中高一貫の女子校『ワルキューレ女学院』。全寮制で文武両道をモットーに掲げるこの学校には、様々なジャンルの生徒達が通っている。
この日は日曜日。他の生徒達がひと時の休日を過ごしている中、武道場に上下黒の剣道着を着て素振りをしている女子生徒がいた。
???「84・・・85・・・86・・・」
彼女の名は『アカメ』。この学校の剣道部に所属している高校一年生である。
アカメ「98・・・99・・・100!」
アカメは100回素振りを終えると、タオルで汗を拭いた後、水筒の水を飲む。
アカメ「ぷはぁ!生き返る」
アカメは水筒を床に置くと再び素振りを始める。するとそこへ、白の剣道着に紺の袴を着た女子生徒が来る。
???「呆れるほど頑張ってるな、アカメ?」
アカメ「ッ!『翼』」
女子生徒の名は『風鳴 翼』。アカメのクラスメートで同じ剣道部員である。
アカメ「お前も鍛錬に来たのか?」
翼「ああ。せっかくだ。一本手合わせしないか?」
アカメ「いいぞ!」
手合わせする事にした二人は防具を着ける。アカメは黒防具の赤胴。翼は紺を基調とした防具を着けていた。その後二人は、手拭いをつけ終わり面を付ける。両手に小手をはめ、竹刀を持って立ち上がる。
道場、そして互いに礼ををしたのち、蹲踞して竹刀を構える。そして二人は蹲踞から立ち上がる。
アカメ「はぁぁぁ!!」
翼「やぁぁぁ!!」
バチン! バシッ!
二人の竹刀が激しくぶつかり合う。
翼「めぇん!」
翼はアカメの面に竹刀を打ち込むが、アカメは首を捻って回避する。
アカメ「てぁ!」
翼「やっ!」
二人の竹刀が再び激しく何度もぶつかり合う。
アカメ「やるな翼!」
翼「アカメもな!」
面越しで話した二人は、間合いを取り息を整える。
アカメ「はぁ・・・はぁ・・・本気で行くぞ」
翼「はぁ・・・はぁ・・・ああ、来い!」
息を整えた二人は再びぶつかり合う。
ビシッ!バシッ!
お互いの竹刀を打ち合う音が道場に響く。
アカメ「はあああ!」
翼「うおおお!」
お互いに声を張り上げる。それから数分間、互いに一歩も譲らぬ攻防が続いた。
そして、決着の時が来た。
アカメ「やぁぁぁ!!」
翼(防げる!)
アカメが面を打ち込んできたので、翼は竹刀で防ぐ。しかしアカメの竹刀は軌道を変えて翼の胴に打ち込む。
アカメ「どぉぉぉう!」
バシッ!
翼の胴にアカメの竹刀が強く打ち込まれる。
アカメ「はぁ・・・はぁ・・・私の勝ちだ」
翼「見事だ」
勝者はアカメとなった。手合わせを終えた二人は互いに礼をした後、正座して面を取る。
翼「さっきの一本は見事だな、アカメ」
アカメ「面は防がれると思って、胴に切り替えた」
翼「日々鍛錬をしてるだけあるな。そう言えば、アカメの妹も剣道部に入部するんだったな?」
アカメ「うん。私に似て負けず嫌いだ。入部したらたっぷりしごいてやるつもりだ」
翼「あまりやり過ぎるなよ」
アカメ「わかっている。そろそろ片付けるか」
翼「そうだな」
雑談を終えた二人は防具を片付けると道場を後にするのであった。
続く・・・
次回
第二話『黒目の妹と部員達』 お楽しみ。