りがよく見えん
「それに、なんか腹も減ってきた。でもこんな場所食うもんとかあるか?まぁ、探すしかないか」
食料を探す為に気持ち早めで歩を進める。こういうのは即断即決が大事だ。迷うぐらいなら進め。これ、俺のじいちゃんの名言ね。この言葉を俺は忘れたことがない。いやまぁ、それで失敗したことはあったけどな!
「進め〜進め〜♪……ん?あ!食料はっけ……て、なんだありゃ!?」
食料を見つけたと思ったら、絶対に人間が相手しちゃいけないような化け物が一匹いた。いや言ってる場合じゃねえ!
「あ!?気づかれた!」
「グオオオオオオオ!!」
あ、こいつ叫びやがった!?やばいやばい!めっちゃ仲間来てるって!こりゃ逃げれねぇわ。い、嫌だぁ!?死にたくねえ!だ、誰か助け───
「………は?」
「───!?」
俺は咄嗟に腕でガードをした。意味がないと分かっていながらも体が勝手に動いた。その結果……
「牙が、俺の腕に刺さってない?」
いやいやいや、おかしいおかしい。だって相手は見たこともない化け物だぜ?ま、まぁ、ちょっとぶん投げてみるか
「えい」
「ギッ゜───」
「……ウッソ〜」
なんと俺がこの化け物を投げ飛ばした結果、周囲にいた仲間にぶつかってボーリングのピンのように吹っ飛んでいった
「俺、人間やめちゃった」
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「なんですか、これは……?」
「魔獣かな?でもなんで……」
『解析した結果、低ランクの幻想種、立香君の言った通り魔物で間違いないと思うよ』
『ふむ、だがこの状況。これだけの魔獣を蹴散らせる程の戦闘能力を有した何かがいた事は確実だ』
「はい、ですがそれらしき気配は感じません」
俺とマシュはこの異常地帯と化したロシアを調査するためにこの辺りを探索しているんだけど、大量の魔獣が転がっている光景を目にして困惑していた。ホームズ曰くこんな状態にした何かがいるってことだけど……
「あ、あっちの方にも魔獣が倒れてるよ?」
「本当ですね。どうしますか先輩?」
「うーん……行く」
『バカを言うな!もし本当にその魔獣共を葬れる何かがいたとして、敵か味方かも分からぬのに軽率な行動をとるな!』
『うーん、ゴルドルフ君の言っていることも事実ではあるんだけど、立香君はどうしたい?』
「俺は、行きたいです。なんだか、行ったほうがいいような気がするんです」
「マスターがそう判断されたのであれば、私はそれに従います」
『うんうん!じゃあ行っておいで!』
「「はい!」」
『え、なんでそういう事するの?』
───────────────────
「んー、牛とか鶏とか豚とか、そういうメジャーなのに比べたら味は落ちるけど案外いけるな。ていうか生でいけるのが驚きだ。なんで腹壊さないんだろうな俺」
俺はこの化け物どもを倒してその肉を喰らっている。生で喰ってるのに腹を壊さない辺り、本当に人間を辞めてしまった疑惑がある
「ま、こんなのがうじゃうじゃいる世界に来たのならむしろこうなったほうが都合がいい」
人間はやめてしまったけど死ぬよりはマシだからこれはこれで別にいいか。と、腹一杯になったしそろそろ移動を……ん?
「あれは……人?おーい!!」
「「!?」」
歩いている2人の人を見つけた俺は叫んで声をかけて走り寄った。片方は黒髪の優しそうな青年。もう1人は可愛らしいピンク色の髪のメガネをかけた女の子
「いやぁ!やっと人に会えたよ!」
「えっと、この魔獣達を倒したのは貴方ですか?」
「そうだよ?あ、よければお一ついかが?」
「え、遠慮しておきます……」
ありゃ、断られちゃった
『いやいやいや!貴様らもっと見るべきところがあるだろう!見ろ、その男の服装を!』
「あ、確かにすっごい薄着だ!?」
「あの、大丈夫なのですか……?」
「あー、不思議なことになんか寒さを感じないんだよね。たぶん人間じゃなくなったと思うんだ俺」
「人間をやめた……?」
「あ、石仮面はつけてないよ?」
「石仮面……?」
おっと、ピンク髪の女の子が困惑してしまっている。そろそろふざけるのは辞めるか
「で、君達何者?」
俺が何者かを聞いて答えてくれたのはピンク髪の女の子、名前はマシュちゃんって言うらしい。で、その隣の男の子が藤丸立香君。この2人はカルデアって組織に所属してるらしい。んで、この異常地帯の調査をしてるらしい。ていうかここロシアだったんだ
「んで、そのハイテクな映像に映ってるのがゴルドルフ・ムジークさんとレオナルド・ダ・ヴィンチにシャーロック・ホームズ……ええええええ!?」
レ、レオナルド・ダ・ヴィンチとシャーロック・ホームズ!?え、そんな有名な人たちが何でいるの?ていうかダ・ヴィンチはともかくホームズって架空の探偵だろ?マジでなんでいるんだよ。いや、レオナルド・ダ・ヴィンチも男じゃなかったっけ?なんでロリ美少女なんだよ。頭こんがらがるわ
「……ま、よろしくな!」
「あ、考えるのやめた」
「あまりの衝撃に考えることが嫌になってしまったのですね……」
「あー、よし、正気に戻った。それで、そのダ・ヴィンチとホームズは一体何者?コスプレとかじゃないの?」
『それは私から説明しよう!』
ダヴィンチちゃん(本人からそう呼んでくれと言われたからそう呼んでいる)から聞いた話を纏めると、彼女達はサーヴァントと言う存在らしい。
「サーヴァントねぇ。不思議なもんだね」
『私としては君のほうが興味深い。勝手ながら君の魔力などを調べてみたが多少なりとも魔力反応はあった。たが生体反応は人間そのものだった』
「あら、人間やめてなかったんだ」
「あ、そういえば名前は何ていうんですか?」
「俺?俺は───」
「……おい、これをやったのはお前らか?」
後ろから聞こえてきた声に振り向くとそこには全身が毛に覆われた、俗に言う獣人が立っていた。
さっそくぐだ男&マシュに出会ったオリ主君。よかったね