クリスマスも終わり、焦凍と付き合うようことになったけど特に変わりなく過ごしている。付き合うってこれでいいのかしら?
大晦日は実家にもヒーローの護衛付きで帰れたし今年も頑張らなきゃね。
新年になってインターンが始まる。エンデヴァーが駅まで迎えに来てくれるというので、アタシと焦凍と出久と爆豪で向かう。
「ようこそエンデヴァーの下へ……なんて気分ではないな。焦凍の頼みだから渋々許可したが!焦凍だけに来て欲しかった!あぁ松本も構わんが」
爽やかな顔してたかと思いきやいつもの厳めしい顔に戻った。あんな風に笑えばいいのに。もっと人気出そう。でもそこがいいと言う根強いファンには受けなさそうだから難しいわね。
「許可したなら文句言うなよ」
「しょっ、焦凍!」
それに対し苦言を呈する焦凍に狼狽えるナンバー1。
「補講の時から思ってたが、キチィな」
「焦凍、本当にこの子と仲良しなのか⁉」
そう言えば爆豪は仮免の補講で会ったことあったんだっけ?なんか焦凍が言ってた気がするけど忘れてた。というか受け入れてもらうのに失礼よね。
「まァトップの現場見れンなら何でもいいけどよ」
「友人は選べと言った筈だ!」
「許可して頂きありがとうございます。学ばせてもらいます」
爆豪は大人になってから苦労しそう。出久は礼儀がちゃんとしてるのに幼馴染でどうして差が付いたのかしら?
「またお世話になります。よろしくお願いしますね」
アタシも礼儀として挨拶する。
「あぁ。お前には色々と恩があるしな」
エンデヴァーがそこで走り出す。
「申し訳ないが焦凍以外に構うつもりはない。学びたいなら後ろで見ていろ!」
エンデヴァーはそう言うがアタシたちはすぐに一部装備を取り出して付いて行く。アタシも刀の柄だけ取り出す。
「指示お願いします!」
「後ろで!見ていろ!」
出久に対しそう返事をするエンデヴァー。そのままスピードが上がる。アタシも灰雲に乗りついて行くが結構ギリギリだ。そしてそのままヴィランの所に突撃していった。
ヴィランの逃げた先に別のヴィランが待ち構えているのが分かったからそっちを潰そうとしたら、羽の生えたヒーローに先を越された。
「あれ⁉ああ!インターンか!ごめん、俺の方がちょっと速かった」
「ホークス⁉」
へぇ、あれがホークス。速すぎる男と言われるだけの速さね。
「エンデヴァーさんがピンチかと思って」
「この俺がピンチに見えたか」
「見えたよねぇ、焦凍くん」
「来る時は連絡を寄越せ」
「いやマジフラッと寄っただけなんで」
意外と二人の相性いいのかしら?エンデヴァーとまともに話せるのは貴重ね。威圧感あって怖いからね、あの人。
その後警察が来てエンデヴァーはヴィランを引き渡したり他のヒーローに引き継ぎしたりしている。
「緑谷と言います!」
「指破壊する子」
出久のことは体育祭で見て覚えていたようだ。
「それにそっちは灰を操る子」
「アタシのことも知ってるんですね」
「そりゃ勿論。君みたいな美人さん、その容姿だと記憶に残るしね」
なんとも答え辛い事言うわね。アタシも見た目がいいのは自覚してるけど。それに何か焦凍の機嫌が悪くなってるし……
「で⁉何用だ、ホークス!」
エンデヴァーがホークスに尋ねると、ホークスは異能解放戦線という本を勧め始めた。あの本が何なのだろう?
