人から馬になってウマ娘になってた。   作:意地があんだよ男の子には!

3 / 13
いやぁ遅くなりました。申し訳ないです。時間が経つのが早くて早くて……(言い訳)
展開もちょっと強引な感じになっちゃいました……ほんとうに、申し訳ない()


平凡(?)な日常の終わり

813:人で馬でウマ娘

『ふっ……はっ……すぅっ……はっ……!!』

 

ザッザッザッ!!!

 

814:名無しの転生者

はっや

 

815:名無しの転生者

早朝暗い森林をこの速さで走破してるのハッキリ言ってバケモン。

 

816:名無しの転生者

イッチ怖……

 

817:名無しの転生者

名を残す名馬の生き写しやからか?いや本人やがな!!

 

818:名無しの転生者

ノリツッコミすな

 

819:名無しの転生者

にしてもこりゃはぇ……

 

820:名無しの転生者

年齢的に幼駒だよな?障害行ったら無双できるんとちゃう?

 

821:名無しの転生者

前世的に普通に高速馬場で活躍してたらしいんですがそれは……

 

822:名無しの転生者

というか今更やけど、ワイらイッチのこと全然詮索してねぇ

 

823:名無しの転生者

確かに

 

824:名無しの転生者

たし蟹

 

825:名無しの転生者

イッチー!前世教えてー!

 

826:人で馬でウマ娘

『…ふっ……っすぅ……はっ……!!』

やだ

 

827:名無しの転生者

 

828:名無しの転生者

拒否られてて芝生える

 

829:名無しの転生者

端的に言いよったコイツ……

 

830:名無しの転生者

何年生まれー?!

 

831:名無しの転生者

聞いても無駄やろ

 

832:名無しの転生者

今走ってるし落ち着いてからにせぇや

 

833:名無しの転生者

もし怪我したらどうするですか!!

 

834:人で馬でウマ娘

『あー……もうっ……81年っ……!!』

 

835:名無しの転生者

ウッス

 

836:名無しの転生者

スンマセンシタ

 

837:名無しの転生者

まぁやってる事集中力阻害だもんな。

 

838:名無しの転生者

数数えてる時に横からベラベラ話しかけてるようなもん

 

839:名無しの転生者

ワイなら怒鳴ってたわ

 

840:名無しの転生者

ちゃんと答えてくれるのめっさ優しい

 

841:人で馬でウマ娘

『もうすぐっ……よしっ、公道に出た。あとは道沿いに進むだけ』

 

842:名無しの転生者

てかなんで獣道みたいなとこ通ってるん?

 

843:人で馬でウマ娘

『なんでって……うーん。直線距離で最短だからとしか言えない』

 

844:名無しの転生者

ファ!?

 

845:名無しの転生者

真っ直ぐ森を突っきるってヤバい。

 

846:名無しの転生者

見た感じ……印とかないよな?

 

847:人で馬でウマ娘

毎日通ってたら分かるようになる。ほぼ毎日踏むから道が出来るし。別に最初は印とかつけて通ってたし

 

848:名無しの転生者

あ、なるほど

 

849:名無しの転生者

まぁそうやろな。

 

850:名無しの転生者

さすがやでほんま

 

851:名無しの転生者

あら、掲示板打ち込みにしたの?

 

852:名無しの転生者

そらおま……誰もいないところで喋るか?

 

853:名無しの転生者

あっ…(察し)

 

854:名無しの転生者

察しが遅い!

 

855:名無しの転生者

公道に出たから多少目配りも緩和されたやろうしな。

 

856:名無しの転生者

あの速さで行かなければ良かったと思ったんじゃ?(名推理)

 

857:名無しの転生者

勝負根性鍛えてんじゃね?

 

858:名無しの転生者

ウイポかよ

 

859:名無しの転生者

おっ街並みが見えてきたな。

 

860:名無しの転生者

この並び……北海道か?

 

861:名無しの転生者

まぁ畜産は北海道の十八番やろうし

 

862:名無しの転生者

ほえーやっぱ強い馬は北海道なんすね。

 

863:名無しの転生者

あったりまえやろがボケナス

 

864:名無しの転生者

暴言はNG

 

865:名無しの転生者

はいはい落ち着きましょうね〜

 

866:人で馬でウマ娘

『おはようございまーす』

 

『お、来たか黒ちゃん。今日も頼むよ』

 

『まっかせてくださいな。これも生きるためですし』

 

『う〜む、まだまだ子どもの黒ちゃんに言わせる言葉じゃないんだがなぁ。何時でも相談して良いんだよ?』

 

『まだまだ大丈夫ですって。若いですし、実質運動みたいなものですし』

 

『だがなぁ……大人として立つ瀬がないというか……って言っても聞かないよね〜。今日も元気にね』

 

『はーい。んじゃ、行ってきまーす!』

 

867:名無しの転生者

うーむ

 

868:名無しの転生者

ほんわかしてるけど結構な闇では?

