転生松本乱菊のヒーローアカデミア   作:カワニ

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プール

 期末試験が終わってもうすぐ夏休みというある日の休み時間。A組女子は集まって話していた。

 

「夏休みの間、長期の外出を控えろ⁉」

「学校側からの要請だって」

「残念ですわ。両親とベネチアに旅行に行く予定でしたのに……」

「ブルジョアや!」

「あーあ、せっかくおニューの水着買ったのに……」

「アタシも水着新調したのになー」

「しかたないよ。ウチらは一度(ヴィラン)連合に襲われてるし」

「それでも遊びたい、どっか行きたい~!」

「だったら夏休み、学校のプールに集まらない?」

「そうね、学校のプールだったら先生も許可してくれると思うわ」

「いいね、お金もかかんないし」

「家に閉じ籠ってるよりマシか……」

「学校のプールって使わせてもらえるのかしら?」

「でしたら、私が学校側に許可をもらってきますわ」

「ありがとう、百!」

 

 

 そんなわけで夏休みのある日、学校のプールに泳ぎにやってきた。でも許可は日光浴で取ったらしい。流石は百、それならなにやってても大丈夫ね。

 学校に集合してから更衣室に行く。

 

「せっかくのおニューの水着着たかったなー」

「仕方ないですわ。学校のプールですから学校指定の水着でないと」

「アタシとしてはもっとかわいいデザインならなーって思ったわね。これかわいくないのよねー」

「私はお金かからないから学校のでよかったな」

「ウチはなんでもいいよ。むしろ私物の水着は恥ずいし……」

「もー、響香ったら恥ずかしがっちゃって!響香も足綺麗なんだから足出しなさいよ、足」

「クソッ!この発育の暴力たちが憎い!」

「ケロッ、響香ちゃん、あなたにはあなたの良さがあるわ」

 

 ホント響香ってばかわいいわね。もっと自信もっていいのに。

 

 水着に着替えてプールサイドに出ると、クラスの男子たちが集まっていた。男子もプールにくるなんて言ってたっけ?

 そこにいた天哉と焦凍に声を掛ける。

 

「天哉、焦凍、なんでここにいるの?」

「松本くん!我々は緑谷くんたちからの提案で体力強化をすることになったんだ!」

「よう松本。緑谷に連絡されてな。お前らもか?」

 

 出久がプールで体力強化?なんか意外な気がするけど……

 

「そう……出久がプールで体力強化だなんて意外ね。アタシたちは透の提案でプールで遊ぼうと思って。例のショッピングモールの件で外出ができなくなったじゃない?だからみんなで集まることになったの」

 

「なるほど!遊びながら連携やチームワークを鍛えるということだな!素晴らしい、どうして俺は考えつかなかったんだ……」

「いや、そんな考えなわけねーだろ……普通に遊びに来たんだと思うぞ」

「そうよ。天哉は考えすぎなのよ。……ところで二人ともいい体してるわね」

 

 喋りながらも二人の体に目を向けると鍛えられた立派な体をしている。いい筋肉だわ~。

 

「これでもヒーロー志望として鍛錬は欠かしていないからな!それに俺の個性は体への負担も激しいから筋肉がなければ」

「いい体?俺は単純に親父に鍛えさせられただけだ」

「へー、アタシも鍛えてるんだけどあんまり筋肉付かないのよね~。体質なのかしら?ほら見て!あんまり筋肉付かないの」

 

 そう言ってアタシは水着を引き延ばして体の線を強調する。

 

「松本くん!公の場でそういうことはしちゃダメだ!」

「おい、もっと周りの視線に気をつけろよ。峰田とかいたらどうすんだ」

「それもそうね。じゃあ人のいない時にね♡ そうだ!今度お勧めのトレーニングとか筋トレとか教えてよ」

「もちろんだとも!」

「ああ。親父にも女子向けのトレーニングとか聞いとく」

「ありがとう。お願いね!」

 

 話している最中に声がかかる。

 

