緋弾のアリア(仮) 作:Quasar
また、今回は下手な伏線回なので前回よりつまらなくなってるかもしれません。
それでもいいという方はこの駄文、お楽しみください(定型文)。
○月A日
いつもは本とお喋りしてるのですが、日記を書く事で感情表現がもう少し出来るようになるのでは? という提案の元今日から日記を始めようと思います。
……といっても、何を書けばいいのでしょうか……。
あっそうだ。えーっと、今日入学試験の結果が届きました。結果はやはり想像通り。実技オール百点でSランク確定です。私は強襲科に入るつもりもなく、出来れば諜報科か探偵科に入りたかったのですが……。まあ、今更気にしても意味がないのでもう気にしなようにしましょう。
そういえば、試験の日に二人、友達になれそうな人を見つけました。遠山キンジという方と星枷白雪という方です。星枷さんは見た感じ大和撫子って感じで話しかけやすそうっていうか、仲良くなれそうでしたし、遠山さんは話してるとどこか安心できそうな雰囲気でした。……遠くからいざこざを見ていただけなので見た感じ、でしかわかりませんが……。
あそこで声をかけるなり助けるなりすればよかったんでしょうか? そしたら仲良くなれたかも……いえ、でも、幾ら能力で神経が以上に発達していても怖いものは怖いですし……。
はぁ……何があっても表情が殆ど変わらないのに小心者な自分が憎らしいです……。
○月E日
今日は家に何時も置いてある栄養剤とカロリーメイト(+天然飲料水)がなくなったのでコンビニに買い物に行きました。そしたらなんと、遠くで遠山さんが歩いてるのが見えたんです。お兄さん……でしょうか? その方と歩いてる遠山さんは凄く嬉しそうで、見てるこちらが思わず微笑んでしまうような光景でした。まあ、実際にはピクリとも私の表情筋は動きませんでしたが。
しばらくコンビニの中から二人の様子を見ていたら、お兄さんの方に途中で睨まれてしまいました。バレないように(というか、普通肉眼では見えない距離だったはずなのですが……)そっと目をそらしました。多分、ジッと見ていたから鬱陶しかったのだと自己完結しておきます。誰しもジッと見られるのは嫌でしょうし……今度会ったら、今日のことについて謝りたいです。どうせ片言なのでしょうが……。
○月F日
昨日、日記に表情や言葉についての悲観、諦めのような事を書いてしまったので本に怒られちゃいました……。その時に注意されたことは大事そうなのでついでに日記にメモッちゃいましょう。
①.治すよう努力してるのだから悲観しない。
②. 〃 前向きに。
です。同じようなことを言ってる感じですが、それだけ大事なことなんだろうと肝に銘じて頑張っていきたいです。
あ、そういえば、今日星枷さんと少しお話できたんですよ。なんでも、遠山さんに会いに来たらしくて、その帰りにバッタリ会っちゃったんです。
すごいんです。見た目通り大和撫子って感じで、こんな私なんかにも変わらず接してくれて……思わず泣きそうになってしまったのは内緒です。いえ、まあ……本に今日のことを話してる時に雀の涙くらいの量でしたが出ました。たまたま目にゴミが入ってしまったというわけじゃないです。……改善、頑張りたいと思います……。
○月G日
昨日の日記を読み直していいこと思いついたんです。
ゴミが目に入って涙が出る……なら、目薬をさせば涙っぽいものが出るんじゃないかと。涙の味とゴミが入った時に流れた涙の味は微妙に違うんですが、多分大丈夫でしょう。そう信じたいです。
さて、そうと決まれば有言実行。がんばりましょー。
○月I日
目薬なんか、もう使ってやらんのですよ……。っというか、反射神経さん。一旦仕事辞めてください……切実に……。
○月T日
何日かぶりに日記を書きます。今日、強襲科担当の蘭豹先生に連れられて早くも寮の方にお引越しさせられました。まあ、寮でも家でも誰もいない一人というのは変わらないらしいので特筆することなんてないんですが……長年住んでいただけあって少し感慨深いものはありました。
そういえば、遠山さんと星枷さん以外の方でお友達になれそうな方が二人いました。武藤剛気さんという人と不知火亮さんのお二人です。