 

869:名無しの転生者

80年代とか子どもの新聞配達とか普通にあったんとちゃうん?

 

870:名無しの転生者

それが現代でもあるのかい?

 

871:名無しの転生者

>>870

ほとんど無いっすねー……

 

872:名無しの転生者

とはいえイッチにしてみれば、日頃のルーティンなんだろうしワイらが気にしても意味無いな。

 

873:名無しの転生者

元気があって宜しい

 

874:名無しの転生者

これが元男で元牡馬ってマ?

 

875:名無しの転生者

ロリコンのワイから言わせてもらうと十分範囲でござる

 

876:名無しの転生者

キショ

 

877:名無しの転生者

>>875

お前の範囲広すぎない?

 

878:名無しの転生者

環境が酷いなりに頑張ってる少女をそんな目で見てるのは無いわ

 

879:名無しの転生者

正直に言えお前ら、実際どうなんだ

 

880:名無しの転生者

庇護欲の方が強い(辺境神父)

 

881:名無しの転生者

母性が吠えてる(5児の母妖狐)

 

882:名無しの転生者

>>879

俺はお前のネタに乗ってやる。兄として愛でたい。(戦争孤児)

 

883:名無しの転生者

芝生えた。最後で枯れたけど

 

884:名無しの転生者

ロリコンニキ味方が居なくてワロタ。戦災ニキはこのスレで癒されてもろて

 

885:名無しの転生者

>>882

テメェ!!まぁわかる。あと諦めんなよ。辛くなったら相談しろよな

 

886:名無しの転生者

結局守りたいこの笑顔なんよな

 

887:名無しの転生者

>>885

優しいロリコンニキ

 

888:名無しの転生者

>>855

やさしいせかい

 

889:名無しの転生者

やさいせいかつ

 

890:名無しの転生者

ここまでが天ぷら

 

891:名無しの転生者

ここまでがテンプレ

 

892:名無しの転生者

>>891

先に行かれてて芝

 

893:名無しの転生者

『ほいっ……ほいっ……よっとっ……!』

 

カタン!カタン!カタン!

 

894:名無しの転生者

手馴れてる……

 

895:名無しの転生者

これはベテラン

 

896:名無しの転生者

敷地内に入る以外で足止めてねぇ……

 

897:名無しの転生者

新聞配達の達人

 

898:名無しの転生者

>>897

嬉しくない称号やな

 

899:名無しの転生者

でも立派な社会人やで?

 

900:名無しの転生者

子どもが社会人になってええんか?

 

901:名無しの転生者

中身大人ですしおすし

 

902:名無しの転生者

この外見でやらせようと思えます?

 

903:名無しの転生者

>>902

まぁ……うん()

 

904:名無しの転生者

>>902

無いな

 

905:名無しの転生者

この時期の子どもは遊ぶべき。異世界でもない限りは特に

 

906:名無しの転生者

転生だからって人生ハードモードは御法度だろうがよぉ!!

 

907:名無しの転生者

人生はいつだってハードモード定期。多少の経験で覆るほど世の中甘くない。つまり子どもなら子どものやる事やればいい。

 

908:名無しの転生者

>>907

これ

 

909:名無しの転生者

ほんまに人生ってゴミやで

 

910:名無しの転生者

でも生きやすさを感じさせてくれる。

 

911:名無しの転生者

>>910

それが余計にタチが悪い

 

912:人で馬でウマ娘

『ふっ……はっ…………ん……来た』

 

913:名無しの転生者

来た?

 

914:名無しの転生者

何が

 

915:人で馬でウマ娘

ふっ……!!

ダンッ!!

 

916:名無しの転生者

ぬぉ

 

917:名無しの転生者

急に走った!

 

918:名無しの転生者

ってすぐに曲がった!

 

919:人で馬でウマ娘

『ふぅ……』

 

『ごめんねー!』

『ありがとなー!』

『頑張って〜!』

ビュオッ!!!

 

『はーい頑張りますよー!』

 

920:名無しの転生者

うぉお

 

921:名無しの転生者

現役かな?

