ヒロアカ世界にMARVELのキャラをぶち込んだ短編集 作:龍角散ガム
もしも、ブルース・バナーが雄英高校の教師だったら...?
「ヴィランと対峙した時、災害に見舞われた時、救助活動をする時、なんでも良い。とにかく困難にぶつかった時、何が一番大事か分かるかい?そうだなぁ...爆豪くん?」
「原因のクソヴィラン共をブッ飛ばす!!」
「まぁ、ある意味間違っていないね。轟くんは?」
「......自分が出来る精一杯のことを行動する」
「それも間違っていない。八百万さんは?」
「そうですわね...災害のケースを考えた場合、まず行うべきは市民の皆さんの安全の確保...でしょうか?」
「みんな、模範的な回答だね。ありがとう」
パーマがかった前髪をたくし上げ、メガネの位置を直しながらA組の生徒たちに授業をしているのは、雄英高校の教師の1人『ブルース・バナー』であった。
「ヒーローとは、その時々の状況に応じて臨機応変に対応しなければならない。状況を把握し、自分が真っ先にすべきこと、仲間に任せるべきこと、考えなくてはならないことがたくさんあるんだ」
「そんな中で最も大切なこと、それは感情のコントロールだ」
自前の白衣を揺らしながら、バナーは教卓から降りて生徒たちの横を歩き始める。
「感情のコントロールとは、自身の感情を理解し安定させること。一瞬の出来事で人間の感情は大きく変化する。喜び、悲しみ、楽しみ、そして怒り。ヒーローにとって喜びは人々を幸せにする。悲しみは人々の気持ちを読み取り、寄り添うことができる。楽しみは周囲の空気を良いものへと変化させる。そして、怒りはヒーローの力を増幅させ、時には減少させてしまう」
バナーはコツコツと足音を立てて教室内を歩き回り、2人の生徒に視線を向けた。
「このクラスで人の感情を読み取るのに特化しているのは口田くんだろう。動物と意思疎通ができる個性がそれを引き延ばしてくれている」
「あー、納得」
「口田って口数は少ないけど、裏ですんげぇ頑張ってくれてるからマジで助かってるわ」
「い、いやぁ...そんなことは...」
クラスのみんなから褒められたことにより、口田は照れ臭そうに笑いながら首に手を当てた。
バナーはそんな彼の肩を優しく叩き、もう1人の生徒へ視線を向ける。
「そして、感情の制御に秀でているのは爆豪くんだ」
「「「「「えぇぇぇぇぇぇ!?!?」」」」」
「爆豪が!?ありえない!!」
「制御どころかいつもキレてるじゃん!!」
「キレてネェわボケがァ!!」
「「「キレてんじゃん!!」」」
bombと手を爆発させながら怒鳴り声を上げる爆豪と彼を否定する生徒たち。
口田は納得できるが爆豪はありえないと、誰もがバナーの発言を否定する。
だが、出久だけはバナーの言ったことを理解し、納得をしていた。
「確かに爆豪くんは短気ですぐにキレているけど、理性を失っているわけでは無い。彼の心の奥は常に冷静なんだ。そうだろう口田くん?」
「え、あ...はい...!」
「「「「「ありえねぇーー!!!」」」」」
「んだとゴラァ!?テメェら表出ろやァァ!!」
爆豪が完全にキレたと同時に授業終了のチャイムが鳴った。
バナーは仕切り直すようにパンと手を叩き、授業の締めへと移った。
「とにかくどんな時でも冷静になり、感情をコントロールすることが、一流のヒーローへの第一歩だ。いいね?」
「「「「「「はーーい」」」」」」
「では、今日の授業はここまで。次回はガンマ線についての授業でもしようか」
「ガンマ線??なんだそれ。知ってるか上鳴?」
「俺が知ってると思うか?」
「お前に聞いたオイラがバカだったよ」
「なにおう!?」
「ねぇねぇバナーせんせー!!ミッナイ先生と付き合ってるって本当!?」
「学校が終わったらイチャイチャしてるって本当!?」
「い、いや、そんなことないよ...?」