「読んどいて下さいね」
「ナンバー2が推す本……!僕も読んでみよう。あの速さの秘訣が隠されているかも……」
出久がそんなことを言うもんだから、出久だけでなくアタシたちにまで本が渡される。布教用らしい。
「マーカー部分だけでも目通した方がいいですよ。“2番目”のオススメです。5人とも、インターン頑張ってくださいね」
そう言ってホークスは飛び立っていった。
「若いのに見えてるもんが違うんだよなあ……まだ22だよ」
「6歳しか変わんねえのか」
「6年後にナンバー2になってる自分は想像つかないわね」
アタシは別にそうなりたいとは思ってないけど。気楽にヒーローやってる方が似合ってるかも。
「ムカつくな……」
「ああ……そうだな」
それからエンデヴァー事務所に移動した。そこではサイドキックのバーニンたちが出迎えてくれた。
「松本さんは久しぶり!それで爆豪くんと焦凍くんは初めてのインターンってことでいいね?」
この事務所について改めて説明してくれる。アタシも前回のインターンで同じ説明を受けた。
「そんじゃあ早く仕事に取り掛かりましょうや。あのヘラ鳥に手柄ぶん奪られてイラついてんだ」
「ヘラ鳥ってホークス⁉」
「ねぇ、この言葉使いなんとかしないとアタシたちも問題児扱いされない?」
同じように見られるのは嫌だわ。
「威勢がいいのは認める。エンデヴァーの指示を待ってな!」
「100件以上捌くんだろ、何してんだよ」
「かっちゃんもうやめて、ヤバい」
「幼馴染だからってわけじゃないけど、こいつの面倒は頼むわね」
「ハッハッハッハ、いい加減にしろよ、オマエ!」
いい加減誰かに怒られてくれないかしら。それにアタシの彼氏は何も言わないし何考えてんのかな?
「まーしかしショートくんだけ所望してたわけだし、多分三人は私たちと行動って感じね!松本さんは前回みたいなもんだと思ってもらえると分かりやすいかも」
バーニンがアタシたちはサイドキックにつくことになりそうだと言う。まぁそれはそうよね。
「ナンバー1の仕事を直接見れるっつーから来たんだが!」
「見れるよ、落ち着いてかっちゃん!」
「でも思ってたのと違うよな。俺から言ってみる」
焦凍が久しぶりに口を開いたかと思えば直談判するようだ。そこでエンデヴァーの部屋の扉が開く。
「ショート、デク、バクゴー、灰猫、4人は俺が見る。俺がお前たちを育ててやる。だがその前に貴様ら3人のことを教えろ。今貴様ら抱えている課題、出来るようになりたいことを言え」
出久、爆豪と自分の課題を話す。出久は何言ってるのかアタシの頭ではわからないし、爆豪は挑発的だしで言いづらいわね。
「で、お前は?」
「アタシは個性伸ばしで規模を大きくすることは出来るんですけど、コントロールが悪くなるんですよね。それと今はこの刀をメインで使うようになっているのでその扱いもですね。大怪我させないように調整するとどうしても時間がかかるので」
「なるほど。体育祭からだいぶ戦闘スタイルが変化しているな。以前のインターンの内容もバーニンからも聞いてはいる。では早速……」
アタシがそう課題を説明しエンデヴァーが動き出そうとする。
「俺も、いいか」
「ショートは赫灼の習得だろう!」
焦凍も何か言いたいことがあるようだ。エンデヴァーは赫灼を習得しに来たと思っているけども。
「ガキの頃お前に叩き込まれた個性の使い方を右側で実践してきた。振り返ってみればしょうもねぇ……お前への嫌がらせで頭がいっぱいだった。雄英に入って、こいつらと……皆と過ごして競う中で……目が覚めた。
エンデヴァー、結局俺はお前の思い通りに動いている。けど覚えとけ、俺が憧れたのは……お母さんと二人で観たテレビの中のあの人だ。俺はヒーローのヒヨっ子としてヒーローに足る人間になるために俺の意思でここに来た。俺がお前を利用しに来たんだ。都合良くて悪ィなナンバー1。友達の前でああいう親子面はやめてくれ」
焦凍はそう決意の籠ったように言った。それを聞いてエンデヴァーも思うところがありそうだ。ここは少しフォローしておこう。
「ああ……」
「アンタの思いは否定しないけど、ならここでは親子関係を使っちゃダメよ?出久と爆豪を受け入れてくれたのだって息子の頼みだからっていうのが大きそうだし、さっきも直談判する気だったでしょ?プロヒーローとインターン生としての関係ならね。それにエンデヴァーは親バカなんだからあんまり厳しいことは言わないの。こんな顔して意外とセンシティブだし」
アタシがそう言うと焦凍も少し気まずそう。アタシも彼氏に厳しい事を言いたくないけど、必要なことは言わせてもらう。
「親バカは余計だがわかった。ヒーローとしてお前たちを見る」
「この冬の間に一回でも俺より速くヴィランを退治して見せろ」と言われインターンが始まった。いざ始まるとエンデヴァーの解決速度は想像以上だった。
「当て逃げ犯確保」
「一足遅かったな」
アタシを先頭に確保現場に到着するインターン生。爆豪が意外と遅いと思ったら冬は準備に時間が掛かるらしい。
その後、すぐに歩行者を轢きそうな車を発見し止めるなどエンデヴァーの視野の広さとスピードは凄い。でもアタシも歩行者側に灰塵壁だしてたけどね。
「ほう、灰猫は俺とほぼ同時か。バーニンが太鼓判を押すだけのことはあるようだ」
焦凍と爆豪は同じ課題を出されていた。出久も無意識での個性の使用を出来るようにとのことだ。で、アタシは?