 

922:名無しの転生者

北海道といえばホッカイドウ競馬

 

923:名無しの転生者

道営では?

 

924:名無しの転生者

流石に近代化されてるやろ

 

925:名無しの転生者

クラシックは古いままとか?

 

926:名無しの転生者

>>925

えぇ何それ嫌だ

 

927:名無しの転生者

まぁそこはおいおいオグリがやってくれるやろ

 

928:名無しの転生者

ところでホッカイドウ競馬といえば?

 

929:名無しの転生者

2歳馬に力を入れてるよね

 

930:名無しの転生者

つまり?

 

931:名無しの転生者

ここで会う子達がもしかすると中央でバッチバチにやり合う可能性があるってことや

 

932:名無しの転生者

>>931

でもイッチ欧州行くんでしょ?

 

933:名無しの転生者

 

934:名無しの転生者

あぁ……

 

935:名無しの転生者

 

936:名無しの転生者

……

 

937:名無しの転生者

ワイら忘れすぎやろ

 

938:名無しの転生者

日常が濃すぎて忘れるんや

 

939:名無しの転生者

>>938

それな

 

940:名無しの転生者

まぁそういうことで……許して♡

 

941:名無しの転生者

ゆるし亭ゆるして

 

942:名無しの転生者

許さないよ☆

 

943:人で馬でウマ娘

よぉし終わり!閉廷!ということでカバンを返してきます

 

944:名無しの転生者

 

945:名無しの転生者

 

946:名無しの転生者

乙カレー

 

947:名無しの転生者

カツカレー

 

948:名無しの転生者

お疲れ様

 

949:名無しの転生者

なんか平和なスレだな

 

950:名無しの転生者

イッチが純粋にお利口さんだからな

 

951:名無しの転生者

無難にキレる様な発言してないし

 

952:名無しの転生者

見守りたい感じがする

 

953:名無しの転生者

外見が良い

 

954:名無しの転生者

育った姿を想像するだけで飯が進む

 

955:名無しの転生者

>>954

また別の変態が来たよ

 

956:名無しの転生者

これ晒せニキじゃね?

 

957:名無しの転生者

写真撮れニキかも

 

958:名無しの転生者

無名で変態発言はキモイ

 

959:人で馬でウマ娘

変態発言になんとも思わなくなったんだ

 

960:名無しの転生者

>>959

やだイッチ、そこまで行っちゃいけない。戻ってこい(真顔)

 

961:名無しの転生者

>>960

でもな?イッチは前世ほぼ裸体で晒されてるんやで?

 

962:名無しの転生者

それとこれとじゃベクトルが違うでしょうが!!

 

963:名無しの転生者

こりゃ価値観も矯正しないといけない気がする……

 

964:名無しの転生者

多分前世も最初は恥じらいあったんやろな。拗れてる

 

965:名無しの転生者

>>959

でも、男性には見せたくはないやろ?

 

966:人で馬でウマ娘

そりゃまぁ…………何やってくるかわからんし……そこら辺の恥じらいはある。今世の身体の理性的にもね

 

967:名無しの転生者

それなら安心か

 

968:名無しの転生者

ちな同年代の男子には?

 

969:人で馬でウマ娘

>>968

流石に年齢的に中学上がるから避けたい

 

970:名無しの転生者

同年代に対する羞恥心もありっと

 

971:名無しの転生者

……だいぶまともでは?

 

972:名無しの転生者

もしかして同類のワイらには見せても大丈夫と思ってる?

 

973:名無しの転生者

あー下手に手も出されないしな

 

974:名無しの転生者

そういう系のスレ建てで写真公開されるくらいか

 

975:名無しの転生者

とはいえ露出してる!!ってくらいの露出はしてない。

 

976:名無しの転生者

俺が見えっ見えってしてたやつも実際に見ると全然隠れてるし

 

977:名無しの転生者

>>976

あれお前かよ。過剰反応しすぎな?

 

978:名無しの転生者

>>978

主張中で久しぶりの女っ気だったからつい……

 

979:名無しの転生者

禁欲でもしてんのか

 

980:名無しの転生者

えぇ....(困惑)

 

981:名無しの転生者

あ、転生者同士の結婚とかしてる?

 

982:名無しの転生者

>>981

ご名答ゥ!!!!