「「ウッソだーーー!?!?」」
休み時間に入り、各々が自由に行動を始める中、出久はバナーの言った感情のコントロールについてノートにまとめていた。
「(僕のワンフォーオールもその時の感情によってパワーが上下していた。ただでさえ個性を制御しなければならないのに、感情によって個性が突き動かされるなんて、そんなのヒーロー失格だよ...!!)」
「うわぁ...デクくん相変わらずやね...」
「なんともまぁ緑谷くんらしいな」
出久は、背後に立つお茶子や飯田に目もくれずにノートへ自分の意見をまとめていく。
そしてふと、出久は思った。
「そういえば......バナー先生の個性ってなんなんだろう...?」
ヒーローとヴィランが激突する解放戦線。
出久や爆豪たちが覚醒した死柄木と対峙する中、包囲網を突破したギガントマキアが山岳や森林を突き破り進撃を進めていた。
ギガントマキアが通った道には何も残らず、崩壊した地盤がギガントマキアの破壊力を示している。
Mt.レディやミッドナイトを始めとするプロヒーローたちがギガントマキアに立ち向かうも、ギガントマキアはプロヒーローたちを小蝿を処理するかのように軽く、容易に処理をしていた。
「おいおいどうすんだよこれ...!!!!」
「プロヒーローたちが敵わないのに、俺たちに何ができるってんだよ!!」
すると、ズドンッ!!と何かが生徒たちの近くに叩きつけられた。
ゆっくりと煙が晴れ、叩きつけられた正体が露わになる。
「ミッドナイト先生ッ!?」
八百万はミッドナイトの元へと駆けつけた。
身体中がボロボロで、意識を保っているのがやっとな程の彼女に肩を貸し、八百万は自身がどう行動すべきか必死に考えていた。
「(どうしたら......この状況を打破するために......!!ダメっ!!落ち着きなさい私!!どんな状況でも冷静にならなければ!!)」
すると、彼女たちの耳にスクーターのエンジン音が響いてきた。
安っぽいエンジン音は徐々にこちらへ近づいており、やがてそのエンジン音の正体が判明した。
その人物は、力尽きたようにエンジン音を鳴らすのをやめたスクーターから降り、ゆっくりと八百万たちの元へと歩き始める。
「いやぁ....酷いことする奴もいたもんだ」
「「「「「バナー先生!?!?」」」」」」
ここにいるはずのない、雄英高校の教師が現れたことに驚きを隠せない生徒たち。
しかし、ミッドナイトはようやく来たわね...と笑みをこぼしながらバナーに視線を向けている。
「誰かさんが来るのが遅いから、こんなにボロボロになっちゃったじゃない」
「......すまない」
「いいわよ、慣れているわ。いつものことだしね。それよりブルース、任せても良いかしら?」
「———ああ」
すると、ブルースはこちらに迫り来るギガントマキアの方へとゆっくり歩き出した。
「何してんだよバナー先生!!」
「おい!!危ねぇぞ!!」
生徒たちはバナーを止めに入ろうとするが、ミッドナイトはそれを制した。
すると、バナーはこちらに顔を向けながら、いたずらっ子のように笑みを浮かべた。
「君たちに僕の秘密を教えようか?」
「いつも怒っている......!!!!」
バナーの体が突如として巨大化し、緑色の大男へと姿を変えた。
そして、ドォンッ!!という重い衝撃が生徒たちに襲いかかった。
次の瞬間、こちらに迫っていたギガントマキアの体が宙へと浮いた。
顎に鋭い衝撃を受けたギガントマキアは、白目を剥きながら後方へと吹き飛ばされる。
「———!!」
誰もが口を開き、目の前の出来事を受け入れることが出来なかった。
そんな中、ミッドナイトは生徒たちに優しい声で語りかけた。
「みんな、安心して...」
「私たちには
「グオォォォォォォッッッ!!!!」
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