雄英での新生活にも慣れつつあったある水曜日。
「今日のヒーロー基礎学だが……俺とオールマイト、そしてもう一人の3人体制でみることになった」
「ハーイ!何するんですか⁉」
「災害水難なんでもござれ、レスキュー訓練だ!」
レスキューかー。前世では戦闘一辺倒だったからいまいち感覚が分からないのよね。個性の使い方にも工夫が必要そうだし。
「響香、レスキュー訓練自信ある?」
隣の席の響香に訊いてみる。
「うーん……ウチの個性なら要救助者を探すのには役立てそうだけどその後がね」
「確かにあんたの個性は救助向きかも。緑谷はどう?自信ある?」
振り向いて後ろの席の緑谷に訊いてみる。まだあんまり喋ったことないから話しかけてみた。前の席の爆豪はなれ合う気なさそうだしね。
「まっ、まっ、松本さん⁉えっと、えっとあんまり自信はないけど、最高のヒーローに近付く為の訓練だからね、気合入ってるよ」
緑谷って女性と話すのに慣れてないのかしら?いくらなんでもてんぱり過ぎて面白い。この子、いじり甲斐がありそう。
「おい、まだ途中」
あらら、怒られちゃった。相澤先生の話は続き、今回はコスチュームを着なくてもいいらしい。学校内でバス移動ってここってどんだけ広いのよ……
バスに乗る前に飯田が仕切りだしたが思っていた座席のタイプと違い、空回りに終わった。
「こういうタイプだった!くそう!!」
「ドンマイ飯田!いい仕切りだったよっ!ウフフッ!」
やっぱり飯田は面白い。この子もいじり甲斐がありそう。
「私思ったことなんでも言っちゃうの、緑谷ちゃん」
「あ⁉ハイ⁉蛙吹さん‼」
「梅雨ちゃんと呼んで。あなたの個性オールマイトに似てる」
「そそそそそうかな⁉いやでも僕はそのえー」
ん?この話題でこんなに焦るって不思議ね。なにかオールマイトと個人的な関係でもあるのかしら?
「待てよ、梅雨ちゃん。オールマイトは怪我しねえぞ。似て非なるアレだぜ」
切島が即座に否定し、クラスメイトの個性の話が始まる。雄英の合格するだけあってみんないい個性持ってるわよね。
「緑谷の言うように切島の個性も十分強いと思うわよ。切島が壁になってアタシが後ろから攻撃。相性も良さそう」
「切島と松本の相性がいいだと⁉オイラは認めねーぞ!!」
なんか峰田がぶち切れてる。峰田の個性もけっこう有能なんだけど性格がね……
「派手で強えつったらやっぱ轟と爆豪だな」
「轟、褒められてるわよ~。ご感想は?」
「興味ない」
この子はなんだか放っておけない感覚になる。よく見ておかないと遠くに行ってしまいそうな、そんな感覚。ヒーローとしては優等生なんだけど、周りに興味なしで心を開いてない。この本心を隠してそうな感じ、前世のある人と被る。やんなっちゃうわね。
そんなことを考えているうちに、ヒーローの人気の話になる。爆豪がいじられて切れてる。しょうがないよ。爆豪の性格はクソだもんね。人気といえばやっぱり容姿よね。アタシ、容姿には自信があるわ。
「人気出そうなのはやっぱ轟と八百万、松本あたりか?」
「でも松本は男受けは良さそうだけど、女受け悪そう」
「たしかに」
はあ⁉女受けが悪いですって?死神たちには慕われてたんですけど⁉失礼しちゃうわね~あとで上鳴は処そう。
「でも見た目にそぐわず、意外と姉御肌なんだよなー」
切島がフォローしてくれる。いい子ね切島。あとでご褒美上げようかしら?
「もう着くぞ。いい加減にしとけよ……」
「「「「「ハイ!!」」」」」
訓練施設に到着した。USJみたいだと思ったらホントにUSJだったらしい。説明してくれたのはスペースヒーロー、13号。オールマイトもいるって聞いてたけど、どこかしら?
13号が個性の使い道についての演説をする。アタシ自身も戦闘以外の使い方を学ばなければ。そう意気込んでいると、何者かの気配を感じる。
「ん?なにかしら?」
「一かたまりになって動くな!!13号!!生徒を守れ!」
相澤先生が叫んだ。
「何だアリャ⁉また入試ン時みたいなもう始まってんぞパターン?」
「動くな!!あれは
「
侵入者用センサーも反応せず、隔離空間に少人数が入る時間を狙った犯行。用意周到に計画されている。
「13号避難開始!学校に連絡試せ!センサーの対策も頭にある
「先生は⁉一人で戦うんですか⁉あの数じゃいくら個性を消すって言っても!!イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は……」
「一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号!任せたぞ」
相澤先生は
とその時、行く手に黒い靄をまとった
「初めまして。我々は
オールマイト狙いか。正直オールマイトならどんな
「本来ならばここにいらっしゃるはず……ですが何か変更あったのでしょうか?まあそれとは関係なく……私の役目はこれ」
そこに爆豪と切島が飛び出し、攻撃する。うかつに攻撃しちゃダメでしょうが!
「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか⁉」
「危ない危ない……そう……生徒といえど優秀な金の卵」
「ダメだどきなさい、二人とも!」
黒の靄がこちらに向かってくるが避けれそうにない。相手の個性はワープ系。こちらを移動させてくるはず。バラバラにされないように近くにいた二人を掴む。
靄を抜けると地面があった。空中とかじゃなくて良かった……咄嗟に掴んだ二人は轟と透だった。周囲の状況を確認すると、多分ここは土砂ゾーン。
「二人とも無事?」
「ああ」
「大丈夫だよ!乱菊ちゃん!」
「なら良かった。でもこれを何とかしないとね」
そう。アタシたちは
「俺一人で問題ねえ」
そういうと轟はあたりにいた
「ちょっと待ちなさいよ!
「オールマイトを殺すってもんを止めに行く。お前らは来なくていい」
「考えがあるのなら止めはしないけど、オールマイトを倒すやつに勝算あるの?あんたが行くのならアタシも行くわ」
ホントほっとけない人。
「いや、別に来なくてもいいんだが……」
「もっと人を頼りなさいよ!もう!」
「え?本当に行くの?流石に危なくない?」
個性と同じく影が薄かった透が不安そうにしている。だが轟が止まりそうもないのでみんなで行くことに。
相澤先生が戦っていたはずの場所に到着するが、そこではオールマイトと大型の異形
オールマイトが来てくれたのはよかった。ただ異形相手に苦戦していそう。そこに轟や爆豪など戦闘力自慢の生徒が加勢する。うん。アタシは必要なさそう。ああいうゴリゴリ近接の相手には相性も悪いし。透を連れてさっさと避難しましょう。
「透。アタシたちはいても邪魔だから離れるわよ」
「うん。そうだね、乱菊ちゃん」
ワープで飛ばされなかったクラスメイト達と合流する。するとオールマイトはあの異形を吹っ飛ばしていた。流石オールマイト。ナンバーワンはだてじゃないわね。残るは主犯と黒い靄の男。しかしこの二人も雄英教師のプロヒーローが到着してから撤退していった。
相澤先生の負傷はだいぶ重いらしい。命に別状なかったのは幸いだったかしら?なぜだか緑谷も怪我しているし……あの子もなかなか問題児よね。
なかなかな緊急事態だったけどほとんど何もせずに終わっちゃった。これでよかったのかしら?他のみんなは一人で戦ってたり、協力して