この素晴らしい世界たちに魔法陣を!   作:スマラカタ

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お読みいただきありがとうございます。スマラカタです。
今回から物語が動いていきます。楽しんでいただけると幸いです。
それでは、本編スタートです。

※0話相当の序章を消去したのと、元々の第一章を、この話、次の話、三話目と分割いたしました。ご了承ください。そして、現状、1話から最新話まで、今後の作品づくりの参考にさせていただきたく、アンケートを設置しました。お手数ですが、一番下のアンケートにも一つお答いただけると嬉しいです。


第一幕 あぁ、光の勇者と神の踊り子さま。
第一章 この古びた本との出逢いに祝福を!


 それは、雪が積もり、ひんやりとした風が吹きすさぶ今日この頃。

 俺たち四人は、リッチー兼アークウィザードであるウィズに呼ばれ、彼女の経営する魔道具店である『ウィズ魔道具店』にやってきていた。

 

「あ、カズマさん。すみません、ベルディアさん討伐の件で忙しかったかもしれなかったのに……」

「いやいや、今回は別にいいよ。ちょうど、ウィズに色々なスキルとか教えてもらいたかったしさ。……それで話って? 俺たちに関係する話みたいだが……」

 

 俺がそう言うと、彼女は店の奥から古びている上に“ページが抜け落ちている上に、唯一残っていたページも白紙”というかなり妙な本を持ってきた。

 

「え、何そのぼろい本!? どこで手に入れたんだ、そんな本!」

「実は、昨日のことなんですが、魔道具作成のために近くの森まで材料を取りに行った時に見つけましてね。最初は、私も拾うのを躊躇していたのですが、突然この本から『“サトウカズマ”という“人間”のもとに連れて行ってくれ』と言われまして……」

「え、カズマのところにですか? 本当にそう言ったんですか?」

「えぇ、しっかり“サトウカズマ”と言ってましたね。しかも、この近辺で、“サトウ” と名のつく方は、カズマさんぐらいしか思いつかないですし……」

 

 マジかよ! その本が俺を名指しで? ……一体どういう風の吹き回しなんだ!?

 俺がそんなことを考えながらその本を見ていると、同じくそれをじっと見ていたアクアが首を傾げてしばらくすると、突然何かを思い出したのか、ハッとしたような顔で叫んだ。

 

「あら? これ、どこかで見たような……? ……あぁ!! こ、これ、思い出したわ! な、なんで、こんなところに!!」

「ア、アクア! これのこと、何か知ってるのか!?」

「アクア。それは、一体どういうものなんですか? 何かの本であるのは見ればわかるのですが、そんなにヤバい代物なんですか?」

 

 俺とめぐみんがそう言うと、アクアが頭を抱えながらこう言った。

 

「え、えぇ、その通りよ。この本はね、簡単にいえば、『厄災』をずっと封じ込めていたはずの封印の本で、中には、あらゆる世界の力が込められた無数の『魔法陣』が記されているって言われているものなの。でも、その魔法陣のページがほぼないってことは……」

「その『厄災』とやらがすでに復活しているかもってことか?」

「多分だけど、そういうことになるわね……! どうしよう、カズマ! あの厄災、この世界だけじゃなくて、他の世界にも影響を及ぼせるぐらいヤバい奴だから放っておくと、あらゆる世界の存在が無くなっちゃうのよ!」

 

 おいおい、マジか! あらゆる世界が滅ぶって、とんでもなく大変なことじゃないか! それこそ、『この世界で魔王よりの上の大魔王が復活しました』なんてことがまだマシに思えてくるぐらいに!

 俺がそんなことを考えていると、アクアの隣にいたダクネスがこんなことを言いだした。

 

「とりあえず、まずは状況を整理した方が良さそうだ。色々謎が多すぎるからな。その本のことに然り、なぜ本が“カズマ”のことを探し出しているのか……などな。」

 

 確かにそれもそうだ。俺の時代がついに来たのかとも考えてもいいが、俺の直感だと、絶対にそうじゃない気がする。

 きっと、何かしら妙な面倒事を押し付けられるに違いない。

 俺がそんなことを考えつつ、その古びた本の表紙を触っていると、突然その本が輝きだし、床に不思議な魔法陣が描かれ始めた。

 

「……!? な、なんだこの光!」

「眩しっ! な、何が起こって……って、これは転移の魔法陣!?」

「て、転移の!? い、一体どこから……!」

「多分“異世界”からよ! カ、カズマ! これ、なんとかできない!?」

 

 アクアのそんな無茶振りを聞き、俺は彼女に思わずこう言っていた。

 

「できねぇよ!! 女神のお前ができねぇのに、そんな無茶言うんじゃねえよ! 俺はただの人間だぞ!」

「いや、そうなんだけど! そうなんだけどね!」

 

 俺とアクアがそんな漫才みたいなやりとりをしていると、眩しい光が消え、先ほどまで魔法陣があった場所に、“バンダナをつけた金髪の少年”と、“全く同じページがほとんど抜けている本”を手に持っている“三つ編みの魔法使いの少女”がうつぶせの状態でそこに現れていた。

 

「カ、カズマ! 大変です! ひ、人が……!」

 

 めぐみんが慌てた様子でそう言うので、俺はとっさに倒れている二人の呼吸を確認した。

 

「……生きてはいるみたいだな。と、とりあえず、まずは安静なところに移動させよう! ダクネス、ちょっと手伝ってくれ! 俺は金髪の方を運ぶから!」

「あ、あぁ! わかった!」

 

 俺たちは、金髪の少年たちを安静な場所に移動させ、アクア、ダクネス、ウィズが買い出しに出かけている間、彼らが目を覚ますまでしばらく店の中で待つことにした。




今回もお読みいただきありがとうございます。スマラカタです。
ついに物語が始まりましたがいかがでしょうか。今後も投稿してまいりますので、どうか応援してくださると嬉しいです。感想、質問など気軽に送ってくださると嬉しいです。

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