 

983:名無しの転生者

あ、束縛系か

 

984:名無しの転生者

やっぱそういう系の人って嗅ぎ分けられるのか……

 

985:名無しの転生者

でも実際美人なんでしょ

 

986:名無しの転生者

>>985

グゥレイトォ!!自慢の妻です。どうしてこうなった

 

987:名無しの転生者

>>986

それ絶対自分しか見てないと思わせるような行為したんでしょ

 

988:名無しの転生者

>>987

あー、かもしれん

 

989:人で馬でウマ娘

なんか良いな……

 

990:名無しの転生者

そやな

 

991:名無しの転生者

イッチとかそういう出会い無かったん?

 

992:名無しの転生者

苦労してたし難しいんとちゃう?

 

993:人で馬でウマ娘

所詮は繁殖目的。終わったらすぐに移動だし。そういう色恋発展はなかったな

 

994:名無しの転生者

あー……うん……そんな暇なかったなごめん

 

995:名無しの転生者

そろそろ終わるで

 

996:名無しの転生者

とりま次回の貼っとくわ

https://tnsisrdd.srddsksi/OjaeipWmBoe5h7Ch

 

997:名無しの転生者

あざす

 

998:名無しの転生者

1000ならイッチが幸せな人生を

 

999:名無しの転生者

1000ならイッチにお似合いな子を

 

1000:名無しの転生者

1000なら欧州三冠

 

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「起きた?おはよう」

 

「うん。おはよう」

 

慣れない場所、慣れない状況だったのか、私が起きた頃には既に日が顔を出し切っていた。

彼女はいつも通りな感じで朝食を作っており、寝室から出てきた私を明るく迎えてくれた。何故か、いつもは家族に向ける挨拶だが、彼女に向けて言ったときとはまた違う感覚……とても嬉しくなるような感覚だった。

 

「朝食なんだけど、ちょっと少なめにしたんだ。ルナってそこまで多く食べれる!って感じじゃないかなって」

 

「あ、うん。そこまで多くは食べないかな……」

 

「昨日は加減が分からなくてレシピの1人分作ったんだけど、多いって言われたから、量には気をつけてみたんだ」

 

なんとも、彼女は何処まで優しいんだ。はぁ……私は果報者だ。この出会いをさせてくれた三女神に感謝しなければ。

 

「食べよう?」

 

「う、うん。いただきます」

 

「いただきます」

 

 

 

 

 

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫だよ……!」

 

「でも走るのは危険だよ?」

 

「君は走ってるじゃないか!!」

 

「それは普段から慣れてるからで……」

 

「走れるってぅわッ!!?」

 

「ほら危ないっ!!」

 

転びかけたとき、抱き寄せられて正直ドキリとした。あと彼女の良い匂いがしたのは覚えている。短編的な日記に書いてもある。

 

 

 

「こんなにも……広いんだ」

 

「走っていたら忘れちゃうよね。歩くのと走るのとじゃ全く違う……」

 

「……あ、少しだけど電波が通った」

 

「ならもうすぐだね」

 

「お父様達は心配してるだろうな……」

 

「全くだ。樹海じゃなくとも森林は怖いところって学んだね」

 

「うん。気をつけるよ」

 

「あれ?案外お利口さん?」

 

「う、うるさい!ちゃんと……怖いって思ったから」

 

「あー……ごめんね?」

 

「うん……」

 

この時に私は彼女と手を繋いでいた。手を繋いでいた。大事だから2回言った。それだけだ。

畑仕事をしていたはずなのに柔らかく、包み込まれる感触を一生懸命に書きなぐっていた。

もう会えないからなんて思って書いていたと覚えてる。

 

 

暫くどころか、1週間と経たないうちに再会するとは当時は思っていなかったよ。

 

 

 

 


 

 

 

 

「お父様!お母様!……ただいま……戻りました……!!」

 

「ルナ!」

 

「ルナ……貴女って子は……無事で良かった……本当に」

 

「ごめんなさい……!」

 

「反省しているならば良い……!」

 

「そうね……何時もなら意地を張って反省の色もみせないもの……耳が垂れる程に反省しているなら私も安心よ……」

 

「ゥ……それも……ごめんなさい」

 

ルナの両親がルナを抱き締めている。ものすごく心配していたのだろう、抱き締める腕は少し震えている。

 

「良かった良かった。これで一件落着と」

 

黒松が1人安堵している中、後ろからあの家族とは別に1人のウマ娘が寄ってくる。

 

「君がルナを助けてくれたのかい?」

「ぶわァ!!?!?」

 

耳元で囁かれたのもあるが、完全に気が抜けていたからか、いきなり声を掛けられた黒松のあらゆる毛がピンッと逆立つ。

 

