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ーー 慈愛の戒禁を受けた番外席次は前の戦闘も加味して気を失ってしまい、とどめを刺すつもりであったエスタロッサは入口から入ってきた存在を見続けながら渋そうな顔をしている。 ーー
ーー それもそのはず、入口から入って来た存在は
エスタロッサが良い顔をしないのも頷ける。
巫女姫もまさか味方だと思っていたクレマンティーヌが自分の護衛を殺したのは流石に驚いてるようだ口をパクパクさせている。 ーー
『やり過ぎだ』
「何故です?」
ーー エスタロッサの言葉にやや食い気味なクレマンティーヌは悪びれる所か可愛らしく首を横にコテンと倒している。まるで自分は悪くないですよ言わんばかりだ。
しかしクレマンティーヌの考えてる事は至って単純で目撃者を消す事だ。エスタロッサとの時間を奪われたくないんだろう、若干気に食わない女が2名いるようだが。 ーー
「今後の貴方との時間を邪魔されたくないんです、だから殺しました。ダメでしたでしょうか?」
『殺さなくても気絶で良かったろ』
「万全を期すを自訓としてますので」
『まぁ…これ以上は言っても意味が無いがな』
「その通りですよエスタロッサ様…じゃあそこの女二人をこちらにください」
ーー クレマンティーヌは血濡れの手を巫女姫と番外席次に向ける、まるで早くその2人をこちらに寄越せと言わんばかりにだ。
エスタロッサ自身は やっぱり? って顔をしておりクレマンティーヌの意図を読んだらしい、渡したくないように2人を背に隠すが番外席次に関しては伸び代がありそうなので守ると言った感じだろうか。
守るような仕草をしたエスタロッサの反応を見てクレマンティーヌの
「なにを…しているんですか?」
『……まぁ落ち着けって、な?』
「私は今とても落ち着いています」
『ほらあれだよ、いつもみたいに笑えよ!』
「笑え?」
『笑ってる方がもっと綺麗になるんだからよ』
「……貴方は何時もそうやって人の心を掻き乱すんですか?」
『もしかしてクレマンマン生理?』
「何食わぬ顔をしていつもいつも……どうせ貴方の後ろで震えてる
ーー クレマンティーヌの酷い物言いに、巫女姫の顔は水鉄砲を食らった顔をしている。
猫を被っていた 慈愛に満ちた聖女しか知らない彼女からしたら驚きだろうが本来のクレマンティーヌは口が悪い、それに他人なんて心底どうでもいいと思っており、エスタロッサ以外は家畜程度にしか見ていないのだ。 ーー
「私がどんな思いで貴方の隣に居たのか分からないんでしょう…貴方がそこらの雌豚と話してるのも、その雌豚と酒を飲みに行ってるのも…ずっっと我慢してました。」
『いつも笑ってたろ』
「笑って
『……』
「貴方からは伸びる細い糸を掴むので手一杯……隣に立つ事だってまだまだなのに…その糸は勝手に何処へでも行ってしまう……」
『俺は好きな事をしたいんだ、何ものにも縛られたくねぇ』
「そう…ですか……」
『お前も自由に生きた方がいいぜ?』
ーー エスタロッサの言葉を最後にクレマンティーヌは顔を下に向けたまま手を引っ込めるとククリナイフを力強く握る。
エスタロッサは身構えない、ただクレマンティーヌを見据えるていた。
例え番外席次と天と地の差を持つクレマンティーヌだろうと、エスタロッサには遠く及ばないのだ、軽くあしらって頭を冷やさせようという魂胆だろう。
少したちゆっくりと顔をあげたクレマンティーヌのその目は血走り血涙を流していた。 ーー
「貴方の存在自体が私を 縛 っていると言うのに、自分は縛られたくない? そんなズルいことさせる訳ねぇだろ…アンタの糸が勝手に何処かへ行ってしまうのなら…私の糸を無理やり縛り付けて何処へも行けないようにしてやるよ」
『…oh』
「私に会ったあの時から私は貴方の物だしアンタは私の物なんだ!貴方の為ならなんだってしてあげられる…私の体も力も何もかも全て捧げられる!こんなに愛してるのはこの世界を探しても私だけ、いや違う…あなたを愛していいのは私だけなんだ…だから貴方も私だけを愛するべきなんだ…」
『…my』
「全てを捧げる私を拒絶してそれでも後ろの雌豚を選び離れるって言うんなら貴方を殺して私も死ぬ」
『…god』
(この子やばーい、付き合っても無いのにこれは押忍過ぎなんですけどぉ、アルフィアや女帝とはまた違うタイプなんですけどぉ…てか情緒が不安定過ぎるだろこの子、口調とか混じってるし呼び名とかもちょくちょく変わるんだけど支離滅裂すぎるんだけど!どうすればいいのか分からないんだけど!)
