アタシの名前は松本乱菊。突然だけど前世の記憶がある。前世では死神として戦っていた。
でもアタシが生まれ変わったこの世界には死神はいないらしい。その代わりと言ってはなんだけど、ヒーローがいるみたい。
ほとんどの人が『個性』と呼ばれる不思議な力を持っている。当然アタシにも個性があるらしい。
個性があると分かった時は興奮したわ! どんな個性なんだろうとわくわくして期待していたら、まさかの『灰』だった……
灰か~、これって前世の斬魄刀と関係があるのかしら?灰猫の能力が個性になった?そう考えていろいろと試してみる。
斬魄刀がないけどどこから灰が出るのかと思ったら、手や手首ら辺から自由に出すことができた。ただ出せる量はかなり少ないし、灰猫みたいに自由自在に操作するのは難しい。
かなりエネルギーを使ってしまってばててしまう。灰に触れたところを切断することも一応はできた。
ただ威力がねぇ? 今のところ役に立たなそう。これはかなり鍛えがいがありそうね!
斬魄刀の能力があるということは、鬼道なんかも使えるのかと思ったけど、うんともすんとも言わないから諦めましょう。できることからチャレンジするのが大事よ!
なんとなく前世の感覚で鍛えようとしているけど、戦闘力を上げてどうしようかしら?両親は何となくヒーローになって欲しそうにしてて、個性が分かるまではかなり期待してそうだったから、それに応えてあげたい気持ちはある。
やっぱりヒーローを目指すべきかしら。ヒーローになればたくさん稼げてお酒もたくさん飲めそうだし。どうせヒーローになるならヒーロー育成の最高峰、雄英を目指しますか!
◇◇◇
個性の訓練をしながら時がたって雄英高校実技試験の当日。アタシは遅刻しそうになり焦っていた。なんとかギリギリ間に合った。ちょうどこれから入試の説明が始まるところだった。やっぱアタシってついてるわね!
そんなこんなでプレゼントマイクの説明を聞いていく。要はロボットの仮想
説明が終わった後、実際の会場まで移動した。そこでスタートの合図を待っていると、横にとても緊張した様子の受験生がいた。
「とっても緊張しているみたいだけど、大丈夫?」
「緊張するに決まってるよ…… でも大丈夫。緊張して失敗するなんてロックじゃないからね。あんたは?」
「アタシ? アタシは緊張なんてしないわ。こう見えても修羅場をくぐり抜けてきたからね」
「へー。確かに緊張してるようには見えないね。ところで背高いし大人っぽいけどホントに同級生?」
「秘密♡と言いたいところだけど正真正銘同級生よ。私昔から発育いい方なのよね」
そう私が言うと彼女は恨みがましい目でこちらを見る。あら? 喧嘩売っちゃったかしら? そんなことを考えていた時だった。
『スタートー!!』
始まったと考えるよりも早く体が動く。そして走りながら両手の袖から勢いよく灰を出す。見つけた仮想敵にすぐさま灰をぶち当てる。当てただけでは大したダメージにはならないだろう。
しかし前世の灰猫をイメージして訓練を積んだ結果、灰猫のようなことが私の個性でも可能になった。
灰が仮想敵に触れている部分を意識して、腕を振る。そうすると灰が降りかかった場所を切断することができる。よし! 上手くいった! こうして最初の仮想敵を撃破した。
その後も見つけたそばから仮想敵を次々に撃破していく。たまに仮想敵に襲われてどうにもならなそうな受験生を助けたりもした。
そうしていくうちに、段々と仮想敵の数が少なくなっていっているし、アタシ自身のスタミナも減ってきた。
このまま終わりかな? そう考えていた時、ビルが崩れるようなけたたましい音が響いた。思わず音の方向を見ると、とんでもない大きさの仮想敵がいた。
これは流石にアタシの手に余るわね。撤退、撤退!逃げる途中で、恐怖で動けなくなった受験生を避難させる。そんなことをしているうちに気付けば試験が終わていた。