ヒロアカ世界にMARVELのキャラをぶち込んだ短編集 作:龍角散ガム
もしも、『ゼホベリ』ではなく『地球』に降り立っていたら...?
「ねぇ、ねじれ?ねじれのおじさんってめちゃくちゃ強いって聞いたんだけど本当?」
「うん!とっても強いしかっこいいよ〜!」
「でも、プロヒーローじゃないんだよね?」
「個人で活動してるあまり目立ちたくないタイプのヒーローなの?」
「目立ちたくないっていうか、目立ちたくても目立てないというか...」
「あれ?結構地味な感じなの?」
「地味じゃないよ。むしろとっても目立つかな〜」
「あ、分かった!海外に住んでいるんでしょ!」
「海外よりももっと遠いよ〜」
「なになに?どう言うこと?」
「だって私のおじさん、宇宙にいるんだもん♪」
「「......はい?」」
「あ、でも名前なら聞いたことあるかも」
「いや、宇宙にいるヒーローなんて聞いたことないんだけど」
「一応聞くけど、なんて名前なの?」
「おじさんの名前はねぇ〜...」
「
資源の枯渇から来る争いによって母星の『タイタン』が滅んだのを目にした時、サノスは決意した。
「宇宙の調和とバランスを保つためには増えすぎた生命を減らすことが必要である」と。
サノスは、その目的を果たすために力を身につけた。
種として美しい生物とされているタイタン人の中で突然変異として生まれたサノスは、異質なまでにめきめきと力を身につけ、銀河中にその実力を轟かせる存在にまで成り上がった。
その過程で配下となった部下達の数は1000を超え、遂にサノスの計画が実行されようとしていた。
最初に目をつけた惑星は『
青く美しいこの星が滅んでしまうことをサノスは許せなかったのだ。
しかし、サノスの心のが奥底に良心が残っていたのか、それとも何かを感じ取ったのか。
サノスは軍を率いることなく、1人単独で地球へと降り立った。
それが、サノスの運命を変える大きな選択になった。
コンクリートの上に倒れる悪者達を横目に、サノスは天に仰いだ。
「この星も他と変わらない。私利私欲のために悪人どもが蔓延り、弱者は淘汰される。争うことに問題はない。争いがあるからこそ、生物は成長していくのだ。だが、争いを起こす生物があまりにも多すぎる。争いは途絶えることなく続き、その結果、この星は、この宇宙は成長することなく滅びゆくのだ...」
サノスは覚悟を決め、宇宙船へと通信を行おうとする。
今こそ、生命のバランスを保つ時が来たのだと。
サノスが通信機の電源を入れようとした瞬間、サノスに声をかける少女がいた。
「すっご〜い!!おじさんとってもつよいんだねぇ〜!!」
サノスの周りを1人の少女がふわふわと宙に浮かびながら飛び回る。
「ねぇ、おじさんはどうしてはだがむらさきいろなの〜?」
「......邪魔だ地球の人間」
「あごのしわすご〜い!きんにくむきむきだ〜!」
サノスは少女の顔面に向けて手を伸ばすが、少女はふわりと器用に躱し、サノスの体をペタペタと触る。
「やめろと言っている」
「なんのこせいなの?ゴリラさん?それともブルーベリーのようせいさん?」
「やめろ」
「わぁ〜!つかまっちゃった〜!!」
サノスは少女の頭部を掴み上げる。
このまま握り潰してやろうとも考えたが、赤ん坊のようにはしゃぐ少女に調子を狂わされたのか、手に力を入れることができなかった。
「......おじさん、どうしてそんなになやんでいるの?」
大人しくなったと思った直後、少女はサノスに問いかけた。
部下にも悟られたこともないサノスの小さな苦悩。捨て去ろうにも捨てられなかった微かに残るサノスの良心。
目の前の少女はそれを感じ取ったのだろう。
不思議そうに、心配そうにサノスの顔を伺った。
「私は...悩んでなどいない......」
「じゃあ、どうしてそんなにつらそうなの?」
「それは......」
サノスは何も言い返せなかった。
本当に生命を減らすことは正しいのだろうか。
それで宇宙を救うことができるのだろうか。
微かな良心がサノスに問いかけ続けていたのだ。
「おかあさんがいってたよ!なやんでいるならだれかにはきだしたほうがすっきりするって!」
地球の小さなヒーローが、心の奥底に眠ったサノスの良心に手を差し伸べる。
すると、サノスは目を瞑り、ぽつりぽつりと自身の想いを小さなヒーローに打ち明けるのであった。
「———だから私は決心したのだ。生命の半分を消し去り、この宇宙に調和をもたらすのだと」
小さなヒーローは、サノスの想いを真摯に受け止めた。
全てを聞き入れた少女は俯き、その表情を隠している。
やはり、小さな子供にこのようなことを告げても理解できないだろう。時間を無駄にしてしまった、とサノスは溜息をつき、少女から離れようとする。
すると———
「そんなの......そんなのだめだよっ!!」
少女は、去り行くサノスの腕を掴み、涙を流しながら必死に訴えかけた。
「ひとやどうぶつをころすなんて、そんなのわるものがやることだよっ!!おじさんはわるものになりたいのっ!?」
「私は......私はただ、この朽ちゆく宇宙に秩序を......」
「おじさんはうちゅうをまもりたいんでしょっ!?なら、きずつけるんじゃなくて、まもらなきゃいけないんだよっ!!」
「守る......?」
「そうだよっ!!みんなをまもるヒーローにならなきゃいけないんだよっ!!」
「私が、ヒーローに...?」
「うんっ!!わたしみたもんっ!!おじさんがすっごいつよいところをっ!!オールマイトにまけないくらいつよくてかっこいいところをっ!!」
暗闇に小さな光が差し込んだ。
小さくか弱な光だが、サノスが今まで見た中で一番強く光り輝いていた。
「おじさんならなれるよっ!!みんなをまもるさいきょうのヒーローにっ!!」
ヒーローとヴィランの最終決戦。
両陣営が大きな被害を出しながら、己の信念と信念をぶつけ合っていた最中にそれは現れた。
空を覆い尽くすほど大きな宇宙船。
その宇宙船から舞い降りた光の中に、彼はいた。
彼がブレードをヴィランに突きつけ、仲間に指示を出す。
すると、宇宙船から大量のヒーロー達が地球に舞い降り、ヴィランたちに立ち向かい始める。
『キャプテン・マーベル』
『マイティ・ソー』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
宇宙を股にかける最強のヒーロー達が、今地球に集った。
「ウグゥ...!!この私が......ワン・フォー・オール以外に負けるなんて......ありえないっっっ!!!」
「私の大切な娘の星を滅ぼそうとする愚か者はお前か。......覚悟しろ、ヴィラン共。『ブラック・オーダー』が相手をしてやる」
紫ゴリラ、おじさんでヒーローになる。
What ifでスター・ロード(ティ・チャラ)に諭されていたように、MCU版サノスにも良心はあるだろうし、ヒーローにもなれるんすよ。
そして、純粋無垢なねじれちゃんなら、紫ゴリラを諭せると思い書いた次第でございます。
え?原作版サノス??
知らね。
え?サノスがオール・フォー・ワンに勝てるのかって?
知らね。
インフィニティ・ガントレットでも装備させれば勝てるんじゃないすか?
キャプテンマーベルもいるしね。
高評価・感想ありがとうございます。
また、日刊ランキングにも載り、多くの方にこの小説を読んでいただき大変恐縮です。
引き続き、応援してくださると幸いです。