「松本さん、そろそろ準備体操をいたしましょう!」

「はーい、今いくわ!じゃあ二人とも体力強化頑張ってね!」

 

 というわけでプールサイドで準備体操をする。その最中、気持悪い声を上げながらプールサイドに入ってくる人影が見える。

 

「「いざ行かん、俺たちの楽園へ~」」

「遅かったじゃないか」

「おいおいおい、何でお前らがここにいんだよ⁉」

「プールで体力強化するからみんなも一緒にどうってメールしておいたんだ!」

「そういうことか、真面目かよ緑谷」

「落ち着け上鳴、ここに水着姿の女子がいるのは間違いねえ」

「この目に焼き付けるぜ」

「新しく買った水着を!」

 

 そういって上鳴と峰田はこちらに目を向けた。だが残念ながらアタシたちは学校指定の水着で新しく買った水着なんて着ていない。

 ここまでの言動でだいたい今回の男子たちが来た流れが分かった。天哉に二人が女子の水着目当てだとチクっておく。

 

「何だよその水着は……ビキニ着ろよ、ビキニ」

「スク水も、ええですな~」

「何でもいいんじゃねえか!」

「上鳴くん!峰田くん!」

「「うっ」」

「学校内で体力強化とは見事な提案だと思ったが、女子の水着目当てだったとは……だがしかし!こうなっては皆と一緒に汗を流そうじゃないか!ハハハ!」

 

 そして天哉の笑い声と、上鳴と峰田の叫び声が聞こえてくる。いい気味ね!

 

 体力強化のために泳ぎまくっている男子たちを尻目に、女子はビーチボールで遊ぶ。こんな風に遊ぶのは中学校以来かしら?

 普段は忙しくてなかなか遊ぶ時間がないから新鮮で楽しい。でもちょっとはしゃぎ過ぎて疲れてきた。

 ちょうど男子も休憩にするようなので一緒に休むことにした。

 天哉が差し入れのオレンジジュースを持ってきてくれたのでありがたくいただく。

 ここで男子たちは50メートルを誰が一番早く泳げるか競うことにしたらしい。女子はお手伝いだ。

 

 いざ始まるとカオスだった……個性ありとはいえ、何人か泳がないで飛んだり滑ったりしていた。速くて泳いでたのは出久くらい?

 アタシとしては見てて面白かったからいいけどね。いざ最終レースというとこで時間が来て相澤先生に止められてしまった。

 

 

 結構遊んだからか、女子更衣室ではみんなお疲れ気味だった。

 

「いや~楽しかったわね。たまには遊ぶだけってのも悪くないわ」

「そうですわね。今度は私のお家のプールにいらっしゃいませんか?そこなら男性の視線を気にする必要ございませんし!」

「百ちゃんの家、プールあるの!やっぱりブルジョアや!」

「いいね!せっかく水着買ったのに着る機会なかったら勿体ないし!あっでも林間合宿でも着れるかな?」

「どうだろうね?林間合宿の行き先が不明だからね」

「私は水があるところの方が嬉しいわ。ケロッ」

「もう~みんな真面目なんだから。すぐ勉強関連の話になるわね」

「でも仕方なくない?ウチら今大事な時期だし(ヴィラン)の脅威もあるし……」

「でもでも、そんなに張り切ってると疲れちゃうわよ。もっと気を楽にしていきましょ」

「そうですわね。期末試験で考えすぎるのも良くないと実感いたしましたし」

「じゃあさー、今日の男子たちの体で誰が良かったか話し合おうー!」

「えー、やだよ……」

「じゃあアタシから、天哉に一票!」

「ノリノリね、乱菊ちゃん」

「これ全員言う流れなの?」

「無理や!無理や!恥ずかしい!」

「じゃあ私は……」

 

 そんな風に大騒ぎしていると、いつまで経っても更衣室から出てこない女子に業を煮やして相澤先生がミッドナイトを寄越してきて今日は解散になった。

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