原作崩壊の足音が鳴り響いてますが、できる限り原作沿いで進める予定ですので楽しんでいただけると嬉しいです!
最強の脅威
悲鳴を聞きながら、僕はステージ向かって走り続けた。
本当は『ソロモンの杖』の輸送に行く筈であったが、なんだか嫌な予感がしたので、緒川さんに無理言って着いて行かせてもらったのだ。
――そして原作通り、襲撃が起こった。
『フィーネ』を名乗る謎の武装組織は、何故か先日紛失されたソロモンの杖を携えて此処に現れた。
そこまでは良い。それは原作通りに物事が進んでいる証拠だから。
――しかし、あれは誰だ?
物音が響き、拳銃を向ける。そこにいたのは少女2人に男が一人。
暁 切歌と月詠 調……それともう一人、背高い、黒い袴に白いボロボロの羽織を羽織った男がいる。
「どうしたのかな。こんな所で。」
僕がそう問いかけたら、切歌は原作通り慌てた様子を見せて、捲し立てる様に話すが、調べは「じー」と口にしながらこちらを見つめている。
そして男は——
「————!!」
咄嗟に後ろにバックステップをした。そのすぐ後に、刀が前を通った。
「ななな!!何をしてるんデスか!?剣八!!?」
「ごちゃごちゃうるせえ。なあ、女」
「……何かな?」
男——剣八は、刃毀れの激しい刀を振り上げる。
「戦いを始めようぜ!!」
「おじさん足腰弱いんだけどな!!」
——はやっ!?
テラー化によって得た収納能力で盾と
ギリギリと鍔迫り合いになるが、僅かに押される。なので、その力を受け流すことに注力する。
ギャリン!
不快な金属音を響かせながら刃が愛銃の上を滑る。
「ふっ!」
足蹴りを素早く放ち、相手を吹き飛ばそうとするが……
(重い!?)
地面でも蹴ったかの様な、凄まじい硬さを感じた。
素早く足を戻し、後ろにバックステップで距離をとる。
剣八と呼ばれた男は、野生の獣が牙を剥き出しにしているかの様な、凶悪な笑みを浮かべてこちらを見つめている。
「思った通りだぜ……強えな、お前。」
よく観察すると奴の刀は刃毀れが酷い他に、柄の所に包帯が巻いてあるだけの簡素な処理をされていた。凡そ武器として欠陥だらけに見えるが、それを物ともせぬ力。戦闘狂であるのと剣八の名前……そして奴から感じる、フォニックゲインとも、私の使う『
「いきなり斬りかかられる程、この世界で恨みを買った記憶は無いんだけどな——同類さん?」
私の予想通りなら、奴も恐らく私と同じ『憑依者』だろう。
「へっ……んなこたどうでも良いだろう。俺はただ、テメェと戦いに来ただけだ!」
「ちょっと待つデスよ!剣八!?」
剣八の前に立ちはだかる切歌。それを意外なモノを見る様な目を向ける剣八。
「あ、?なんだよまだ居やがったのか。戦いの邪魔だからさっさと失せろ。」
「なんでそう物騒な事ばかり考えるんデスか!全く、いつもいつも強そうな相手がいたらすぐに向かっていって——」
切歌が剣八と言い合っていると、右耳のインカムから緒川さんの声が聞こえたので応答する。
『ヨルさん、聞こえますか?そちらは今、一体どう言う状況ですか。』
「敵が3人、ステージまでの進路を塞いでる。一人厄介なのがいるので正直言って、ステージに向かうのは難しそうだね。なので緒川さんは翼ちゃんが戦える様にモニターの電源を全て落として。細かい説明はまた後で。」
『……分かりました。ヨルさんもどうか気をつけて!』
さすが緒川さんだ。これならすぐに向かってくれるだろう。
とりあえず、私は目の前で言い争っている二人を見ながら、恐怖を解放する。
「ひっ……!?」
切歌は怯えた表情でこちらを見つめ、調もどこか青ざめた表情になった。
けんだけが、依然として変わらぬ態度だ。
「はぁ、だから言っただろうが。こいつは俺が相手する。だからてめえらはさっさとマリアのとこに行きやがれ!」
「……わ、分かったデス。死んだら許さないデスからね!剣八!」
「……剣ちゃん、気をつけて。」
二人で走り去っていく様子を眺めるだけに留める。ちょっとでも意識を逸らそうものなら、確実に斬られる——そう直感した。
「それがテメェの力か。ならこっちも、遠慮なしで行くぜ!」
「——!!」
覚悟はしていた筈だった。けれど、まさか此処まで圧倒される程の重圧……いや、違う。恐らくこれが霊圧なのだろう。
だが——
「ただでやられる気は無いよ!」
「オラァ!!」
凄まじい衝撃派が、辺りを吹き飛ばした。
『——聴くがいい、防人の歌を!』
宙に投げ出され、ノイズの群れに落下していく中、翼は覚悟を決めた。歌女としてでは無く、剣として——防人として生きていく覚悟を……
それを放送していた報道陣も、そしてそれをヘリに備え付けられたモニター越しに見ていた響達も、誰もがもうダメだと思った。
——だが、突如として現場からの映像が止まった。
「これって、もしかして……。」
「ああ、そっか!緒川さんとヨルちゃんがやったんだ!」
テレビの向こう側が慌ただしくしている中、ヘリ誰もが安堵の溜息を吐き、テレビから目を離した。しかし——
——静寂を切り裂く様に、爆発音が響き渡った。
ライブ会場の一角から煙が上がっている映像が流れる。
『響くん、クリスくん、聞こえるか!今、会場の方でヨルくんと敵が交戦中だ!二人は翼と合流した後、急ぎヨルくんの援護に向かえ!』
「はい……ヨルちゃん、大丈夫かな?」
響が不安そうに呟く。
その様子を見ていたクリスが、やれやれと言った様子で返す。
「バーカ。お前に心配される程、弱くねえよ。それに、訓練で何回、あいつに打ちのめされてると思ってる。お前、あいつが負ける所想像できるか?」
パチクリ、と瞬きをした後、花が咲いた様な笑顔で言った。
「全然!だってヨルちゃん、最強だもん!」
身体中、切り傷だらけで、鈍い痛みが続いている。
「どうしたよ……まだ終わりじゃねえだろ。」
軽口を返す余裕も無い。奴の一挙手一投足から目を離せない。
「いつまで腑抜けた攻撃してきやがる。殺す気で——かかって来いよ!!」
奴の刀が、勢いよく振り下ろされた——
BLEACHから更木剣八が参戦しました。理由は最近BLEACHを見直してたからって言うだけです。
此処まで読んでくれてありがとうございました♪