お前は何処にもいやしなくて俺もここに居なかった。   作:黑米田んぼ

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お久しぶりです皆様、色々と指が止まってしまうのと他のに浮気していてでも頑張って完走する気なのでゆっくりでも見てれるのであれば幸いです。ではどうぞ


第六話

「――――――頭空っぽにしてっか」

 サイド6イズマコロニーの難民街。ジャンク屋、カネバン有限公司の屋上でカネバンのクランバトルチームポメラニアンズのマチュとして雇われているジークアクスのパイロット。アマテ・ユズリハは人工日光に照らされて一人考えていた。

 

 先のクランバトルにて連邦の撃墜王。シイコ・スガイを相手にマチュは何もできなかった。

 

 卓越したシュウジとシイコの戦いにマチュは入ることは出来ず結局シュウジはシイコを殺してしまった。

 殺した事に対して気にはしていない。…だが、もし、マチュがあの戦いに入れる程に強ければ…そう考えるマチュの頭はそればっかりだった。

 

「―――――あ、久しぶりじゃないっすかアムロさん。何ですか?今の所良さそうな部品は無いんっすよ」

 ドアからジェシー(バカ犬)の声が聞こえる。

 

「・・・」

 日向ぼっこも飽きたからちょっと客の顔でも見てみようかと上着を着て人前に出られるぐらいの格好にしてマチュは中へと入る。

 

「ああ、今日は…うん?君があのMSのパイロットか?」

 年齢は20代後半だろうか。茶髪の癖っ毛の男が私を見てジークアクスのある方向に指を指す。

 

「…何で分かったんですか?」

 …予感があった。シイコ・スガイが赤いガンダムのMAVだと見抜いたようにこの人も――――――

 

「ああ、映像越しだが気配を感じていたよ。見た所難民には見えないが一体―――」

 そうジェシーが言った男の名前確かアムロだったか、そんなアムロが私に聞いてきて。

 

『キタナアムロ!キタナアムロ!』

 そのタイミングでハロが転がって来て―――――

 

「お、おい!?何でだよ!!?」

「ジークアクスが―――――」

「え?――――――」

 私のジークアクスが独りでに頭が解放されて口も開いて―――――――

 

ラ・・・ラ・・・・・ラァァ・・・・・・

 

 

 

 

(―――――キラキラだ!!)

 シュウジとのキラキラとは異なる青いキラキラの中にマチュは迷い込んだ。

 

(…あれ?何あれ…)

 キラキラの中に幾つもの映像が浮かぶ。マチュはそれを見る。

 

(何だろうあのMS)

 映像の中にあるのは白いガンダムに似たMSに駆け込んでいる先ほど見たアムロという人が自分ぐらい若い姿をマチュは見る。

 

(…あそこにジークアクスとアムロって人もいる)

 青のキラキラの中を泳いでマチュはジークアクスとアムロが並び立つように浮いているのを見つけた。

 

(何を…話しているんだろう?)

 何故かMSと話しているようなと不思議な考えが過ぎり近づいてみようと泳ごうとしたが…―――――瞬間、視界いっぱいに広がる白。

 

 

 

 

「・・・・・・・・・んっ」

 キラキラから解放されたのかカネバンの部屋に戻ったマチュは目を開ける。

 

「…ジークアクスは?」

 動き出したジークアクスを確認しようとマチュは格納庫の場所に視界を向けるがそこには元のジークアクスがそこにあった。

 

「何だったんだろうな?」

「アムロさんが来た時に何かあったのかな?」

「かなぁ、アムロさん。大丈夫ですか?」

 三バカが話しているのを尻目に私がキラキラで見たジークアクスと一緒にいたアムロって人を探す。

 

「・・・・・」

 アムロさんもさっきのキラキラが発生した所で突っ立っていた。…ただ、何処か悟ったような理解したようなそんな顔を見せていた。

 

「…えっと、アムロさん?」

 ジェジーがアムロって人に話しかける。

 

「…ああ、済まない。大丈夫だ」

 そう言い少し申し訳なさそうな顔をしながらアムロはマチュに向き直る。

 

 

 

「…改めて、君があのMSのパイロットだな?俺はアムロ・レイ、もうちょっと向こうの難民街でジャンク屋を営んでいるよろしく」

 そう言いアムロさんは私に手を差し伸べる。

「…分かるもんなんですね」

 そう言い私は出された手を握る。

 

(…何だろう。誰かを思い出す…シュウジ?…良いや多分違う。似ているけどもっと似ている相手がいると思う…誰だろう。直ぐ近くにいるはずなのに顔を思い浮かべられない)

 不意に目の前にいる男の人が誰かに似ている気がした。最初にシュウジを思い浮かんだけどもっと似ている人が居ると思ってしまうがその人物の顔を思い浮かべられない…

 

「いいなーアムロさんに顔を覚えられて」

 そう言いジェジーが羨ましそうに私を見る。

 

「…そんなにすごいのこの人?」

 誰がどう見ても普通の大人の男性だ。そんなのに憧れるなんてジェジーも大概普通だなと思ってしまった。

 

「何言ってんだ!?クランバトルに関係する人間にとってアムロさんのことを知らない奴なんていないレベルなんだぞ!!」

「…そんなにすごい人なのこの人?」

 

