・アカメ
ワルキューレ女学院の高校一年生。妹のクロメの事を熟愛している。
5歳の頃から剣道を習っており、日々鍛錬を欠かさない。その実力は高く、中学生の頃はインターハイと全国大会の個人戦で優勝するほど。部員一の大食いでもある。
ー5月ー
ゴールデンウィーク。年に一度の大連休であってもエスデスが顧問を務める剣道部に休みはない・・・というわけではない。普段は厳しいエスデスだが、生徒のケアを考えなど優しさもある。
部員達が実家に帰っている頃、エスデスは教員室で読書をしていた。すると教員室のドアを叩く音が聞こえる。
エスデス「入れ」
???「失礼します」
ドアが開くと剣道部キャプテンの日向が入ってくる。
エスデス「日向か。どうかしたか?」
日向「先生に稽古をつけて貰おうと思い伺いました」
エスデス「稽古?別に良いが・・・何故急に?」
日向「剣道部のキャプテンとして部員達を引っ張る責任があります。その為にも、キャプテンに相応しい実力を持たなければと思いまして」
エスデス「成程、確かそうだな。良いだろ!みっちり稽古をつけてやる!」
日向「ありがとうございます!」
そして武道場に向かった二人は、剣道着に着替え面以外の防具を付ける。お互い上下白の剣道着だが、防具は日向は黒防具の赤胴。エスデスは白防具の青胴を付けている。
エスデス「今回は特別だ。私が考えた『地獄の稽古』をつけてやろう」
日向「地獄の稽古・・・?」
エスデスの言う『地獄の稽古』という言葉に、日向は首を傾げる。
エスデス「内容はシンプルだ。時間無制限の試合稽古だ。どちらかが倒れるまで試合をする」
日向「まさに地獄の稽古・・・わかりました」
日向はその稽古を承諾する。そして二人は面を付け、両手に小手をはめ、竹刀を持って立ち上がると、メインコートに立つ。そして互いに礼をしたのち、竹刀を構え蹲踞をする。
エスデス「では、始めるぞ!全力で来い!」
日向「はい!やぁぁぁ!!」
蹲踞から立ち上がった二人は試合を始める。
エスデス「はぁぁぁ!!」
日向「あぁぁぁっ!!」
ビシッ!バシッ!ドン!
お互いに激しく当たる竹刀と防具を叩く音が稽古の激しさを物語る。
エスデス「突きぃぃぃっ!!」
ドン!
日向「ぐっ!」
するとエスデスの突きが日向の面垂れに炸裂、その反動で日向は後ろに交代する。
日向「くっ・・・まだまだ!てぁぁぁ!」
日向は再びエスデスに向かっていく。
それから1時間半。時間が経つごとに二人の戦いは激しさを増していく。日向が連続で技を繰り出すが、エスデスは寸前で技をかき消し、逆に日向に技を食らわせる。
エスデス「おらあぁっ!」
日向「うわっ!?」
エスデスは物凄いスピードで日向に突撃する。その突撃の衝撃で日向は転倒する。
日向「くっ・・・」
エスデス「何してる日向!早くかかってこい!」
普段から厳しいエスデスだが、防具を付けると一層厳しくなり、鬼の形相で日向を攻め立てる。
日向「はぁはぁはぁ」
エスデス「お前はさっきなんて言った!『部員達を引っ張る責任がある』っと!『キャプテンに相応しい実力持ちたい』っと! この程度で終わるのであれば、お前はキャプテン失格だ!」
日向「ッ!!」
その言葉を聞いた日向はフラフラになりながらも立ち上がる
日向(終われない・・・ここで、終わるわけにはいかない!)
覚悟を決めた日向は竹刀を構える。面金越しから見える日向の目は真剣の顔をしていた。
エスデス「・・・いい目だ!来い!」
日向「うおおおおお!!」
日向は力を振り絞りエスデスに立ち向かった。エスデスも負けじと日向にぶつかっていく。
それから30分、二人の攻防は激しさを増し、互いに一歩も譲らぬ戦いが続く。
日向「はぁはぁはぁ」
エスデス「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
稽古開始から2時間も戦っている二人。既に体力の限界を超えていたが、気持ちだけは戦い続けていた。
エスデス「日向、私から一本取れたらこの稽古を終わりにしよう」
日向「はぁ・・・はぁ・・・はい!」
日向は最後の力を振り絞りエスデスに向かっていく。
日向「やぁぁぁぁ!!」
エスデス「はあっ!!」
向かってくる日向をエスデスは突きを発動、エスデスの竹刀が日向の面垂れに迫ってくる。
日向(避けるとやられる・・・なら!)
バチーン!
日向「メーーーン!!」
日向はエスデスの竹刀を弾く。そして面を決める。
日向「はぁはぁはぁ」
エスデス「面ありだ。私から一本取った。約束通り稽古は終了だ」
日向「ありがとう・・・ございました!」
二人は立ち位置に戻り蹲踞して竹刀を納め、立ち上がって互いに礼をした。
日向「今日はありがとうございました」
エスデス「こちらこそ、いい稽古ができた。お前と一戦交えて楽しかったぞ」
日向「はい!」
日向とエスデスは互いに健闘を讃えて小手をつけたまま握手を交わす。
その後、この時間無制限の試合稽古は部員達の間でも行われる事となるのであった。
続く・・・
次回
第四話『留学生と副キャプテン』お楽しみに