小鳥遊ホシノ(反転)inシンフォギア   作:無者

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 遂に決着です
 戦闘描写——どうやって書けばええんや。
 読みづらかったらごめんなさい


悔し涙は静かに落ちる

 ショットガンを放つ。

 しかし、奴の体に傷一つ付かない。

「おいおい、どうした?もっと本気でやれよ。じゃねえと——死ぬぜ?」

 奴の斬撃を回避しながら、反撃の機会を伺う。

 しかし、どれだけ撃ち込もうとも、奴の体に傷一つつけられる気がしない。

——いや、本当は分かっていた。

 奴の斬撃を盾で逸らす。

 傷つけられないんじゃ無い。傷つけるのが——殺意を持つのが怖いんだ。

 キヴォトスで、銃撃戦に於ける死亡率は低い。はっきり言って、銃弾で死ぬよりも、餓死や溺死、脱水症状などの生命活動が停止せざるを得ない様な状況でも無ければ、血だって流れない。

 フィーネの時は変なテンションだったからこそ、躊躇なく撃てた。けれど今は違う。

 響、翼、クリス——この3人と過ごした日々が、夢のような気分を現実のモノへと引き戻してくれた。

 司令に緒川さん……今まで関わってきた人々全てが、かつてキヴォトスでも感じていた非現実感を消した。

 

——自覚するんだ。

 

 斬り返しを紙一重で避けて、恐怖を込めた銃弾を装填する。

 

 今までよりも、深く、深く自分の心に落とし込む。奴を殺すまでしなくても良い。奴を傷つける覚悟を——奴を撃ち抜く覚悟を決めろ。

 

 パァン

 

 一際大きく響いたソレは、真っ直ぐ奴の胴体を貫く。

 動き止める剣八。

 腹部から流れる赤い鮮血が、地面に滴り広がっていく。

「いやぁ、ごめんねー?おじさんこう言う戦い初めてだからさぁ——上手く加減出来ないかもねぇ?」

 ちょっと余裕が出てきた。私の攻撃は奴に通る。通るのなら倒せる。

「そうかよ。そいつぁ良かった……これで、漸く対等な戦いが出来るってもんだ!」

 攻撃は単調だ。フェイントを混ぜる訳でも無ければ、特殊な攻撃をする訳でも無い。

 だと言うのに、彼が最強格だったのは、その戦闘センスだ。

 生半な攻撃は彼には通用しない。小細工を弄すれば、真正面から叩き潰してくるのが更木剣八と言う死神である。

 銃撃、ガード、近接格闘、回避。

 戦えば戦うほど、こちらの動きを先読みするかの様に対応してくる。

 戦えば戦うほど勝ちの目が薄くなっていく状況だと言うのに。

 

 なんだか……

 

「なんだか——楽しくなってきた!」

 

 急速に、頭が……いや、身体中の感覚が鮮明になっていくのを感じた。一歩間違えれば致命傷だと言う恐怖……それすら今の自分には心地良い。

 小鳥遊ホシノ(推し)の経験では、互角の戦いや、追い詰められら状況での戦いもある。

 けれどそれは『(黄昏ヨル)』の経験では無い。今この瞬間こそ、『僕』自身の経験する初めての死闘なのだ。

「ふふふ……あはは!あはははははははは!!」

「ははははははははははははははははは!!!」

 互いに傷を作っていく。数秒が数分、数分が数時間にも感じられる攻防の決着は、驚く程呆気なくついた。

「————あ?なんだ、もう終わったのかよ……しゃあねえな。」

 お互いに距離を取った瞬間、剣八は刀を肩にかけた。

「おい、女……テメェの名は?」

「……黄昏ヨル。」

 名を名乗った瞬間、今まで向けていた獰猛な笑みとは違う、別れを告げるような笑みを浮かべる。

「そうか。俺は剣八——更木剣八だ!次会う時は、存分にやろうぜ!」

 そう言って彼は背を向けた。あまりに呆気なく去っていく背中は無防備で、そのまま攻撃する事も出来るだろう。

「……いや、やめておくかな」

 そのまま銃口を下げて、剣八が去っていくのを見送る。

 撃てば恐らく反撃があるだろう。そして、息も絶え絶えになってきていた私と、まだまだ息も上がっていない剣八……本気ではあっても全力を出していないのだ。

 対して、自分はキヴォトスと言う箱庭で育っただけの未熟な子供。初めて全身全霊で挑み、傷だらけ……それはお互い様だが、そんな状態でこれ以上続けても、恐らく負ける。

 それが余りにも悔しくて、下唇を強く噛む。口の中に鉄臭さが広がる。

「……強く…………強くなりたいなぁ。」

 瓦礫だらけの会場で、『|私《僕)』は天を仰いだ。

 頬を流れる雫が、静かに地面に滴り落ちた。




 ヨルちゃん初めての挫折……強くなってくれ。
 此処まで読んでくれてありがとうございました♪
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