お前は何処にもいやしなくて俺もここに居なかった。 作:黑米田んぼ
*6月22日
諸々の間を詰め込みました。
――――――クランバトルから離れたアムロの日々はどこぞの世間知らずの女子高校生からすれば普通で退屈極まりないのだろう。
「悪いなアムロさん。こいつが無いと家族を養えないからな。ここ最近難民街で立て続けに正規の工事の仕事があってな稼ぎ時に仕事道具が壊れたら洒落にならない」
「気にするな、俺もこいつには助けられたからな」
今日は工事のために使われるMSを直していた。
「そうかアンタも元連邦だったのか。まぁ、気にしていないようだから俺らも気にしてないさ。アイツらがバカを起こさなきゃ俺も今頃サイド2で元気に親父の家業をついでいたさ…」
「――――――そうなのか」
「ああ!!アンタが気にしないでくれアムロさん!!どうだ!今夜飲みにでも」
「いやいいさ、酒も良いがたまには子供を可愛がってやれよ」
「あっははっ!アンタに言われなくてもウチのガキがようやく立ったんだ!未来のウチの大黒柱を誰が可愛がって居ないんだよアムロさん!?」
「いや、大将が子煩悩なのは知っていたが・・・」
「聞いてくれよアムロさん!実はな!?この間うちの子がよ…」
「すっ、済まない!実はもう次の仕事があってな…」
「あ、そりゃ済まないなアムロさん!そんじゃあまた!!」
「ああ、またな」
そうしてアムロもまた次の仕事場へと移る。
「…ん、あそこにいるのは」
そうして次の職場へと向かっている途中一人の少女を見かけたアムロは車を止め声をかける。
「―――ニャアン、どうだ?宿題は終えたか?」
「…あ、えっと…アムロ先生…こちらどうぞ」
声をかけた少女ことニャアンは声のする方に振り向きアムロの声が聞こえた一つの回路をカバンから取り出しアムロへと渡す。
「良しちょっとやるぞ…」
渡された回路を受け取ったアムロは車の中にある一つの機械に回路を差し込み起動させる。
「・・・・・ふむ、5秒か。少し早くなったな。上手くなったなニャアン」
「あ、…ありがとうございますアムロ先生…」
サイド2の難民であるニャアンが働いている闇バイトの元締めとアムロはお得意様の関係だった。
高度な戦闘デバイスはクランバトルに置いて重要でありそれを安定した高性能で作れて尚且つその戦闘データはクランバトル絶対王者であるホワイトユニコーンの戦闘データである以上アムロの回路の価値は上がっていた。
そんな商売の関係を続けていた中でアムロはニャアンと出会い。後にクランバトルに参加するきっかけになるガラの悪い男たちに絡まれたバイトの少女がニャアンであった。そんな関係の中でニャアンは難民から脱するために機械関係を勉強しており機械に強いアムロを先生と慕ってくれた。そのような事もあったからかアムロはニャアンの成長を図るために事前に用意したジャンク品を元にMS用の機械回路を作成する宿題を課していた。
「動きもまぁまぁだ。これなら行けるんじゃないかジオン工科大?」
回路に繋がれた機械の画面にはニャアンが作った回路を元にザクが動いて相手のザクを倒していた。
「で、出来たらいいですね…アムロさんならパイロットとしても技術者としてでもどこでもやって行けるんじゃないですか?」
「…まぁ、色々あったんでな。少し外で見分を広げていくよ。それはそうとニャアン。君はこれから何処へ行くんだ?」
「え、…ちょっと、ネノクニの駅へ」
「……そうか、軍警には気を付けるんだぞ」
「…はい」
そうしてアムロとニャアンは分かれた。
「……………ふぅっ、今日は此処までにしておくか」
ニャアンと別れ今日注文があった仕事をすべて終わらせ難民街にある自宅兼事務所で書類仕事を終えたアムロはペンを机に投げ椅子を回して天上と眠気に意識を向けていると・・・
ラ・・・ラァ・・・歌声が聞こえる
「…ッ!?」
聞こえたララ音に睡魔は吹き飛び思わず外へと意識を向ける。…すると。
「あれはガンダム!?…もう一機はジオンが作ったガンダムか!?」
コロニーの中にある隙間を縫ってやってきたのか赤いガンダムと見た事の無いが何となくだがガンダムタイプと思わしきMSが難民街に落ち戦っていた。
「…あのガンダムのパイロットシャアじゃないな。あっちは…なんだ?あのガンダムタイプ、まるでパイロットを全て認めていないようなそんな感じがするぞ」
コロニー内で空中戦を繰り広げる二体のガンダム。どちらも中々の実力者だと判断するアムロだが、赤いガンダムの動きはアムロの知るシャアの動きとは思えなかった。おそらくだが戦い方があの赤いガンダムのパイロットは攻めを得意とするシャアよりも補助や守りが得意なのだろう。逆にガンダムタイプのパイロットの技量も高いが何処かぎこちない。そして、アムロのニュータイプ能力はあのガンダムタイプが何処かパイロットを拒絶しているような感じをアムロは感じ取っていた。
「…消えたか。ということは…チィッ!軍警め!やり方が雑だ!あんなんじゃああそこに住んでいる人達が犠牲になる!」
本当なら今すぐ地下にある愛機を駆って軍警のザクを仕留めたいがそうなればアムロの居場所は無くなる。歯がゆい思いを浮かべながらアムロは巻き込まれないように事務所の地下へと避難した。
「…これを出して誘導させるか」
事務所の地下にある地下室にコツコツと作っていたハロ型ドローンを飛ばして居なくなった赤いガンダムと謎のガンダムタイプの居場所を見つけて難民街で暴れる軍警を誘導しようとアムロは考えた。
「見つけたか」
二体のガンダムを探していたアムロのハロドローンはガンダムタイプのMSを見つけた。
「さて、軍警にでも通報を…!?」
ニュータイプの感性がガンダムタイプの近くに何かが来ると気づくことが出来る。
「ザクだな。どうやら軍警に見つかって此処まで来たようだな」
手を貸してやりたいがハロドローンには武装してないから攻撃して攪乱することは出来ない。
待っているとザクから声が聞こえる。
あっちの方が強そう。ツヨイツヨイ!!馬鹿止めろ!!
「…最近の子は凄いな。ん?あの子ニュータイプ能力であのMSを動かそうとしているのか?」
ジャンク屋のザクから小柄な女の子と白いハロが飛び出しそのままガンダムタイプに乗り込み動かして見せた。それを見ながらアムロはあのガンダムタイプのMSは何処かニュータイプ能力によって動く巨大なサイコミュ兵器に感じられた。
少女はガンダムタイプのMSをうまく動かして軍警ザクを倒して見せ騒ぎを聞きつけてやって来た2体目の軍警ザクが襲い掛かる。
「む、エアダクトが!?…ミノフスキー粒子、此処までか」
宇宙に飛んで行ったハロドローンの映像はミノフスキー粒子による電波妨害により見えなくなっていった。
「しかし、さっきの子は…!?」
宇宙へと飛び出していったハロドローンは自動帰還装置で戻ってこれるだろう。軍警はもう難民街で騒がないし自分の役目は終わりかと思ったが…突然感じたララ音そして遠くからガンダムタイプに乗り込んだ少女と青い髪をした少年の姿をアムロはキラキラの中で相まみえた。
「…終わったのか」
その後すぐに少女の動きは変わりザクを倒してしまった。
「…動くってことなのかララァ」
そう思いながらアムロは眠りにつく。これだけ軍警が動いたのならジャンク屋である自分の仕事も多くなることを理解しているのだから。
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