ーー エスタロッサが心の中で焦り散らかしているその時、突如としてクレマンティーヌが嘔吐きはじめる。
エスタロッサも何が起きたのか分からないのか心配そうにしている、因みにこれはクレマンティーヌの体にかかった負担から来たものだ。
なんの負担?そんなの全てを捧げるとまで豪語して愛してる男の近くに毛嫌いする雌豚がいたら発狂を抑えようと何とかしようとしてるからに決まってるだろ、ほぼ発狂しかかってるけど、いや既に発狂してたーー
「オェェェ…もうやだ…雌豚共が全員憎い」
『落ち着け…深呼吸しろ』
(闇落ち?)
「ヒッヒッフー」
『ラマーズ法じゃねぇよ』
「ハァハァ…この世の全ての雌豚共を殺せば……貴方の全ては私に向きますか?」
『なんてこと言ってんだお前…魔王にでもなるつもりかよ』
ーー 普通に会話しているように見えるエスタロッサだが、心の中では 【ここから離れたい】 と思っているようで巫女姫を担ぎ上げると 『場所を変えんぞ』 とクレマンティーヌに伝える。クレマンティーヌは納得のいかない顔をしてしていた。 ーー
『グチグチ言ってんじゃねぇ、来るなら来る来ないなら来ないだ』
「…行きます…」
「巫女の私もですか?!」
『お前は強制な』
「そんな…」
「……」ギロッ
「…聖女様の無言の圧ならぬ眼力が物凄いんですけど……」
『俺から離れたら一瞬で殺されるから抵抗すんじゃねぇぞ?危うく落としちまいそうだ』
「う、動きませんよ…」
ーー 巫女姫の間に来た時のように何も無い空間に亀裂ができると早々に中に入るエスタロッサ、クレマンティーヌもそれに着いていくが何も解決してないので顔は先程のまま納得のいかない渋い顔をしていた。
亀裂の中に入った3人だが少し歩くと風景が変わる。 ーー
「エスタロッサ様ここはどこですか?」
『俺のお気に入りの練習場』
ーー 至ってシンプルな家具や日用品が1割程度置かれている 無駄に広い練習場は傍から見たり現実世界の住人だったらすぐ分かってしまうだろう、某有名アニメに出てくる精〇と時の部屋だが少しだけ違うとしたら生活区間の他は全て草原と言ったところだろうか ーー
「ギャッ…もう少し丁寧に扱って欲しいのですが」
『悪ぃな』
小さい生活エリアのベットに向かってぶん投げられた巫女姫から苦情を言われるエスタロッサだが、言われた本人は何食わぬ顔をしてクレマンティーヌに目をやる。
そしてこれまでの流れを黙って見ているクレマンティーヌはエスタロッサが何をしたいのか分からないって表情をしていた。 ーー
『お前って俺の事本当に好きだよな…』ポリホリ
ーー 今更知った事でも無いだろうに何を言ってるんだこの人は、と思っているクレマンティーヌに向かってエスタロッサは更に言葉を続けた。 ーー
『俺はな好きに生きて好きに死にてぇ、だからよ縛られたくねぇんだ』
「それは先程も聞きましたが」
『お前の俺に尽くすって態度は凄く嬉しいんだけどよ』
「?」
『正直言わせてもらうけどよ、そういう重いの好きじゃねぇんだわ』
「…」
『ちと早いが』フンッ
「っ?!」
ーー 唐突に現れた強風にクレマンティーヌの身体は飛ばされる ーー
「いっ…一体何を…」
ーー 着地に成功したクレマンティーヌは驚きながらもいつの間にか眼前まで迫っているエスタロッサを見ていた ーー
『俺にはお前にも見せてない真の姿がある』
「…真の姿?」
『少しは現実を見た方がいい…お前は少し踏み違えたら悪い方に転がる可能性があるからな』
「……」
『ちょっと懲らしめることにした…ッッ!!』
ーー 魔力を高めたエスタロッサを闇の魔力が包み込む…しかし闇だけではなく
エスタロッサは闇に落ちる前の真の姿がある 太陽の恩寵を受けし
としての真の姿が…しかし闇に犯された身体では真の姿も完全とまでは行かないのだ
荒れ狂う魔力は徐々に落ち着き始める
闇と光が共存するその肉体に白銀の鎧を着ているが美しくもなにか恐ろしいものを持っていると分からしてくる
クレマンティーヌはエスタロッサの見たことも無い姿に動揺を隠せずただ見上げることしか出来ない
「綺麗…」
『クレマンティーヌ…貴方の愛を受け入れることはできない…私は対等になることも出来なければ隣に立つ事も出来ないんです』
クレマンティーヌの言葉には反応を見せない マエル は黙々と喋り始めた彼の目は慈愛に満ちている
「……私は」
『攻めてもの罪滅ぼしとして…お見せしましょう…堕天の力を…』
(真の姿を見せ叩きのめせばきっと諦めてくれるはず、、許してください…クレマンティーヌ)
右腕に光と闇が混ざった魔力を溜めるマエルを見たクレマンティーヌは静止しようと手を前に出したが
「待ってくださいエスタロッ『
クレマンティーヌが言い終わる前に マエルの拳がクレマンティーヌの腹に叩き込まれた。
次回 【愛の角度】
駄作を見ていただきありがとうございました!
久しぶりの投稿で申し訳ない限りです
脱字誤字などは随時報告待ってます
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