もう、目覚める気なんて無かった。
ホシノになって……と言うより、ホシノの中に僕が入り込んで、前の記憶と意識を取り戻したのは、ホシノが一緒にいたかった人が消えた後だった。
僕は、彼女の嘆きと慟哭を、内側から観察している事しか出来なかった。
しかし、原作の流れに沿って、ノノミ、シロコと出会った。その後の流れも、最終編迄は順調だった。
しかし、何故か私はこのままでも大丈夫だと思ったのだ。「僕」という異物が成り変わった時点で、本来の世界(ブルーアーカイブ)とは既に違うと言うのに……
結局、最後の最後で、ホシノは反転し、僕という異物が体を乗っ取る形になった。本来なら不完全なテラー化の筈が、イレギュラーが起こる。
完全なテラー化と不完全な意識の顕現と言う最悪の形で……
僕は勝手に動く身体の主導権を奪おうとしたが、まるで他人にコントローラーを握られたかの様に、自分の意思では動かない身体。
『ふざけるなよ。小鳥遊ホシノ!!僕の好きだった君は、こんな結末を許容するのか!?暴走して、全てを破壊してそれで良しとする程、君は自分の事しか見えてないのか!!?
君の悲劇は一緒に見てきた僕が一番よく知っている。悲しみも後悔も、全部知っている。ユメさんが死んで、後輩が入ってきた時に同じ過ちを繰り返さないと誓ったんだろう!?
それでもまだ、暴走を続けるなら——死んでも君のことを止める!!!』
そんな言葉をいくら掛けようとも、彼女と会話することさえ叶わなかった僕の声が、耳を——心を閉ざした彼女に届くことは無い。
でも……それでも、諦めるわけにはいかない。
存在するだけで害を為すなら、いっそのこと僕がこの手で——
そう思ったと同時に、対策委員会の皆と先生がやってきた——
結論から言うと、ホシノは反転から戻ることができた。と言っても、ホシノが反転して戻ったと言うより、僕がホシノの反転体になっている様だ。
デート・◯・ライブの夜刀神 十香みたいな状態と言えば、伝わる人には伝わるだろう。
唯一の違いは僕の死と引き換えだったことだろう。
「ありがとう。君のおかげで私は大事な後輩達のことを思い出せた。」
黒い粒子となって、足先から体が崩れていく。
「……そんな事はない。私は——僕は、君の中に勝手に住み着いてしまっただけのただの傍観者だ。僕の言葉なんてなくても、君はこれを乗り越えていただろう。」
その言葉は、たとえ慰めであっても、確かに僕の心を救った。
しかし、慰めでは無いというように、彼女は首を横に振る。
「違うよ。君がいなきゃ、あの子達の事も思い出せなかった。私はあのまま暗い感情に呑まれて——」
不思議と嘘とは思えなかった。
必死で押し殺していた死への恐怖が、小鳥遊ホシノに……推しに認められた喜びに変わっていく。それと同時に、もう彼女の生き様を見れない悲しみも湧き上がってくる。
「そう言ってくれるだけで、嬉しいよ。
——またね、ホシノ。いつかまた、生まれ変わったら、もう一度君に会いたい。」
輪廻転生など、こうして生まれ変わるまで信じていなかったは、もう一度だけでも、会えたなら、今度は……友達として……
そうして、第二の生は幕を閉じた。
——筈だったのに——
「ねえ……」
痴女の様な格好の女が振り返る。
その目は驚愕に見開かれている。
「なんだ……貴様は!?」
「私は、小鳥遊ホシノ」
そう名乗って、違和感を覚える。この身体は反転した時と同じであるが、彼女の意識はあの世界に残ったままだ。かと言って前世の時の名前はとうの昔に忘れてしまった。ならば此処は——
「——いや、小鳥遊ホシノだった者だよ。」
私は銃口を金髪の女——フィーネに向け、引き金を引いた。
てか何気にシンフォギア世界ですか?
薄っぺらい回想です。
軽く書くだけになる予定なんで誤字脱字が酷かったら教えて下さい。
此処まで読んで頂きありがとうございました。