小鳥遊ホシノ(反転)inシンフォギア   作:無者

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 別作品のセリフが出てきます。
 ネタバレになるかと思うので此処で名言はしませんが、個人的に思い入れのあるセリフなので入れました。


第四話 流星、落ちて燃えて尽きて。/少女はこの世に名乗りをあげる。

 エクスドライブを発動したシンフォギアにより、フィーネの計画は終わった。

 ノイズを多数召喚、それらがネフシュタンと融合し『黙示録の赤い竜』となったフィーネだったが、クリスの至近距離でのミサイル掃射により、デュランダルを手放す。

 飛んで行った先にいた立花響がデュランダルを掴み、黒い衝動に呑まれかける。

「正念場だ!踏ん張りどころだろぉが!!!」

 仲間の声援に耳を傾ける。

 しかし、それでも尚、圧倒的な黒い衝動に僅かに拮抗し、そして一時呑まれ、剣を振り上げる。

「ひびきーーーーーーーーー!!!!」

 その声に響きの意識が覚醒する。

『そうだ。この力は、私だけの力じゃ無い。皆んなが力を貸してくれてるんだ。

……だから、この衝動に————塗りつぶされてなるものか!!!』

 黒い衝動は収束し、黄金の輝きが当たりを照らす。

「そのチカラ——何を束ねた!!?」

 フィーネの叫びに響は応える。

「響きあうみんなの歌声がくれた——シンフォギアだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 響はデュランダルを振り下ろし、黙示録の赤い竜を切り裂く。そして、それは『無限の再生』と『無限のエネルギー』を生み出す特性を持っているが故に可能な奇跡だった。

 斯して、フィーネの野望は真に潰えたのだった

 

 僕は、光が収まった地点に立つフィーネに近づいた。

「ねえフィーネさん。」

 フィーネは答えない。

「恋心とか言ってたけど、それだけじゃ無いんでしょ?」

 俯いたまま、ただ僕の言葉を聞き流す。

「だってじゃなかったら人類の相互理解を阻むバラルの呪詛を解こうなんて思わない。

 本当は、再び人類が互いに手を取り合う希望を夢見てたんでしょ?」

 響が近づいて来るが、僕は言葉を続ける。

「でも、バラルの呪詛に包まれた時から、人類はおかしくなっていった。

 互いに傷つけて、奪い合って、殺し合った。昨日に友だった存在は今日の敵になってて……それを数千年間もあなたは見てきた。だから、あなたはこの方法しか無いと思った。」

「だとしても、人が言葉よりも深く繋がれる事、分からない私たちじゃありません。」

 響が隣に立って、静かにそう告げる。

「そうだ。小鳥遊ホシノ……貴様が言う様に、人がノイズを生み出し、殺し合った時から、私にはこの方法しか思い浮かばなかった。

——それを知っていたからこそ、私にはこの方法しか選べなかったのだ。」

 フィーネの体が罅割れていく。ノイズによる炭素分解とは違う。これは、完全聖遺物と融合していたが故に起こった対消滅の続き……今回のフィーネの生は、これで終わりなのだ。

「……人は、獣に非ず。」

 唐突に、このセリフが浮かんだ。

「人は、神に非ず。

 人が人である為に今一度考えるのだ。『人』とは何かを——何をするべきかを。

 賢くなりすぎた人は、世界の全てを管理し、支配しようとする。まるで神であるかの様に。

 力を持った人は、他者から奪うことを平気で厭わない。まるで獣であるかの様に」

 フィーネは何も言わない。

「ある人からの受け売りだけど……その人は世界秩序を崩壊させる為に、多くを犠牲にしようとした。それでも、その人は最期にこう言ったよ……世界を闇に閉ざすのも人間なら、輝かせる事ができるのも人間なんだ。

——世界は………希望は……子どもたちの手の中に——」

 フィーネは響を……クリスや翼……風鳴弦十郎や二課の職員を見渡す。

「そうか……私は、早すぎたのだな。人を見限るのが……立花響。」

「はい……了子さん。」

 フィーネは空を指差す。体を動かすだけで、その体は灰となり、宙に溶けていく。

「月のかけらが、落ちて来る。このままいけば、日本位であれば一瞬で灰塵と帰すだろう。そして、世界中にもその余波で壊滅的な被害を受けることになる……。

 止めるのならば、今しかない。だから——。」

 響はこくりと頷く。

 そして、それを見たフィーネは片目だけが紫の——櫻井了子の意識が顕現する。

「胸の歌を、信じなさい。」

 そう言って、フィーネは風に攫われて消えていった。

 残された者の心の中に、深い悲しみを残して……

 

「了子さんの言うとおり、このままいけば、地球規模の甚大な被害が予想されます。

 今すぐではありませんが、このままいけば、1ヶ月後には必ず落下してきます。」

 暗い雰囲気が流れる中、響だけがいつもと変わらぬ笑顔で空を……月の欠片を見つめていた。

「響……?」

「何とかする。だから——生きるのを諦めないで。」

 小日向未来にふわりと笑顔を向ける。

 そして響は空へと飛び上がり、それに続く様にクリスと翼も飛び上がった。

「響……。」

 無意識なのか、未来は焦燥と悲しみを含んだ声音で親友の名前を呼んだ。

 呼ばずにはいられなかった

 しばらく経ってから、ホシノは未来の肩を叩く。

「大丈夫だよ。危なくなったら、おじさんが助けに行くから。」

 自分よりも若い少女に、未来は思わず引き込まれる感覚に陥る。

 親友である響は優しく世界を照らす陽光だとするならば……目の前の少女は、全てを焼き尽くしてしまう灼熱の太陽そのものの様に感じられた。

「あなたは……一体?」

「さてねぇ。僕自身、なんて言えばいいのか分からないけど……そうだね。強いて言うなら——」

 一泊置いて、少女はこの世界における名前を宣言する。

「小鳥遊ホシノ改め、黄昏 ヨル、と名乗る事にするよ。」

 少女はホシノと言う名前に別れを告げた。




 今回のセリフはダンボール戦機の檜山蓮……レックスのセリフから引用させていただきました。一部レックスとは違う物もありますが、まあ、そこはご愛嬌という事で。
 ちょっとした解説として、了子さんとフィーネ、二人の意識は別にある物としてます。
 片目だけ色が変わったのは了子としてのセリフでもあり、フィーネとしてのセリフでもあるからです。
 主人公の名前に関してもタイトルとは変わってしまいますが、小鳥遊ホシノ(反転)の肉体を持った誰かですので、暁のホルス……暁は夜明けだからその反対の黄昏れ。
 ホルスが太陽神であることからその反対のイメージである夜からとってカタカナのヨルという名前にしました。
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