「ふっ……ふふ、ゴメンね……ふふっ」

 

「いきなり脅かすような事して!!?その上笑うんですか!!?」

 

「いや、あまりにもいい反応をするから……ふふっ……」

 

「えーひっどい……」

 

逆立った影響でボサボサになった髪や尻尾等を整えながら黒松は反応する。

 

「ごめんね。君は、ここら辺に住んでいるのかい?」

 

「あ、はい。黒松って言います」

 

「黒松……か。私はスピードシンボリ。聞き覚えはあるだろうか」

 

「スピードシンボリ…ってあー!!本物だ!!?」

 

「今気づいたのかい?まぁ知っているようだし良いか。ルナの両親に変わって礼を。ありがとう。彼女は私達にとって家宝みたいなものなんだ。手が掛かるけどね」

 

「あーわかります。少しの間でしたけど意地っ張りで負けず嫌いなところありますよね。素直な所は素直なんですけど」

 

「あっははは!……まさか短い期間でそこまでとはね…ふふ、どうやら相当懐かれてるようだね。あの子は初対面の他人の言うことを素直に聞く子じゃないからね」

 

笑いながらも、黒松に興味を抱くスピードシンボリ。

 

「だいたいの人はそうだと思いますよ」

 

「君は違うんじゃないかな?」

 

「そうですか?」

 

「最初の印象はそうとしか言えないね」

 

「ふむふむ……まぁズケズケと入ることはしませんけど」

 

「ここに居るのはズケズケと入るってことじゃないのかい?」

 

「ルナが手を離さなかったので」

 

「ほぅ?」

 

先の一言にまたも興味を引かれる。あの暴君、百獣の王、ライオン丸などと言われて親戚の同年代に恐れられているあのルナが、ましてや他人にそのようなことをするのが信じられなかった。

 

「『まだ離したくない』って言われたんですから、離す気が起きませんでした」

 

「君も、離したくなかったのかな?」

 

「さぁ……どうでしょう」

 

含みのある発言にスピードシンボリはルナにも友人が出来たかと大いに喜んだ。

 

「もしかすると、ルナは君が「スー姉さん?」とてもお気に入りなのかもしれない。仲良くしてあげて欲しい」

 

「あ、はい。……どうしたのルナ?」

 

「い、いや…………なんでもないよ……」

 

「ふふっ」

 

「スー姉さん!笑わないでよ!」

 

「わかっているさ……でもルナがこんなにも惚気けているからね。人のことは言えないが、いざ見守る側になるとニヤケてしまうのさ」

 

その言葉でルナの羞恥心は限界に達した。心情開示された恥ずかしさから声を荒らげる。

 

「!!っ__()()()()は黙ってて!!」

 

「す、スーさん……!?」ガビーン

 

「あははは……大変ですね」

 

原因の1つは苦労の筈なのだが、当の本人は他人事のように呟くのであった。

 

 

 

 

 

 

黒松やルナ一家と別れたスピードシンボリは、ある人物に連絡を取る。

 

「もしもし。先輩、お久しぶりです」

 

『久しぶり。君が私にかけてくるなんて珍しいね。関わりなんてほとんど無かったのに』

 

「今でも日本競走じゃ越えるべき目標ですよ?それに、有馬の際はご教授ありがとうございました。海外後に戻すのは大変でしたから」

 

『その頃はもう引退していたからね。引退後の人気はそこまでなかったから余裕があったし。そう思うと、今の子は大変だ』

 

「そうですね……本題に入らせてもらいます。先輩の親戚に『黒松』と呼ばれている子はいますか?」

 

『!何処でその名前を……?』

 

「本人が来ました」

 

『……なるほど、あの子はそこに居たんだね。てっきり北から出たとばかり』

 

「失礼も承知の上で、私の正直な感想です。あんな場所で腐らせておく人材ではありません。あの立ち姿、あまりにもポテンシャルがある。将来はルナとしのぎを削れるどころか、あの子ならば私の_」

 

スーちゃん

 

「_!!はい……」

 

『想いを託すのは良いけれど……それはもう押付けじゃないかな?一他人の君が、一方的にあの子に重石を載せるのはどうかと思うよ?』

 

「……先輩は想いを託すことがない人だから言えるんですよ。ですが、先輩の言う通りです。未だに過去は振り切れませんね……」

 

『立派だよスーちゃんは。海外展開を考えて支部を設立してる時点で偉業だよ。未だに越えろだの言われてる私は後進育成程度だもの』

 