「お前はスピードもあるし、個性も無意識で使えているようだ。だからとにかく経験を積め。そうすれば微細なコントロールも身についてくる」
というわけでエンデヴァーより速くヴィランを退治できるようにならなきゃね。
そんな風にエンデヴァーについて行って一週間が過ぎた。アタシたちは事務所にある宿泊設備に泊っている。今日も朝からパトロールに出発するのでコスチュームに着替えた。
「おはよー、どうだい進捗は!」
「朝からでけー声出すなぁ!」
「おはようございます、バーニン!」
「おはようございます。アタシ朝弱いので眠いです」
バーニンは朝から元気だった。爆豪を煽る有様だし。
そこに焦凍もやって来る。インターンが始まってからもあんまり話せてないのよね。
「昨日は惜しかった。昨日の感覚を大事にしていこう。今日こそエンデヴァーを追い越すぞ。おはようございます、バーニン」
「惜しかったのは俺だバァアアカ!てめーは足遅ェんだよ、よって俺が上!」
「点での放出ってのが慣れねェ」
「もっとキュッとやってピューって感じよ。激しく行くならビューね」
焦凍が苦労してそうなので教えてあげる。アタシの灰塵の太刀は灰を凝縮して維持するから似ている。
「キュッ?ピュー?ビュー?」
「そんなんでわかるわけねえだろ!舐めてんのか金髪!」
せっかく教えようとしてるのに失礼ね。
その後パトロールがスタートする。エンデヴァー、今日はいつも以上に力んでいるわね。何かあったのかしら?今日はアタシも付いて行くのがやっとだ。
「行くぞ!!」
「おお!」
「ああ」
「はい!」
「ええ」
というわけで連れて来られたのはエンデヴァーの自宅、焦凍の家だった。いきなり恋人の実家に連れて来られるのは心臓に悪いのだけど。手土産もないし。
「何でだ!!」
「姉さんが飯食べに来いって」
「何でだ!!」
「友達を紹介して欲しいって」
「今からでも言ってこい!やっぱ友達じゃなったってよ!」
「かっちゃん……」
「いい加減にしなさいよ。人様のお家にお邪魔するんだから」
玄関を入ると冬美さんが出迎えてくれる。
「忙しい中来てくださってありがとうございます。初めまして焦凍がお世話になっております。姉の冬美です!乱菊ちゃんは久しぶりだね。突然ごめんねえ、今日は私のわがまま聞いてもらっちゃって」
「何でだ……」
「嬉しいです!友達の家に呼ばれるなんてレアですから!あれ?久しぶりって松本さん、お姉さんと会ったことあるの?」
「え?そりゃだって焦凍のかの……」
「期末試験!期末試験の勉強会で来たことあるのよ。冬美さん、手土産もなしにすみません」
とりあえず誤魔化す。出久はまだしも爆豪の前でバレるとうるさそうだし。ところで友達の家がレアって出久、アンタ……
「いいのよ手土産なんて。乱菊ちゃんたちが来てくれただけで嬉しいわ!」
「夏兄も来てるんだ」
「家族で焦凍たちの話聞きたくて」
その後始まった夕食だけどどこか空気が重い。
「食べられないものあったら無理しないでね」
「どれも滅茶苦茶美味しいです!」
そこから出久の味の分析が始まる。流石に怖いわ……
「そらそうだよ。お手伝いさんが腰やっちゃって引退してからずっと姉ちゃんが作って来たんだから」
初めて会う焦凍のお兄さんの夏雄さんがそう言う。
「なるほど」
「夏くんも作ってくれたじゃん、かわりばんこで」
「え⁉じゃあ俺も食べてた⁉」
「あーどうだろ俺のは味濃かったから……エンデヴァーが止めてたかもな」
夏雄さんの言葉に場がさらに重くなる。
「焦凍は学校でどんなの食べてるの?」
「学食で「気づきもしなかった今度……」」
「ムッ……」
エンデヴァー、空気呼んでよね……
「席には着いたよ、もういいだろ」
