戦闘訓練の次の日、登校すると正門前がマスコミで埋め尽くされていた。オールマイトが雄英の
教師に就任した件について生徒に聞いて回っているみたい。時間ギリギリだからさっさと通り抜けたいのだけど……
「オールマイトの教師就任についてどう思ってます?ってあなた本当に学生?随分大人っぽいけど……」
なんか失礼な記者ね。こういうのは無視に限るわね。
そのまま歩いて行こうとすると記者に付きまとわれる。面倒だと思っていると、
「ちょっと無視しないで「生徒に迷惑かけないで下さい」よ……」
そこに相澤先生が来て助けてくれた。
「オールマイトは今日非番です。授業の妨げになるんでお引き取り下さい」
先生と一緒に門をくぐると、さっきの記者が追いかけてくる。しかしセキュリティが反応し記者の侵入を防ぐ。へーー。雄英の防犯システムってすごいのね。いくら掛かってるんだろう。
「先生、さっきはありがとう。助かったわ!」
「敬語使え、松本。あともうすぐホームルーム始まるぞ」
「先生と私の仲なのに……」
「どんな仲だ。とにかくさっさと行け」
「はーい。わかりました、相澤先生」
返事をして教室まで急いだ。
※※※
「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった」
へー。ちゃんと担任の相澤先生がチェックするんだ。全員分見るのは大変そう。そして爆豪と緑谷が昨日の訓練の件で注意を受ける。よくわからないけれどあの二人は何か因縁でもあるのかしら?昨日の戦闘は私怨丸出しって感じだったけど。
相澤先生の話が続く。
「さてホームルームの本題だ。急で悪いが今日は君らに……学級委員長を決めてもらう」
先生がそう言った途端みんなやりたいと騒ぎ出す。アタシとしてはやりたいとはあんまり思わないのよね。書類仕事とかあったら面倒くさくてサボっちゃいそうだし……というか副隊長のときですらサボってたし……
結局は飯田の提案で投票で決めることになった。アタシは誰に入れようかしら?昨日の講評で存在感があった百?それとも真面目そうな飯田?うーん……どちらにしようか悩むな…… でもやっぱりここは真面目そうな飯田にしておこうかな。見た目的にも学級委員長っぽいし!
投票結果は緑谷三票、百が二票、他多数が一票となっていた。
「一票!!誰が入れてくれたんだ……?」
「他に入れたのね……」
飯田は感動しているがみんな引き気味だ。
「アタシが入れたわ!」
「松本君⁉どうして君が……?」
「だってクラスで一番真面目そうだったんだもん!眼鏡だし」
「ありがとう!!松本君!!でも眼鏡は余計じゃないか⁉」
「もういいか?じゃあ委員長は緑谷、副委員長は八百万だ」
うーん……百はともかく緑谷か。何か意外ね。アタシは飯田がぴったりだと思うんだけどなー。
※※※
お昼の時間になった。今日お昼を一緒に食べるのは響香と切島と上鳴だ。響香と食べようとしたら、何故か一緒についてきた。お昼は弁当を持ってくる子もいるが、アタシは食堂で食べている。一人暮らしに昼ご飯まで作るのは無理だ。これからもランチラッシュの美味しい食事のお世話になろう。
「ねえ。そういえばなんでさっきの委員長の投票で飯田に入れたの?」
一緒に食事をしていた響香にそう尋ねられる。ここは正直に答える。
「飯田って真面目そうじゃない?ちゃんとサボらずに仕事してくれると思ったのよ。あと自分に入れるのは嫌だったし。それに委員長なんてキャラじゃないわ。」
「それは納得。でも私もやりたかったな~」
なんか響香がいじけている。
「たしかに松本は委員長ってキャラじゃないよな!!」
切島にディスられてる……
「見た目ギャルっぽいしな」
上鳴にも言われる。
「でも上鳴も見た目チャラいけどね」
響香はフォローしてくれてるのかな?ギャルっぽいほうを否定してもいいのよ?
「まぁあんた達に入れることは考えてなかったわね。あんまり頭いいイメージなかったし」
「「「ですよね……」」」
そんな会話を楽しみながら食事をしていると、突如警報が鳴りだす。
『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外に避難して下さい』
突如食堂中がパニックに陥る。
「やべえじゃん!!俺らも早く避難しようぜ!!」
「待ちなさい!そんな慌てても仕方ないでしょ。状況をよく見て。こんなに出入口が混雑していると出るに出れないわよ。いったん待ちましょう」
「うっ。そうだな松本。悪い。焦っちまった……」
「いいのよ。まだ子供なんだから」
「いやお前も同い年だろ……」
今のところ混乱は収まりそうもない。どうしようかと悩んでいると、
「皆さん、大丈ー夫!!ただのマスコミです!なにもパニックになることはありません。ここは雄英!最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう!!」
壁にへばり付いた飯田のおかげで混乱は収まった。
※※※
「委員長はやっぱり飯田君がいいと思います!あんな風にかっこよくまとめられるんだ。僕は飯田君がやるのが正しいと思うよ」
騒動の後、他の委員決めの際に突如緑谷がそんなことを言い出す。アタシとしては元々飯田推しだったからいいけど百がちょっとかわいそうだな。
「あ!いいんじゃね!飯田、食堂で超活躍してたし!!緑谷でも別にいいけどさ!
「非常口の標識みてえになってたよな!」
そろそろ口を挟んだ方が良さそう。
「飯田に委員長を譲るのに反対なわけじゃなくてむしろ賛成なんだけどさ。流石に百がちょっとかわいそうだと思うんだけど……」
アタシがそう言うと緑谷は慌てる。
「八百万さんごめん!!えっとじゃあ……」
結局、百と飯田でじゃんけんして勝ったほうが委員長をやることになった。が、飯田が勝って晴れて委員長に就任することになった。