瑪瑙「あら、私のカードは集めてくれないの?」
…残り一種類残して他全種類集まったの瑪瑙さんだけです。
カランカラン——
心地いい音を立ててベルが響く。
やっぱり内装は古めかしい。
それでも綺麗な絨毯やソファ……そして、何やら考え込んでいる紫の髪の女の子がいた。
「あのー、すいませーん」
声をかけながらカウンターに近づくと、
「あ、お客様!って、見事なエビフライ頭だぁ!」
「エビフライ?俺の頭が?そんなわけないでしょうに」
「ちょっと待ってくださいねぇ……これ、手鏡です!」
「手鏡渡されたって俺は普通の……
……ほんとにエビフライだ……」
「にしてもしっかりエビフライですね」
「エビフライじゃダメなんすか?」
「いや、ダメとは言ってませんけど、久々にソースベッタリで食べたいなと」
いや、エビフライにはレモンだろ……。
「で、ここって何処なんですか?」
「あぁ!忘れてました。説明します!」
「ここは黄昏ホテル。あの世とこの世の狭間に存在するホテルでございます」
……は?
「そしてお客様は、生きてるのか死んでるのかも分からない、定かじゃない魂なのです!」
……は?
「いやいや、誰が信じるんですか?
そもそも俺、道に迷っただけで……そっか、これ夢ですか!」
「夢じゃないんですよ!」
「塚原さーん、瑪瑙さんが忘れ物を渡しといてって……
あ、お客様でしたか。失礼致しました」
「カル〇ファーだ!!!」
「違いますよ!そんな某駿さんスタジオとは関わりなんてございません!」
違ったか。
「それよりお客様、チェックインは……なされましたか?」
「いえ、そもそもお金もありませんし……
そこの従業員さんが、あの世だこの世だ言い出して困ってるんです!」
「全て事実でございます。考えてもみてください。
頭の燃えてる男が、現実の世界におりますか?」
「そりゃ……いませんけど」
「そういうことです」
なるほど……。
「でも俺、さっき言った通り無一文ですよ?」
「宿泊費はいただいておりません」
「なら……泊まります。
一晩野宿ってのも嫌なので……なんか砂多いし」
「では、サインを」
サイン……何を書けばいいのだろうか。
いや、常識的に考えて名前だろう。でも、その名前が……。
「もしかして名前ですか?それなら構いませんよ」
「え?」
「ここに来られるお客様は、お名前を思い出せない方も少なくありません」
そんなものなのか……。
「さて塚原さん、お客様をお部屋にご案内して」
「はい!では、改めまして塚原音子です!それではこちらへ」
あれよあれよとチェックインしてしまったけど……
なんだか高そうなホテルだし、楽しんでみるか!
音子ちゃんと支配人の口調、上手く作れてますかね?