武藤剛気さんは少し強引だけど気さくでちょっとえっちな人のような感じがしました。ちょっとえっちなのはいらないんですが、強引なところがなんとなく安心できそうな感じがあります。私、自己主張or行動力がありませんから……。
不知火亮さんは……なんででしょう? 一目見た時に武藤剛気さんや遠山さんとお話していて仲良さそうだったからでしょうか? んー……。
あ、他にも峰理子さんという方もいたのですが……なんというか、裏がありそうな人というか、腹の奥底が見えない人みたいな感じで少しダメでした。それ以外にも、私の勘がこの人に関わったら私の求めてるものが手に入らなくなる……と言ってるような気がしたんです。……我ながら、何言ってる変わりませんね……。はぁ……。
○月Z日
入学式です。入学式でした。……あぁ……入学してしまいました。でも、今年は良い事があるような気がします。……多分。
そういえば、遠山さんが同じクラスになりました。いやもうそれだけで今年の運は使い切ったと思ったのですが、なんと同じランクという更なる奇跡が重なりました。なんというか、なんというか……嬉しいですねっ! だって友達になれるかもしれない人が同じランクなんですよっ! お近付きになる理由としてこれ以上最上級なものはないですよっ! あー、でも、なんて話しかければいいんでしょう? やっぱりアレですかね? 同じランクなのでこれから仲良くしてください……みたいな? キャーッ!! って、あれ? え? なんですかこの文? ……あああぁぁぁぁっ! これじゃ私が遠山くんに恋してるみたいに見られちゃうじゃないですかって羽ペンで書いたから消せないーーーっ!? あーっわーっうにゃああぁぁーーーっ!!!
文字が乱れて読めません――――。
……私としたことが何やら焦ってしまったようです……。うぅ……恥ずかしい……。
✝
入学式、そう、入学式だ。ここから、始まるんだ。
中学では自分の体質(HSS)のせいで最悪なこと続きだったが、高校は誰とも被らないように遠くの場所を選んだ。だから、今日からようやく始まるんだ。
校長の長い演説が終わって教室。これからクラス内での自己紹介だ。普通は自己紹介なんてものはしないで自分で調べろが武偵のモットーだが、ここには
名前順で自己紹介していき、ようやく俺の番が来た。といっても、自己紹介なんて名前と学科、言いたければランクを言えばいいだけなので簡単だった。
「俺の名前は遠山キンジ。学科は強襲科。ランクはSだ」
S、その言葉を言った瞬間、周りがざわついた。当然だ。学生でSになる奴なんてひと握りの天才だけ。誇るわけじゃないが、俺はそのランクSなのだから。地で行ったらC、良くてBだろうけどな。別に、今ランクを言わなくても良かったのだが、なにせここは武偵だ。そのうち調べられてなにか言われるに決まってる。なら、自分で行ったほうが楽なんだ。
そして、そのあとはAはチラホラいたがSは全くといっていいほどおらず、そろそろ自己紹介が終わるという時だった。そいつを俺が――――いや、クラスの全員が初めて見たのは。
「無垢式雅。強襲科。S」
そう言って自己紹介した奴は静かに座る。
必要なことを必要最低限言うだけの自己紹介だった。感情を感じない抑揚のない声で、表情も能面のようにピクリとも動かない。見る人から見れば不気味、と思われてもおかしくない程そいつからは何も感じなかった。だが、なぜか俺は、そいつを見て綺麗だと思った。神秘的な、どこか脆い感じが可愛いと思った。
俺の時とは打って変わって周りはシンと静まり返っていた。多分、アイツの――――雅の無表情さに気圧されたのだろう。
この静かな空気は、いち早く正気に戻った担任の教師が次の人に自己紹介を進めるまで続いた。
そしてまた自己紹介が開始される中、雅はジッと正面だけを向いていた。その目には、少しだけ喜色が浮かんでるように思えた。
短いです。
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11/16 修正・加筆