仮面ライダー×仮面ライダー ジェイナス×アルカナ NOVEL大戦Glorias 作:地水
運命を占い、告げる仮面ライダー・アルカナ。
共に戦う比翼連理の仮面ライダー・ジェイナス。
一方同じ頃、アルカナサイドは……。
とある日の事、夕日もとっくに落ちて、漆黒の空と星々が爛爛と輝いていた。
占い師である青年『御崎統人』は空を見上げながら呟いていた。
黒髪に金色の瞳を宿し、十人中十人が振り向くような整った顔立ちを夜空へと向けていた。
いま彼がいるのは、東京の近くに位置する綺麗な星空が見える展望台だった。
統人がなぜここにいるのか、それは"とある事を確認する"ためであった。
「さて、と、どうするべきかねぇ」
統人が行っている占いの一つである"占星術"は、太陽系内の太陽・月・惑星・小惑星などの天体の位置や動きなどと人間・社会のあり方を経験的に結びつけて占う手法である。
【星読み】とも言われているそれを十二星座や七つの天体に照らし合わせ、その結果を映し出す代物だ。
今現在、星読みをやっている統人なのだが……その顔は何処かいいものではなかった。
「……星の巡りが余りにもよくないな。まるで、『これから厄災が起きます』とでも言いたげな雰囲気だ」
統人のようなその道の人間にしか見えない『星の巡り』にも表す様に提示されるのは『厄災』。
それが何を意味するものなのか、統人自身にも把握は難しかった。
何が起きるかわからない未来を読み解くのも占い師の本業なのだか、ここまでハッキリするのはなかなか珍しいモノであった。
そんな中、統人のスマホから連絡を意味する着メロが鳴り響く。
通話を繋げると、相手はよく知った相手であった。
『統人!大変なの!街に、見慣れないが怪人が!』
「見慣れない怪人?分かった、すぐに向かうよ」
通話越しに伝わる真依の声に統人は一枚のカードを取り出す。
運命の輪のアルカナカードを取り出し、その効果を発動させた。
【The・WHEEL OF FORTUNE】
【Reverse・WHEEL OF FORTUNE】
「さてと、拝みに行きますか」
大型バイク・フォーチュンホイールダーを召喚した統人は座席に跨がり、エンジンを吹かしながら発進させた。
向かうは自身の知らない未知の怪人がいる渦中へ。
~~~~~
東京・とある街中の広場。
この世界の平和を脅かさんと未知の怪人達が進行していた。
一体は象の祖先とも言われている古代に生きたマンモスの姿をしたドラウ怪人。
そしてもう一体は水晶のような身体を持つ怪人。
2種類の怪人達は破壊活動を行っている。
人々は燃え盛る炎の中で逃げ惑い、そんな中一人の少女が未知の怪人達の様子を見ていた。
「なんなの、あの怪人達!?」
破壊された建物の物陰から覗くのは、一人のポニーテールの髪形をしている女子高生『星詠真依』。
統人に助けられて以来彼に付き添う彼女だが、今回は統人が単独行動をしていた所に怪人達と遭遇したのだ。
戦う力もない真依は身を隠して戦況を見守る事しかできないのである。
「統人……お願い、早く来て!」
何もできない自分を悔しがりながら、真依は願うように両手を合わせる。
迫る蟻と結晶の怪人達、徐々に逃げ場を失った人達を追い詰める様に取り囲んでいく。
一体の水晶の怪人が鋭く尖った突起物を構え、腰が抜けた男の子へと刃を向ける。
『………!』
「ヒィッ!?」
「危ない!」
咄嗟に出てきた真依が男の子の前に出てきて、彼を庇おうとする。
水晶の怪人は身を投げた真依になど無関心のまま、その刃を突き刺そうとした。
逃げ惑っていた誰もが凄惨な光景を目にしようと息を飲むその瞬間―――。
―――ブオォォォォォン!!