「先輩そのものが生ける伝説、神バ、最強の戦士とまで言われた存在です。皆さん慎重なんですよ」

 

『それはそれでありがた迷惑というか……とりあえず話を戻そうか。スーちゃん的には最低レースには出て欲しいってことだよね』

 

「はい、強要する訳にはいけないのですが……とてつもない逸材です。このままにしておくのは将来のURAの損害にも繋がります」

 

『なるほどね……って、かくいう私もあの子には走って欲しいと思っているんだよね』

 

「!ならば」

 

『私に少し任せて欲しい。たぶん何となくで存在はわかってくれると思うから』

 

「手配はしておきます。私も傍に」

 

『熱心だね』

 

「可愛い姪も寂しがっていますので」

 

『それは……うーん、あの子も罪深いね』

 

「全くですよ。まるで昔の自分のようで……」

 

『君の場合はまた違うんじゃ?』

 

「すぐ手配します。準備しておいて下さい」

 

『あ、あれ?スーちゃん…?』

 

じ ゅ ん び 良いですね?」

 

『あ、はい…』

 

 

 

 

「…………何故だろうね。あの子から彼女の面影があるのは……」

 

 

 

 

 

 

 

ルナを送り帰した晩、前日の約束通りに、療養中のウマ娘から夕食を振る舞われる黒松。

 

「はふ……はふっ、…ふあっつ……!!?」

 

「熱いって言ったでしょうに……ふふっ」

 

熱そうに口を動かしながら食べる黒松に、思わず笑ってしまう。彼女からすれば、妹のようなものである。

 

「ふは……はふ……うん、おいひいふぇふ。……鍋なんて久しぶりです」

 

「そう?それなら作ったかいもあるって事よ。良かったわ」

 

「ありがとうございます……何か差し入れでもするべきでした……少し浮かれてましたね……」

 

「そこは浮かれてなさいよ。あんたの為に用意したんだから、もっと喜びなさいな」

 

「ヤッター!…はふっ…むぐっ……」

 

「大袈裟ね……まぁ、喜ばないよりマシよね。有難く受け取っておくわ」

 

満足気に頬張る黒松の頭を撫でながら笑みを浮かべる。撫でる度に耳がピコピコと動くため、比例して撫で方も探りを入れていく。

 

「んん…はふ……もぐ…んん…お姉さんくすぐったいですよー」

 

「あー癒されるわー……養子に来て欲しいくらい」

 

「食費バカになりませんよ?」

 

「それくらいどうにかしてみせるわ」

 

「あ、これマジなやつだ……」

 

ピーンポーン

 

真面目な声色と顔に若干恐れをなす黒松。そんな中、突然インターホンが鳴る。

 

「ん?お客さんですか?」

 

「んー……心当たりはないんだけど、待ってて」

 

「はい」

 

 

 

 

「はーい、どなたでしょう……か」

 

「夜遅くに申し訳ありませんが、お宅に黒松さんはいらっしゃいますか?」

 

扉を開けると伝説がいた。彼女はそう思うしか無かった。伝説のウマ娘が今目の前に佇んでいるのだ、当然固まる。

 

「あの?」

 

「____」

 

「お、おーい?」

 

「__ハッ!!?頭が止まっていた」

 

「それ大丈夫なの……?」

 

あまりの反応にそのウマ娘が心配する。自身の存在の大きさに気づいていないのかそれとも超がつくマイペースなのか。

 

「って嘘、なんでこんなところにって生まれは北海道か」

 

「あ、うんそうだね。えっと、話を戻しても大丈夫?」

 

「あ、はい大丈夫です。……黒ちゃんですか……今夕食中なんですけど……」

 

「あ、それなら待ってますから食事が終わるまで「えっと……食べていきます?」あ、良いんですか?」

 

「それなりにありますし」

 

「悪くないならいただきます。食べてないので!」

 

「おぉぅ案外ノリがいい」

 

 

 

「ということで」

 

「どうも、黒松さん。ちゃんとした面識は初めてだね」

 

「え、なんで……なんで…?」

 

 

 

 

 

(なんでここにシンザン(親父)が?)

 

 

 

 




黒松の外見
黒鹿毛(根が黒、先が焦茶)の髪に赤眼。普段から髪をポニーテールにまとめている。横髪までは結わない。基本的に汚れる為ジャージを愛用している。決してお洒落が面倒くさいという訳では無いとのこと。

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