「ああ、アムロさんのクランバトルでの名前はな…」

 そう限界オタク丸出しの表情でジェシーが話をしようと口を開こうとするが…

 

 

 

「―――――ホワイトユニコーン、クランバトル絶対王者なんて称号を与えられたが実際は運営が匙を投げた正真正銘のバケモノさ」

 そうアンキーがやってきてアムロについて答えた。

 

「…バケモノって一人のパイロットでしょ?」

 自分のM.A.Vであるシュウジだってシイコ相手にギリギリの戦いをした。アンキーの言い回しだと目の前にいる見た目普通の男がシュウジを超える超エースパイロットだと言っているように聞こえる。

 

「確かに、ホワイトユニコーンは一人のパイロットだ。…だが、たった一人のパイロットがこのクランバトルを大きく引っ掻き回したなんて聞いたら信じるかい?」

「引っ掻き回したって、どう引っ掻き回したのさ?」

 私とアンキーが話しているのを尻目にジェシーが息を荒げて答えてくれる。

 

「まずアムロさんはな、フリーのクランバトルの助っ人をやってたんだ。様々なクランの助っ人パイロットとして勝利に導いたんだ!」

 まさに馬鹿イヌと言わんばかりジェシーが指で銃のジェスチャーをして。

 

「ホワイトユニコーンの代表エピソードの一つと言えばやっぱり開幕撃墜だな!乗ったMSに射撃武器があったら開幕8割は一機落ちるんだ!そのまま1分も掛からずにもう一方も落とすんだ!」

「…マジ?」

 マチュ達ポメラニアンズの遠距離武器は赤いガンダムのハイパーハンマーだけだった。だからクランバトルが開幕して直ぐに落とすなんて出来るわけがなかった。

 

「マジだ。詳しくは実際に動画を見てみればいいんだがマジですごいぞ。…もっとも、一番見てほしいのはアムロさんがクランバトル絶対王者の称号を得た伝説の装備を全部禁止されたった一機で12機の混成M.A.Vチームと戦わされたのに普通に返り討ちにした伝説の試合だ!!」

「暑苦しいって」

 興奮しているジェシー(盛りの付いた馬鹿イヌ)に鬱陶しさを覚えたマチュはジェシーから離れる。

 

「…そう言えばあの赤いガンダム、アンタが隠し持っていた機体じゃあって貧民街のガキどものもっぱらの噂らしいが?」

 そう言いアンキーがちらっとマチュを見る。は?と呆れた顔をするマチュを尻目にアムロもまた困惑していた。

 

「どこでそんな噂が出ているんだ?」

 確かにあのガンダムは本来であれば自分が乗るはずの機体だ…彼女がアイツを生かすために導いたからこの世界の自分はどこで何をしているのだろうな。そうアムロが少し考えていると。

 

「噂も何も貧民街のガキどもは赤いガンダムを見る度にホワイトユニコーンって言うらしいぜ―――実際はどうなんだ?」

 そうアンキーが距離を詰めてくる。アムロの胸に女性ながらに細いが荒事の後が残る指がゆっくりと触れる。

 

「一体何のことかな?」

 そう言い優しくアンキーの指を払いのける。

 

「連れないじゃないか。アンタがあのバトルで永住許可申請や市民権を得られても良かったのに法外な金額を要求した詰まるところ―――それ相応の何かのために必要なんじゃないのかい?この難民街一のジャンク屋フルヤトオルの店長さん?」

「…さぁな」

 そう言いアムロはアンキーをあしらう。

 

「本当に連れない男だね。クランバトル関係者からすればとても気になる情報なんだよサイド6最強のパイロットがこそこそ作っているMSをね」

「・・・・・・」

 そうやってアムロとアンキーが大人の駆け引きをしていると。

 

「えっと…アムロさんだったっけ?」

「ああ、そうだが何だい?」

 マチュがアムロに声をかける。

 

「アムロさんって強いんだよね…一応」

 ジィっとジト目でアムロを見るマチュそれに対してアムロは。

「ああ、自慢じゃ無いが良いMSさえ乗っていればあの赤い彗星だって撃墜させて見せるぐらいには自信がある」

 ハロのすごいジト目がアムロに刺さるのをマチュは知らない。

 

「すごいね…ちなみにさ、強く成りたいからコツみたいなもの教えてくれない?」

 ―――――アンキーが言った。偶には頭空っぽにして動いてみよと。ジェシーが興奮するほどの実力なら参考ぐらいは教えてくれるだろうと思った。

 

「おいおい、そんな恐れ多いことを言うんじゃねぇよ」

「そうだよ。第一アムロさんだって急に言われても答えられな…」

 と周りが言っていると…

 

「―――――○日ぐらいに予定は空いているか?」

 そう聞いてきた。

 

「…え?」

 一瞬きょとんとしたマチュに対してアムロは。

 

「強く成りたいんだろ?だったら実際にMSに乗って動いてみた方が良い。警備会社ドミトリーに伝手があるから実際に乗って教えてやるが…どうする?」

 そうアムロがマチュを真っすぐに見る。それに対してマチュは…

 

「(シュウジに追いつくなら)受けます」

 了承したのだ。最近知った知らない人なのに何処か安心できる気がするのだまるでジークアクスに乗っているときのような安心感を―――




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