鳴り響いたバイクの轟音と共に、一陣の疾風が駆け巡った。
真依達を貫こうとした怪人をへ持ち上がった後輪による一撃をお見舞いし、そのまま怪人軍団の方へと飛ばす。
轢き飛ばされてきた結晶の怪人をマンモスのドラウ怪人が片腕で弾き、後方へ飛ばされて地面へと激突……そのまま大爆発が起きた。
一体何が起きたのか一般の人々は唖然とし、突如現れた乱入者はヘルメットのシールドパーツを上げ、覗かせる双眸を一同に向けてウィンクを送った。
「さぁ皆さん、今のうちにお逃げを。巡り巡った
乱入者――フォーチュンホイールダーに乗った統人の言葉と共に、先程バイクで蹴散らされてできた道から逃げていく人々。
なんとか立ち上がった男の子を母親らしき女性に託した真依が統人へと抱き着く。
「統人!」
「真依ちゃん、待っててくれてありがと。ともかくここは任せて」
「うん……」
安心からなのか目尻に涙を浮かべた真依にそう告げた統人は奇妙な魔法陣が描かれたバックル"タロットベルト"を腰に装着する。
さらにカードホルダーから取り出した
【The・Fool!】
「―――変身」
【Reverse・Fool!】
タロットベルトから放たれた等身大の光のカードが浮かび上がって目の前に展開、光のカードは統人の身体を変化させていく。
黒いボディに灰色の装甲と変わり、やがて変化を終えて現れたのは……金色の複眼を持った仮面の戦士。
『仮面ライダーアルカナ フールフォーム』の登場である。
「さてと、新参者には悪いけども、遠慮なく行かせてもらうよ!」
準備体操代わりの屈伸を少しやった後、アルカナはその身軽な動きでドラウ怪人達の方へと突っ込んでいった。
それを迎え撃つのはアルカナより二倍近く巨躯を誇るマンモスのドラウ怪人――マンモスドラウ。
彼は古風な喋り方で言葉を吐き出していく。
「ぬぅ、来たか。アルカナよ」
「いつもどうも! で、そちらの方々は一体誰?」
振り下ろされる剛腕を軽く避け、アルカナは質問する。
それに対してマンモスドラウは鼻で笑いながら答えた。
「フッ、あれこそは、異世界の怪人。鉱物の軍勢なり……その名も、ミネラリオン!」
――それは、異世界技術によってもたされてた"クリスタル"により誕生した無機質なる結晶の軍勢『ミネラリオン』。
今まで遭遇したことのない未知の怪人はマンモスドラウの号令と共に、迎え撃った。
「かかれー!!」
「あらよっと!ハァ! そらよっ!!」
マンモスドラウによる剛腕での接近戦、ミネラリオンの高い硬度を誇る身体を用いた腕の打撃。
どちらも巧みに回避しながら、アルカナはパンチやキックをお返しに繰り出した。
だが、マンモスドラウはともかくミネラリオンの方は大して聞いておらず、ミネラリオンの繰り出した結晶を飛ばす射撃攻撃をもらい、吹っ飛ばされる。
「いっててて、初見なんだからもうちっと手加減してくれれもいいのに……だったら、ちょいとで行くか」
痛がる仕草を見せながら、一枚のアルカナカードを取り出すアルカナ。
迫りくる新たなるカードをベルトを翳した。
【The・Hanged Man】
【Reverse・Hanged Man】
電子音声と共に周囲の虚空から放たれたのは、いくつものワイヤーロープ。
――ヤバい、と思ったのか危険な匂いをかぎ取ったマンモスドラウは力いっぱい地面を蹴り上げて離脱。
その直後、対峙しているミネラリオンの首や両手などを縛り上げて拘束していく。
やがて全てのミネㇻリオン軍団を捕縛した後、再びハングドマンのカードを翳した。
【Finalturn……Hanged Man】
「刑務執行、ハングドマンエグゼクター」
アルカナの言葉と共に、ハングドマンのワイヤーロープにより一斉に引き寄せられる
ぶつかり合うミネラリオン達……互いにぶつかり合った勢いと硬度に耐え切れず、そのまま爆発していく。
ハングドマンによる必殺技・ハングドマンエグゼクターにより未知の怪人達は蹴散らされていった。
その光景を見ていたマンモスドラウは悔しい声を上げる。
「ぐぅ、ミネㇻリオンが消えたか……このままでは済ますわけには」
「――退け、マンモスドラウ」
「そ、その声は!?」
突如聞こえてきた第三者の声にマンモスドラウは驚きの声を上げる。
一体何事か、アルカナが近くによってきた真依と共に確認すると、そこには異形の怪人が姿を現した。
その姿形を一言で言えば、翠のエメラルドを人の形にしたようなものだった。
美しく磨きあがった体を有するその怪人を登場にマンモスドラウは名前を口にした。
「エメラード殿、ココに出向くとは」
「一度目にしておきたかったのだ。現世の仮面ライダー、という存在をな」
エメラルドの怪人――『エメラード』はそう言うと、アルカナの方を見やる。
未知の存在である仮面ライダーを目にして、自身の目を少し細める。
一方、アルカナは突如現れたエメラードを見て、咄嗟に警戒する。
一目見ただけでただ者ではないと感じ取り、真依の前に出て構える。
「えっと、統人……?」
「真依ちゃん、隠れてて。アイツ強いかも」
不思議がる真依に対してアルカナは平静を装っていつもの声音で呟く。
だがしかし視線はエメラード達を外しておらずいつでも攻撃に出られるように身構えている。
大事な彼女を守りながら戦う……不利とも思えるこの状況の最中、エメラードは再び口を開いた。
「仮面ライダーアルカナ、ドラウ怪人を倒してきた勇者よ……お前は今、混沌とした戦いの運命に巻き込まれようとしている」
「なに……?」
「これから起こるは世界を超えた【不の連鎖】。この世界だけではない、他の世界をも巻き込んでいずれ多くの者達が不幸のまま消えていくだろう」
「世界を超えるって……一体なんのことだ!?」
「我はドラウ怪人と共にこの不の連鎖を増大させる。いずれ不幸の蜜を蓄えた時……その時は、相まみえようぞ」
そう言いながら、エメラードは頭上を切り裂き、その中にできた時空の裂け目というべき穴の中へと飛び去っていった。
残されたアルカナは自分に言い残した言葉の意味を考えているその時だった。
――自身の体が光り輝いていることに気付いたのは。
「あれっ、なにこれ!?」
「統人、それいったいどうしちゃったの!? なんか光って透けてるよ!?」
「うわっ、これどうなってるの!? というか、光強くなって……!!」
と、言いかけたその瞬間。
アルカナから光が発せられ、近くにいた真依ごとアルカナ自身も飲み込んでいく。
やがて光が収まるとそこには……。
アルカナーー統人の姿も、真依の姿も、何処にもなかった。