「夏!」
「ごめん姉ちゃん、やっぱり無理だ……」
そう言って夏雄さんは席を立って部屋を出た。
「はぁ~、せっかく家族で焦凍のお友達と彼女さんをお招きできたのになぁ……」
あ、まずい。
「はぁ?友達でもねえが彼女?」
「彼女って……え、まさか松本さん?」
バレちゃった。まぁいいか。峰田とかにバレるよりマシだし、わざわざ広めるようなことはしない二人だし。
「あれ?知らないってことは、秘密にしてた⁉ごめんなさい、私てっきり知ってるものと……」
「いいですよ、遅かれ早かれ気づかれるとは思っていたので。むしろ自分から言うより明かしやすいです」
「俺はこいつらが乱菊に惚れるかもしれないからちょうど良かった」
アンタはどうしてそういうことを言うのかしらね?
「惚れるわけねえだろ、死ね!」
「ま、ままま、まさか二人が交際しているとは……!え、えっとおめでとう!じょ、女子を名前呼び……」
爆豪はともかく出久は祝福してくれてる。恋愛話に耐性が無さそうだけど。
「焦凍、どうして冬美には言って俺には言わない?」
「お前に言うわけないだろ」
空気が重くなるから喧嘩しないで欲しい。
「エンデヴァー、いえここでは焦凍のお父さん、報告が遅れてすみません。息子さんとお付き合いさせて頂いております」
「やめろ、わざわざそんなこと言う必要ない。親父はどうでもいい」
「そんなわけにいかないでしょ、仲悪かろうがアンタのお父さんなんだから」
いくら仲が悪かろうと恨んでいようと、彼氏の実家に来たからには常識的に挨拶するしかない。
「驚きはしたが別に反対はしない。好きにしなさい」
「お前の許可なんていらない」
「こらっ。ありがとうございます」
エンデヴァーから特に何も言われなくて安心した。今のエンデヴァーなら反対するとは思っていなかったけど。
「それで焦凍は学校ではどんな感じ?仲いい子はいるの?」
冬美さんは切り替えたのか明るく焦凍のことを聞き始めた。この人は本当に家族というものが憧れなんだろうな。アタシはそう思いながらいっぱい焦凍のことを語ってあげる。何しろ体育祭辺りからほとんど一緒だからね。
夕食が終わり、食器類を片付ける。エンデヴァーが洗い物をしており二人きりだ。あの話をするには今しかない。
「エンデヴァー。荼毘の、燈矢さんのことですが……」
「あれはお前の責任ではない。むしろ早く分かって良かった。この事実は俺の口から世間に明かすべきで、お前は襲われて自衛しただけだ。そして俺はようやく過去を省みることができた。焦凍もお前に対しては心を開いているように見える。感謝している、ありがとう」
そう言ってエンデヴァーは頭を下げた。
「頭を上げてください。最初は何て人だと思ってましたけど、ヒーローとしてのあなたの姿に嘘はないと知っていますから。どういう結末になるかは分かりませんけど、解決できるようアタシも協力しますから何かあれば言って下さい」
「ああ、ありがとう。ちょっと待て、最初はそんな風に思ってたのか?」
余計なことまで言っちゃった。
「過ぎたことです。忘れてください」
「どうりで最初と今とで態度が違うと思ったら……まぁ俺もあの時はお前を利用する気だったから人のことは言えんか」
「そうですよ。あのアンケートとかホテルとかドン引きですよ」
その後もエンデヴァーと皿を洗いながらしばらく話した。そして結構遅くなってきたし帰る時間になった。冬美さんが玄関先まで見送ってくれる。
「美味しかったです。今度はアタシも手伝いますね」
「ごちそうさまでした!」
「四川麻婆のレシピ教えろや」
「俺のラインに送ってもらうよ」
「皆、今日は来てくれてありがとう!乱菊ちゃんもまた来てね!」
帰りの車内で、エンデヴァーから週末以外にも平日にも働いてくれと言われる。インターンはいいんだけど、勉強がまずい……また補習と焦凍に教えてもらわないといけないわ。
とそこで車の進路上に誰かがいるのが見える。
「夏兄!」
焦凍が夏雄さんがヴィランに捕らわれているのに気が付く。あのヴィラン、エンデヴァーの家族だから狙った?エンデヴァーはいち早くヴィランに相対し、アタシたちも車から出る。
トランクからコスチュームのケースが射出される。それを受け取った出久がアタシたちに投げて寄越した。
「夏雄兄さん!」
「インターン生……俺の死を、仕切り直すぞ、エンデヴァー!」
エンデヴァーがそのまま捕縛すると思ったら動きが止まっている。アタシは考える間もなく体が動く。
「俺の希望の炎よ!息子一人の命じゃあ、まだヒーローやれちゃうみたいだな!」
ヴィランはそのまま道路の白線を操って車を上に弾く飛ばし、夏雄さんを走るタクシーの前に移動させるが、アタシは灰によってその途中で白線を切り裂く。
あとついでに周りに被害がいかないように大量の灰で周辺を囲っておく。これで関係ない人を巻き込むことはないはず。夏雄さんは爆豪が回収して、車は出久が、ヴィランは焦凍が対応して一件落着だ。
でもここからが修羅場だった。夏雄さんはどうしてもエンデヴァーを許せないらしい。そしてエンデヴァーもし夏雄さんを助けて自分に何も言えなくなってしまったらと考えたらしい。
あんまり思わないようにしていたけど、この家族めんどくさいわよね。これからもすんなり解決とはいかないんだろうな……
警察が到着し、ヴィランが引き渡される。
「ありがとう、えっと……ヒーロー名……」
「ああ?」
「バクゴーだよね」
「……違え」
「え⁉決めたの⁉教えて!」
「言わねーよ!テメーにはぜってー教えねぇくたばれ!」
夏雄さんが爆豪にお礼を言っているのを横目に見ていると、またも爆豪がキレている。
「俺はいいか?」
「だめだ、テメーもくたばれ!先に教える奴いんだよ!」
「アタシもダメなの?」
「そろそろ黙れ!色ボケ女!」
色ボケって……彼氏作っただけなのに。でも雄英の生徒で恋人いる人見たことないわね。もしやアタシ色ボケてる?
ふと周りを見ると人が集まっており、焦凍にキャーキャー言っている女性たちが見える。
「ねぇアレ……ショートくんじゃない?」
「ヤバい……カッコいい」
まぁ仕方ないわよね、カッコいいから。でもアタシが彼女なんだけどな…………これって嫉妬かしら?いや、そんなはずはない。アタシが嫉妬なんて……
ちょっと不満に思っているだけなんだと思っていたら、焦凍が手をつないできた。
「どうかしたか?寒いし冷やさないようにした方がいい」
「どうもしないわよ。焦凍は人気だなーって思っただけ」
「俺は嫉妬してる。ほら見ろよ」
焦凍が言った方を見ると男性が多くこちらを見ている。
「やっぱ色っぽいよなー」
「胸がすごい……」
「しかも強くて刀……いいな!」
たしかにアタシのことを見ている人も多そうだ。
「だからアピールすることにする」
そう言って焦凍はアタシを正面から抱きしめる。ちょっと流石にそれはまずいわ、人目が多いし……
「こうすればお前に声かけてくるような奴はいねえだろ」
「はぁ……しょうがないわね。甘えん坊だこと」
仕方がないからされるがままになる。突き放せないアタシもアタシね。
「わわわ……!やっぱり本当に恋人なんだ……!」
「ケッ!二人そろって色ボケやがって!」
何か外野がうるさいがエンデヴァーが声を掛けてくるまでこのままだった。しばらく二人っきりの時間がなかったからその反動かしら?
その後、遅くなったけどエンデヴァーに雄英まで送ってもらった。今日は色々と疲れたわね。